<スレイヤーズ西遊記>

 

 

 

第五十一話 

 

ガウリイの過去 その15

 

あらすじ

 

 ・・・死んでます、作者。

 何でも会社で急な仕事が入ったらしく。

 色々と忙しいうえに、夏バテだそうだ。

 まあ、普段の食生活からしてインスタントに、コンビニ弁当だからな。

 

(貴方も人の事を言えるのですか?)

 

 ふん、俺はアイツとは違う。

 ちゃんと休日は自炊をしてるぞ。

 アイツは一昨年に買った、炊飯機の梱包すら解いてないんだぞ。

 

(・・・ある意味、つわものですね作者も(汗))

 

 しかも、別に料理が出来ないわけじゃないぞ。

 キャンプは得意だし、学生時代は食い物屋でバイトをしていたからな。

 厨房を任されていた時もあったし。

 

(そんな性格なのに?)

 

 外面は良いんだよ、アイツ。

 さて、それではスレイヤーズ西遊記 第五十一話 今から始まります!!

 

「暴露ネタが続くな・・・最近。」

「余程混乱してるんでしょうね。」

「でも、誰も同情をしませんよね。」

「・・・俺が同情して欲しいくらいだ。」

「そうですよね〜」

「「「「いたの(か)(ですか)?」」」

「ひ、酷いです〜〜〜〜(泣)」

 

 

 

 

第一章、再登場

 

 

「リナさぁ〜〜〜〜〜〜ん!!!」

 

「あれ、どうしてアメリアが付いて来てるの?」

 

 ゼルガディスが付いて来ると思っていたリナだが。

 意外にも、自分を追いかけて来たのがアメリアと知り、その場に立ち止まってアメリアを待つ。

 

  タッタッタ・・・

 

 暫くすると、アメリアが到着した。

 

「リナさん、ガウリイさんの行く先に心当たりでもあるんですか?」

 

 到着そうそう、リナにそう質問をするアメリア。

 

「そんなモノ、無いわよ。

 でも、あのまま屋敷にいても現状は変わらないでしょ?

 なら、あたしは動く・・・少しでも事態が変わるかもしれないから。」

 

「リナさん・・・」

 

 そう言いきったリナに瞳には揺るがぬ決意があった。

 少なくとも相手は、ゼルガディスの封印を破った魔界の者。

 それを生身の人間であるガウリイが、迎え撃てるとは思えなかった。

 リナはゼルガディスの実力を、正当に評価していた。

 だからこそ、その魔界の者に危機感を抱いたのだった。

 

 そんなリナの表情を見て、決意の固さを知るアメリア。

 

(これは、私が何を言っても聞いてくれませんね。)

 

 そう悟ると、暗々たる気持ちになってくる。

 なら残る手段は・・・

 

「じゃあ、ガウリイさんの行きそうな場所を片端から捜しましょうか!!」

 

「その意気よアメリア!!」

 

 リナと一緒に暴走するだけ。

 

 アメリアは一番楽で、一番被害の大きい方法を選択したのだった。

 ここら辺が、苦労人のゼルガディスとお嬢様育ちのアメリアの違いかもしれない。

 

 ・・・取り敢えず、サイは投げられたのだった。

 この街の人間には傍迷惑な話だったが。

 

 

 二時間後・・・

 

 倒壊した酒場・・・3軒

 半壊した酒場・・・4軒

 負傷者・・・38人

 被害総額・・・この街の通貨を知らないため省略。

 

 が、一目見ただけで解る通り・・・

 

「・・・おかしいわね、ガウリイなら酒場に現れると思っていたのに。」

 

「でも、一応お坊様なんだし。」

 

 今更ながら、ガウリイの職業を思い出すアメリア。

 ・・・本当に、今更だな。

 

「甘いわね、アメリア。

 ガウリイは大きな街に着く度に、酒場に行ってたのよ。」

 

 リナはアメリアのその予想を、一言でで突き崩す。

 

「そ、そうなんですか?」

 

 額に汗を流しながら、ガウリイの日頃の行いに呆れるアメリアだった。

 それ以前に、自分達が酒場で行った凶行は忘れていいのか?

 

「ん?」

 

 次の襲撃先を考えていたリナが、ふと夜空を見上げると。

 そこには・・・

 

「キキキキィ・・・」

 

 ボロボロの姿で、空を飛ぶ一匹のムササビの姿があった。

 ちなみに、何故か帽子をかぶっている。

 

「ほぉほぉ〜〜〜〜」

 

     ニヤリ

 

「ひや!!」

 

 リナのその微笑を見たアメリアは、思わず悲鳴をあげていた。

 

 

 

 

 

 

第二章、湖畔

 

 

 ジャリッ・・・

 

 彼の足音に反応を返したのは、二つの人影のうち一つだけだった。

 足音を聞きつけた人影は、その場から立ち上がり・・・

 手に持った剣を腰に挿しながら、彼に歩み寄る。

 

 そして対峙する、二人の人物。

 

 一人は英雄と呼ばれながら、その地位を捨てた男。

 一人は全てを投げ打って男に挑み、そして裏切り者として死んだはずの男。

 二人に共通する事は、既にこの国の住人にとっては過去の人物だという事だった。

 

 お互いの顔を確認し、苦笑をする。

 

「・・・本当に、生き返っていたとはな。

 諦めの悪い性格は、地獄に落ちても直らなかったみたいだな。」

 

「こっちこそ、貴様が・・・何を考えているのか、俺には理解出来ん。」

 

 再会の言葉は、お互いへの非難だった。

 

 そして、無言の時間が過ぎる・・・

 

「何故、シルの元を去った?」

 

「もう俺は必要ないと判断したからだ。」

 

「ふん、甘ちゃんのお前の事だ。

 どうせ、人殺しで誉められるつもりは無い、とか考えていたんだろが。」

 

「・・・」

 

「やれやれ、変わらないなお前は、ガウリイ。」

 

「アンタは・・・変わり過ぎたんだ、ソード兄さん。

 俺やシルが付いていけないほどに。」

 

「・・・かもな。

 さて、始めるか。」

 

 ジャリィン!!

 

 腰に挿した剣を抜き、正面に構えるソード。

 しかし、ガウリイは・・・丸腰だった。

 

「どうした、幾らお前でも剣を忘れるとは思えんが?」

 

「ああ、忘れた。

 もう、俺は剣を捨てたんだよ。」

 

「・・・ふざけるな!!」

 

       ギャン!!

 

 ソードの振り下ろした剣から、真紅の衝撃波が発生する!!

 その衝撃波の軌道を見切り、咄嗟の判断で回避をするガウリイ!!

 しかし、衝撃波の余波に打たれ、身体は地面に打ち付けられる!!

 

「お前は!! そこまで腑抜けになったのか!!

 殺した人間の数に怯え、俺を殺した事を悔やみ。

 それで、剣を捨てただと?

 甘ったれるのもいい加減にしろ!!」

 

「・・・それは、違う。」

 

 ソードの言葉に反論をしながら、ゆっくりと立ち上がるガウリイ。

 

「何が違うんだ。」

 

「俺が剣を捨てたのは、後悔からだけじゃない。

 それが必要だったからさ。」

 

「必要、だと?」

 

「ああ、出家するにはな。」

 

 不思議そうに聞いてきたソードに、ガウリイは不敵に笑いながらそう答えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

第五十一話         END
							 	 	第五十二話に続く
あとがき

「最近は暑いですね〜

 作者も死にかけなら、私も脱水症状の一歩手前ですよ。

 でも、ガウリイ編もやっとクライマックスですね。

 例の忘れ去られていたキャラも再登場しましたし。

 さてさて、今後はどうなるのでしょうか?

 それでは、また来週お会いしましょう!!」

 

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