二重螺旋の瞬間
nizyuurasennotoki
第4話
「イカリ、Bランチ2人前追加だよ」
「はい!」
「は、はい〜」
この時間帯=食事時は本当に忙しいです
マジで忙しいんです
とにかく忙しいんです
「Bランチ三人前追加で〜す」
「わかりました!」
「は、はい〜〜〜〜〜〜・・・・・・・・・・・・・・」
Bランチ、別名『イカリ兄妹日替わりメニュー』は滅茶苦茶人気があります
なんていったって全注文の30パーセントを占めるくらいですよ
おかげで私とマスターの二人で取り組んでいるというのに間に合わないくらいです
「すいません!三人前ではなくて六人前です!」
「は、はい!」
「・・・・・・・・・・・・・・」
休み・・・・・ください・・・です・・・・
もしくは・・・・・・・・・・・・・・S2機関・・・・・・・使わせて下さい・・・・・です・・・・・
♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪
「それじゃ私は食堂に行きますので、後よろしくお願いします」
「あっ、うん。それじゃ頑張ってきなさいよ」
ぷっしゅーー・・・
「・・・・・近頃ルリルリよく食堂に行くようになったわね・・・」
確かに・・・・前回の初めの頃は食堂ではなく携帯食をよく食べていたしな・・・
それがココ数日前から決まってある人物が暇になる時間に食堂に出かけるようになった
「それってやっぱりシンジさんが影響してますよね」
「多分ね。まぁルリルリ本人はその気持ちに気づいていないみたいだけど」
まぁ、少し前まではまともに人と話すことがなかったんだ。
すぐに自分の感情を理解するのは難しいだろう
・・・・それに
「それを言うんだったらシンジも全く気づいてないぞ。
まあ、あいつは昔からそう言うことに関しては鈍感らしいからな」
「・・・・・・・カイト君・・・・・君も人のこと言えないわよ」
な、なんだ?
なぜそんな目で俺のことを見るんだ?
「ま、まあまあ、ミナトさん落ち着きましょうよ。
それはそうとルリちゃんとシンジさんって結構お似合いだと思いません?」
「たしかにそうよね。けどシンジ君て二十歳よね?ルリルリと9才も違うのよね
ルリルリはいいとしてシンジ君がルリルリのことを妹のよう見なければいいんだけど」
それはないな。なんて言ったってあいつはロ・・・じゃなくって
「シンジはちゃんとルリのことを一人の女性としてみてるさ。まぁ、妹のようにも見てはいるがな
それはそうと、俺もちょっと離れるぞ」
「どこに行くんですか?」
「格納庫だ。エステの試運転を今日やると言っておいたんでな」
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「お疲れさん。二人とも休憩していいよ」
「わ、わかりました・・・」
「ふ、ふぁ〜〜〜〜〜い・・・・・・」
だ、だめだ・・・体力が持たない・・・シズクなんてもう倒れているよ・・・
それにしてもいくら経費削減のためといっても、
たったの8人でナデシコクルー全員の食事を作るなんて無理がある
・・・・・・・・・こんなんだったらいっそのことS2機関を解放しちゃおうかな・・・
そうすれば疲れるコトなんて無いし・・・・・
「お疲れさまです、シンジさん」
と、この声は・・・
「やぁ、ルリちゃん。もう食事は食べたの?」
「いえ、まだです」
「だろうね。それじゃあ、いつものでいい?」
「はい、お願いします」
♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪
ドングラワッシャーン
この音は・・・
「そこの少年・・・・・・!」
それにこの声・・・間違いない、あいつだな
ガイだ。
まったく、きたそうそう無断でエステバリスに乗って・・・・・まっ、ナデシコらしいってコトだな
と、それはいいとして・・・・・・・いた、『俺』だ・・・・・
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「おまちどうさま」
チキンライス。『前回』のルリちゃんの好物だったけどどうやら今回も同じモノが好きになったらしい
出来れば洋食じゃなくて和食を注文してほしかったんだけどね
「すみません。休憩時間だというに作ってもらって」
「気にしなくていいよ。僕の好きでやってることだしね。それよりも早く食べないと冷めちゃうよ」
「あっ、はい。いただきます」
と、スプーンが皿と口を素早く往復する。それにしてもすごいな。
ルリちゃんにはいつも大人二人分くらいの量を出しているんだけど・・・ぺろりと食べちゃうんだもんね
いったいどこに入るんだろ・・・・?
と、ルリちゃんの手が止まる
「シンジさん。もしかしていつもと味付けが違いませんか?」
「アレッ、気付いちゃった?隠し味をほんのちょっとだけ増やしだけなんだけどね。変えない方が良かったかな?」
「いえ、私はコッチの方が好きですが」
「そう?じゃあ、これからはそっちの方で作っていくよ」
「はい、お願いします」
ルリちゃんの顔が少しだけ微笑みに変わる。
一週間経ってルリちゃんもずいぶんと色々な表情を見せるようになった。
といっても、僕たちやミナトさんとかのほんの少しの人たちにだけだけど・・・・・・・ん?
・・・って、一週間!?
「ご馳走様でした」
「お粗末様です。ところでルリちゃん。確か今日ナデシコの艦長が来るんだよね?」
「はい、そうですよ。データー見ますか?」
「ううん、べつにいいよ」
そうだったそうだった、すっかり忘れていたよ。
そう言えば今日木蓮のバッタが来るんだったっけ・・・・・そしてこの世界のアキトも
アキトやシズクと話し合った結果、こっちのアキトには普通に接することにした。
当然アキトの昔のことは話したりはしない。
まぁ、普通に接するといってもアキトは数少ないA級ジャンパーだ
色々な組織から狙われることは間違いない
とすると少なくともそれらから逃げられるくらいには鍛えるつもりでいる・・・・
そのためにアキトの部屋には色々と・・・・・・・・フッフッフッ・・・・・・
「・・・・・・さん・・・・・・す・・・・・・ジさん、シンジさん!」
「へっ!?あっ、何、ルリちゃん?」
「いえ、急に黙り込んだのでどうしたのかと思いまして」
「ああ、ゴメン。ちょっと考え事をしててね。それよりもルリちゃん。早くブリッヂに戻った方がいいよ。
もうそろそろ何かが起こるはずだから」
たしかもうそろそろバッタが襲ってくる時間だよな
「・・・?どういうことで『ルリ!緊急事態』・・・・・・・オモイカネ、どうしたんですか?」
ルリちゃんの前にウインドウが現れる
『地上に木星蜥蜴の大群!!!』
うん、予想通りの時間だな。と、するとこっちのアキトはもうナデシコ内にいるってコトか
「・・・・・・・・シンジさん。まさかあなたはコレを予想していたんですか?」
う〜ん、何かものすごい疑惑の目で見られてるな〜
まっ、当たり前か
「さあ、どうだろう?まぁ、ルリちゃんには近いウチに話すよ。と、いうわけで今は・・・ね」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ふぅ〜〜・・・しかたありません。わかりました、今はいいです。
ですが話せるときが来たらちゃんと話して下さい」
「勿論約束するよ。だから今は早くブリッヂに行かないとね」
「はい、それではまた後で」
「うん、またね・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・行ったみたいだな」
(よかったんですか、マスター?あんな事言ってしまって、怪しさ大爆発って感じですよ)
どうやらいつの間にかルリちゃんとの話を聞かれていたみたいだな
(う〜ん・・・まぁ、ルリちゃんにはそのうち僕たちのことを話すつもいいんじゃないかな?)
おそらくルリちゃんは僕たちのことを色々と調べるはずだ。
何しろかなり気になる一面をルリちゃんは知っているんだからね、興味がわかないわけがない。
今はあまり周りに対して興味はないようだけど最近はだんだんと変わってきたみたいだからね。
(それでしたら構いませんが、ちゃんと話すタイミングは考えて下さいよ。
下手なタイミングで言うとルリさんに嫌われてしまいますよ)
(たしかに・・・・・・僕たちはルリちゃん達のことを騙してるようなモノだしね・・・)
(そんな意味じゃないです。そうじゃなくて乙女の心ってやつですよ!)
(・・・・・・・・へっ?どういう意味?)
(・・・・・・・・・・・・・・・は〜〜〜〜。知らぬは当事者だけってことですね
何でこうアキトさんといいマスターといい私の周りには鈍感な人ばかりいるんでしょうか?)
?????何のことを言ってるんだろう?
♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪
時は少し遡って
「・・・・・・・プロスさん・・・・・・・この戦艦本当に大丈夫なんですか?」
「ハハハハハ・・・・・・実に耳の痛い話ですな」
さて、テンカワさんをコックとして乗せたのはいいのですが・・・・・
いったいいつテンカワさんについて話せばいいんでしょうか
・・・・・・・・ふと思ったのですが、呼び名がわかりにくいですな。これからはカイトさんとテンカワさんで分けましょう
それにしても同一人物だというのにずいぶんと雰囲気からして違いますな
まあ、基本的なところはそれほど大差はないようですが・・・・・・・・・・・・
「プロス・・・・・・・アキトか?」
おっと、噂をすれば何とやら、ですな。
しかし自分に会うというのはいったいどのような感じなんでしょうか?
「えっ!えっ、へ、ちょ、え、おわ、お、俺!!!????」
相当驚いてますな。まぁ、当たり前でしょう。
「落ち着け、アキト。俺の名前は
ドングラグワッシャーーーン
・・・きたか!」
コレは・・・木星蜥蜴・・・。まさか艦長不在の時に襲ってきますとは・・・・・・
さて、カイトさんにはいきなり仕事をしてもらうことになりましたな
「も、木星の奴等がせめてきたのかっ!!!」
おやっ?このテンカワさんの驚きかた・・・・少々オーバーですな。なにやらわけありのようですが・・・
「安心しろ。ナデシコには一切手を出させない。プロス、出撃させてもらうぞ」
「はい。カイトさんの専用機はあちらにありますので」
「わかった。・・・・アキト、俺のことは後で話す」
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「ッと、そういえばアキトの方は・・・・・・もう終わっちゃったみたいだね。
まあ、バッタがいくら集まったところでも所詮はバッタッてことか」
「アキトさんの敵ではないですね」
開いたウインドウには大量のバッタの残骸と、白一色のエステバリスの姿がある
「うん、やっぱりノーマルエステじゃいくらアキトが手を抜いてもついていけそうにないな。
といってもいきなり『アレ』を持ってくるわけにも行かないし・・・・・
まぁ、この世界でアキトの敵になるような人物はいないんだし・・・・
しかたない、とりあえずあのノーマルエステを改造するか」
と、するとまずは・・・・
「ウリバタケさん、聞こえますか?」
『ん?何だシンジじゃねえか。俺に何か用か?』
「はい、相談なんですけど・・・・・・・・・・・・・・・・」
♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪
辺りにバッタの気配は・・・・・・・・・・無いな
「ふ〜〜・・・・・・・終わったか」
しかし・・・・・・敵も弱いが・・・・・・・このエステの性能はきついものがあるな
10パーセントの力もだしていないってのにすでに機体が俺についてこられない・・・・・・・・
比べちゃ悪いことなんだが・・・・どうしても『あいつ』と比べてしまうな・・・・・・・
まぁ、あいつを持ってくることはおそらく無いだろうが・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・それにしても・・・・・このエステ・・・・・・・・・白とは・・・・・・・予想外だ
てっきり黒を用意してくると思ったんだが
まぁ・・・・・・いいだろう
「テンカワ・カイト。これより帰還する」
おまけ
「ブイ!!!・・・・・って、あれっ!?もう終わっちゃったの?ユリカの出番は?う〜〜〜〜〜〜〜・・・」
「馬鹿ばっか」
後書きだーーーー
ども、「よっしゃーー!久しぶりに期限通りに投稿できた!!!!」と気分のいい幽です!
さて、今回の話なんですが・・・・・相も変わらず進み具合が遅いですな。
第4話でようやくナデシコ発進(いや、発進はしていないか・・・)
このまま行くと最終話が30近くに・・・・・
どっか、手抜きして15話前後にしようかな・・・・・・・・(ああ、何かいい加減な自分。駄目駄目じゃん)
まぁ、それはおいといて・・・
とうとうアキト君未来バージョン(以後アキト’)登場!
いよいよ次次回(次回じゃないよ、次次回だよ)からはナデシコクルー勢揃いだーーーーー!
さぁ、自分、どうするよ?
ますます書きづらくなっちまうぞよ・・・・
次回更新は『第4話其の後』です。
多分、2週間以内にはいけると思います。
が!「なんだよこれ?第4話其の後っていうか、おまけじゃないか」
と、思われるほど短くなりそうなのであまり・・・というかほとんど期待しないで待っていて下さい
それでは!!!
管理人の感想
幽さんからの投稿六弾です!!
着実にオトしてますね、シンジ(爆)
流石、似た者同士だぜ!!
このまま次の目標は・・・誰だ?(爆)
そうだ、ここはホウメイガールズを狙っていこう!!
同じ職場だし、仕掛けはしやすいだろう(苦笑)
アキトもアキト’も揃ったことだし、今後の活躍が楽しみですね!!
では、幽さん投稿、本当に有難うございました!!
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後、掲示板になら感想を書き易い、と言う方もおられるので。
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