<スレイヤーズ西遊記>

 

 

 

第四十六話 

 

ガウリイの過去 その10

 

あらすじ

 

 しかし・・・話が進んでるのか止まってるの解らないな。

 それでも今回で10回目(笑)

 う〜ん、どうなるんだろう?

 

(まあ、あの作者の予想を既に、大幅に超過してますからね。)

 

 そうだよな〜、もう通算で四十六話だもんな(苦笑)

 大体、始めのプロットでは全二十話の予定だったんだろ?

 

 ・・・どうやったら、ここまで話が膨らむんだ?(爆)

 

(そう言えば、昔はそんな事を言ってましたね。

 ・・・今となっては、過去の過ちですね。)

 

 ・・・過ちなのか?

 では、スレイヤーズ西遊記 第四十六話 今から始まります!!

 

 

「そうか〜、本当なら第二十話で終ってたのか〜」

「二十話って・・・確かニンジン果編を引き伸ばしていた頃ね。」

「ああ、ザン馬さんがザンニャさんに、ランクアップした時の話ですね。」

「あれはランクアップと言うのか?」

「ああ、お茶が美味しいですね〜」(まだ飲んでるのか?)

 

 

 

 

 

第一章.城内

 

 

 静かな初夏の風が、心地よい深夜・・・

 城内を警護する兵士達は、それぞれ仕事をしながら談笑をしていた。

 上層部が騒がしいのは知っていた。

 何か危機が迫っている事も・・・

 だが、それが直接、今のこの城内には及ばないと全員が考えていた。

 

 人間、嫌な事からは自然と目を背けるものだ・・・

 

 しかし、そんな浮ついた警護の一団の中で、一人の男だけは気を張り詰めていた。

 その男は警護の順番を待つ為に、兵隊の詰め所にいた。

 

 そして、溜息を吐きつつ呟く・・・

 

「・・・こんな下手な警護では、やっている意味が無いな。

 ガウリイが心配するわけだな。」

 

(良くも悪くも平和に慣れきってる。)

 

 ゼルガディスは自分の周りにいる兵士達を観察し、そう判断を下した。

 そんな事は知らず、談笑を続ける兵士達。

 

 それを見て、また溜息をつくゼルガディスだった。

 自分もかなり怪しい人物だと思うのだが・・・

 兵士の制服を着ている、というだけで他の兵士達は安心していた。

 

 そんな兵士達の態度を見て、これから先の事を考えると、頭を抱えたくなるゼルガディスだった。

 なまじ、自分が天上界で警護の任に当たっていただけに。

 この城内の警備の杜撰さが、目に付いて仕方が無かったのだ。

 

 そして、ゼルガディスの内心の苦悩も知るはずもなく・・・

 一人の兵士がゼルガディスに話し掛けてきた。

 

「おい新入り!! 何を気難しい顔をしてるんだ?」

 

「・・・城内に入るのは、初めてなんでね。

 ちょっと緊張をしてるんだよ。」

 

「そうか・・・まあ、直ぐに慣れるさ!!

 それと、もう直ぐ交代の時間だからな!!」

 

「ああ、解ってるよ。」

 

 苦笑をしながら、話し掛けてきた兵士にそう返事を返すゼルガディス。

 今日警備隊に配属されたばかりの、ゼルガディスのその台詞に納得し。

 話し掛けてきた兵士は帰っていった。

 

 今、ゼルガディスは自分の姿を、普通の人間に見えるように術を使っている。

 さすがに岩の肌をした人物は、あの執事の推薦でも雇ってはもらえない。

 

 その事を思い出し、顔を顰めながらも律儀に自分の仕事こなすゼルガディスだった。

 

「さて・・・女王様の現在位置の把握だけでもしておくか。」

 

 

 ブゥゥゥゥ・・・

 

 

 兵士達に気付かれない様に、探索の術を使うゼルガディス・・・

 しかし、その結果を見た瞬間、ゼルガディスの顔は厳しくなった。 

 

「・・・早速侵入者か、これは根本的に警備がザルだな。」

 

 

 ダッ!!

 

 

 次の瞬間、ゼルガディスの身体は詰め所から消え去った。

 

「お〜い、新入り!! 交代の時間だぞ〜〜〜

 ・・・あれ?」

 

 交代を知らせに来た警備の兵隊は、誰もいない詰め所を不思議そうに見ていた。

 

 

 

 

 

第二章.斥候

 

 

「おい、そこから先は通行禁止だぞ。」

 

 その言葉を聞いて、王族の部屋に続く扉を開けようとしていた、男の手が止まる。

 

「・・・私は特別でして。」

 

「じゃあ、許可書を見せてみろ。」

 

「はいはい、これが・・・そうだ!!」

 

 ヒュン!!

 

 

 ガギィィィィィ!!

 

 

「な!!」

 

 男が腰から抜き打ちに放った斬撃を、兵士は素手で受け止めていた。

 

「ふん、それなりの剣士と言うところか。」

 

 自分の受けた斬撃の衝撃を計り。

 呑気にもそんな台詞を吐く兵士に、男は驚愕の表情を作る。

 

「き、貴様何者だ!!」

 

「人に名前を聞く前に、自分の名前を名乗ったらどうだ?」

 

「くっ!!」

 

 ダッ!!

 

 ゼルガディスのその言葉を聞いた瞬間、男は窓に向かって走り出す。

 

「無駄だ、既にお前は俺の結界に囚われている。」

 

 ガン!!

 

「何だと!! これは・・・貴様、仙人か!!」

 

 見えない壁に拳を叩きつけ、ゼルガディスを睨みつける男。

 

「・・・正確には神族の兵士だがな。」

 

 そんな事はどうでもいい、そんな表情で男に詰め寄るゼルガディス。

 しかし、男との距離があと2、3歩になった時、その表情が引き締まる。

 男の額にある紋章を見付けたからだ。

 

「貴様・・・まさか魔界と契約をしたのか!!」

 

「へへへへ、流石に俺の正体を見抜いたか。

 そうさ、俺は既に前の大戦で死んだ身の上さ。

 ・・・ある御方の力によって、復活をしたんだよ。」

 

 男のその台詞に、ゼルガディスの雰囲気が一変する。

 

「ならば・・・ガウリイだけの問題ではないな。

 これは天上界に対する挑戦か!!」

 

「さあな、そこまでは俺も知らないさ。

 俺は命令に従って、女王をさらいに来ただけだからな。

 ・・・それよりもお前の話を聞くと、あの『獅子将軍』も帰ってきてるみたいだな。」

 

「・・・チッ!!」

 

 その男の言葉に、ゼルガディスが舌打ちをする。

 

「ふ、ふはははははは!!

 これは最高だ!!

 俺達を殺し尽くした、あの男がまた女王を守るとはな!!」

 

「今のガウリイは、昔の奴じゃない。」

 

「そんな事は俺達には関係無いね!!

 最高だ・・・最高だぜ!!

 それでこそ、俺達が生き返った意義があるって・・・」

 

 

 ザン!!

 

 

 ゼルガディスの斬撃が、男を左右に切り裂く・・・

 

「ばばば・・・おでを、ころじでも、いみば無いぜ・・・

 あのおどごに恨みをもづ奴ば、それごぞ数千にも・・・」

 

「『ラ・ティルト』!!」

 

 

 コゥゥゥゥゥゥゥ!!

 

 

 ゼルガディスの放った仙術により、青い炎に包まれる男・・・

 

「ばばばば!! たのじみだぜ!!

 あのおどごが、もがき苦し・・・」

 

 笑いながら、男は青い炎の中で崩れて・・・消滅した。

 

   チン・・・

 

 腰に自分の剣を仕舞いながら・・・ゼルガディスは厳しい顔を崩していなかった。

 

「・・・ガウリイの過去の清算だけと、思っていたが。

 どうやら、俺達天上界の住人にも関係があったか。

 しかし・・・コイツ等を操ってる奴、何者なんだ?」

 

 ゼルガディスの問に答える存在が、その場に居るはずもなかった・・・

 

 

 

 

 

第四十六話         END
							 	 	第四十七話に続く
あとがき

「こんにちわ、ニンエです。

 おお、何だかシリアスですね〜

 ・・・この作者、本当に話に統一性が無いですね。

 でも格好いいゼルガディスさんは、ゼルガディスさんじゃないですね(爆)

 では、また次回でお会いしましょう。」

 

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