<スレイヤーズ西遊記>

 

 

 

第四十五話 

 

ガウリイの過去 その9

 

あらすじ

 

 とうとう、出ましたこの人!!

 リナのライバルとして登場したのは、あの天然美少女シ(ガスゥゥゥゥ!!)

 

(・・・煩いんですよ、昨日飲み会で私は二日酔いなんです。)

 

 ・・・

 

(おや? ちょっといい所に決まりすぎましたかね?)

 

 ・・・

 

(・・・ちょっと危ない状態ですね。

 口から泡を吹いてますし。

 ・・・ま、この人なら大丈夫でしょう。

 確か、事故修復回路(笑)が付いてるはずですから。)

 

 ガバッ!!

 

 んな訳あるかい!!

 

(ほら、大丈夫だったじゃないですか・・・それに大声で話さないで下さい。

 頭に響くじゃないですか。)

 

 もういいわい!! 俺は話を始めるからな!!

 では、スレイヤーズ西遊記 第四十五話 今から始めろ!!

 

(・・・始めろって?(汗))

 

 

「リナは何処に行ったんだ〜〜〜?」

「はあ、どうしろって言うのよ?」

「ううう、出番が少ないですぅ・・・」

「・・・それでも俺より圧倒的に多いぞ、アメリア。」

「あら、皆さん楽しそうですね?

 あ、私は旅の空のムササビさんの代理で、ここに登場させて貰いました。

 以後、宜しくお願いしますね。(ニッコリ)」

「「「「嘘?」」」」

 

 

 

 

 

第一章.屋敷にて

 

 大きな居間に、三人の男性が机を囲んで座っていた。

 ・・・もっとも、男性の一人は未だ意識不明だったが。

 

「さて、もうそろそろですかな?」

 

 太った中年の男性が、そう言いながら席を立ち。

 用意をしていたお茶を、湯飲みに入れる。

 

 そんな中年男性の行動を見て、頭を傾げるゼルガディス。

 その時・・・

 

 ガバッ!!

 

「はっ!! ここは何処だ!!

 何故俺はあの女性に見覚えがあったんだ?」

 

「・・・気絶してまで、お前は女性に会いに行ったのか。」

 

 椅子に座った状態で気絶していたガウリイが、突然復活した事にも驚いたが。

 そのいきなりの台詞に、思わず突っ込みを入れるゼルガディスだった。

 

「はい、御主人様。」

 

「あ、サンキュ。」

 

 

 ズズズ〜〜

 

 

 何気なく出されたお茶を、これまた当たり前の様に受け取り飲み干すガウリイ。

 

「・・・」

 

 呆れて何も言えないゼルガディス。

 

「ん、どうかしたのかゼル?」

 

「いや、俺の一般常識で考えていた、3年振りに会った音信不通の主人に対する態度と・・・

 お前さんのその執事の対する態度が、全然当てはまらないんでな。

 ・・・ちょっと、頭痛が。」

 

 そう言いながら、自分の額に手を当てるゼルガディス。

 

 

 ガタッ!!

 

 

 そして、突然椅子から立ち上がるガウリイ!!

 驚愕の表情のまま、自分の隣でニコニコと笑っている執事に向かって。

 

「何方か存じませんが、自分は天竺にお経を受け取りに行く旅の坊主で・・・」

 

「・・・新しい遊びですか? 御主人様?」

 

 ガウリイの肩に手を置き、笑いながら話し掛ける執事・・・

 しかし、その執事の目は笑っていなかった。

 

 

 シ〜〜〜〜〜〜ン

 

 

 居心地の悪い静寂が居間に満ちる。

 そんな中、ガウリイは頬に汗を掻いていた。

 

「・・・一番初めの再会の時に、直接挨拶をしてたろうが。

 あの時、意識と一緒に記憶まで飛ばしたのか?」

 

「・・・多分。」

 

 ゼルガディスの台詞に、頬を引き攣らせながら答えるガウリイだった。 

 

「さて・・・3年間も何処をさ迷ってられたんですかな?

 今まででの最長は2週間の迷子でしたが。

 今回は河にでも流されましたかな?」

 

「ははははは・・・」

 

「・・・お前さん、この国でも俺達との旅と変わらない事してたんだな。」

 

 憮然とした表情で呟くゼルガディスだった。

 

 

 

 

 

 

第二章.譲歩

 

 

 さて、あの後執事からの追及をノラリクラリと、何時もの調子で誤魔化したガウリイ。

 気が付けば、何時の間にか2時間もの時間が経過していた。

 

「はぁ・・・まあ、話すつもりが無い事は解りましたよ。

 それで、シルフィール様にはもうお会いされたのですか?」

 

「・・・」

 

 

 ギン!!

 

 

 無言のガウリイに、執事の視線にかなり険悪なモノが混じる・・・

 この時ゼルガディスは、ガウリイを置いてこの屋敷から逃げ出そうか? と本気で検討をしたそうだ。

 

「ま・だ・な・ん・で・す・ね?」

 

 一言一言、区切りながら怒りの表情を作り出す執事。

 ・・・本気で怖いモノがある。

 

「いや・・・まあ、ほら流石に気まずいし・・・

 

 後ずさりなら、何とか気弱げに返事を返すガウリイ。

 その珍しい光景に、もう少し観戦をする事を決めるゼルガディスだった。

 

「シルフィール様は、3年間も!! 御主人様を待ってられたんですよ!!

 それを御主人様は、何をこんな所で油を売ってるんですか!!」

 

「・・・そのシルの事で立ち寄ったんだよ。」

 

 ガウリイの態度の変化に、敏感に反応する執事。

 

「なら・・・お話を聞かせてもらえますか?」

 

「ああ、これはこの街に辿り付く前に聞いた情報なんだが・・・」

 

 口を執事の耳に寄せ、小声で何かを話すガウリイ。

 ゼルガディスは内容を知っているので、さほど気にはしなかった。

 

 が・・・

 

 

「そんな馬鹿な!!」

 

「いや、本当らしい・・・奴の狙いはシルと・・・俺だろう。」

 

 執事の叫び声に驚くゼルガディス。

 

(・・・どうやら、関係者にか解らない話があったらしいな。

 なら、俺が口を出すまでも無い。)

 

 そう判断を下すゼルガディスだった。

 

「でも!! 確かにあの方は御主人様の手にかかって・・・」

 

「ま、さ迷い出てきたんだろうな。

 今度はきっちりと、あの世なり地獄なりに送ってやらないとな。」

 

 口調は軽いが、ガウリイが珍しく動揺している事がゼルガディスには解った。

 

 かなり・・・興味をそそられたらしい。

 その座っている椅子が、先程よりガウリイ達に近づいているのが証拠だ。

 

「で、だ・・・俺としては身辺警護の隊員に紛れこんでだな・・・」

 

「そんな回りくどい手を使わなくても、直接警護すれば・・・」

 

 ガタガタ(椅子が移動する音)

 

「だから、俺は都合が悪いんだって。」

 

「ですが、御主人様が王城に入れば直ぐに正体が・・・」

 

(王城に忍び込むのにも一苦労だな、ガウリイ。)

 

 などと、人事に思ってたゼルガディス。

 

「そこで、このゼルの出番となる訳だ!!」

 

 ポン!!(ゼルの肩に手を置くガウリイ)

 

「・・・何、だと?」

 

 突然のガウリイの行動に、驚きを隠せないゼルガディスだった。

 

「信用出来るのですか、この人?」

 

「ああ、かなり怪しい人物だが、一応信用は出来るぞ。」

 

「お前にそんな事を言われる覚えは無い!!」

 

「ははは、まあまあ。」

 

「御主人様の御推薦ですからね、一応信頼をしますよ。」

 

「人の話を聞け!!」

 

 そして、なし崩し的に・・・

 

 

 

「・・・何故、俺はこんな所にいるんだ?」

 

 兵隊の詰め所で、そんな愚痴を言うゼルガディスだった。

 

 

 

 

 

第四十五話         END
							 	 	第四十六話に続く
あとがき

「こんにちわ、ニンエです。

 何だかまたノリが軽くなってます。

 ・・・作者の禁断症状でしょうかね?

 もう少し統一したストーリーを。書いて欲しいものですね。

 では、また次回でお会いしましょう。」

 

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