<スレイヤーズ西遊記>

 

 

 

第五十話 

 

ガウリイの過去 その14

 

あらすじ

 

 気が付けば、第五十話・・・

 この連載も一年を超えるわけだ。

 

(・・・流石に、感慨深いものがありますね。)

 

 そうそう、作者が田舎に帰りたいと泣き叫んで・・・一年だ。

 

(それは・・・ちょっと・・・)

 

 そして、本当ならこの話数で地上編は終っていたはずだ。

 

(まあ、あの作者ですから・・・ね。)

 

 最近は仕事の忙しさを理由に、現実逃避を多用するただの危ない奴だ。 

 

(・・・それは危ない状態ですよ。)

 

 小説の書けないあの男に価値なんてね〜!!

 仕事もヘマをして始末書を書く始末!!

 とっととテメ〜は、荷物を(ガシュッ!!)

 

(あ・・・潰されましたね(汗)

 まあ、口の悪いナレーターですからね。

 自業自得です・・・夏の暑さのせいですかね?

 では、スレイヤーズ西遊記 第五十話 今から始まります!!)

 

「何だか・・・久しぶりだな、この話?」

「何でも珍しい事に、残業に追われていたらしいわよ?」

「お仕事でですか?」

「・・・それ以外に残業は有りえんだろうが。」

「私の事・・・忘れてません? ねえ?」

 

 

 

 

 

第一章、あれから・・・

 

 

 ダンッ!!

 

「くっ!! 俺の結界を、こうも簡単に破るとは!!」

 

 プライドを傷付けられたのか、ゼルガディスが激昂しながらテーブルを叩く。

 

「・・・どうやら、侮れない相手のようね。」

 

 そんなゼルガディスを横目で見ながら、リナが感想を言う。

 シルフィールの誘拐が発覚してから、半日が経過していた。

 勿論、リナ達は懸命にシルフィールの行方を捜したが。

 ・・・何の手掛も、掴む事は出来なかった。

 

 そして、ガウリイは・・・

 

「アメリア、ガウリイの様子は?」

 

 リナが、見張りをしていたアメリアに現状を聞く。

 

「う〜、まだ部屋の中で睡眠中ですぅ」

 

 一番に動き出そうとしたガウリイは。

 リナによって動きを封じられ。

 今は隣の部屋で眠らされていた。

 

「しかし、いいのか?」

 

 ゼルガディスがリナにそう尋ねる。

 

「・・・今回の相手は、生身の人間には戦えないわ。

 ああするしか、無かったのよ。」

 

 リナが複雑な表情で、ゼルガディスの問に返事をする。

 

「本当に、そう思ってるのか?

 ・・・ガウリイの奴は、天上界の神兵クラスより実力は上だぞ。

 格闘戦では俺を凌駕しているしな。」

 

「何が・・・言いたいのよ。」

 

 ゼルガディスの追求に・・・

 そっぽを向きながら、リナが問い返す。

 

「・・・別に。

 俺にはガウリイとシルフィールが出会うのを、リナが嫌がってる様に見えたんでな。」

 

 サラリ、と爆弾発言をするゼルガディス。

 

「なっ!! 何を馬鹿な事を言うのよ!!」

 

 それを聞いて激昂するリナ・・・

 

「ちょ、ちょっと、リナさん!! 落ち着いて下さい!!」

 

 二人の間でオロオロとしているアメリア。

 

「ゼルこそ、簡単に結界を破られちゃって・・・みっとも無いわね、本当に!!」

 

「・・・何だと。」

 

 一触即発の二人の雰囲気に、アメリアは泣きそうな顔で困っていた。

 そしてある事を思いつく。

 ・・・この二人を止める事が可能な人物の存在を。

 

「ガ、ガウリイさんに仲裁してもらいましょう!!

 私が止めるより、その方が効果的です!!」

 

 何と言われようと・・・ガウリイの発言力には凄いものがあった。

 それを思い出したアメリアは、コソコソとガウリイの眠る部屋に向かう。

 

 

 

 

 コンコン!!

 

「ガウリイさん、起きてます?

 ・・・と言っても、リナさんの一撃と呪文で眠らされているんですもんね。

 どう考えても起きてるわけは・・・」

 

 ギィ・・・

 

 扉を開けた状態で固まるアメリア。

 20分前には、この部屋で眠るガウリイを見張っていた。

 しかし、今この部屋には・・・

 

「う、嘘でしょう〜〜〜〜〜?」

 

 ガウリイの姿は跡形も無く消えていた。

 

 背後ではとうとう喧嘩が始まったらしく、モノが壊れる音が聞こえる中。

 アメリアは呆然とした表情で、主のいない部屋を眺めていた。

 

 

 

 

 

第二章、それから・・・

 

 

 まだ眠いと主張する頭を軽く叩きつつ、ガウリイはある場所に向かっていた。

 理由は・・・無い。

 だが、自分の直感が告げていた。

 

 あの場所に二人はいる、と。

 

「絶対に、アイツとシルはあの場所にいる。

 ・・・絶対に。」

 

 ふらつく足を叱咤しつつ。

 ガウリイは、一歩一歩を踏みしめて歩いていた。

 自分の過去に決着を着けるために・・・

 

 

 

 そして、宿屋・・・

 

「で、見失ったわけ?」

 

「あれほど見張っていろと言っただろうが?

 あの男に、普通の常識は通用しなんだぞ。」

 

 先ほどまでの喧嘩を忘れて、二人で仲良くアメリアを責める。

 「離れた理由はお二人の喧嘩のせいです!!」・・・とは言えない悲しさ。

 アメリアは下を向いて、この屈辱に耐えていた。

 

 後日、絶対に二人に復讐すると心に固く誓いながら。

 

 取り敢えず今は、ブツブツと小声で危ない雰囲気をかもし出していたりした。

 ちなみにガウリイには、特別コースでお仕置きをすると決めたらしい。

 

「でも、この屋敷で待っていても仕方が無いわ。

 直ぐにガウリイを捜しに行きましょう!!」

 

「そうだな、あの男が簡単に倒されるとは思わんが・・・

 もしかしたら、多勢に無勢で危ない状況になっているかもしれん。」

 

 アメリアを責める事に飽きたのか。

 リナがそう宣言をして外出の準備を始める。

 そして、それに付随する様にゼルガディスも準備を始める。

 

「あの〜、私はどうしましょう?」

 

 ちょっと頬を引き攣らせつつ、リナに意見を求めるアメリア。

 

「留守番。

 何か城から情報が入ったら、念話であたしかゼルに教えて。」

 

「そうだな、誰か残った方がいいだろう。

 ガウリイの奴がもしかしたら、この屋敷に帰ってくるかもしれんしな。」

 

 限りなく少ない確立の事を言いつつ、今にも屋敷を飛び出しそうな二人に・・・

 アメリアは恨みの言葉を言う。

 

「・・・何だか、私だけ除け者になってません?」

 

 ちょっと涙目のアメリアを見て、苛め過ぎたかと反省するゼルガディス。

 リナは・・・既に屋敷を出て行った後だ。

 

「すまん、ちょっと意地悪が過ぎたな・・・

 だが、今一番精神的に不安定なのはリナなんだ。

 何か目的が無いと、馬鹿な事を仕出かしそうだからな。」

 

 解ってくれと、頼み込むゼルガディス。

 

「そこまで・・・考えてられたんですか。

 すみません、私のミスでこんな事になってしまって。」

 

 ゼルガディスが思っていた以上に、リナの事を考えていたのに驚き。

 素直に謝るアメリア。

 

「いや、さっき咄嗟に思いついた。」

 

「・・・」

 

 ゴスッ・・・

 

 無言でゼルガディスのボディーに、抉りこむ様なパンチを叩き込むアメリア。 

 床に蹲ってうめくゼルガディスを残し、屋敷の外に向かう。

 

「お留守番、お願いしますね♪」

 

 ゼルガディスからの返事は・・・無かった。 

 

 

 

 

 

 

 

第五十話         END
							 	 	第五十一話に続く
あとがき

「お久しぶりです!!

 いや〜、やっと作者に余裕が生まれた様です。

 しかし、先週は忙しかったみたいですね。

 ・・・久しぶりの残業に、体がついてこないと泣いてましたよ作者。

 まあ、たまには社会に貢献してもいいでしょう(苦笑)

 では、次の更新をお待ちください!!」

 

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