GSアキト

第一話 「新たなる世界」





『俺が帰るべき場所は・・・ナデシコだ!!

 皆が揃っているナデシコだ!!

 何処に跳ばされようと、俺は絶対に帰って来る!!

 例え、遥かな距離だろうと、時を超えても―――』




バシューーーーーン!!



言葉を最後まで言う前に、俺の視界は虹色の光彩に包まれこの世界から消えていった・・・



虹色の光に包まれながら・・・

「漆黒の戦神」テンカワアキトと愛機ブローディアは・・・

どこに着くかもわからない場所へとジャンプする・・・

固い決意を胸にしながら・・・










チュン チュン チュン ・・・



どこからか鳥の声が聞こえる。

俺は気持ちよい風を肌に感じながら目を覚ました・・・


「・・・ンンッー・・・ここはどこだ??・・・」


体を起こして、辺りを観察してみるか・・・

どうやら体自体はなんの問題もないようだ。

しかし、どこか変わった雰囲気を感じる。誰かに見られているような・・・

人間とかに見られているような感じではないのだが。

なんか変わった感じだ・・・


「ここは・・・どこかの山の中か・・・

感じは地球に似ているが。」


そう思った瞬間、俺は少しホッとした。ちゃんと地球のような所にジャンプできていたからだ。

少しだけ遺跡に感謝しよう・・・



そこで俺はあることに気づいた。


「・・・ブローディアはどこだ!!!俺はジャンプする時ブローディアに乗っていたはずだ!!」


そう、ジャンプする前、確かにブローディアに乗っていた。

しかし、今周りを見た限りブローディアの機体はない。


「ディア?・・・ブロス?聞こえるか?・・・」


・・・・

・・・・

・・・・


俺は声を出し、ディアとブロスに呼びかけた。

が、一向に反応する気配がない。

少しあきらめかけてきた時、かすかな声を感じた。


『・・・ア・・ト・・・・・ア・・ト兄・・アキト兄・・・』


ん、なんだ。あたりには誰もいないはずだが・・・

どこかで聞いたような声だが・・・

この声はブロスの声なのか??


「ブロスか!?ブロスなのか?」


俺は声出して、声の主を確かめてみた。

すると、またどこからか声が聞こえた。


『そうだよ、ブロスだよ♪』


ブロスは明るい声で返事を返してきた。

俺はブロスたちが消えてないことにひとまず安心をした。

そして、いろいろと質問をすることにした。


「ブロス、今お前達ブローディアはどこにいるんだ?」


『んー、どっかの異空間かなー。気づいた時にはすでにここにいたんだよ。

で、さっきからアキト兄に話しかけてたんだけど、全然聞こえなかったみたいで・・・』


「ああ、さっき気がついたばかりだからな。

ひとまずお前達が無事でよかったよ・・・

それより機体の方はどうだ?・・・

こっちにこれるのか?ジャンプはできるのか?」


「それなんだけどね。ブローディアとアキト兄、遺跡にとらわれてジャンプしたよね。

その時にいくつか遺跡のデータが私達の中に流れてきたの。

それによってブローディアにいくつかの機能が加わって、アキト兄が呼べばいつでも

飛んでいけるようになったんだよ♪」


ここで初めてディアの声が聞こえた。

ディアも元気そうだ、それに機能が加わったことに対しても何故かうれしそうだ。


『でもね、アキト兄。ブローディアは呼ばないほうが良いと思うよ。』


「ん、どうしてだい?」


『うーんとね。ここ、一応地球は地球なんだけど。アキト兄がいた世界とは違うみたいだよ。』


確かに俺がいた世界とはさっきからなんか違う気がする・・・

まあ、そんな世界にいきなりブローディアが現れれば、なにかと問題が出てくるだろう。


『だから本当に必要な時以外は呼ばないほうが良いと思うよ。』


「あとねー、ジャンプ機能についてなんだけど・・・ここの世界、遺跡の存在がないみたい。」


なにっーー!?


遺跡がない、そんなばかな・・・

俺はその言葉にかなりのショックを受けた。


「だから今のところ、元の世界に戻るどころか、ジャンプさえできないみたい。

まあここの世界で遺跡の代わりになるような物を探すしかないと思うよ。」


確かに、遺跡がないならジャンプができない・・・

しかし、なんとかして元の世界の戻らなくては。

ディアの言うとおり、代わりになるのを探すしかないみたいだな。


「・・・・わかった、じゃあとりあえず山を降りてみる・・・・

ディア、ブロス。お前たちはどうする?」


『そうだねー。一応アキト兄とはいつでも話しできるし、

アキト兄の見ている世界も見ることができるみたいだから、

こっちの異空間でブローディアと一緒に待ってるよ」


「わかった」


とりあえず山を降りて、生活できるようなところを探すか・・・

俺はそう決意すると、山を降りて町のほうへと向かっていった・・・











『(ディア?)』

「(ん、何?ブロス。)」

『(ここってナデシコのいた所と違う場所だよねー。)』

「(そうだよ。さっきブロスもアキト兄に説明してたじゃん。)」

『(そうだよねー・・・)』

「(それがどうしたの?)」

『(あのさ、この世界さ。ルリたちがいないって事じゃん。ってことは同盟がないって事じゃん。)』

「(あっ!!)」

『(ってことは、アキト兄、またいろんな子また落とすんだろーねー。)』

「(そうなりそうだねー。で、アキト兄はまたそのことに気づかない。)」

『(うん。アキト兄、鈍感で天然だからねー。)』

「(そうだねー・・・どうなるんだろーねー・・・)」

「『(・・・・)』」







(to be continued)



あとがき
はじめまして、windと申します。
まあ設定は「時の流れに」の続きもんです。
内容は題名からわかるように、GS美神です。
これから頑張っていこうと思うんでよろしくです。

 

 

管理人の感想

windさんからの投稿です。

どうやらナデシコとGSの融合モノらしいですね。

私もGSは好きなので続きが楽しみです。

プロローグではGSのキャラが一人も出ていませんが(苦笑)

でも、GSのキャラはかなり個性の強い人達ばかりですからねぇ

アキトがどう対応していくのか、想像も出来ませんよ(笑)