「う〜ん・・・・・・・なんでだろう?」
月で新しく入ってきたエステをようやく全部カスタム化して、久しぶりに厨房に立っているんだけど・・・
「どうして誰も居ないんだ?」
時間は昼時。
いつもならこの時間になれば大量に押し寄せて来るんだけど・・・
人っ子一人いない状態。
しかも厨房にもいつもはいるはずのホウメイガールズさえいなくて、僕とシズクとホウメイさんだけしかいないし・・・
・・・・・・・・・・・この時期って何かあったかな?
えっと、今は火星目前だから・・・・・
ピッ
『我々は〜、断固ネルガルに抗議する!!』
二重螺旋の瞬間
nizyuurasennotoki
第6話
「我々は〜、断固ネルガルに抗議する!!」
・・・・・そういえばこの時期だったな。この反乱があったのは。
・・・・・・・・・・前回は思わなかったがよくこんな事をしていられたな。
考えなくても火星目前というのはすでに敵の陣地内。
いつ本格的な攻撃をしかけてくるかわからない状態なんだから、
本来ならこんな事をしている場合ではないんだが・・・
まぁ、これもナデシコらしさの一つって事だが。
・・・・・・・しかしどう考えても前回よりもココにいる人数が多いな。
間違いなくホウメイガールズ達はこの場にはいなかったはずだぞ。
ピッ
『お〜い、カイト。聞こえる?』
ウィンドウを出さずにシンジの声だけが聞こえてくる。
「何か用か?シンジ」
『ん、ちょっとね・・・・・・え〜と、ちょっと大事な話があるから他の人に聞かれないようにしてくれない?』
大事な話?火星のことについてか?
「ああ、ちょっと待て・・・・・・・いいぞ」
音量を最低まで下げ直接耳につける。
みんなはウリバタケ達の方に意識がいってるからこれで十分だろう。
『じゃあ話すよ。
もうしばらくしたら木連からの大規模な攻撃があるよね。
悪いんだけど仮病してくれない?」
・・・・・・・・・・仮病?
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・つまり俺に戦うなということか?
何を考えているんだ・・・・・・この戦闘は初の本格的な戦闘。
俺が戦うのと戦わないのではかなり戦い方が変わってしまう・・・・って、そうか・・・
「・・・・・俺一人の力でナデシコを守りすぎ
・・・・・ナデシコが俺に頼りすぎてしまうと言うことか・・・」
『そういうこと。
別にアキトに頼るなってわけじゃないけど頼りすぎていると、
アキトがナデシコから一時的にでもいなくなったときに対応が出来なくなる。
それにいくら巨大な力を持っていてもアキトや僕達だけじゃ出来ないこともある。
そのためにもナデシコにはしっかりとしてもらわなければいけないからね。』
なるほど、な。
『まぁ、エステも軽くだけどカスタム化したし、パイロットもアキトの代りにヤマダ君がいるし、
アキトと特訓したおかげで技能的にもかなり上がっている。
楽勝・・・と言うわけではないけれど、死人が出るようなことは少ないと思う。
それにこのくらいは勝てなくちゃこのさきやってけないよ』
「・・・・・わかった」
『ん、じゃ、そういうことで。
とっとっと何かしら出撃できない理由つけといてね』
「ああ」
プチッ
・・・・・・・・・さて、出撃できない理由か。
・・・・・どうするか・・・
「この拳銃が目にはいらねえのか!」
「この契約書が目に入りませんか?」
・・・・・まだやってたのか・・・・
「何をやってるんだか、あいつらは」
しかしこれだけ大勢いて誰も隠れてすると言うことを思いうかばないのか?
「ねぇ、カイト君」
「・・・・ん、ミナトか。なんだ?」
気付くとミナトが隣に立っている。
・・そういえば今回はやけにミナトと話をしているな。
「カイト君はアレに参加しないの?」
と、指の先にはウリバタケとプロスが。
「アレって・・・・アレにか?・・・・・興味がないな」
俺に人を愛する資格はない・・・・・とは思わないが、今はそんなヒマなんてないからな。
「俺じゃなくてミナトの方はどうなんだ?」
確か前回はゴートと付き合っていたはずだ。
・・・・・・・ん?そういえば今回ミナトとゴートが話をしているところを見たこと無いな・・・
「面白いけど別に参加はしないわよ。隠れてすればいいことだしね。」
・・・気付いているんだったら早くみんなに教えてやればいいのに・・・・・ってそれは俺も同じだな。
「・・・・まぁ、それもそうだな」
「そうそう、それでカイトく・・
ドグゥア〜〜〜〜〜ンッッッッッ
キャッ!」
突然の揺れ。木連の攻撃か!
俺の方は簡単にバランスを取るが・・・
「きゃあっ!」
目の前にいるミナトがバランスをくずし階段の下に・・・
「チッ!」
まずい、あのままだと頭から落ちる!
ガバッ
とっさにミナトを抱き自分の体を下にする
後は受け身をとれば・・・
−−−とっとっと何かしら出撃できない理由つけといてね−−−
・・・いや、どうせならこのまま・・・・
ドンッ
・・・・・・さてと・・・・・・・・・・・・・寝るか・・・・・
☆☆☆☆☆☆☆☆
・・・・・ん・・・・・・・・・・・・
「・・・・・・・・・・・・・・・っつ・・・・」
・・・・え〜と・・・・・・どうしたのかしら・・・・・・・・たしかブリッヂで・・・
そうだ・・・・階段から落ちたのよね・・・・
そのわりには体が痛くない・・・・と言うか誰かに抱きしめらているような・・・って!
「カ、カイト君!!」
あ・・・・そうか。カイト君が私のことをかばってくれたのね。
「あ、ありがとうね。カイト君」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・カイト君?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
・・・・・・・も、もしかして・・・・・・・・・・・・・
「カイト君!カイト君!!」
出来るだけ体を揺すらないようにしながら声をかける。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
駄目、反応がない!
「どうやら落ちたときの打ち所が悪かったようですな。
頭からではありませんでしたが・・・・・急いで医療室に運びましょう」
そ、そんな・・・・・・・・
☆☆☆☆☆☆☆☆
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ここは・・・・・・・・・・・・・・・・医療室?
「やっ、アキト。目が覚めた?」
俺のことをアキトと呼ぶのはシズクともう一人・・・
「・・・・シンジか・・」
「うん。そうだよ
けどアキト。確かに出れない理由っていったけどアレじゃミナトさん心配するよ。
後で謝っておいた方がいいよ。」
そうだった。だから医務室にいるのか。
・・・ミナトには後で謝っておくか・・・
「・・・・・・シンジ、それはそうと戦闘の方はどうだったんだ?
お前がココにいるということはもうすでに終わったんだろう。」
「うん、ちょうどさっきね。後のほんの少しで火星に突入するよ。
で、被害の方だけど・・・・・
ヒカル、イズミ、リョーコ機は小破、ヤマダ機は中破。
前三機は戦艦を落としたときの爆発による被害。それ以前の戦闘ではほぼ無傷。
ヤマダ機は・・・・・叫んでいる最中に集中攻撃をくらい中破にまで持っていかれた。
・・・・あの癖さえなければリョーコちゃん達と同等かそれ以上の腕前なんだけどね」
叫び・・・・・・あの「ガイ、スーバー・ナッパー!」ってやつか?
「まぁ、それ以外は特に問題点はないと思うよ。
ナデシコの方も現状でできる限りでは最前の援護もしていたしね。」
「と、いうことは・・・」
「うん、合格だね。戦力的にも技術的にも前回より高くなっているし、
別にカイトがいないからってとまどっていることもない
・・・・と言ってもこれについてはこれが初の本格的な戦闘なんだから当たり前なんだけど。
まぁ、とにかくこれだったらカイトがいなくなっても平気だと思うよ。」
「そうか・・・」
「ただし!」
ただし?まだ何かあるのか?
「それはあくまでも歴史が前回通りの場合だけ。
僕らがココにいると言うだけでも歴史はかなり変わると思う。
たとえ何もしなくても、ココにいるだけでね」
それだけ俺達の存在が異質だということか。
「具体的に何が起こるのかはまったくわからないけど、前回通りにいかないのは確実と考えて良いと思う。
・・・・・・まぁ、今はそんなことよりも別のことを気にした方がいいか。
とりあえず僕はとっとと出ていくから」
別のこと?
何のことだ?
プシュー
「カイト君!!大丈夫!!!」
「・・・・・・どうしたんだ、ミナト。そんな血相変えて・・・」
☆☆☆☆☆☆
「あっ、やっほー、シンジ君!」
格納庫にはいると端の方の自動販売機の前にヒカルちゃんが、
そしてその逆側の端・・・と言うか隅っこには何故かボロボロになっているヤマダ君がいる。
「お疲れさま、ヒカルちゃん。怪我とかはない?」
といっても戦闘を見る限りでは大丈夫だと思うけど・・・
「うん。全然平気だよ。平気じゃないのは・・・・・・ヤマダ君くらいじゃないかな?」
ヤマダ君の方を見ると・・・・・・・・足がピクピクと痙攣を起こしている・・・(汗)
「・・・ね、ねぇ。何であんな怪我してるの?
エステは中破したけどそれが理由ってわけじゃないよね」
というかたとえ大破してもあそこまで酷くはならない・・・
「理由じゃないけど原因ではあるよ。帰艦してきたときに
勝利のポーズだー!
って言ってただでさえ中破しているエステをさらに破壊してウリピー達にフクロにされたのよ」
・・・・・・・・・そういえばヤマダ君のエステ・・・・・確かに戦闘後よりも更に酷く壊れている・・・
にしてもみんなやりすぎじゃないのかな?
・・・・・・・・・・・・・・・まぁ、ヤマダ君だからいいか。
「なるほどね。ちなみにリョーコちゃんとイズミちゃんは?」
たしか前回では3人ともココにいたはずだけど・・・・
「ムッフッフッフ・・・リョーコは医療室、イズミは食堂に行ったよ!」
リョーコちゃんは・・・アキトのところだよね・・・・・ミナトさんには悪いけど別にいいよね。
イズミちゃんは・・・・・・食事・・・・・・・・・ではないよな、今の言い方だと・・・・・・とすると・・・
「・・・・・・・・・・リョーコちゃんはカイトとして・・・・・・イズミちゃんは・・・・・・・・・・・・まさかアキト?」
いくら何でもそれは・・・・
「ピンポーン。大当たり!」
・・・あるんだね・・・
「まさかまさかだよねー。あの二人が、特にイズミでこんな話が出来るなんて」
たしかに、悪いかもしれないけどそんな浮いた話が出てくるような人物じゃないしね。
「けどどうしてだろう?
リョーコちゃんは訓練で一緒だからまあわかるけど・・・
・・・・・・・イズミちゃんは・・・・・・・何か接点てあるかな?」
「え〜と・・・何か話を聞いてもらったとかなんとか言ってたよ」
話・・・ね・・・・・・・・何時の間に・・・・
「まぁ、今のところ好きな人としてまでは見れてないみたいだけどね」
う〜ん・・・まぁ、イズミちゃんも何か色々と在るみたいだしね。
フワッ
「ぅわっ!」
急に天井と地面が逆さまになる・・・・・・・ユリカさん・・・今回も重力制御してないね・・・
「きゃあっ!」
「ん、よっと!」
ガシッ
片手で手すりに捕まりもう片方の手でヒカルちゃんを抱き寄せる。
ムニッ
・・・ふむ、思ったよりも・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・って、ちがう!
何を考えているんだ僕は!
「だ、だいじょうぶ、ヒカルちゃん?」
「う、うん。ありがとう」
グシャッ
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・何だ?今の音・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・あっ、ヤマダ君・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・まぁ・・・・・・・・・・・・・・いっか
つづむ
後書き
おかしい・・・・・・一番最初に書いたときは戦闘シーンだけで半分あったのに・・・
納得がいかないからって何度も書き直しているうちに・・・・・・・・・戦闘シーン0・・・・・
な、なぜだ!
しかしここのところ書くペースが遅れているな〜(汗)
すみませんです。
管理人の感想
幽さんからの投稿です!!
ミナトとカイトが良い感じ(笑)
意外なのは、アキト×イズミ・・・良いんだろうか?
・・・まっ、いいか(笑)
ヒカルは何気にシンジが落としそうだし。
ヤマダは・・・なんか、不幸の階段を一つ一つ昇っていそうだしな〜(爆笑)
では、幽さん投稿、本当に有難うございました!!
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