<真実への路>


第一部 第一話「始まりの別れ」

(2)

 


 しかし、まさか彼女から訪問してくるとは・・・
 ルーク達の依頼人は、アメリアだった。
 セイルーン聖王都の第二王女にして、巫女頭。
 とにかく、高い所と正義が好きな王女である。
 以前、いろいろな事情から、旅を共にした事がある。
「だけど、どうしてアメリアとルーク達が、知り合いになれたの?
 あれでも一応アメリアは、セイルーンのお姫様よ。」
 あたしの台詞に、多少頬を引きつらせてルークが答える。
「一応って・・・おい、その姫さんを呼び捨てにしていいのかよ。
 だいたい、初めて会ったのはつい最近で。
 宿屋の食堂で、なんか酔っ払い相手に正義について、演説してたぞ。」
 ・・・相変らずのようだ。(何だか会うのが嫌になってきた・・・)
「・・・そ、それで一体どうして、あたし達の知り合いだとバレたわけ?」
 その瞬間、ルークの眼があたしをジト眼で見つめる。
 うっ、何かあったのか。
「姫さんが言うには、やたら元気な魔導師の少女と。
 金髪碧眼の剣士を探している。
 と、宿屋で聞き込みやってたんだよ。」
 ふんふん、そこまでは普通よね。
「そこで、ちょとした知り合いに、そんな組み合わせの奴等がいる。
 少し前まで、一緒に旅をしていた。
 って言ったら・・・」
 言ったら・・・
「・・・あんたの名前を確認してから、急に親身になって。
 『よくご無事でしたね!!
  さぞかし大変な目に、会われたでしょうに!!
  多分聞かなくても解ります!!
  ダース単位の厄介事に、巻き込まれたでしょう!!
  今、生きている事が奇跡ですよ!!』
 って、慰めてくれてな・・・
 まあ、実際俺もそう思うけど。」
 ・・・アメリア、後で覚えてなさいよ。
「それで、姫さんと連れの冒険談を聞いたんだけど・・・
 よく生きてたな、お前さんとガウリイ。
 普通、問答無用で死んでるぞマジで。」
 ・・・皆さん、そうおっしゃいます。はい。
 って、連れ?
「ちょっと!! 連れって誰よ。」
「ああ、なんだか白いフードで顔を覆ってて、顔は見なかったが。
 なかなかの腕前の剣士、みたいだったな。」
 ゼルガディス!!
 あの魔剣士も一緒なの!!
 でもどうしてゼルまでが、あたし達を探してるの?
 いろいろと考えてみる。
 しかし、つくづくこのルークとミリーナ・・・
 ゼルやアメリアとも、縁が深いわね。
 何かの宿命!! とか。
 だったら凄く嫌だな・・・あたしは。
 多分、皆もそう思うと思う。(これだけは、自信がある・・・悲しいけど)
「それで、あたし達を探す依頼を受けて。
 どうして森の中で、デーモン達と戦闘になるのよ。」
 あたしの質問に、さも当然とばかりに答えるルーク。
「だって、お前さんを探すんだぜ?
 行き先は、だいたい解ってたからな。
 後は騒動のある方向に、行けばいいじゃねーか。」
 断言するな!! んな事!!
 あたしも好きで、騒動に巻き込まれてるんじゃない!!
「何だよその目は、何か間違ってるか?
 まあ、勘ぐりが行き過ぎて、デーモン達の団体に遭遇した時は。
 さすがに、あんた達を恨んだね。ははははは!!」
 笑い事か? 自業自得だろうが!!
「いいや、大正解だぞルーク。
 だいたいのトラブルには、リナが係わってると思っても。」
 ガウリイ・・・あんたも宿屋に着いたら、覚えておきなさいよ・・・
「でも、ミリーナもこの案には賛成したんだぜ。」
 思わず、前のめりにこけるあたし・・・
 ミリーナまで・・・
 あたしの、恨みがましい視線を受けて。
 ミリーナが言い訳をする。
「いえ、確率的に考えた場合。
 あの案が、一番遭遇率が高かったんです。」
 それって・・・フォローになってないよミリーナ。
「ふん!! いいわよ、どうせあたしは災害発生装置よ!!
 歩く魔族引き寄せ機よ、なんとでも言いなさいよ!!」
 ちょっと、開き直った自分が悲ひい・・・
「まあ、そう拗ねるなよりナ。
 何があっても、俺はリナの側にいてやるから・・・」
 ガウリイの優しい言葉に、ささくれ立った心が癒される。
 やっぱり、ガウリイはあたしの心に一番敏感だ。
 もしかしたら、あたし自信よりも詳しいかも・・・
 でも、そんな人が側にいてくれる事は、凄く幸せな事なんだろうな・・・
 ガウリイは・・・でも、あたしにはガウリイの心が解らない。
 あたしでは、ガウリイの支えにはなれないのだろうか?
 あたしは、自分が支え続けられるだけ、なんて嫌だ。
 あたしも、ガウリイを支えられる程の強さを、身に付けたい・・・
 ガウリイにとって、あたしの価値って何なんだろう?
 まあ、ルークみたいに言い寄られたら、攻撃呪文で吹き飛ばしてる・・・かも。
 解らない、自分の気持ちにどうしても、素直になれない・・・
 あたしが、自分の事やその他の事で悩んでいると・・・
「さあ、着いたぞこの宿屋だ。」
 ルークが到着の合図をした。

 

 そして、懐かしい仲間との再開の時・・・

 

(3)へ続く 

 

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