「目標機動兵器ノぱいろっとノ生命反応急激二低下!」
「まずいわね……、よし!介入しましょう!……あんまり使いたくないんだけど……、D1Cで出るわ……。サポ−ト、よろしく。」
「嫌ナラ使ワナキャイイダロ?」
「……嫌な事をやらずに済むならこの世は天国よね……。」
「マア、ソウカモネ。 」
機動戦艦ナデシコ
嵐を呼ぶ乙女達
第一話 マッドサイエンティストは電子レンジの夢を見るか?
それは、突然の変調だった。
火星の後継者残党の小艦隊との戦闘の為出撃していたアキトは、急激に不安定になる自身の心臓の鼓動に背筋が凍りつくような気分を感じた気がした。もう、そんな感覚など残っては居ないと言うのに。
(限界、なのか?)
もう、大して自分の体はもたないと解ってはいた。だが、よりによってこんな最悪のタイミングで!
(まだだ、まだ死ぬわけには……、ラピスを、ラピスを安全な場所まで……)
必死にユ−チャリスに戻ろうとするアキトであったが、動きが鈍くなった所をかさにかかって攻め立ててくるステルンク−ゲル部隊に阻まれ、急速に彼の意識は混濁していった……。
「アキト!!」
ユーチャリスから支援を行っていたラピスもアキトの異常に気付き、アキトを救い出そうとバッタを放出しつつ突撃する。だが、火星の後継者側にしてみればこれは願っても無い好機である。見る見るうちに傷ついていくユーチャリス。
「エンジン出力42%ダウン。フィールド出力32%まで低下。第三グラビティブラスト破損。このままでは……。」
「わかってる!でも、アキトが、アキトが!!」
そんなラピスの必死の思いも空しく、とうとう完全に動きの止まったサレナに無情のレールガンが向けられる。
「いやあああああああああ!!アキト、アキトぉ!!」
「ここまでだ。草壁閣下の理想を阻んだ報いを受けるがいい!……うおおお!?」
ブラックサレナに迫る一機のク−ゲルが突然狙撃される。
それを皮切りに次々と手足を撃ち抜かれ無力化されていく火星の後継者側機動兵器群。
「なんだ?」
「レンジ外からの遠距離射撃だと?」
「どっちからだ!」
狼狽する彼らを嘲笑うかのように何処からか飛んで来る高速撤甲弾が一機、また一機と彼らの数を減らしていく。
「居ました!四時の方向、一機!」
「たった一機だと?」
「馬鹿な!何者だ?」
「わかりません!何処の識別信号も出ていません!」
「このままでは……!」
見る間に膨れ上がっていく被害報告。
「司令!正体不明の電文が!」
「何?読め!」
「は、『撤退せよ。然らずんば殲滅す。追撃はしない。』と…。」
「たかが一機がいい気になりおって…、砲撃を集中させろ!」
先ほどまでサレナ一機に手も足も出なかったことも忘れ、頭に血を上らせて叫ぶ艦隊司令。
「ふう…、あれで逃げてくれれば面倒が無かったんだけど…。」
『当タリ前ダロ。アンナ通信喧嘩売ッテルヨウナ物ジャナイカ。』
「やっぱり、そうかしらね?……はあ〜、しょうがないか。できれば姿は晒したくなかったんだけど…。」
「駄目です、当たりません!」
グラビティブラストの雨の中を凄まじい速度で迫る一機の機動兵器。
「敵影、スクリ−ンに出します!」
その姿が旗艦のブリッジに映し出される。
「「「「「「「「…………は?」」」」」」」」
こんな物であのたてつづけの精密射撃を行ったとは到底信じられないような右手のハンドレ−ルガン。
左手に保持された楯に大きく描かれた「D−1」の文字。
背中から左右に大きく広がる翼。
白、赤、青のトリコロ−ルカラ−。
ド○グナ−1 カスタムであった。
「ふ、ふざけおって〜〜〜〜〜!!!」
「ああああもう!だから姿見せたくなかったのよ〜〜〜!!(涙)」
『ヤレヤレ、何時モノ事ダケド蘇羅ハ諦メガ悪イナ。』
「五月蝿い!『多聞』人目に晒すと後でいろいろ面倒っていったって恥ずかしい物は恥ずかしいのよ!」
『今更ダケドネ。』
「うううう、響美輝の馬鹿〜〜〜〜!!」
愚痴をこぼしながらも凄まじい勢いで艦隊に突っ込んでいくドラ○ナー。
すれ違いざまの一撃で爆発はしない、だが機関部の稼動に重大な支障をきたす位置に弾丸を叩き込んでいくその攻撃はまさに神業であった。さながら全ての船の詳細な構造がわかっているかのように。
「艦隊戦力、84%減少!」
「出撃中の全機動兵器無力化されました!」
「司令!」
「こんな……こんな馬鹿な事が……」
「司令!ご指示を!」
焦る副官に艦隊司令は意外にも冷静な目を向けた。
「………信じられるかね?」
「は?」
「あの一機の為に我々は既に全滅同然だ。にもかかわらず……未だ一人も戦死者が居ない。」
「え?……あ!!」
「レールガンの威力は宇宙では距離と無関係だ……。奴はその気なら最初の狙撃点から我々を皆殺しに出来たのだよ。」
ブラックサレナを抱え飛び去る○ラグナーとそれを追うユーチャリスを見送りながら司令は独り言のように呟いた。
「一体何者なのだ……。」
厳重なプロテクトが掛けられている筈だというのに、まるでサレナの方から受け入れたかのようにドラ○ナーとのデータ回線が繋がる。
「不味いわ……、もういつ呼吸が止まってもおかしくない。98!収容は後回しでいいわ!時間凍結カプセル用意しといて!合流したら直接跳ぶから!」
「ワカッタヨ。ゆーちゃりすハドウスル?」
「とりあえず後回し!」
ドラ○ナーとブラックサレナをセンサーから見失って30分。
戦闘で受けたダメージでサレナのビーコンの感知もままならず、半狂乱になりながらもラピスの必死の追跡は続いていた。
「前方に質量感知!小型の艦船と推測されます。…通信が入って来ていますが。」
「ダッシュ、繋いで!」
スクリーンに出てきたのは長い黒髪を首の後ろで束ねた十九歳ぐらいの眼鏡の少女であった。
「アキトはどこ!?アキトを返して!!」
いきなりと言えばいきなりのラピスの言葉にその少女は苦笑しながら答えた。
「とりあえず自己紹介から始めない?私はあなたたちの敵じゃないわよ?」
「そんな事どうでもいい!アキトを返して!!」
性急なラピスの言葉にその少女は気分を害した様子もなしに落ち着いて言葉を掛ける。
「落ち着きなさい。わかっているでしょう?彼は今非常に危険な状態なの。この艦はそこらの艦よりは医療設備が整っているわ。応急処置くらいはできるわよ?」
「……アキトは無事なの?」
「気休めは言わないわ。このままじゃ半日持たない。この艦の設備でも時間稼ぎくらいしか出来ない。ただ……、知り合いに助けられるかも知れない人なら居るわ。あなたさえ良ければこれから連れて行く。まあ……、飢えたオオカミの前に子羊を放り出すも同然な気も……、しないでもないんだけど……。」
何故か言い難そうに口篭もる少女。ラピスは少し考え込んだ後に言った。
「その人なら、アキトを助けられるの?」
「確約は出来ないわ。でも、その人に助けられないならこの宇宙の誰にも助けられない。それは確かよ。(いや…砂沙美お姉ちゃんならできるかな?……最初っから樹雷に連れてったほうが良いかも……いや、樹雷まで往復となると流石にユーチャリスが危険か)」
頭ん中でうさんくさい事考えている少女だが、顔には全く出ていないあたり見事である。
「解った。私も一緒に行く。」
「……いいけど、その艦じゃこの『多聞』にはついて来れないわよ?」
「なら、私もそっちに乗せて。」
当然のように言い放つラピスに向かって挑発するような笑みを浮かべる少女。
「そんなに私を信用していいの?本当はアキト君を助ける方法なんて無いのかも知れない。単にあなたたちの身柄が目当てなだけかも知れない。あなたがこちらに乗り移ったとたんに裏切らない保証なんて何処にも無いのよ?」
ラピスは全く動じずに答えた。
「わざわざアキトを助けたという事はあなたは少なくともアキトを助ける気は有るという事。単に私の身柄が欲しいならユーチャリスを破壊して捕まえれば済む事。こんな回りくどい事する必要ない。あなたはアキトを助ける事で私達に貸しを作りたがってる。…違う?」
少女は暫くスクリーン越しにラピスを見つめていたが、やがて少し悲しげに微笑すると言った。
「……正解よ。今から迎えに行くわ。私の名は三ノ宮 蘇羅(そら)。蘇羅でいいわ。」
「ラピス ラズリ。ラピスでいい。」
通信を切ると、ブリッジのシートに体を預けて蘇羅と名乗った少女は悲しげに呟いた。
「あんな小さな子が善意より損得勘定のほうを信じてる。……私、あの子のために何かしてあげられるかな?……いいや、そんなのは傲慢かな……。」
『自分ノ世界ニ浸ルノハ勝手ダケド、迎エニ行カナクテ良イノカイ?』
「……うっさいわね。」
「ラピス、気をつけてくださいね。」
「行ってくる……。ステルスモード全開で待ってて。」
「それじゃ。多分5日は掛からないと思うから。」
ブラックサレナを届けた帰りにラピスを乗せ、戻ってきたドラ○ナーを出迎えたのは一体の直径30cm程のボールに手足をつけたようなロボットだった。
「『多聞』ヘヨウコソ、らぴす。移動端末の体(ぼでぃ)カラ失礼スルケド、僕ハコノ艦ノ制御ヲヤッテイル天才AIノ『98(きゅっぱち)』デス。ヨロシク〜〜。」
熱烈歓迎とばかりに両手を上げてステップを踏む98。
「……よろしく。」
「……あんた、私たちにはろくに丁寧語も使わないくせに何よ、その媚の売りようは?」
「相応シイ相手ニ相応シイ態度ヲトッテルダケジャナイカ。」
「………何時か殺す。」
怒りに震える蘇羅にラピスは冷たい目を向けた。
「そんな事よりアキトに会わせて。」
「そうね。私はブリッジに用が有るから98、案内してあげて。」
「ワカッタ。コッチダヨ、らぴす。」
カプセルの中で眠るアキトに顔を近づけるラピス。
「声ヲ掛ケテモ無駄ダヨ。コノかぷせるノ中ノ時間ハ止マッテルカラネ。」
「え?」
向き直ったラピスに98は自慢げに説明した。
「『時間凍結かぷせる』サ。管理ノ大変ナこーるどすりーぷナンカト違ッテとらぶるガ起キテモ普通ニ時間ガ流レ出スダケ。安全デ便利ナしすてむダヨナ。」
「そんな事……どうやって……。」
そんな会話が行われている頃、ユーチャリスではオモイカネ型AI、ダッシュも悩んでいた。
(変ですねえ。この記録を見る限り艦長の身体データをサレナの方から流したとしか思えないんですが……。)
先ほど届けられたブラックサレナのデータ解析を行っているうちに不審な点がかなり出てきたのだ。
(ハッチ開放の記録は無いのに突然アサルトピット内に生命反応が二つ、その直後反応は二つとも消失。ボ−ス粒子反応が無かった以上ジャンプとは考えられませんし……。艦内に収容された後勝手に動力が停止している?そんな馬鹿な?)
普通なら有り得ない事だらけである。並みのAIならパニックに陥ってフリーズしかねない所だが、その点ナデシコAにて鍛えられたオモイカネをベースとするダッシュはタフであった。
(まあ、考えても結論は出そうに無いですね。艦長とラピスが帰ってくればわかるでしょう。)
AIのくせに思考の棚上げなんぞ物にしてしまっているあたり特に……。
4人も入れば一杯になりそうなブリッジでなにやら怪しい作業をしている蘇羅。大気圏突入のコース計算と平行して特に操作を行っている様子は無いのに別のプログラムらしきものがスクリーン上を走っている。
「やれやれ、毎度の事だけどいちいち軌道上の監視システムごまかすの面倒臭いわね〜。」
ぶつぶつ言っている所に98を抱えたラピスが入ってきたのに気付き、蘇羅は笑顔で振り返った。
「あ、丁度良かった。そろそろ大気圏に突入するから座ってて。」
「もう?」
自分たちはつい先程まで月軌道よりの宙域で戦闘を行っていたはずだ。あれからせいぜい一時間しかたっていないと言うのにもう地球周回軌道辺りまで来たというのか?そんな事はユーチャリスやナデシコCにすら不可能な事の筈であるのに……。
「あなた達、何者なの?」
「ふふっ、これくらいで驚いてちゃ駄目よお♪」
「ソウソウ♪」
日本国オカヤマ県クラシキシティ。
人類の居住圏が木星まで達した時代にあっても一般市民の生活が劇的に変化する訳も無く、今も昔と大差ない町並の広がるこのさほど田舎でもないが都会とも言えない町から山に入った辺りに、もう九百年を越そうかという歴史を持つ小さな神社が有る。
そろそろ紅葉が色付き始めた周囲の山々が夕日に照らされる頃、境内を掃除する宮司らしき一人の老人の姿があった。
「………む?」
老人がふと頭を上げた直後、神社の上空を飛び過ぎて行く『多聞』。
「ほう、久しぶりじゃの。」
少し山を降りた辺りにある池に向かって降下していく艦を見つめながら、老人はそう呟いた。
「こんなとこにアキトを助けられる人がいるの?」
「まあ……、腕前は保証するわ……。」
不信感を隠さないラピスの様子に冷や汗まじりに答える蘇羅。今更ながら後悔の念が襲ってきたらしい。
(やっぱり……、今からでも砂沙美お姉ちゃんに診てもらいに行った方がいいんじゃ……)
この期に及んで後悔するくらいなら最初からそうしていれば良かったのだが、そんな正論すら霞むほどに彼女がこれから頼ろうとしている人物は危なすぎた。ええそりゃもう洒落になんないくらいに。
(研究に夢中で返事してくれないといいんだけどな〜)
そんな虫のいい願望を抱きながら、池の正面の民家としてはかなり大きな部類に入る建物にラピスを伴い近付く蘇羅。
しかし、残念ながら彼女の期待はあっさりと裏切られた。玄関を開けて一体の成人男性ほどの大きさの人型ロボットが迎えに出てきたからである。
「おや、蘇羅さん。お久しぶりですね。お元気そうで何よりです。」
「…………あなたもね。ジョージさん。」
彼女はがっくりと肩を落としながら現在、これから訪ねようとしている人物の助手兼この家の管理人をしている、極めて有能な執事ロボットに挨拶を返すのだった。
「えっと…とりあえず紹介するわね。こちらが天才マッドサイエンティストの鷲羽さん「鷲羽ちゃんよっ」……鷲羽ちゃんで……、こちらはラピス ラズリちゃん。とりあえず、お互いにどうぞよろしく……。」
民家の居間で互いを互いに紹介する蘇羅。鷲羽は興味深そうに、ラピスは不信感も顕にお互いを見ている。まあ鷲羽の見た目はせいぜい十二、三歳なのだからそれもやむをえないだろう。
「で、今回の用事ってのがこの子の保護者のテンカワ アキトさんの治療をお願いしたいんだけど……。」
「って、あのコロニー連続爆破犯の?」
軽く片方の眉を上げて問い返す鷲羽。
「……どれ位知ってる?」
「あれだけの騒ぎだったもの、一通りはね。」
「どう、かな。」
鷲羽は軽く目を閉じると腕を組んだ。やがて目を開くと
「カルテは?」
「大雑把なものなら。」
「ま、いいでしょ。ちょうど試してみたい実験もあるし。」
ぼそっと呟かれた後半分の一言に蘇羅が反応しかけたとき、ラピスの叩き付けるような言葉が襲ってきた。
「アキトは治るの!?」
「ほほ〜う。この天才のいう事が信用できないと?」
危険な笑みを浮かべる鷲羽を止めようと蘇羅は必死に言葉を繋いだ。
「あ、ほ、ほ、ほら、もう夕食時だし、続きは晩御飯の後って言うことで……。」
「そうですね。それがよろしいかと思いますが。」
タイミング良くお茶を運んできたジョージも同調し、どうにかこの場を収める事に成功して安堵のため息を漏らす蘇羅。
だが、少し後に彼女は、この時鷲羽の呟きの意味を追求しておかなかった事を心底後悔する事になる。
満腹して一気に今日の疲れが出てきたのか、椅子に寄りかかって眠り込んでしまったラピスをとりあえずソファーに寝かせておいて、後はジョージに任せ、アキトの治療を行うべく彼をラボに運び込む二人。
「……で、どうしてこんな電送装置みたいなシリンダーに入れる必要があるわけ?」
蘇羅の疑問に白衣の天使モードで気合十分な鷲羽は事も無げに答えた。
「ああ、それ電送装置よ。」
「へ?何でそんなアナクロな物……。」
間抜けな声を漏らす蘇羅に向かって鷲羽はそりゃもう嬉しそうに説明を始めた。
「アキト殿の体ははっきり言ってもうどうしようもない状態よ。過剰なナノマシンの投与によって圧迫され、ぼろぼろになった全身の神経、度重なる人体実験に無茶な戦闘訓練、機動戦闘で肉体にかかるGなどによってダメージを受けた内臓。もうまともな部分を探す方が難しいわね。」
「それと電送装置と何の関係が……?」
むくむくと湧き起ってくる「ごっつい嫌な予感」に突き動かされ、聞きたくないけど続きを促す蘇羅。
「そこで!今回新開発した術式!!電送装置に掛けて電気信号のデータに変換されたアキト殿を健康体にリプログラムする!!名付けて『天才鷲羽ちゃん方式』よ!!」
「ちょっと待て〜〜〜〜〜〜〜!!!」
思わず絶叫する蘇羅であった。
「そんなにこのあたしの腕が信用できないって言うの!?」
「信用するとかしないとか言うレベルの話じゃ無〜〜い!!」
憤慨する鷲羽を止めようと必死に声を張り上げる蘇羅。
「そんな事していざ元に戻したら腕が無くなってたり肩から足が生えてたりお腹から顔が出てたりしたらどうするのよ!!」
「何よ!スクラップ寸前の電子レンジ新品同然にする事だって出来たんだからね!!」
「電子レンジと人間一緒にしないで!!」
(こうなったら…)
力ずくでも止めようとしたとたん、蘇羅は激しい頭痛に襲われた。
「な、なに?ぐ……。」
それを見て勝ち誇った笑みを浮かべる鷲羽。
「残念でした。ここじゃあんたの能力は使えないわよ。こんな事もあろうかとアストラルジャマー流しといたからね。」
「そ、そんな……。あ痛たた………。」
頭痛で身動き取れない蘇羅を尻目に鷲羽は高らかに叫ぶ。
「それでは、スイッチ、オン!!」
(ごめんなさい。アキトさん、ラピスちゃん、見ている事しか出来ない私を許して……。)
蘇羅に出来る事は、ただルルル〜〜と涙を流して目の前の実験を見守る事だけだったのであった……………。
続く
後書き
ううむ、キャラが暴走するってのはこういう事を言うんでしょうな。
蘇羅って最初はもっと怜悧なキャラだった筈なんですが……。
98との掛け合いやらせてるうちにどんどんイメージが変化していって今じゃ見る影も有りゃしねえ。(笑)
「キャラクターは作家の思い通りに動いてなどくれない」とどっかの誰かが仰ってた事が身に染みます。
次回予告は自分の首を絞めそうなので止めます。
代わりといってはなんですが蘇羅の特殊能力を当ててみてください。
別に特典は有りませんが。
代理人の疑問
・・・・・いろいろと聞きたい事突っ込みたい事はあるが、
言いたいことはただ一つ!
アレ(D-1)は誰のシュミなんだ、一体(爆笑)。