< 時の流れに >

 

 

 

 

 

第十五話.サイド・ストーリー

 

 

 

 

 

 

「・・・それでは、第三回報告会を始めます。」

 

 私は薄暗い部屋に集まった人達に向けて、そう宣言をした。

 

「・・・ねえ、ルリルリ。

 どうして、医療室の照明の光度を落としてるの?」

 

「その方が雰囲気が出るからです。

 それと・・・この場では私の事は、『妖精』と呼んでください。」

 

「・・・あ、そう(汗)

 じゃ、どうして私はココにいるのかな?」

 

「ミナトさんでなければ、正常な判断が出来ないからです。」

 

 それを聞いて、自分の周りを見渡したミナトさんは・・・

 

「・・・納得。」

 

 と、一言呟きました・・・

 そして、その周囲の女性達も全員が一斉に頷きました。

 

 ・・・皆さん、一応自覚はあったんですね。

 

「では、今からTA保護&監視同盟(以後、TA同盟)の新たな仲間を紹介します。」

 

 私はそう言いながら、私の後ろに控えていた三人の女性と、一人の女の子を呼びます。

 

 ちなみに、このTA同盟は愚かな事を考えている某組織の殲滅と。

 TAの浮気を監視(主な目的はこちら)する為のものです。

 私が提案し、今では11人の同盟者(ライバルとも言います)によって活動をしてきました。

 

 そして、今日は新しい同盟者が・・・

 

「皆さん、本名は既にご存知ですよね?

 ですから本人の考えられたコードネームで、今から紹介をします。

 今後、この場ではコードネームで呼んでくださいね。」

 

 私の言葉を聞いて、また全員が頷きました。

 それを確認した私は、新同盟者の紹介を始めます。

 

「まず・・・『金の糸』さんと、『銀の糸』さんのお二人。

 そしてその隣におられるのが、『メンテ』さん。

 最後の一人は、『幼き妖精』です。」

 

「「以後、宜しくお願いします。」」 × (金の糸、銀の糸)

 

「これからも、宜しくね!!」 (メンテ)

 

「仲良くしてね♪」 (幼き妖精)

 

 新同盟者が挨拶をしていた頃、医療室のドアの外では・・・

 

 

 

 

 

「なあ、オモイカネ?」

 

『何、ガイ?』

 

「俺って・・・怪我人なんだよな?

 しかも入院中の。

 それがどうして、廊下に布団を敷いて寝ないと駄目なんだ?」

 

『・・・じゃ、今の医療室に入ってみる?』

 

「・・・止めとく。」

 

『懸命な判断だね。』

 

 

 

 

 

「さて、今日は重大な発表があります。」

 

「そうなの、ル、『妖精』ちゃん?」

 

 ・・・相変わらずボケてますね、『天真爛漫』さん。

 何のために今日この場に、皆さんが集まったと思っていたんですか?

 

「はい、とうとうアキトさんの女性撃墜パターンの解明に成功しました。」

 

 

 オォォォォォォォォ!!

 

 

 動揺の気配が医療室に渦巻きます。

 ・・・しかし、このパターンを解明したとしても、それを防ぐのはかなりの困難なのですが。

 

「そ、それは一体どんなパターンなんだよ!!」

 

「ちょっと!! 落ち着きなさい、『赤い獅子』」

 

「ふん!! お前も珍しく動揺してるじゃんかよ『裏方』さんよ!!」

 

「はいはい、落ち着きなさい。

 『妖精』が続きを話してくれないわよ。」

 

 二人の雰囲気が険悪になっていくのを、一人の女性が止めました。

 

「・・・有難う御座います『科学者』さん。

 では、まずはこれを見てください。」

 

 

 ピッ!!

 

 

 私が医療室のウィンドウに、ある図面を映し出していた頃・・・

 

 

 

 

 

「おいおい、何でこんな所で寝てるんだヤマダ?」

 

「ごぉ〜、がぁ〜・・・」

 

「・・・熟睡してやがる。

 廊下で布団を敷く行動も理解出来んが、こいつの神経も理解不能だな。

 まあいいか、俺はイネスさんに用があるんだから・・・」

 

『あ!! 医療室のドア付近を触ったら駄目だ、ウリバタケさん!!』

 

 

 バリバリバリ!!

 

 

「あんぎゃ〜〜〜〜〜〜〜〜!!」

 

 

 バタ・・・(ブスブス)

 

 

『こ、これを仕掛けていたのか『メンテ』さんは(汗)』

 

 

 

 

 

「これが・・・アキトさんの必殺技です。

 私は『アキト流 10連コンボ』と名付けました。」

 

「これが・・・アキトさんの・・・」

 

 『三つ編』さんがそう呟きます。

 

「皆さんも、この10連コンボには思い当たるふしがあると思います。

 ・・・では、ここで試しに新同盟者の『金の糸』さんで実験をしてみます。」

 

「え、私で?」

 

 突然に指名に驚く『金の糸』さん。

 

「はい、そうです。

 では、第1コンボ「運命の出逢い」を思い出して下さい。」

 

「・・・そうね、確かに強烈な出逢いだったわ。

 私は両親を目の前で亡くして、茫然自失としていて。」

 

 確かに・・・強烈な出逢いですね。

 でも、ここにいる全員がそれに近い出逢いをしています。

 

「それは・・・大変な出逢いでしたね。

 そして第2コンボ「親身な態度」に繋がる訳です。」

 

「その時、生きる気力を無くしていた私を励ましくれたのが・・・アキトだった。」

 

「私は・・・食堂で出逢って、食事をしながら色々な会話をしました。」

 

 『銀の糸』さんも、アキトさんとの出逢いを思い出しているみたいです。

 

「そして、第3コンボ「華麗なる技」に続きます。

 これは戦闘能力であったり、料理の腕前の事ですね。」

 

「私はその後の戦闘を見て・・・『銀の糸』は厨房での姿、と言うわけね。」

 

「それに当てはまりますね。

 次の第4コンボ「謎の言動」では・・・皆さんかなり複雑な思いがあると思います。」

 

 この「謎の言動」によって、アキトさんの事が深く心に忍び込むのでしょう。

 皆さんも思い当たる事が多い様です。

 顔を顰める人、赤い顔をする人、青い顔をする人・・・

 アキトさんは、どんな姿を皆さんに見せたのでしょうか?

 

「・・・確かに、謎の言動が多いわね。」

 

「そうね、私達はまだまだテンカワ君の事について無知だわ。」

 

 『科学者』さんと『裏方』さんが考え込んでます。

 『五花』さん達も・・・何か考えられてますね。

 

「・・・では、次の第5コンボ「突然の別離」ですが。

 意味としては、一時的にアキトさんとの距離が離れる事を表しています。

 これは私達で言えば、あの西欧方面軍の出向等が適応されますね。」

 

 もっとも、私は2年間も離れていた事がありますが。

 

「なるほど・・・」

 

 私の言葉に皆さんが相槌をうちます。

 

 

 

「・・・私、どうしてここにいるんだろ?」

 

 ミナトさんが悲しそうに呟いていた頃・・・

 

 

 

 

 

「はいよ!! チャーハン定食あがったよ!!」

 

「はい!!」

 

「ほら、さっさと食器を洗うんだよジュン!!

 まったく、この忙しい時にあの子達は何処に行ってるんだい!!」

 

「ホウメイさ〜〜ん、ラーメン定食二つ追加っす!!」

 

「了解!! 悪いねナオさん、手伝わせちまって。」

 

「いいって、いいって、暇だったんだからさ。

 ・・・でもなジュン、皿を割るなよ?」

 

「僕はそんなに不器用じゃない!!」

 

 

 パリン!!

 

 

「・・・後でプロスさんに請求しとくからね。」

 

「・・・(シクシク)」

 

 

 

 

 

「そして、ここからが後半のコンボです。

 ここまでHITすると・・・まずアキトさんのコンボから逃げる事は不可能ですね。」

 

 

 シ〜〜〜〜〜ンンン・・・

 

 

 医療室に静寂が落ち・・・

 私は説明の続きを始めます。

 

「第6コンボ「心の片隅を占める影」・・・前回の別離により、私達は自分の気持ちに気付く訳です。

 間を置く事により、冷静に自分の気持ちを考えるからですね。」

 

「良く解るわ、その気持ち・・・」

 

 誰が呟いたのかは解りませんが・・・それは全員の心の言葉でしょう。

 

「続けますね・・・第7コンボ「望んだ再会」です。

 私達との約束を守る人ですから、アキトさんは。」

 

「そうだよね・・・アキトは絶対に約束を守ってくれるもんね。」

 

 『天真爛漫』さんが激しく頷いています。

 

 会えなかった時間が長い程、この再会の効果は大きいです。

 ・・・私自身が体験した事ですから、良く解ります。

 『幼き妖精』も、過去に来てからはそれを体験してますしね。

 

 私の隣にいる『幼き妖精』も頷きながら、何か考え事をしています。

 

「・・・一時的にアキトと私は離れていたわ。

 移動作戦の行動中だったからね。

 確かに、想いが募ってアキトの存在の大きさを知った。

 そしてその分、再会した時は嬉しくて仕方が無かったわね。」

 

 『金の糸』さんが、これまでのコンボを思い浮かべながら話します。

 

「・・・ここにいる全員が、その気持ちを知ってるわ。」

 

 『三つ編』さんが代表する様に、『金の糸』さんに話し掛けます。

 

「・・・そうよね。」

 

 『金の糸』さんも『三つ編』さんに微笑みながら、返事をしました。

 

 その頃、格納庫では・・・

 

 

 

 

 

「なあ、班長とレイナちゃんは何処に行ったんだ?

 早くこの木星蜥蜴の無人兵器を、解体しなくちゃならないのによ。」

 

「さあな? それよりテンカワは今は月にいるんだって?」

 

「そうそう、不思議な奴だよな〜〜〜」

 

「・・・不思議で済む問題か、おい?」

 

 無駄話をする整備班達の後ろを、青い服を着た怪しい人物が走り抜けて行った。

 

 

 

 

 

「ここから終盤に入ります。

 第8コンボ「闇の衝撃」・・・今更私が告げる必要は無いでしょう。」

 

 私の言葉を聞いても、誰も反応を返してきませんでした。

 ・・・実際、あの状態のアキトさんを見た人には説明など不要です。

 決して忘れる事など不可能なのですから。

 

「私達は見たわ・・・怒りに囚われているアキトを。

 そう、三人で止め様としたのよ。

 でも、一睨みされただけで・・・動けなくなった・・・いや、動きたくなかったのよね。

 ・・・私達を・・・見ていなかったから。」

 

 『金の糸』さん『銀の糸』さん、そして『メンテ』さんはそれっきり黙り込んでしまいました。

 私達も・・・あまり思い出したくありません。

 ですが、アキトさんのその衝撃の姿が、更に深く私達を束縛するのです。

 

 ・・・無視する事など、もう不可能なのですから。

 

「第9コンボ「深い傷痕」・・・これも、言葉に出す必要はありませんね。」

 

 やはり、誰も・・・・何も言いません。

 先程まで、ぶつぶつと言っていたミナトさんも今は黙っています。

 ミナトさんもナデシコの出航からずっと、アキトさんを見ていましたから。

 何度も見たはずです、そして聞いたはずですアキトさんの心の叫びを。

 アキトさんの悲しみも、怒りも・・・

 

「・・・そして、また一つアキトの心に傷がついた、か。」

 

「・・・忘れる事なんて出来ませんよね。」

 

「でも、乗り越えるしかないんですよ・・・

 今までも、そうだったのなら。」

 

 『金の糸』さん『銀の糸』さん『メンテ』さん・・・

 私の知らない事件があったのでしょうか?

 

 ・・・後で『幼き妖精』にでも聞いてみましょう。

 

 

 私がそんな事を考えている頃・・・

 

 

 

 

 

「・・・どうして廊下に布団を敷いて寝ているんだ?」

 

 

「ゴォ〜〜〜〜!! ガァ〜〜〜〜〜!!」

 

 

「何だか、俺と顔形が似ている様な気がするな。

 いや、俺はこんなに寝相は悪くないぞ!!

 ・・・まあ、それは良いとして。

 こっちは・・・気絶しているのか?」

 

 

「あ、がが・・・」(ブスブス・・・)

 

 

「・・・

 ・・・

 ・・・見なかった事にしよう。」

 

 10分後、彼はある部屋にて宝物を発見する。

 

 

 

 

 

「これが最後です・・・最終コンボ「逃れられない束縛」

 もう、ここまでくると決定的ですね。

 自分の心を偽る事は、苦痛でしか無いのですから。

 そして、アキトさんの強さと弱さを知った私達には・・・」

 

「確かにね・・・逃げる事は不可能ね。

 テンカワ君の事を知れば知るほどに、ね。」

 

 『裏方』さんが目を閉じながら呟き。

 

「そもそも、逃げるなんて選択肢を俺は考えた事はないぜ!!」

 

 『赤い獅子』さんが不適に笑いながら宣言をしてます。

 ですが、今日の議題はそんな事ではありません。

 

「ですが・・・今日の議題は、どうやってこのアキトさんの10連コンボを阻止するか、です。

 しかも最終奥義『爽やかな笑顔』と、絶対防御技『天然』の二つも考慮に入れなければなりません。」

 

 私の発言を聞いて・・・

 皆さんが凍りつきます。

 

「そ、それは確かに難しいわね・・・

 でも、第5コンボあたりで長期間離れていれば、案外上手く引き離せるかも?」

 

 『メンテ』さんのその発言に。

 私は『天真爛漫』さんを指差しながら、『メンテ』さんに反論をします。

 

「それは逆効果です、積もり積もった年数分だけ第7コンボ「望んだ再会」時に効果が倍増します。」

 

「ふにゃ?」

 

 『天真爛漫』さんは意味が解らない、という表情をしてますが・・・

 他の女性は全員溜息をつきました。

 

「・・・確かに軽率な事は出来ないわね。

 恐ろしい威力だわ、『アキト流 10連コンボ』

 

 ・・・貴方も過去で会ってますからね『科学者』さん。

 記憶を取り戻す前に、何か手段を考えないと駄目ですね。

 

「しかし、コンボが始まると本当に手が出せないのね。

 やっぱり基本は、アキトさんに女性を近づけさせない事かな。」

 

 『三つ編』さんが顎先に指を当てながら、そんな事を言います。

 

「でも、アキトって不思議なくらい女の人と遭遇するから・・・」

 

 『幼き妖精』の発言に・・・私達は頭を抱えてしまいました。

 

 私達がそんな事に頭を悩ましていた頃・・・

 

 

 

 

 

「ん? 何か反応があった様な気が・・・」

 

「どうしたんだマキビ君、何か異常でもあったのか?」

 

「いえ、気のせいですよ。(誰も居ない筈のブロックだもんな。)」

 

「そうか・・・それにしても、艦長達は何処に行ったんだ?」

 

「・・・さあ。(知っていても、僕にはどうしようもありません(涙))」

 

 

「・・・ハーリー君、泣いてますよ。」

 

「何か悲しい事があったんだろうな。」

 

 

「暇だね〜イズミ〜、リョーコも居ないし。」

 

「・・・じゃあ、ハーリー君で遊ぶ?(ニヤリ)」

 

「・・・それ、ナイス♪(ニヤリ)」

 

 

 十分後・・・

 

 

「うゎぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁんんんん!!」

 

 

「・・・泣きながら、出て行っちゃいましたね隊長。」

 

「・・・ああ、青春だな(ニヤリ)」

 

 

 

 

 

「・・・我等の侵入をこうも容易く許すとは。

 噂程では無いな、ナデシコよ。」

 

「では・・・」

 

「いや、それでも暫くは様子を見よう。

 油断は最大の敵だ。

 今は情報の収集と、爆薬の設置を優先しろ。」

 

「はっ!!」 × 6

 

 

 

 

 

 そして、私達の会議は結局有効な手段も考えつかず。

 時間切れによって終了となりました。

 これでも皆さん忙しい身の上ですから。

 ・・・私もですけど。

 

 そして、全員が医務室の入り口に向かい。

 

「・・・私は本当に、何の為にここにいたんだろう?

 ま、面白い話だったけどね。」

 

 その途中で、ミナトさんが愚痴を言います。

 

「前回と前々回では、『赤い獅子』さんと『裏方』さんが乱闘になりかけたんです。」

 

 私も一応フォローをしておきます。

 ・・・後で、食堂の紅茶でもご馳走しましょう。

 

「・・・あ〜、納得。

 でも『幼き妖精』ちゃんは、ハーリー君が好きだと思ってたんだけどな。」

 

 その発言を聞いて、私の隣を歩いていた『幼き妖精』は立ち止まり・・・

 

「友人(オモチャ)としては最高だよ。

 でもそれ以上の進展は絶対に無いけどね。

 だって、対象にならないもん。」

 

「・・・はっきり言うのね(汗)」

 

 それ以上、ミナトさんからの発言はありませんでした。

 

 

 プシュ!!

 

 

「きゃっ!! ウリバタケさん、トラップに引っ掛かってたの〜〜〜〜!!」

 

 足元で気絶しているウリバタケさんを見て驚く『メンテ』さん。

 ・・・ご自分が仕掛けたトラップでしょう。

 

「おいおい、泡を吹いてるぜ!!」

 

 それを見て、ちょっと引き気味の『赤い獅子』さん。

 

「・・・それでも熟睡しているヤマダ君は、ある意味凄いわね。」

 

 布団から抜け出し、廊下の真中で大の字で寝ているヤマダさんを見て、呆れる『裏方』さん。

 

「馬鹿なだけじゃないんですか?」

 

 『三つ編』さんの痛烈な突っ込み。

 

「私達も、早く自分の持ち場に帰らないと駄目ね。」

 

「そうね、姉さ・・・じゃ、なくて今は『金の糸』でしたよね。」

 

「そうよ、『銀の糸』♪」

 

 じゃれあいながら、職場に向かう『金の糸』さんと『銀の糸』さん達。

 

「「「「「あ〜!! ピークの時間を過ぎてる!!」」」」」

 

 『五花』(ジャスミン、ミント、ハーブ、セージ、ラベンダー)さん達が慌てて走り出します。

 

「じゃ、私も・・・って、ここが私の仕事場だったわね。」

 

 ・・・ボケてるんですか、『科学者』さん?

 

「それでは、私達も通常業務に戻りますか?」

 

「そうだね、早くアキトを迎えに行きたいし。」

 

「まったく・・・どうしていきなり月なのかしらね。」

 

 私と、『幼き妖精』の言葉を聞いてミナトさんが苦笑をしてます。

 

 しかし、アキトさんの行動の一つ一つに、どれだけの深い意味がある事か・・・

 それが解っているのは、私とハーリー君と『幼き妖精』だけ。

 

 何時か・・・私達は皆さんに、真実を告げる事になる筈です。

 

 アキトさん、その時貴方は・・・

 

 

「さっ!! ここで会議はお終い!!

 早くブリッジに行こうよ、ルリちゃん、ミナトさん、ラピスちゃん、メグちゃん!!

 サラちゃんに置いてかれちゃうよ?」

 

 満面の笑顔で、私達にそう話し掛けるユリカさん。

 

 

 

 ユリカさん・・・今の貴方で、あのアキトさんを受け止められますか? 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第十六話に続く

 

 

 

 

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