逃亡者達・外伝〜ぼやき〜あるいは愚者たちの後悔およびそれにいたる道 
           (タイトル長っ!!)

なお、当人たちの名前は本人たちの希望で伏せさせてもらいます。

やや薄暗い照明、落着いた雰囲気
ここは逃亡者達の基地、ラー・カイラム内にあるただひとつのバー
『愚者達の溜まり場』
今日もまた逃げ出した愚者たちを相手に商売をするあなた。
さて、今日はどんな話が聞けるのでしょうか?


カランカラン

と心地よいベルの音を鳴らして扉が開く
入ってくるのは男二人。
「いらっしゃい・・・おや珍しいですねあなた方がそろってくるなんて」
「まあな、たまたまそこでバッタリと合ってな。それにちょっと話したいこともあってな、なあ『戦神』」
「ん?そうだっけ?まあいいか。とりあえず座ろうか『駄目亭主』君。」

そう言って座るとそれぞれ注文をする二人。
「ブランデー、ロックで」←『戦神』
「ビール」←『駄目亭主』

「コラコラ、『戦神』君は言いとして君はまだ未成年でしょうが。オレンジジュースでいいですね。」
「ちっ、まあいい。」


「ハイ、お待たせ。」
そう言って二人の前に注文の品を置く。
「それじゃあごゆっくり。」
そう言ったあなたは二人に背を向けてグラスを磨き始める。
むろん、二人の会話に耳を傾けて。

「で、話って?」
そう尋ねる『戦神』
「ん?ああ、それは後でいいんだ。・・・ところで『戦神』、あんたが逃げ出した女たちってどんなやつらだった?」
その一言で『戦神』が凍りつく
「なっ!なんだいいきなり。・・・・・まあ、一言で言えば俺なんかにはもったいないくらいの人たちだったよ、
・・・でもあの嫉妬心さえなければなぁ、いい人たちなんだけどねぇ。」
そう言った『戦神』はどこか遠い目をしていた
「・・・そっ、そうか。あんたも苦労してんだな。」
同情の眼差しで『戦神』を見る『駄目亭主』。
「まあね、そういう君もかなり大変だったそうじゃあないか」
「・・・まあな、気がついたら世界を裏で操ってたし。死んだはずのやつも気がついたらいたし・・・」
なんだか悟りきった顔で言う『駄目亭主』
「あっ、そういえば『戦神』、あんた宛に手紙が来てるぜ、どうやってかは知らんが俺のと一緒に。」
「なぜに?」
そういって渡された手紙をよく見る。
「ん?枝織ちゃんからか?」
でも枝織ちゃんって手紙かけたっけ?(失礼)
「『駄目亭主』君の方にも着たんだろ?もう読んだのかい。」
「いや、まだだ。一人で読むのはちょっとな」
「で、ここで一緒に見ようと言うわけかい?」
「ああ、どっちからいく?」
「そちらからでいいよ」
「・・・わかった」
そういって慎重に手紙を開ける『駄目亭主』
そこには




『駄目亭主―マ君へ』
んも〜、ひどいよひとりでどかにいくなんて。
かえってきたらおしおきだね(はぁーと)

『二股男』さんもいっしょみたいだしみんなおこってるんだからね
かえってきたらすぐにけっこんできるようになってるからね
エヘへへへ、あっ、でもなんだか『隊長』がなんだか「そっ、それでは法律が・・・いや倫理的に問題があります。」
なんていってたけどむしむし。

でねでね、おうちはおかのうえでまわりはそうげんなんだ
でねおおきないぬをいっぴきかってね、あっ!こどもは3にんはほしいな
それからあさはわたしの『おはようのきす』でめをさますんだよ
でね「おはよう、もうあさだよ。おきて」っていうと『駄目亭主ーマ君』は「キスしてくれたら起きる」
なんて、きゃー!!

ついしん・はやくかえってこないとほんとにおこっちゃうぞ
                                 『幼妻』より(はぁーと)




「・・・・・・」
「・・・・・・」
「・・・らっ、らぶらぶだな」(汗)
「・・・本当にそう思うのか?」
青い顔をしてつぶやく『駄目亭主』
「これじゃあ捕まったら3ヶ月は日の目が見れなくなるんだぞ・・・」
「そっ、そうなのか。大変だな君も・・・じゃあこっちも読むよ。」
 



『戦神-(引く)キト+伸ばし棒』くんへ
ひっど〜い、『戦神-(引く)キト+伸ばし棒』くん。
わたし達をほおって逃げるなんて。
北ちゃんなんか怒ってイライラしてるし、零夜ちゃんはなんだか邪悪な笑みを浮かべて

「ふっふっふ、これで私の北ちゃんとの愛の逃避行を邪魔する奴はいなくなったわ。
さあ、北ちゃん、
一緒に百合の世界へレッツゴ
「やめなさい。」スパン!!
「はう」
バタッ
ズルズル←引きずる音
「千沙、これ始末しといて」
「えっ、でもこれって・・・」
「いいから早く、それとも私の命令が聞けないの?」
「いえ、そういうわけでは」(汗)
「じゃあ頼んだわよ」


なんてこともあったし、(それは俺の所為じゃないぞ!)
あっ、そういえば舞歌さんが言ってたんだけどね、なんでも
「こっちの準備も終わったしはやく『戦神』君捕まえないとね、あっ、ところで枝織ちゃん。
枝織ちゃんは大草原の小さな家と山奥の小屋と南国の島とどれがいい?って聞いてきたんだ、
『戦神-(引く)キト+伸ばし棒』くんはどれがいい?わたしはね大草原の小さな家がいいなぁ。
あれ?そういえば何言おうとしてたんだっけ?まあいっか。
じゃあね『戦神-(引く)キト+伸ばし棒』くん。

追伸・舞歌さんが言ってたのって結局どういう意味なんだろうね。
                                  影守 枝織より




「・・・・・・」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「・・・あんたも相当やばくないか?」
「・・・ああ」(滝汗)

「お互い・・・希望を捨てずにがんばろう『駄目亭主』君」
「ああ、がんばろうぜ」

がしっ
お互い力強く手を取り合うと無言で頷き合った。
そうしてまた、飲み始める。

ぽつりと呟く『戦神』
「最後まで生き延びれるかなぁ」(ぼそっ)
だが『駄目亭主』に即座に否定される。
「いや、無理だろう。それは」
「無理かなぁ」
「ああ、たぶんな」
「「・・・ふぅ。」」

盛大なため息を吐いた二人だった。

こうして今日も夜がふけていく。
さてさて、明日はどのような話が聞けますことやら。

                     《終》



あとがき・1
どうも皆さん、お久しぶりです。
お忘れの人もいるかもしれませんが『二代目説明お兄さんもといyuki』です。
さて、今回のはタイトルどおりActionに投稿されているBA-2さんより製作許可を得て
書かせてもらったものです。どうもBA-2さん有難う御座いました。

あとがき・2
結局、なにが書きたかったかというと、
最後の二人のため息が書きたかっただけです。


ではまた来年もActionで会いましょう。
ご苦労様でした。 
                          製作日 2001.12.31