二重螺旋の瞬間

nizyuurasennotoki

第二話

 

 

 

 

 

 

 

 「ジャンプは・・・成功したみたいだね。」

 

 《はい、マスター。間違いなくナデシコA発進の一週間前です。》

 

 「とりあえず一つ目の問題は突破って事だな。

 で、どうする?ナデシコに直行するか?それとも一度アカツキの所にいくか?」

 

 「・・・・・アカツキさんの方に行こう。

 僕達はこの世界にはいないはずの存在なんだから、戸籍とかのデータだけだったらすぐに作れるけど、

 プロスペクターさんとかはアキトの両親と面識があるんだからかなり怪しまれてしまう。

 それだったらこっちのことを多少教えて見方にした方がいいと思う。」

 

 《そうですね。別にアカツキさんは悪い人ではなさそうですし・・・》

 

 「・・・わかった。それじゃ、アカツキの所に連絡をいれるか・・・」

 

 

 

 

 

 「エリナ君、ナデシコの様子はどうだい?」

 

 「はい、特に問題は見られません。

 ただサツキミドリにいくまではパイロットが一人しかいないというのが心細いところですが」

 

 「ん〜。まぁ、なんとかなるんじゃないかな。彼だって腕は一流なんだし。」

 

 けどあのゲキガンマニアなのはどうかな・・・ああいう性格は一番始めに死にやすい。

 

 プルルルルル・・・・・

 

 おやっ?この回線にかけてくるなんて・・・プロスペクター・・・ではないな・・・

 

 「はい、もしもし・・・・・・・・えっ、ちょっと君・・・どういうことだい?・・・・・・・・・・・・・・・ふ〜・・・」

 

 カチャ 

 

 これはちょっと面白いことが起こりそうだな・・・

 

 「会長、誰だったんですか?」

 

 「さあ?『ボソンジャンプについて交渉をしたい。今からそっちに行く』って言って切れちゃった。」

 

 「なっ!き、切れちゃったって。何でボソンジャンプのことを!!!アレはトップシークレットなのに!!!」

 

 「さてね。でもいいんじゃない?そろそろここに来ると思うし。」

 

 「ここにって、そんなすぐに来れるわけない、キャッ!」

 

 と、エリナ君の目の前が虹色に光り二つの影が現れる。

 ふ〜、どうやら思っていたよりも更に面白いことになっていそうだね。

 まさか生体ジャンプが出来るなんて。

 

 「・・・・・またせたな、アカツキ。・・ってどうしたんだエリナそんなところでひっくり返って?」

 

 青年・・・いや、まだ少年といった方がいい年かな?大体17,8ってとこだろう。

 黒い髪に瞳、優しそうな顔。 

 一見何処にでもいそうなタイプだけど瞳の光り方が違うね。

 何処までも強い意志を持っている。

 

 「アキト・・・・僕達が急に現れたからだと思うよ。」

 

 こっちは青年・・・20歳前後ってとこかな?

 銀髪に赤い瞳か・・・マシンチャイルド・・・ってことじゃないみたいだね。

 こちらの青年も少年、アキトって呼んでいたかな。とにかく彼と同じで何処までも強い意志を持った瞳だ。

 これは交渉するのはちょっと難しそうだね。

 

 「んっ、そうなのか。・・・悪いな、立てるか?」

 

 とアキトと呼ばれている方がエリナ君に手を伸ばす。

 う〜ん・・・それにしてもその黒いマントはいったい何なんだい?さすがにそれはどうかと思うよ。  

 

 「あ、ありがと。」

 

 おやっ?エリナ君がやけに素直だな。心なし顔も赤い気がするし・・・・・これは面白いことに・・・・・・・

 

 「さて、それで君たちは誰なんだい?自己紹介をしてくれると良いんだけどね。」

 

 「はじめまして。僕はイカリシンジといいます。よろしくお願いします、アカツキさん。エリナさん。」

 

 「こちらこそ、イカリ君。」

 

 う〜ん、友好的なのにまったく隙がない。この年でいったいどんなことをしたらこんなふうになれるのかな?

 

 「俺の名はテンカワアキトだ。」

 

 「「えっ!!」」

 

 テンカワ・・・まさか彼は・・・・

 

 「別に両親のことは恨んでなどいない。

 たがいの両親がやってしまったことだ。このお前が責任をとる必要はない。」

 

 「そうか。すまないね・・・・・」

 

 もし彼と逆の立場だったら同じように考えられたかな?・・・・・いや、よそう。

 

 「それで、用件は何なんだい?」

 

 「簡単な交渉だ。俺達が持っているボソンジャンプの情報の一部をお前達に与える。

 そのかわり変わりに俺達をナデシコに乗せること。そして俺達の戸籍を用意して欲しい。」

 

 ふ〜、すでにナデシコのことも調べられているのか。まあ当たり前かな。

 

 「そういう取引だったら大歓迎だよ。ちょうど足りない仕事とかもあったしね。けど戸籍ってのは?」

 

 「そのことについてだが・・・そうだな、まずはボソンジャンプについて話した方がはやいか。シンジ、頼むぞ。」

 

 「まずボソンジャンプというのはあなた方が考えているような転移制御装置、ワープのようなものではありません。

 まあ、そういう使い方が主ですけど。

 今の・・・というか人類では永遠に解くことの出来ないほど複雑なシステムですが

 アレは時空制御装置のようなものです。言っちゃえばタイムマシンですね。」

 

 「な、なんだって!?」

 

 まさかボソンジャンプがそんなものだったとは・・・

 一筋縄ではいかないと思っていたがまさかそこまで・・・・・・・まてよ、ということは・・・

 

 「・・・まさか君たちは・・・・・・・」

 

 「ああ、未来から飛んできた。ランダムジャンプでな。まあ、シンジは違うが。」

 

 「・・・・・私たちにそれを信じろと?」

 

 「信じる信じないはそっちの勝手だ。」

 

 う〜ん。たしかにエリナ君の言うとおり信じがたい話だけど・・・

 

 「いや、信じるよ。君たちがうそを言ってるとは思えない。そのかわり隠し事はたくさんしてそうだけどね。」

 

 「そうか、たすかる。それとこれは大事なことなんだが、ジャンプの人体実験はもうしばらくの間はするな。

 無意味なだけだ。」

 

 「・・・無意味とは?」

 

 「ジャンプをするのにはそれなりの条件のあった人間でなければならない。

 それ以外の人間がジャンプをすると命を失うだけだ。」

 

 「ということは僕たちには絶対に無理と言うことかい?」

 

 「いや、そういうわけではない。ジャンパーはその能力によっていくつかにランク付けされる。

 B級ジャンパーは後天的にナノマシンを与え、ジャンプが出来るようになった人間だ。

 彼らはチューリップがあればディストーションフィールドの張ってある戦艦でジャンプすることが出来る。

 そしてA級ジャンパーはCCさえあればフィールドもなしで生体ジャンプが出来る。」

 

 「つまり将来的には出来るようになるわけか。

 ・・・・・・わかった、人体実験はそれが解るまではやめておく。

 ところで君達はA級ジャンパーということかい?」

 

 「いや、俺達はその定義でははかれない。

 どのようにしてなったかは話すことが出来ないが俺達はCCが無くてもいつでもジャンプが出来る。

 しかも普通のA級ジャンパーより更に正確にな。言うなればS級ジャンパーといったところか。」

 

 出来ればもうちょっと聞きたいけど・・・多分答えてくれないだろうな・・・

 

 「まぁ、とりあえずこのくらいでいいや。それで戸籍はどうするんだい?

 テンカワアキトにイカリシンジ、そのままでいいのかい?

 あと他にも何か付け足しておきたいことがあるんだったらこっちがどうにかするけど。」

 

 「僕はそのままでいいです。経歴は・・・そうですねネルガルの方で適当につくっといて下さい。」

 

 「俺は名前を変える。この世界にもテンカワアキトはいるからな。・・・・・・・・そうだな・・・テンカワカイト。

 アキトの双子の兄だ。生まれてすぐに知人に預けられたってことにしといてくれ。」

 

 「双子の兄・・ね、わかった。」

 

 「あっ、それともうひとつ。

 ナデシコに乗るに当たって何ですけど、僕はコックと整備士とパイロットをやりますんで。」

 

 「す、すごいね。よくもそんなに特技があるもんだテンカワ君はどうするんだい?」

 

 「俺は・・・・とりあえずパイロットだけでいい。・・・・・いや、あと副提督もやっておく。

 このままだとムネタケが来るんだろ。」

 

 「分かった。プロスにはそう伝えておくよ。軍に関してはまだフクベ提督が残っているから何も言わせないよ。」

 

 「ああ、たのむ。それじゃあ俺達はこれからナデシコに向かう。

 じゃ《ちょっと待って下さい!二人とも私のこと忘れてません?》・・・・・すまん。」

 

 今の声はいったい?

 声質から言って女の子らしいけど。

 

 「すみません。もう一人紹介する人が居ました。

 え〜と・・・・・うん、この部屋くらいの大きさなら平気だな。来て良いよ、雫。」

 

 《はい、マスター》

 

 まだジャンプできる人がいるのかい。ということはまた虹色に・・・なっ、違う。今度は黒い球体・・・?

 

 「なっ!?」

 

 球体の中から出てきたのは白銀のロボット。(しかし2mくらいしかない高さなのにいったいどうやって乗るんだ)

 

 《マスター、遅いです。私のこと忘れていましたね!》

 

 う〜ん・・・声はとても可愛くてにこやかに話しているのにどうしてこんなに部屋の気温が下がっているんだろ?

 

 「ご、ごめん。けど雫のことを忘れていたわけじゃないよ。ただ紹介するのを忘れただけであって。」

 

 《似たようなものです。忘れていたには違いません!!》

 

 このまま見ていても面白そうなんだけど・・・

 

 「あ〜・・・雫さん。出来ればコックピットから出てきて欲しいんだけど。」

 

 それにしても何でロボットごと乗ってきたんだろ?

 

 《へ?何言ってるんですか?》

 

 「雫、誰か乗ってるの?」

 

 ん?彼らは何を言ってるんだろ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・も、もしかして・・・

 

 「アカツキ、雫はあのロボット本人だぞ。仮にもネルガルにはオモイカネがあるんだからこのくらい気づけよ。」

 

 「や、やっぱりそうなんだね。ということは彼女を作ったのは・・・」

 

 「はい、僕ですよ。完成までは大体一年くらいだと思いますよ。」

 

 ・・・・・・・・・・い、一年でこんな・・・・

 

 「雫も僕達と一緒にナデシコに乗せて貰います。僕個人の持ち物として」

 

 「あ、ああ。わかったよ。よろしく、雫ちゃん。」

 

 《はい、よろしくお願いします。アカツキさん》

 

 「それじゃもうしばらく時間が経ったらナデシコに行きますんで、よろしくお願いします。」

 

 「じゃあな・・・ジャンプ」

 

 

 

 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・は、話についていけなかったわ・・・・・・・」

 おやっ?そういえばエリナ君もいたんだっけ・・・・

 

続こう

 

 

 

 

 

 

 

   あとがきだーーーーー

ども、へっぽこ作家、幽です。

ふ〜・・・・・何とか書けたのは良いんですが・・・・あまり上手く書けませんでしたね。すみません。

 

ジャンパーについての知識がどうも曖昧なので多分間違っているんじゃないかと思います。

どなたか詳しい人がいて、「ちげえよ、これ全然!!」ってのがあったらメールでお願いします。

 

次回はいよいよナデシコ乗客。ただでさえキャラクターをうまく扱えないのにいったいどうやって書こうか?

テストやらバイトやら部活やらで忙しくなるんで次回の更新日は遅くなるかもしれませんので・・・

 

   付け足し

題名決まりました。《二重螺旋の瞬間》。

瞬間はシュンカンって読むんじゃなくてトキって読むトコがミソです。

天魔の翼さん、神威さん有り難うございます。

他にも題名を考えてくれた方々、本当に有り難うございました。

 

 

 

 

 

管理人の感想

 

幽さんからの投稿三弾です!!

雫ちゃん・・・

そうなのか?(笑)

う〜ん、これは意外だったな〜

まさか、2mクラスのロボットとは!!

はっ!! もしかしてウリピーのリリーちゃんと格闘をするか!!

そうか、その為のボディなんだな!!(爆)

う〜ん、これは次回が楽しみですね〜

 

では、幽さん投稿、本当に有難うございました!!

 

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