『俺が帰るべき場所は・・・ナデシコだ!!
皆が揃っているナデシコだ!!
何処に跳ばされようと、俺は絶対に帰って来る!!
例え、遥かな距離だろうと、時を超えても―――』
機動戦艦ナデシコ〜時の流れに続く道〜
アキト IN YU-NO
柳家本舗
第1話 デラ=グラント
「こ、ここどこだ?」
俺の名はテンカワアキト。
いろいろな事があってこうなったんだが、まあそこら辺は割愛しておく。
俺は遺跡に強制的にジャンプさせられてどこかに飛ばされたはずだ。
そして、目がさめてみると森の中・・。
俺の後ろの崖の下は漆黒の暗闇、ときどき雷のようなものが走っている。
今、俺はその崖を覗き込んでいる。
「ふう、まいったな・・・別の星系か・・それとも異世界か?」
周りを見渡してみるがブローディアは無い。戦闘服も着ていない。なんと素っ裸。
遺跡が余計なものを取り除いたのか?
そう思ったが、遺跡に意思があるかどうかも解らないのにこんなことを考えるのは不毛だ。
「はあ〜〜、勘弁してくれよ・・・。」
神様に祈りたくなるような気分だったが神様は残酷だった。
グォオオオォォォォォォオオォン!!
腹に響く強烈な叫び声が辺りの気を揺るがした!!
「なんだ!?」
ズズ〜〜〜ンン!!
そう思ったとたん暗闇から獣の足が出たかと思うと
そいつはすぐさまその体を躍らせ俺の前に姿をあらわした!
「な、何だこいつは・・・!?」
そいつはサルのように見えた。だがその上半身は異様に盛り上がり
目のある部分には一つの巨大な目玉が輝いている。なんと身長にいたっては三メートルほどもある。
その手には一メートル程の爪が備わっていた。
その化け物は俺のほうにゆっくりとその巨大な目玉を向けると、俺に襲い掛かってきた!!
「くっ!!」
俺はすぐさま戦闘体制に移ると昂氣をその身にまとう。
しかしその気配は一向に現れなかった。
「なに!?」
そんな俺の驚きを気にするわけもなく化け物はその凶悪な爪を俺に向かって振るう!!
「くぉ!!」
俺はかろうじてよけると再び奴に向き直る。
どうする?なぜかわからんが昂氣が使えない。逃げるにしたってどこに逃げる?
そうなのだ、俺はまだこの辺りの地理がまったく解らない、下手に逃げるのもまずい。
またさっきの暗闇の崖にたどり着くかもしれないからだ。そうなったらアウトだ。
こうして考えている間にも奴は襲い掛かってくる。
どうする!?
ビシッ!
と、突然奴に石がぶつけられた。
石が投げられた方向を見ると一人の男が化け物に向かって叫んだ。
「こっちだ!!俺が相手をしてやる!!!」
ふと見ると男の手には一振りの剣が握られている。
あれで相手をするつもりか!?無理だ!
そう思うと俺は奴に石を投げながらその男に向かって叫んだ。
「俺が気を引く!その隙に殺れ!!」
男はうなずくと俺に気をとられている奴に一気に近づくとその目玉に剣を突き立てた。
グギャアアアァァァァァァァァァァ!!!!!!
奴が断末魔の叫び声をあげる、そして後ろに何歩かよろめくと
そのまま崖に向かって倒れてしまった。
崖の先端が崩れ落ち土砂とともに奴は姿をけした。
「おい、大丈夫か?」
「あ、ああ、すまない。」
さっきの男が駆け寄ってきた。
少し観察してみるが、黒い髪にティーシャツ、ジーパンという格好をしている
長い前髪に目の辺りが覆われていてその顔を窺う事はできない。
そして右手に持った両刃の剣が、なんとなくアンバランスさを醸し出していた。
・・・とりあえず人間のようだ。
「とりあえずこれでも着てろ。」
男がティーシャツを脱ぐと俺に向ける。
とりあえず俺はほっとするとその男に話し掛けた。
「危ないところを助けてくれてありがとう、俺はテンカワアキトと言うんだ。」
「天川明人?もしかして日本人か!?」
「・・ああ。」
本当は違うが、俺はここはそう言う事にしておいたほうがいいと思いそのまま話を続けた。
しかし、日本の事を知っている?いったいどうなってるんだ?
・・・とりあえずここはどこか聞いてみなければ・・。
「なあ、変なことを聞くかもしれないがここは何て言う所だ?」
男は少し考えた後こういった。
「その前に少し聞きたいことがあるんだが・・いいか?」
「ああ、かまわない。」
「・・・・あんた、この世界の人間か?」
「!?」
この男何者だ?!なぜそんなことを聞く!?
「・・・どうやらその様子だと、やっぱり違うみたいだな。」
「・・・ふう・・・ああ、そうだ。詳しい経緯は省くが恐らくそうだ。」
「そうか・・・安心して良いぜ。俺も同じだ。」
なに!?
俺は驚愕するが男は予想していたのか気にせず話を続けた。
「俺も・・・いろいろあったんだけどな、まあ端折って言うと・・・・」
その後、俺達は自分のことを話し始めた。名前は有馬たくやと言うそうだ。
彼の話の内容はこうだった。
死んだと思っていた父親から「世界構成原理における一考察」という論文と
リフレクターと呼ばれる次元移動装置を送りつけられ、いろいろな並列世界を渡り歩いたそうだ。
神奈ちゃん・・澪・・絵里子先生・・美月さん・・亜由美さん・・朝倉香織・・
いろいろな人達の心、そして生と死を見てきたという。
最後に行き着いたところがここデラ=グラントだったらしい。
そして、この世界で最愛の妻・セーレスに出会い、ここ・・・ボーダーというらしいが・・
ボーダーを守っていた騎士・アイリアが
さっきのような化け物にやられそうになった彼の身代わりに命を落としたんだそうだ。
アイリアは死ぬ間際に巫女・セーレスを守って欲しいと言い残しこの世を去った。
彼はその遺言を守りボーダーの防人をしている・・ということらしい。
「そうか・・・なあ、有馬君。」
「たくやでいいぜ。」
「解った。じゃあ俺もアキトと呼んでくれ。」
「ああ、解った。アキト。」
「じゃ、聞くがその・・リフレクターだったか?それは今はもう無いのか?」
ここでたくやを置いていくのは忍びないが
俺の世界に戻れるかもしれない可能性をほうっておくわけには行かない。
「ああ、デラ=グラントに来たときにはもう持ってなかった。
それにあってもアキトの世界に戻るのはたぶん無理だぞ?」
「?何故だ?」
「何回か経験してわかったんだがリフレクターには
二日くらいの時間を飛び越える力しかないみたいなんだ。
それにボソンジャンプとか言うやつみたいに行きたい所に自由に行ける訳じゃないし
そもそも、アキトの世界と俺の世界はまるっきり別の歴史をたどってるみたいだ。
リフレクターはすぐ近くの平行世界にジャンプすることしかできない。
だから・・・。」
「そうか・・・。」
うすうす感じてはいたがやはりそうか・・・。
「まあ、気にするなって、可能性がゼロってわけじゃないんだから・・・たぶん。」
「ああ・・・わかったよ。」
「ま、とりあえず家に来いよ。」
「すまん、そうさせてもらうよ。」
そういって立ち上がろうとしたそのとき、近くの草むらで何かの気配を感じた!
「・・・たくや。」
「ああ、わかってる。」
俺とたくやはすぐさま戦闘体制になり近づいてくる気配に集中した。
しかし、俺の研ぎ澄まされた神経はその気配の主をさらに如実に感じ取った。
「・・たくや、どうやら人間のようだぞ。」
「人間?・・・・あ。」
どうやらたくやには心当たりがあるようだ。構えを解くと気配に向かって叫ぶ。
「ユーノ!!出てきなさい。」
気配の主はユーノと言うらしい。
知り合いか?
そんなことを考えているとそいつは少しびくびくしながらとして草むらから出てきた。
金髪の女の子だった。人間と言うには少し耳が長すぎる気がする。
そう、ちょうど伝説の中などに出てくるエルフのような感じだ。
「・・・・・・エヘ。」
「エヘ、じゃない!何でついてきたんだ。危ないって言ったろう?」
「だって〜〜〜。」
「だって〜〜、でもない!まったく。・・あ、悪い、この娘はユーノ、俺の娘だ。」
たくやが紹介してくれた。娘がいたのか・・。
元気な子だ・・・そう思うと俺は自己紹介をはじめる。
「はじめましてユーノちゃん、俺はテンカワアキトって言うんだ。」
「あ、あの、はじめまして・・ユーノです・・・。」
俺は笑顔で自己紹介をした。
しかしなぜかユーノちゃんは真っ赤な顔をしてうつむいたままだ。
すばやくたくやの後ろに隠れてしまう。
???なんだ??
「おい、アキト。お前・・下スッポンポンなの忘れたか?」
「あ・・・。」
世界がモノクロになった気がした。
第一話完
あ・と・が・き
ちわっす柳家本舗でっす
今週の懺悔〜!
1・しまらね〜〜〜〜
2・「あ、あの、はじめまして・・ユーノです・・・。」ってユーノってこんなキャラじゃなかったような・・・
3・アキトどうなる?(笑
昂氣の事は超念石とアキトの体に密接な関係があります・・・たぶん
あと、たくやの性格は流石に元のままだとまずいので少し真面目に変えてあります
ちなみに・・・この後どうするか迷ってます・・少しネタばれすると
超念石とCCは・・・・です(笑
次はしばらくかかりそうです
次回
死が二人を分かつまで
「セーレ〜〜〜〜〜ス!!!!」
・・・たぶん
なんか後書きじゃなくなってきてるな・・・
代理人の思考停止
スッポンポン
スッポンポン
スッポンスッポンスッポンポン
スッポンポン
スッポンポン
腰から下はスッポンポン
(以下エンドレス)
・・・・・・ともあれ、ユーノのアキトに対する第一印象は変質者で決定か(超弩級爆)!?