時の流れにIf−彼の鎖が増えた訳

 

第二話

 

 

 

 

 

 

俺がデッキに帰還するとユリカが待っていた。

 

「アキト!!良かった無事だったのね!!」

 

顔中に微笑みを浮かべて、俺の無事を喜んでいる。

 

「ああ、何とか生き延びたよ。」

 

俺も軽く答えを返す・・・

その後適当に受け流すと俺は医務室に向かった。

 

   ピッ!!

 

「アキトさん・・・」

 

「ルリちゃん?」

 

突然コミュニケの画面が現れルリちゃんが現れる。

 

「はい、そうです・・・お疲れ様でした。」

 

「止してくれよ・・・あんな戦いは、今の俺にとって戦闘の内に入らないさ。」

 

苦笑する俺を見てルリちゃんか゜顔を少し顰めた。

 

「ユリカさんにも・・・事情を話されないのですね。」

 

「色々と考えてね、今はまだ話すべきじゃないから。」

 

俺は視線をルリちゃんの正面に合わせて、自分の考えを言い切る。

「ユリカには、このままの関係で接するつもりだ。そうすれば過去への干渉を、少しは防げる・・・

 余りに大きな干渉をしてしまって、予測の出来ない未来を招きたく無い。」

 

下手に干渉をして、肝心な所で失敗をしたくは無い。

大筋の処はあまり変わらないからこの後も大した変化はないだろう、

この前の二の舞はごめんだからだなだな。

 

「・・・アキトさんがそう言われるのなら、私は何も言いません。

 ですが・・・アキトさんが死ぬ事が解ってる人を前にして、助けずにいられますか?」

 

嘘は許さない・・・そういった目で俺を見つめるルリちゃん。

 

「無理だろうな。」

 

あっさりとそう言い放つ俺

 

「えっ?」

 

「今度はみんなを救うつもりさ、今までであった人も、これからで会う人も。」

 

「そうですね、私はそんなアキトさんだからこそ、支えてあげたいと思うんですから。」

 

「有難うルリちゃん、そのためにも相談したいことがあるんだ」

 

「何でしょう?」

 

「そねは・・・」

 

俺はラピスも過去に戻っている事を、ルリちゃんに説明し・・・

ラピスとルリちゃんの二人で、前頼んだのと同じ計画を実行する事を頼んだ。

 

「・・・と、言う事なんだけど。」

 

「・・・結構悪知恵が働くんですね・・・アキトさんって。」

 

例の冷めた目で俺を一瞬だけ睨み・・・

 

「勿論、その作戦には参加させて貰います。・・・それにラピスには、一人補佐を付けましょう。」

 

手の込んだ悪戯を見せる時の表情で、俺に話かけるルリちゃん。

 

「補佐?ああハリ君か、そう言えばあの子も戻っているはずだな」

 

いかんいかんすっかり忘れていた。

 

「ええ、覚醒してからすぐに私に連絡をしてきました。」

 

「出来れば直ぐに連絡を取って、ハーリー君にラピスの補佐を頼んでくれないか?」

 

「解りました・・・それではまたブリッジで。」

 

「ああ、ブリッジで会おう。」

 

  ピッ!!

 

その言葉を最後に、ルリちゃんとの通信は途絶えた。

そして俺は、ブリッジに向けて歩き出す。

まあ、予想通りなので仕方が無い事だが。

ムネ茸が叛乱を起こした。

まあわかってはいたがうざいな。

俺は食堂から動くつもりは無かったが

ルリちゃんの頼んだ出前を持って、ブリッジに来ていた。

そして現れる連合宇宙軍の戦艦・・・

俺とルリちゃんは、目の前の戦艦と通信を繋いだ瞬間、両手で耳栓をしていた。

 

「ユリカ〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!」

 

「お父様!!」

 

さすがだな超音波兵器親子、しかしこの威力は使えるな今度の新兵器のアイディアはこれで行こうかな。

ちなみに始めのミスマル提督の一声で、ブリッジの半分位の人が意識を手放しかけていた。

その隙を狙ったかの様に、ユリカとミスマル提督の親子の会話が続いている・・・

やはりなれるとあの大声も対したことなくなるのだろうかなどと変なことを考える考える

 

「ユリカ!!おお、久しぶりだなこんなに立派になって(号泣)」

 

「そんな、お父様とは今朝も一緒に、食事をしたじゃないですか。」

 

「そうだったかな?」

 

・・・アルツハイマー症候群になるのは、早すぎるでしょうミスマル提督。

危うく口に出して言いそうになった、危ない危ない。

 

「これはこれは、ミスマル提督・・・一体どの様な御用件でしょうか?」

 

このままでは、親子の会話から抜け出せ無いと判断したらしく・・・

プロスさんが復活し、ユリカとミスマル提督の会話に割り込んだ。

 

「うむ、こちらの用件を言おう。機動戦艦ナデシコに告ぐ!! 地球連合宇宙軍提督として命じる!! 直ちに停船せよ!!」

 

簡単に言えば、ナデシコを寄越せ・・・という事だ。

 

「・・・どうします、アキトさん?」

 

「今回も動くつもりは無いよルリちゃん。」

 

ルリちゃんが俺に質問をしてくる。

ちなみに、昼御飯にと俺にオーダーしたチキンライスを、今も食べている。

・・・行儀が悪いぞ、ルリちゃん。

 

「・・・解りました。それとハーリー君に連絡入れておきました、OKだそうです。」

 

チキンライスを食べ終え。

口元を拭きながら、俺に小声で報告をするルリちゃん。

 

「そうか、ラピスにはもう連絡をしているから、後は大丈夫だな。」

 

「・・・まだ、繋がってるのですか?」

 

そしてやはり何故か悔しそうな目で、俺を見るルリちゃんだった。

なんでだろう?

 

「・・・あ、ああ?」

 

そこで俺と、ルリちゃんの小声での会話は終わった。

その後の展開は・・・

ユリカが皆の制止を聞かずマスターキーを抜き、ナデシコは操作不能になり。

そしてユリカはプロスさんとジュンを連れて、提督の待つ戦艦に乗り込んで行った。

・・・しかし前回もそうだが、何をしに行ったんだユリカは?やはり謎だ

ユリカがしつこく、俺がユリカと別れてからの過去を聞くので、俺は両親が殺された事を話した。

犯人は既に知っているが・・・

この時点でのユリカへの言い逃れには、最適だと思った。

それに、前回も前々会もそう言ったからな。

今、俺達の目の届かない所で、戦艦クロッカスとパンジーがチューリップに吸い込まれていた

そして場面は厨房に戻り・・・

 

「どうした!! 皆、暗いぞ!!俺が元気の出る物を見せてやる!!」

 

その元気の良さは相変らずだな、ガイ。

 

「どうします?もう直ぐユリカさんが帰って来ますよ。」

 

隣の椅子に座っていたルリちゃんが、オレンジジュースを飲むのを止めて俺に話し掛ける。

 

「ん、前回は勢いで反撃をしたからな・・・今回はどうやって・・・考える必要は無いみたいだよルリちゃん。」

 

「・・・ですね。」

 

俺達の目の前では既に、ガイを先頭に皆が反撃を始めていた。

・・・多分忘れていると思うんだが・・・ガイ、お前足を骨折してるんだろ?

ガイの丈夫さはこのころからだったのか。

 

「あ、こけましたね。」

 

「ああ、その上皆に踏まれているな。」

 

哀れな奴だな。

俺は心の中で合掌する。

そして俺達は、叛乱した兵士達を鎮圧しつつデッキに向かった。

俺も途中で遭遇した兵士を叩きのめした。

この程度軽い軽い。

そして、俺とルリちゃんは廊下でミナトさんと出会った。

 

「あれ〜、ルリちゃんってアキト君と仲がいいんだ?」

 

「はい、そうなんですミナトさん。」

 

「アキト君も艦長とルリちゃんを、天秤にかけたりしないわよね〜。」

 

・・・声は軽いが、目が真剣で恐いぞミナトさん。

このころからゴシップ好きだったんだ。

 

「アキトさんはそんな事しませんよミナトさん。」

 

「ふ〜ん、アキト君の事には詳しいんだルリちゃんは。」

 

今度は優しい目でルリちゃんを見詰めるミナトさん。

そう言えば過去でもミナトさんが、一番ルリちゃんの面倒を見てたな。

 

「ええ、アキトさんの事には詳しいですよ私は。」

 

ルリちゃんも、ミナトさんに微笑みながら返事をする。

そんなルリちゃんの返事と表情に、驚くミナトさん。

 

「初対面の時は、あんなに無表情だったルリちゃんが・・・そうか、これも全部アキト君のお陰なのね。」

 

・・・ミナトさん・・・全部って、まあ間違っては無いけど。なんか言葉に含みが入っているような気が

 

「そうですね。最初の時は実は緊張してたんです。

 アキトさんと、再会出来るかどうか解らなかったので・・・」

 

「ほぉぉぉぉぉぉ!! 言うじゃないルリちゃん!!」

 

その言葉を後ろで聞きつつ逃げていく。さっさと格納庫へ行こう。

俺とルリちゃんはチューリップを牽制する為に、エステバリスの格納庫に向かった。

 

 

 

「・・・今回もマニュアル発進ですね。」

 

何故か嬉しそうなルリちゃん。

あれはちょっと・・・流石に今度もやるのは俺も嫌だ。

 

「・・・ちゃんと飛行ユニットを付けて行くよ、今回は。」

 

「そうなんですか・・・じゃあヤマダさんは本当に、イイトコ無しですね。」

 

「・・・だな。」

 

・・・でもやっぱり飛行ユニットを付けて俺は出撃した。

すまんガイ。

何時かお前も、日の目を見る時が来るさ・・・多分。

きっと遠いだろうが。

 

「あれ〜、ルリちゃんどうしたの、急に笑ったりなんかして?」 

 

「ちょっと、意地悪してあげたんです。

 昔された意地悪の仕返し、かな。」

 

「・・・誰に意地悪をしたの?」

 

「秘密です。」

 

「教えてよ〜ルリちゃん。」

 

「幾らメグミさんでも、これは絶対秘密です。」

 

「もう〜、ルリちゃんの意地悪!!」

 

等の会話があった事など、俺は知らない。

結局、俺がまた余裕でチューリップの触手をいなし、遊んでる間にユリカが帰艦し。

戦闘はナデシコがチューリップの入り口に頭を突っ込み、グラビティ・ブラストの一撃で決着はついた。

 

 

やれやれさっさと休んで今後に備えるか・・・・

そう考えつつ俺はナデシコに戻っていった。

 

 

 

 

 

                        続く

 

 

あとがき 

どうもみなさん、もっきりしていますか?(謎)

私はしていません。(じゃあ聞くなよ)

さて今回も1時間程度と時間をかけづにやりましたがこれがつづくのも後少しでしょう。

大体六話ぐらいでオリジナル設定に入って行きます。

北斗はまだ先になりそうです(シクシク)ちなみに筆者は北ちゃん派です。

オリキャラなのにすごくいいですね。

ではまた三話で会いましょう。

 

 

 

 

 

管理人の感想

 

 

yukiさんからの投稿です!!

本編に沿って話は進んでますね。

しかし、北斗の登場を早めるって・・・

どうするおつもりなんでしょうか?(笑)

まさか、既に北辰パパはご臨終とか?

 

・・・そう簡単に死ぬタマじゃねぇ〜な、アレは(苦笑)

 

ではyukiさん、投稿有り難う御座いました!!

次の投稿を楽しみに待ってますね!!

 

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