<お願い>

 

この作品は「冷静情熱のあいだ」の外伝です。

少なくても〜Rosso〜を読んで頂かないと理解出来ないと思います。

御手数ですが、先に〜Rosso〜の方をお読み下さい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

― The False Theater Annex―
〜 蛇足劇場 〜
「漢達の密談」
冷静情熱のあいだ 外伝

 

地球連合本部ビル・・・・・

地球圏の中枢として知られるこのビルの地下深くに、限られた一部の者しか存在を知らない施設がある。

その施設の更に奥まった所にある豪華な部屋・・・・・

その中には、巨大な円卓があり11人の男達が席に着いていた。

照明を消された室内には、無数のウインドウが浮かんでおり、その光が男達の姿をおぼろげに照らしている。

虚空に浮かぶウインドウには、塩の柱と化した青年が写っている・・・・・

その青年の名は「マキビ・ハリ」。

「電子の魔術師」の二つ名で呼ばれ、将来が期待される連合宇宙軍のホープであり・・・・・幸運の女神にコレ以上無い程嫌われた男であった。

 

「・・・オペレーション『虚像破壊』は完遂された様だな。」

「ああ、これで彼は女性に不信感を抱く筈だ。」

「それどころか、最悪、人間不信になる可能性もあるが?」

「それでも構わんではないか。」

「うむ、要は今回の作戦でできた心の隙間を『漢』で埋めればよいのだ。」

「問題は、どうやって『漢』の素晴らしさを印象付けるかだな・・・」

「確実なのは時間をかけて『漢』の誠実さを何度も見せる事だろうな。」

「それだけで大丈夫か?」

「純粋で単純な彼のことだ。それで十分だろうが・・・心配なら、誠実さを見せている途中で、もう一度女性に裏切らせれば良い。」

「相乗効果を狙うのか?」

「うむ、「漢は誠実」、「女は不誠実」と刷り込むことができれば・・・・・」

「彼が『漢』に心酔する可能性が飛躍的に高まるだろう。」

「では、その役を誰にやらせる?」

「「タカスギ・サブロウタ」はどうだ?彼なら元優人部隊、下地はあるだろう。」

「奴はダメだ。アレは筋金入りの女好き・・・我等の理想を理解できんだろう。」

「では「ツキオミ・ゲンイチロウ」はどうだ?」

「確かに、ツキオミなら理想を正しく理解しているし、彼にとっては木蓮式柔の師なので、仕事もやり易かろう・・・だが・・・・・」

「ツキオミは、組織の最高意思決定機関である我等「賢人会議」に入る為に、今はネルガルを乗っ取ってる最中だ・・・・・任務を引き受けるだろうか?」

「「任務を完遂できたら「賢人会議」に入れてやる」と言えば、喜んで引き受けるだろう。」

「それはそうだろうが・・・ネルガルからは手を引くと言うのか?」

「ああ、その通りだ。どうも「電子の妖精」がネルガルを狙っている節が在る・・・彼女と争うのは得策ではないと思うが?」

「・・・「電子の妖精」か・・・そうだな彼女とはこれまで通り、共存共栄が妥当だろうな。」

「・・・では諸君。「ツキオミ・ゲンイチロウ」をもってオペレーション『「漢」捕姦計画』を実行してもよろしいかな?」

「「「「「「「「「「異議無し!!」」」」」」」」」」

「では今回の「賢人会議」は閉会とし・・「待って頂きたい!No.0!!」・・・何だね、No.9?」

「先程、ツキオミの「賢人会議」入会の話が出たが・・・良い機会だし、もう一つの席も決めてしまわないか?」

「No.4とNo.12の後釜か?」

「待ち給え、No.10。元No.4だろう?今は繰り上がって、私がNo.4だ(笑)」

「失礼、No.4・・・元No.4「ロバート・クリムゾン」と元No.12「クサナギ・ハルキ」の後釜だ。」

「彼らもバカなマネをしたものだ・・・世界を支配して『薔薇の蕾』を独占しようとは・・・・・」

『薔薇の蕾』に手間隙を掛けて、立派な『燕』とするのが、真の『漢道』と言うものなのに・・・」

「所詮、彼等には「粋」と言う物が理解できなかった・・・ただそれだけだ。」

「・・・話を戻そう・・・・・クサカベの代わりにツキオミを据えるのは良いとして・・・・・もう一人はどうする?」

「バランスから言って、地球圏の者が良いだろう。」

「「ミスマル・コウイチロウ」はどうだ?・・・彼が入れば宇宙軍に太いパイプができるが・・・・・」

「奴はダメだ・・・娘と孫娘にベッタリで、我等が入る隙間がない。」

「では参謀長の「ムネタケ・ヨシサダ」は?」

「彼もダメだ・・・息子の「サダアキ」とは違う。」

「「ムネタケ・サダアキ」か・・・奴は無能だったが「理想」を知っていた・・・・・親とは正反対だな。」

「それよりも・・・私はメンバーを外部から招くのではなく、組織内部から昇格させた方が良いと思うのだが・・・」

「一理あるな・・・・・」

「それだと・・・「アララギ」はどうだ?将官クラスだし、組織にも5年前に入っている。」

「しかし奴は、一時期「電子の妖精ファンクラブ」の会長をしていたのだぞ?・・・彼女のスパイとも限らん。」

「その可能性は捨てきれんが・・・」

「少しでも危険性があるなら、「賢人会議」に入れる訳にはいかんだろう。」

「うむ・・・・・」

「そうすると・・・・・適任者がおらんな。」

「・・・「北辰」が生きていれば良かったのだが・・・・・」

「奴か・・・・・「児童に対するヴァイセクシャル」だったが・・・「理想」は持っていたな。」

「しかし奴は死んだのだ・・・・・さすがの我々でも死んでしまってはどうにもならん。」

「そうだな・・・・・」

「・・・・・・・・」

「・・・・・・・・」

「・・・適任者が居らぬなら、育ててはどうだ?」

「育てる?」

「ああ、現在育成中の彼を、適任者に育て上げるのだ。そうすれば・・・・・」

「・・・・・・・・」

「・・・・・・・・」

「・・・・・・・・」

「・・・・・・・・」

「・・・・・・・・」

「・・・・・・・・」

「・・・・・・・・」

「・・・・・・・・」

「・・・・・・・・」

「・・・・・・・・」

「・・・・・な、何かマズイ事でも言ったか?」

「いや、素晴らしい考えだ!!」

「ああ、何故今まで考えつかなかったんだろう!!」

「まさに名案!!」

「漢の浪漫」ここに極まり!!」

「では諸君、現在育成中の「マキビ・ハリ」を次代の「賢人」候補とする事に異議はないか?」

「「「「「「「「「「異議無し!!」」」」」」」」」」

「では第5834回「賢人会議」を閉会する・・・・・ご苦労だった。」

 

―――ガタガタガタッ カッカッカッカッカッ  バタンッ

 

男達が出て行き、無人となった室内・・・

静寂に包まれた空間には、未だ無数のウインドウが浮かんでいる。

ウインドウに写る、塩の柱と化した青年・・・・・マキビ・ハリ

幸運の女神にコレ以上無い程嫌われた青年に幸せは訪れるのか?

その答えは・・・・・神のみぞ知る。(作者は知らない(笑))

 

 

 

 

 

― The False Theater Annex―
〜 蛇足劇場 〜
「漢達の密談」
冷静情熱のあいだ 外伝

 

〜fin〜

 

 

 

 

あとがき 「苦笑編」

 

どうもBearDogです。最後まで読んでくださってありがとうございます。

この・・・

― The False Theater Annex―
〜 蛇足劇場 〜

シリーズは、― The False Theater ―の外伝であり、本編では書かれなかった「どーでも良い話」が書かれています。

本編よりも更に電波系な話なので、内容が全くありません。

それでも良いと言う(神の様に寛大な)方は、どうか楽しんでいってください。

ちなみにこのシリーズは、今回の本編にオマケとして書いていたところ唐突に思いついて産まれたと言う、誕生の経緯まで電波なシリーズだったりします(笑)。

 

それでは・・・たぶん次は『Guardian』になると思いますが・・・またお会いできることを願って・・・・・

 

  2002.02.15 BearDog