第10話

奇蹟か神の悪戯か、さもなくば俺の死の間際に見る幻想か。

俺は、タイムスリップという今更何処のペーパーブックにも見られないような現象に遭遇、というか体験をしてしまった。

都合良く過去という不特定かつ広範囲的な時間の中から、草原に倒れていたあのピンポイントの刻に。

体も騙し騙し動かしてきたボロボロのそれではなく、五感のあった頃の体に。

共に跳ばされたラピスも若返って―――つまり精神だけ戻って―――同様に。

俺はその時誓う。悪い未来を、変えてみせると。

その時は、それが正しい事だと、信じ込んでいた。

予定通り、ナデシコに乗る。

そこで、ルリやマキビ君、サブロウタも逆行者だと判明する。

大して心配事もなく、歴史通りに出航。それから、昔通った人生を、再び体験していく。

だが、俺には一つの懸念があった。

(……未来のユリカは、あれからどうなったろうか?)

それは初め、大海の中の一円ぐらい、地球上の人類の中の対象者程しか割合が無かった筈だった。

その程度の、重要さ。

やがて、時は変わっていく。

明らかに違うルートへの進軍、前回の歴史に現れなかった強敵の連続した登場、そして昂氣の取得によるパワーアップ。

死ぬはずだった者が生きている代わりなのか、昔いなかった者が現れては死んでいく。

それに苦しみながらも、また立ち上がっていく。

それでも、悩みは尽きる事はなく。

悩みと言うより、それは最早呪いと言っても良かった。

自分に降りかかった事に目を背け続けている、報いだと。

(どうして……俺は過去に戻ったんだ?)

(どうして……俺なんだ……?)

(この世界のユリカは、『俺』と共にいてくれたあの『ユリカ』じゃない……!)

(例え、この世界でユリカ、いやみんなが幸せを手に入れても……)

(俺には……意味は無い……)

(例えそれが……勝手なことと言われようが……)

(俺は……気づいたから……)

そして何時かはばれる。

俺達が未来から来た事が判明し、最終決戦まで目前となったある日。

俺は、イネスさん―――アイちゃんとはやはり呼びにくい―――に世間話を持ちかけた。

それはどうでもいい事から始まったが、やがて話題はこれに移った。

「どうして、お兄ちゃんが逆行したかって?」

「まあ……今更だけど、気になってね。

 何故、俺なのか。寧ろ、ユリカの方が良かったんじゃないかって」

「……それは、どうかしら?」

「え?」

想定外の答えに納得できないような俺に、イネスさんは優しい声で説明する。

「多分その艦長が逆行して来たとしても、同じ事を言うと思うけど?

 どうして……って言いたそうな顔ね」

間違いだというのはありえないと表情で表されている、確信的な問い。それに圧されたように、俺は思わず頷いていた。

俺はまだ、自分がユリカに愛されていたかどうか、自信が無いからだったと思う。

いつも俺を王子様だと言っていた印象が強すぎて、『俺』を好きだと言っている姿を殆ど見た事が無いから、そんな事を思ったのかもしれない。

「そう思う理由も想像つくけど―――お兄ちゃん単純だから―――答えてあげるわ。

 大体、お兄ちゃんの生活って、朝から晩まで屋台を引いての貧乏生活だったでしょ?」

「び、貧乏……」

解ってはいたが、改めて正面きって言われるとやはり凹む。

「だからこそ、よ」

「???」

「その生活は王子様とは程遠いわよ?ま、その艦長がお兄ちゃんをどういう意味で王子様と呼んでいたかは解らないけれど。

 少なくとも生半可な気持ちじゃないわ。だから、艦長がお兄ちゃんの代わりに逆行したとしても、未来のお兄ちゃんが心配って言うと思うわ」

「そうかな……」

「そうよ。そんなものよ」

先程まで部屋を歩き回っていたイネスさんは、足を組んで椅子に座る。

「さて、どうして逆行したか、ね……。

 とりあえず有力な説は、爆発の際、艦の……ユーチャリスだったかしら?そのジャンプフィールドに関するものが暴走して、事故的な事が起こったから」

「だから、体は跳ばず、精神だけが……?」

それは、自分で言うのもなんだが、少し変な気がする。体が跳ばされていても、おかしくないとは思うのだが。

科学的な事は解らないが、たかだか暴走というファクターが加わっただけで、こうもまで違いが起こる物か……?

「そう。ただ……」

「ただ?」

イネスさんの話に続きがあると解った俺は、神妙な態度で話を聞く。

「そう思っていたんだけど……ちょっと昔の論文で、興味深い物を見つけたのよ。

 それが、もしかしたらと思って、ちょっと心が揺らいでるわ……」

「どんな物なの?」

「……聞く?」

「聞く。というより、気になる。そんな風に言われたら」

思わず、口が独りでに開き、返答していた。それは俺の本音だったかもしれないし、そうでないかもしれなかった。

どちらにせよ、此処まで来れば気にはなる。イネスさんはそう、と呟き、そして長い説明が始まった。

何故か、今回に限り俺は長い説明も苦にならなかった。

「お兄ちゃんは、シュレディンガーの猫って知ってる?」

「……ごめん、知らない」

正直に申し訳なさ100%を込めて言うと、イネスさんは肩をすくめた。

高校まで、お世辞にも俺は頭が良くなかったしね……

「それじゃ、大まかに説明するわね。

 まず、箱の中に猫一匹と、タイマー付きの毒ガス発生装置を入れるの。そのタイマーは、何時作動するか解らない。それとそのガスは、発生した途端猫が即死する物。

 さて質問。箱の中の猫は、生きてるか、生きてはいないか?」

そんな簡単な事、言うまでも無いと思う。何でそんな事を聞くんだろう?

「箱を開ければ、解るんじゃないか?」

「開けちゃ駄目なのよ。閉じたままで、至って普通の人間が、道具を使わないで判別する方法を聞いているの」

「そんなの……解らないじゃないか」

降参だと両手を上げ、何を当たり前な事を、と言うと、イネスさんは意外にも正解、と微笑んだ。

「そう、解らないの。箱を開けるまではね。

 例えば、今の時間は何時何分?」

「……20時35分」

「35分ね。その時に猫を箱に入れたとするわ。10分経過して、箱を開ける。

 開けたら、結果は猫の死骸が転がっていた。

 じゃあ、何時猫が死んだかわかる?」

「その10分間の間だと思うけど……何が言いたいかが解らない」

「落ち着いて。確かに、その間で何時死んだかは解らないわ。

 本来、猫は生きてるか死んでるか、百かゼロか、二者択一しかない。45分の時に、貴方は猫が死んでいるのを見た。ところがその間は生きてるか死んでるかは解らない。

 つまり、猫が生きてる状態と死んでる状態の二つが同居していたの。信じられないかもしれないけど。

 そして、箱を開けない限り、結果は解らない。例え1%の確率でさえも。

 よって、貴方が箱の中を見たことによって、猫が死んでいると言う結果を創ったの。貴方が箱の中を見ることで、それを決定した。

 いわば、観測者が過去を決定するの」

「………」

「本来は、シュレディンガーのパラドクスって言って、こんな事はありえないって言ってる理論なんだけど、いつの間にかこっちが有名になっちゃったの。

 今回は、最後に言った言葉以外は気にしないで」

……気にするか気にしないかと言う以前に、はっきり言って、何が言いたいのかも、これから何が始まるのかも、予想も出来なかった。

話は俺の混乱を他所に、淡々と続いていく。

「それを踏まえて、話を戻すわね」

「戻すって……どこまで?」

「逆行の話よ。さっきの猫の話は、これからの話の枕よ」

「お兄ちゃん……キュレイシンドロームって知ってる?」

「……知らない」

いったい何の話だ?いつの間に、授業を受けている気分だ。

逆行と、本当に関係があるのだろうか?

「逆行と関係あるのか?って顔してる。まあ、話は最後まで聞いて、それから話を判断してちょうだい。

 それじゃあ順を追って説明するわね。その前に……」

「その前に?」

やけに前フリが長いなあ……イネスさんの説明が長いのは、今に始まった事じゃないけど。

「覚えておいて。

 『真実かどうかよりも、信じられる事の方が大切な事もある』って事を」

「……うん、解った」

「キュレイシンドローム。この言葉が最初に使われ始めたのは、今から約180年前。

 『マイケル・キャビン』と言うアメリカの精神科医が発見した、精神疾患の、ある特殊な症状の事。

 キャビン博士は、当時自分の勤めていた病院に入院していた『トム・フェイブリン』と言う少年のカウンセリングに携わっていた。

 トム少年はその時まだ12歳で、診断の結果、パラノイアである事が判明したわ」

「……パラノイア?」

「妄想症の事よ。最初にその症状が現れたのは、10歳の頃。

 とても成績優秀で性格も良く、みんなに慕われるような子供だった彼は、10歳の夏、突然何の前触れも無く、訳の解らない事を口にし始めるようになった。

『ボクの中に『死』は無い』

『だからボクは『死』なない』

『ボクは死なないし死ねない』

『……………………永遠に…………』

「………」

死が無いだって?そんな馬鹿な。

生き物は生きている限り、必ず死の定めが待っている筈……

『死なないボクに触れた者もまた、死なない』

『不死は伝染し、やがて世界から死は消える』

『誰も死なないし……死ねなくなるのだ……』

『………………永遠に…………』

「………………」

「お兄ちゃんは、ファンタスティック・シュードロジーって知ってる……訳無いわね。知ってる方が異常だもの」

「う」

 まさにその通り。返せるほど知識が無いのが、今の俺の現状だ。所詮過去の記憶があるとはいえ、イネスさんの様な科学的知識があるわけでも、ウリバタケさんの様な技術知識がある訳でもない。

 自分が万能なんてのを思った事は無いはずだが、気のせいか何度も釘を刺されているみたいだ。

「日本語にすると、『空想虚言』の事なのよ。要するに、『嘘をついていた本人が、その嘘を本当の出来事であるかのように思い込んでしまう事』なの。

 トム少年も、これと同じように……」

「つまり、その少年は、初めは嘘をついているって事を解っていた。しかし、そんな事を言い続けるうちに、自分でもそう信じ込むようになったって事か」

何となく、それは解った。ようやく理解できる範囲があって嬉しいと思っていたら、返答は予想の30°斜めを通り過ぎてしまった。

つまり、予想外だったと言う事だ。

「うん、そう……最初は、そう思われていた……」

「いた?」

何だか、話が不穏な匂いを発生させてくる。

「周りの人々も、精神科の医師たちも、初めはそう予測を立てていたわ。

 だけど……やがて、それが単なる『空想虚言』じゃ無い事が解ったの」

「?」

「最初にそう言い出したのはキャビン博士。博士はカウンセリングを進めるうちに、少年が妄想を抱き始めるようになった『本当のきっかけ』を突き止めたの。

 結論から言ってしまうと、そのきっかけは、『実際に少年が、妹の命を助けた事』、そこにあったの。

 少年が10歳の時の夏、キャンプに出かけた湖で、3つ下の妹が溺れてしまった。少年は湖に飛び込んで、もちろん妹を岸まで運んだ。

 けれど妹に息は無く、脈拍も無かった。つまり、瀕死の状態ね」

「けど、そこから妹は助かった?だとすると、少年の言った事は本当だった?

 少年が触れたから、妹は助かった?」

「それは違うわ。その時少年はただ、以前テレビで見た応急処置を見よう見まねで繰り返しただけ。

 人工呼吸……心臓マッサージ……結果的に、それが功を奏して一命を取り留めただけのこと。

 少年が不死身の体を持っているとか、ましてや妹に不死が伝染したとか、それはありえない。

 ただ、そうは思わない人も中にはいたの」

「……つまり?」

俺はずっと相槌だけしか言ってないような気がするが、それしか言えない話の領域だった。

「少年の両親と、助けられた妹。彼等は、本当に奇蹟が起こったと信じ込んでしまったの。

『トムは死んだ人間を生き返らせる事が出来るんだ!』

『お兄ちゃんには奇蹟を起こす不思議な力があるのよ!』

 来る日も来る日も、彼等は少年に向かってずっと、そう言い続けていたの。心からの称賛と、畏敬の念を込めてね」

「それが、きっかけか……。

 確かに、周りから『お前は馬鹿だ』って言われ続ければ、自分も『自分は馬鹿か』って思うようになるって話を、聞いた事がある。

 少年の場合は、『不思議な力』か……。信頼していた家族からずっとそう言われて、奇妙な妄想を抱くようになった……そういう事か」

「ええ……勿論、内的な要因が全く無かった訳でも無いでしょうけどね……」

「??」

まだ、何かあるのか?

「10歳とかその辺りの年齢って、『死』と言うものの意味をようやく理解するような年頃なの。

 『死』に対してとても敏感で、過剰な恐怖や絶望感を抱いたりする年頃なの。

 要するに、少年の心の中には、もともと『死』に対する恐怖のような物があって……。そこに、例の湖の事件と、家族の言葉が加わったから。

 だから彼は、『自分は死なない』とか『不死を伝染す事が出来る』とか、そう信じるようになってしまった」

そう言われても、自分の少年時代は既に遥か遠くの時間の彼方の闇に消え去ってしまっているから、そうだったかな、と言う感じしかしない。

死と言う形の無い物を怖れ、何故人は死ぬかなんて考える事は、今でさえある事だから。

「少年自身は、この『不死を伝染させる行為』を『キュア』と呼んでいた。

 『CURE』……つまり『癒し』とか『救済』とか、そういう意味。

 そこでキャビン博士は、このパラノイアの特殊な類型の事を『キュレイシンドローム』と名づけた。キュレイのスペルは『CURE』……キュアのフランス語読み」

その時、俺はどうでもいい事だろう事を思考してしまった。どうして、わざわざフランス語読みなんだろうか?

何か意図があるのか?それとも、名づける際に政治的な何かがあったのか?

まあ、名前にはさしたる問題は無いのだろう、後で気になれば聞こう、その程度の感覚だった。

「とにかく、キュレイシンドロームとは、周りの人がついた嘘を、本人が疑いも無く信じ込んでしまうような事を指して言うの。

 この時大事な事は、『最初に嘘をついた人も、それを嘘だとは思っていない』と言う事。

 妄想を抱くようになった本人も、最初に嘘をついた者も、それこそが『真実だ』『本当の事だ』と。心の底から本気で思い込んでいる。

 ある意味『妄想が伝播した』と言ってもいいかもしれない。

 この2つが、キュレイシンドロームの主な特徴なのよ」

そこまで話を聞いて、イネスさんは休憩にしましょう、と言って一旦席を離れる。

壁際にあるコーヒーメーカーで二人分のコーヒーを用意する白衣の背中を視界に捉えながら、俺はため息を大きくついた。

頭が手編みのセーターを作る時に糸がこんがらがるように混乱して、何処から理解すればいいのかを考える術をもたない。

ただ、何かが心には引っかかっていた。

心に引っかかってばかりで、答えまで行き着かないんだよな、と自嘲しつつ、戻ってきたイネスさんからコーヒーを受け取って、口に含む。

適度な熱さが、喉を通して全身に染み渡る。その暖かさにほう、とさっきとは違う息をつき、引っ掛かりを解き明かすべく思考の海に潜り始めた。

俺が逆行した直接の問題は、俺が『ユーチャリスでの出来事に巻き込まれた』からだ。

そうやって、俺の精神は過去の体に入り込み、過去にタイムスリップしたと考えていた。

此処で、実は今まで考えもしなかったのだが、一つの仮説が俺の中に生まれた。

5年前からの行動、そして逆行の1サイクルが、本当は今回だけの事に限らないのではないか?

極論を言うと、俺が巻き込まれている現象は。

『無限ループ』

改めて考えてみると、その推測もあながち間違いではないかもしれない。自分の考える事だから、とはいえ。

俺は、あの草原から、ユーチャリス跳躍までの約5年間を、何度も何度も無限に繰り返してきたのかもしれない。

 だからこそ、10年以上も会っていなかったユリカの事を写真がきっかけとはいえ簡単に思い出し、戦いなんかやった事の無い俺が幾らIFS経験があるからと言っても、ある意味激戦区である前線のナデシコで生き残れた。

全て、経験してきた事だったから。その一部を、頭の片隅で覚えていたから。

けれど、それはあくまでも『頭の片隅』でしかない。つまり、前回の俺の記憶は『殆ど意味の無い物だった』と言う事だった。

―――なら、どうして今の俺には、こんなにも『完全な記憶』が?

大体、『記憶』って、何なんだ?『記憶』ってのは、脳に刻まれる物なんじゃないのか?

そうすると『今の俺の脳』は、『逆行する直前の脳』と同じ物、と言う事になる。そうじゃなければ、前の五年間の記憶なんか覚えているはずが無い。

と言う事は、俺やルリちゃん達の脳は、ビューッと時空を超えて、それぞれの頭の中にスポッと……。

………………と、余りの馬鹿さ加減に自分で呆れてしまった。

(もっと真面目に考えろよな……ギャグにしたって、程度が低すぎる……)

思考を巻き戻し、考えるものの……それから先は、同じ疑問の繰り返しだった。

解決の糸口さえ見つけられそうも無かった。

それに、どうすれば無限ループを抜け出せるかも、解らない。

今回の歴史は確かに変わったが、だからと言ってソロモンの星から抜け出せるとは誰にも解らないのだ。

「お兄ちゃん?」

と、考えすぎの頭が、前にいて忘れたままのイネスさんの声で元に戻る。

いかんいかん、ついすっかり忘れていた。

「何か、また疑問?眉間に皺が寄ってたけど」

「あ、いや、疑問なのかな……これは……」

「?」

訝るイネスさんに、俺は記憶や無限ループの事を話す。すると、イネスさんは得心した表情で、再び語りを始めた。

「その疑問は、ちょうど次からする話に関係あると思うわ。信じるかどうかは、さっきも言った通りお兄ちゃんの自由だけど。

 キュレイシンドロームには、さっき言った2つの特徴以外にも、実はもう一つ、とても重要な『第3の特徴』があるの。

 さっき言った『妄想が伝播する』って言う現象は、そんなに珍しい事じゃない。キャビン博士が提示するまでも無く、その症状は既に別の類型として示されているって事」

「イネスさん……ごめん、もうちょっと解りやすく説明してくれる?」

「う〜ん……要するに、『誰かの抱いた妄想が、別の人へと移っていく』事。そういう精神疾患は、既に『感応精神病』と言う名前で呼ばれていて、特に真新しい訳でも珍しい訳でもないって事」

「……という事は、わざわざ新しい名前をつけたって事は、『感応精神病』とかいうのとは、明らかに違う何かを見つけたから?」

「そうよ」

「で、その『第3の特徴』って謂うのは?」

質問した直後、イネスさんの顔色が明らかに変わった。言うべきか言わざるべきか、迷いのそれに。

躊躇いながら、白衣のすそを摘んでは離し、髪の毛をいじっては離しを繰り返しだした。

「…………」

「…………?」

「多分、信じて貰えないと思うけど……」

「そんなに、やばい事?とりあえず、教えてよ」

俺がそう言っても、彼女はまだ口を開く様子は無かった。部屋を何度も歩き回り、世話しなく椅子に座ったり立ち上がったり。

実際に経った時間は一分ほどのはずだが、まるで一時間にも感じられるほど苦しい空気の中、ようやくイネスさんは重い口を開いた。

「……そう……、一言で言うと……。

 ………………異常………」

「えっ?」

「もしも『第3の特徴』が正しいとすれば、この世界のあり方が、根底から覆される事になるかもしれない……」

「………………」

「『第3の特徴』、それはさっき言ったシュレディンガーの猫と関係があるの」

「関係、あるの?」

「ええ。シュレディンガーの猫の事で、『過去を決めた』って事が関係あるのよ。観察者の意思が、過去の事実を決めるの」

「観察者の、意思???」

「そう、この場合の意思は、ある行為を発生させる為の単純な『動機』の事。『猫の生死を確かめたい』から『蓋を開きたい』、そう『思う事』……それ自体を指しているの。

 けどそれだけじゃなくて、観察者の願望が、過去の事実を変えてしまう事もある。そういう現象が、実際に論文として発表されてるわ。論文を書いた人の名前は、

 ――――マイケル・キャビン」

それは……トムとか言う少年の治療をしていた医者の名前の筈だ……!

「じゃあ、キュレイシンドロームの第3の特徴って……!」

と俺が続けようとした刹那、イネスさんは確固たる意志を含む声で、俺の先急ぎしようとした結論への問いを後回しにした。

「待って。その事は、後で話すから……混乱しないように、順を追って話すわ」

「キャビン博士はカウンセリングを進めるうちに、ある驚異的な現象を体験したの。常識では考えられない、異常な現象を……。

 当時、キャビン博士が勤めていた病院の外科病棟に、ある一人の末期ガン患者が入院していたの。ジュリアって言うまだ12歳になったばかりの女の子。

 彼女のガンは既に体内の各所に転移して、最早手の施しようが無い状態だったの。

 けれど、ある日突然その異変が起こったの。体内に転移していた筈の悪性腫瘍が忽然と、跡形も無く消え失せてしまったの。

 レントゲンを撮ってもCTスキャンにかけても、そこにあったと言う痕跡さえ見当たらなかった。つまり、ジュリアの病気は、完全に治ってしまったという事」

「………………」

「担当の医師達は、そんな奇蹟の様な出来事に困惑しながらも、『自分達の選択した治療法が功を奏したのだろう』……そう思って喜んでいた。

 でも、話はそれだけじゃ終わらなかった。どういう訳か、その日を境にして、入院患者の病気が次から次へと治っていったのよ。

 ガンだけに限らず……心臓病、脳梗塞、肝硬変、腎不全、糖尿病、感染症、動脈瘤、胃潰瘍から肺炎に至るまで、ありとあらゆる病気が突然、何の前触れも無く、完治してしまったの。

 奇蹟は、まるで何かのウイルスに感染するかの様に、あっと言う間に広まっていった」

「………………………」

「お兄ちゃん……此処まで言えば、解る?どうしてこんな奇蹟が起こったのか……」

「まさか……」

『不死が伝染』したから、とは口に出す事は無かった。出そうとしても、喉が錆びたように渇いていた。

ただ表情に出ていたらしく、イネスさんは頷いた。

「そういう事。

 発端となったジュリアと少年は、昔からの知り合いだったの。簡単に言えば、幼馴染。

 少年は、入院中に何度も何度もジュリアの病室を訪ねていたの」

『彼女の病気を治したい』

『そして自分には、それを可能にする不思議な能力がある』

「そう信じていたトム少年は、ある日ジュリアの額にそっと手を触れた。

 全てはそこから始まったの。

 キャビン博士はその事に気づき、仲間の医師達に相談した。だけどそんなオカルト話、医師達は相手にする筈が無かった」

私も信じられないけど、と一息つき、話を続ける。

「結局キャビン博士は一人で『不死が伝染』するという現象―――CUREの原因を究明する事にした。

 やがて数ヶ月が経ち、キャビン博士は一つの仮説に辿り着いた」

『妄想が人から人へと伝播する症状を、ある種の感応精神病として定義するならば、その精神疾患における妄想内容とは、一つの生物に例える事が出来る。

 一人の人間の中に突然変異によって生み出されたこの生物は、それが存在する事の妥当性と、存在して欲しいと願う人々の意思を糧として、次から次へと人々の意識の中に繁殖していく物なのかもしれない。

 従って、この生物が生まれた時の時代背景に相応しい妥当性と、人々の願望……この二つが兄弟であればある程、その生命力もまた激しさを増していくのである。

 ところで、この生物が繁殖する過程において、最大の天敵となるものは常識である。

 常識を淘汰するだけの生命力を持ちえた時、初めてこの生物は新たな現実として姿を現す。

 あるいは、世界各地に伝わる宗教的奇蹟も、この生物の胎動として見る事が出来るのでは無かろうか?

 人々の意識(妥当性による信頼感と強い願望)が、この生物を現実のものとして生み出した。

 強固な思念(妄想)は、新たな現実を創造する事が出来るのかもしれない』

「……という事よ。

 ある人が嘘をつく。その嘘には『人々に信じたいと思わせる』だけの魅力があった。更にその嘘は確かな証拠があった。

 私達の例なら、ナデシコがジャンプで時空を超えたという証拠が。

 だから、嘘をつかれた人はそれが真実だと信じ込んだ。つまり、その人にとって嘘が嘘じゃなくなるという事。

 トム少年は『不死を伝染させる事』……それが最初の嘘にして妄想だった。

 患者達は信じ、自ら奇蹟を起こした。本当に不死身かは解らないけど、『病気が完治した』という事実はそこにある。

 そして博士は考えた。『古今東西の宗教的儀式はこれと同じような現象なのかもしれない』。

 だから、キュレイシンドロームと言う名。キュレイは、フランス語の『聖職者』とか『司祭』とか言う意味。

 ―――もう解ったわね?第3の特徴とは、妄想が真実になる事。強固な思念が新たな現実を生み出す事」

長々と話しきって、イネスさんは幾らやったか解らない、大きく息を吸い込んで吐き出す仕草。

俺も一言言って一旦椅子から立ち上がり、固まった脚と背を伸ばしてほぐす。

『観察者の意思が過去の事実を決める』

『強固な思念が、新たな現実を生み出す』

確かに、共通点がある。いずれも、誰かの頭の中の想像が、既に決まっている筈の現実を変えたのだ。

さて……これからがとどめになると思う。これらと俺の逆行には、どんな関係があるのか?

長い話を聞いて少し頭がぼうっとする気がするが、敢えて気合を入れて最後の話を聞く。

「もう大体言いたいことは終わったから、結論に差し掛かるわね。

 お兄ちゃんは、何時からか―――多分ボロボロにされてからだと思うけど―――意識的にせよ無意識的にせよ、頭の片隅、本当にほんの僅かな場所で、ある種の妄想を抱き始めるようになった」

『過去に戻りたい。過去に戻って嫌な歴史を変えてしまいたい。そして自分には、それを可能にする不思議な能力がある』

「その強い思念が、お兄ちゃんの中にあった『現実』を、歪めたのよ」

「だから、俺は、過去に戻ったのか……。

 あれ?それじゃ、記憶の事はどうなるのさ?今までそんな記憶は持ってなかったのに、今ではしっかりと持っている……」

「それは、私も考えた。記憶は脳に蓄積される物。だとすると、お兄ちゃんの脳は、逆行する直前のそれと同じ物という事になる。

 けれど、この時間の中にはお兄ちゃんは一人しかいない。つまり、精神だけさかのぼった事になるんだけど……

 これも私の予想で―――ごめんね予想ばっかりで、この分野は研究データが足りないから情報があるだけでも奇蹟なの―――今までの話からすると……

 答えは、その記憶が何処からやって来た訳でもない。お兄ちゃんの脳は、そのユーチャリス爆発直前の時間に、留まったままなの。

 つまり、お兄ちゃんは……逆行なんか、していなかったの!!」

「い、今更そんな事をっ!?」

思わず椅子から跳ね上がり、俺はイネスさんを見下ろす。前提をぶち壊す発言に、俺の心臓は早鐘をフルオートで撃ちっ放しだ。

「お兄ちゃん、ひょっとしたらこの現実は……誰かの妄想の中の出来事かもしれないわ」

「妄想の、中?」

「お兄ちゃんの見ている私達全ては、お兄ちゃんの妄想が生み出した。

 ―――そう!今お兄ちゃんの目の前にある現実は、お兄ちゃんの妄想の中の出来事に過ぎないと言う事!そして今なお、お兄ちゃんは新たな『現実』を創り出しているのよ!」

「俺は……」

 脚が震え、力が入らない。両手は落ち着き無く開いたり閉じたりを繰り返す。口内は砂漠のように乾き、錆び付いて固まった自動ドアより動かない。首筋の後ろもちりちりした痺れのような寒気に襲われていた。

「………………」

俺は……ただの道化か…………。自分の中に引きこもって、過去を変えたっていい気になって、喜んで調子に乗って……下らないな……本当に……

「……お兄ちゃん?」

「……あ、ああ……大丈夫……」

「もしかして……ショック、受けた?」

「結構、ね」

言葉ではそう言ったが、もやもやとしたむかつきと言いようの知れない悲しみがレーシングカーの如くグルグルと全身を終わりの見えないまま競争していた。

 真実は何処にあるかなんて科学が発達した今でさえもはっきりしないが、見たものが全て真実ではないと言われれば、ましてやそれが幸せな物であるほど、普通の人間なら認めたくは無いだろう。

俺も認めたくは無い。けれど、話はまだ続く匂いを見せていた。

最後まで聞かないと解らない事があるだろうと判断し、続きを促した。

「お兄ちゃんは、火星の後継者によって体がボロボロに、特に料理人としての未来を失わされ……でも心の奥底でその事実を受け入れる事が出来なかった。それで『より良い過去、歴史』を創造する事にしたんだと思う。

 最初は5年間に経験した一切の記憶を頭の中から完全に抹消して別の歴史を創ろうとした。けれどそれはうまくは行かなかった。

 何故ならあらゆる記憶が存在しないから、妄想の中の現実でもお兄ちゃんは同じ行動を繰り返すだけだった。

 幾らやってもうまく行かないお兄ちゃんは、とうとうこう考えた。『全ての記憶を引き受けよう』と。

 でも、これが『捻じ曲げられた過去である』という事実だけは隠蔽する事にした。

 妄想って、それを抱く人の中では、しっかりとした整合性を持って存在する物なの。

 だから、説得力と整合性を与える為に、『自分が妄想している』という事実だけは、絶対に覚えているわけにはいかなかった。

 だから、今こうやって『無限ループ』という架空の物語をお兄ちゃんは創作する事にしたの。真実か否かに関わらず。

 『妄想などでは決してなかった』と自分自身に信じ込ませる為に。

 そして、重要な事の一つに、お兄ちゃんが『よりよい過去、歴史』を創り上げた瞬間に、本当の現実世界に戻るのだと思う。

 それが出来た瞬間に無限ループは、現実の出来事として成立するの」

「じゃあ、俺の見ている物は、やはり全て偽物……」

「お兄ちゃん。現実は、そもそも主観的にしか判断できない物よ?それに、真実は心の中にあるのか、それとも脳の作り出す幻影か、それもはっきりしないもの。

 お兄ちゃんの意識が消滅すれば、お兄ちゃんの見ている世界も終わりを告げるし、私の意識が滅びれば、私の見る世界は消えてなくなってしまう。

 同じ物を見ても、感じ方や捉え方が違うの。各々の世界でね。

 それぞれの見ている世界って言うのは、そういう物」

「…………」

「……………」

「……………………」

「…………………………」

重苦しい沈黙。音はぴたりと止んでいた。

もう何が何だか解らない。いや、解っている。理解しているんだ。

ただそれを、脳の片隅が拒否している。認めたくないだけなんだ。

――――妄想。

――――空想。

――――幻想。

「―――じゃあ……俺の存在はどうなるんだ?その例で行くと俺という人間は、ルリちゃんやラピスの妄想の中の存在に過ぎないのか?」

言っているうちに、衝動が止められない。段々俺の精神、いやそれ以上の何かが、興奮してマグマのように口から言葉と言う溶岩の形を通じて湧き上がって来る。

この心の動きでさえも、妄想によって創りだされた紛い物だとは、とても納得できなかった。

「俺はちゃんとしたひとつの人格を持った一人の人間だ!彼女等の意識が創り出した架空の人物じゃない!それに、彼女等も架空の存在じゃない!」

「大丈夫、解ってるから落ち着いて、お兄ちゃん!たとえ『真実』がどうだろうと、私は最初に言ったはずよ。

 『大事なのは、真実かどうかよりも、信じられるかどうかが大切だって』。お兄ちゃんは、自分が信じる事ができる事を信じて……」

……ああ……だから初めにそう言っていたのか。

けれど……話を全て聞いてしまった今となっては、何も解らない。

何が真実で、何が虚構なのか。無意識の意図は罪か?真実は何処に存在する!?

混乱しきってナマケモノ未満でしか働かない今の頭では、判断する術はなかった……。

それでも、戦いの日は来るし、終わりの日もまた来る。

世界が、まるでコンピュータを荒らし、書き換えたウイルスを電脳世界から排除する様に、最後の戦いの後、すぐに何処からとも無く現れた遺跡によって、

俺は、

無理矢理、

何処へとも無く跳ばされた――――

「……お願い……起きて……起きてよ…………

 ……アキトがいなきゃ……嫌だよ……ダメだよ…………

 ……私……生きていけないよ……ずっとそばに……いて欲しいの…………

 ……死なないでよぉ……ねえ、起きて……起きてってばぁ…………」

(…………………ユリカ……?)

目を、薄く開いた。

白い天井から、光が降っていた。

見慣れた、しかし渇望して止まなかった瞳が見えた。

無数のしずくが、顔に舞い降りていた。

「―――あ、アキト!」

「…………」

「大丈夫!?しっかりして!?あ、喋っちゃダメ!動いてもダメ!大怪我してるから!」

「………………」

ユリカ…………。

そう口にしたかった。一言でも話して、安心させたかった。

起き抜けで回らない頭で、理解していた。目の前にいるのは、ずっと追い求めていた、あの彼女なのだと。

過去の同じ顔、同じ姿、同じ声のあの者ではないと。

彼女の注意を聞こえないふりをして、もがこうとする。

しかし、口は微塵も動かず、舌は刹那も力が入らなく振れない。

細い視界で、口に酸素注入マスクがつけられているのを認識した。

もどかしい。こんなものをむしりとって放り投げ、その手で目の前の彼女を力の限り抱きしめたかった。

けど、今の俺にはそれすらも叶わないほど無力だった。

文字通りの、無力。手が出せないと言う意味ではなく、力という燃料の形があるとすれば本当にカラになった状態。

天に向かい、震えながらも手を伸ばそうとするだけ。それが精一杯。

ユリカは俺のしたい事を察したか、俺の酸素マスクを壊れ物を扱うようにそっと取り除き、続いて未だ涙の止まりそうに無い顔を口元に近づける。

手が頬に触れる。

殆ど無い感覚だが、それでも彼女が何故か本当に変わっていないように感じた。

彼女の本質は、いつものミスマルユリカのまま。それを、嬉しく思う。

「どうして……俺……こんなとこ……に…………?」

言いながら今度は立ち上がろうとするが、やはり体は使用者の意図に反して動かない。

呼吸をするたびに、口からヒュヒューと蚊の様な泣き声ばかりしかしなかった。

残りの感覚も、今のぽんこつの体に同居している、新しいそれ。

「だから……動いちゃダメ……!

 アキトが……死にそうなのが……見えたから…………!

 ……爆発に……巻き込まれて…………!

 ……アカツキさんに……頼んで……見えた場所を教えて……助けてもらって…………!!」

ユリカに簡単に押さえられながら、ようやく状況が少し見えて来た。

(つまり、此処はネルガル占有の病院か……。

 しかし、ユリカは遺跡融合の後遺症検査の為に此処にずっといた筈だから、俺のいる場所なんて知らなかった筈だ。ましてや、場所が『見えた』って言うのは、どういう事だ?

 ……いや……今は、ユリカが目の前にいるだけで、それでいい……)

俺はそのままベッドに身を任せる。そして、イネスさんの言葉を思い出していた。

『お兄ちゃんが『よりよい過去、歴史』を創り上げた瞬間に、本当の現実世界に戻るのだと思う。それが出来た瞬間に無限ループは、現実の出来事として成立するの』

体が動かない代わりに力を振り絞り、首を傾ける。

ユリカの隣で、ラピスが僅かに生気の灯った瞳で、俺を見つめている。

「…………ユリカ……。

 ………………俺が……」

「えっ?」

「…………悪かった……ごめん……」

やっとの事で、口からこぼれ出た懺悔。彼女を置いて、何処かへ行ってしまおうとした事に対して。

言葉を続ければ続けるほど、胸をプレス機で締め付けるようないとおしい感情が込み上げて無限増殖する。

二度と離したくない。

抱きしめた時に肌に伝わる熱も、髪を指で梳く時の絹を撫でるような柔らかさも、コロコロと変わる無邪気なその表情も、この身全てで解る何もかもを、

この体で認識できる事は最早無いにしても、俺が生きている限り、誰にも渡したくはないし、何処にも行かせはしない。

それは、新たな誓い。

深い洞窟で何度も遠回りをし、記憶の迷宮で迷いに迷って、賢者に導かれた先にある、ほんの小さな、だけど揺るがぬ誓い。

俺は感覚の失せた両手を天に掲げ、彼女の胴の後ろで返してゆっくりと回す。力を入れれば振り解けるはずのその腕を、しかし彼女はなすがままにしてくれた。

そのまま、視界距離だけを頼りに引き寄せる。

ほのかに色づく顔も、透き通った宝石のような瞳も、全てが目前にあった。

もう幻でも、まやかしでも、妄想でもご都合主義でも何でもいい。

今、目の前にある事実こそが、俺の認識している真実だ か  ら    ……

「――――アキト?」


 鋼と工の名を冠する人の文体を真似てみようと無謀かつ愚か者で痴れ者な事をやってみるのがこれほど難しいとはやはり予想していましたが電波が最大の障害ですねあれは理解できないしかも裏に意味のある電波なんてねえあのシュールなコメッチョの裏にあんな意味があるなんてところでゲームであの手法は流石に受けないんじゃないかと私は気に入りましたがね

……と、少し毒を吐いた所で(鋼の人は嫌いじゃないです)あとがきです。

てな訳で某所からの一部(と言うにはかなりですが)抜粋によるイネスさんの説明劇場で一話が終わってしまいました。

多分今までの中で一番面白くないと思います。特に知っている人にとっては何を今更ってネタですから。

 ちなみにさり気に逆行否定みたいな文章になってますが、別に逆行否定に宗旨替えしたわけではないので、ましてや時ナデを否定しているわけではないのでウイルス(カミソリ、スパム、ゆばむ、まずいパン等)メールは送らないようにして下さい。

ただ、こういう可能性もあるかな、と某所の文章を見て連想しただけですので。

いや、マジで怒らないでね。呆れるぐらいなら一向に構いませんが。

>シュレディンガーのパラドクス

聞いたことのうろ覚えなので、間違っている確率が高いです(一応確認しましたが)。

支倉千代丸ってあのキャラ限定ではかなりうまい部類に入るんじゃないでしょうか?

PS 伊東○郎のベンジャミンとかラビット○根のカマキリ男と言うネタが某CDで出てきたので調べてみましたが、全く想像がつかないデス。

   いったいどのような物なのだ……?

PS2 太陽に○○ろのゴリさんはごり押しのごりだそうですね。初めて知りました。

    ……って古いネタばっかりかよ。

 

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代理人の感想

・・・・あれ?

前の話と繋がってないような。

完全な挿話なのはわかりますが、それならそれで続け方があるんじゃないかと思います。

ベタなところでは夢を見せるとかなんとか。