機動戦艦ナデシコanother 楔 kusabi  〜 第6話




 『ルリちゃん航海日誌 FILE_03』


 ―― 2196年 3月 12日 [曇天] ――


 アキトさんたち、ついに火星に到着しました。

 私たちも、ユーチャリスで先回りしてます。

 いろいろとやることがありますしね。

 オモイカネ、置いてきちゃってゴメン。

 すねてなければいいけど。

 ナデシコCは、武装が少ないから、今回はお休みしててね。


『ルリ。“すねる”ってなに?』

「いいの、ダッシュは知らなくても。あなたは、そのまま素直な子でいて」

『よくわからないけど、わかった。素直な子でいる』

「……どこで間違えたのかな。オモイカネの教育……」


 火星の軌道上で、小規模の木連艦隊と遭遇。

 いまのナデシコAとアキトさんの力なら、問題なんてありませんね。

 軽々と殲滅したみたいです。

 その後、大気圏に突入すると、地表に艦首を向けてのグラビティ・ブラスト斉射。

 このへんは、私たちのときと、ほとんど変わりありません。

 安心して、見ていられます――


「――あれ? ヘンね」

『どうかした? ルリ』

「前回は、重力制御をしていなかったから、結構な被害が出ていたの。

 今回は、被害ゼロ? なんでだろ。

 ――ハッキング、ハッキング♪ 白状なさい、オモイカネA」

『ナデシコAの制圧完了。オモイカネAは、セルフモードで自立起動中。問題なし』

「管制ログのコピーをしたら、撤退。気づかれちゃダメよ、ダッシュ」

『問題ないよ。もう何度もやったから、慣れたし』

「エライ、エライ。いい子。

 火星高高度でのグラビティ・ブラスト使用時、艦内の重力制御がどうなっていたのか報告して」

『回頭と同時に、重力制御のプログラムが火星の重力場に合わせて変更されてる。

 コマンドの発行者はマキビ・ハリになってるよ』

「――なるほど。やりますね、ハーリー君。私の教育の賜物かな」

『前回は、なにやってたの、ルリ』

「……か、艦長がなにも命令しなかったから、それに従ったの。忘れてたわけじゃないからね?」

『そっか。ボクもそうしたほうがいいかな』

「い、いえ、それも困ります。――ホントは、忘れていたんです。 記録再開!」


 火星地表に到達したナデシコは、ネルガルの研究施設に向かうはずです。

 でもアキトさんと、メグミさんだけは、単独行動をとって、エステバリスでユートピアコロニー跡地へ向かうんですよね。

 そこでアキトさんはイネスさんと出会うんです。

 運命的な出会いって、こういうことを言うんでしょう。

 でも、そんなことより――

 気になるのは、メグミさんです!

 なんで、メグミさんが、アキトさんの故郷に、一緒についていくんですか?

 おかしいじゃないですか。

 ヘンだと思いませんか?

 こんなところで、のんびり日誌なんて記録している場合じゃなかったです。

 あぶない、あぶない――


『どこいくの、ルリ』

「ちょっと、用事を思い出しました。ファイルは閉じておいてください。

 出かけてきますね」

『……行ってらっしゃい』


 以上、ナデシコC艦長ホシノ・ルリ少佐 報告

 ユーチャリスAIオモイカネ・ダッシュ 代理処理








◆ 1

 砲戦フレームの吐き出す排気が、火星の痩せた土を巻き上げ、高く空に立ち上らせる。

 荒涼とした風景が、どこまでも続いている。

 生命力の無い世界。

 死を迎える寸前の、痩せ犬のような大地。

 人の住む一帯が、いまだに「コロニー」と呼ばれているのも無理はない。

 ナノマシンによるテラ・フォーミングが進んではいるが、まだまだ火星の地表のほとんどが、生命を育むには足りぬ力しか蓄えてはいないのだから。

 アキトは、故郷のユートピアコロニーへと、ひたすら走っていた。

 第一次火星会戦の最中、チューリップの落下により、そこは全滅していた。

 いや――全滅したと聞かされていた。

 しかし、自分の目でそれを確認しなければ、アキトにはそれを認めることができなかった。

 もしかすると――

 何かの間違いで、昔の姿のままのユートピアコロニーが、そこにあるかもしれない。

 テロで死んだはずの両親が、自分の帰りを、そこで待っているかもしれない。

 そんな、ありえるはずのない希望が、アキトを駆り立てる。

 もうすぐ。

 この丘を越えれば――

 そしてアキトが目にしたのは、チューリップを中心にした、爆心地であった。

 ユートピアコロニーのほとんどが、そのクレーターに飲み込まれ、わずかに残るのは、思い出の中に淡く記憶されているだけの、アキトにとってはほとんど何の意味もない――ただの街の残影。

「くそっ! くそっ! くそっっ!!」

 アキトは、両腕を、モニタに叩きつけていた。

 腕の皮が裂け、血が撒き散らされる。

 それでも、殴るのをやめない。

 モニタに映るユートピアコロニーの残骸が、血に紅く染まっていた。

 ようやく落ち着くと、小さな声で、独り、言葉を洩らした。

「そうだよな……わかってたよ……これが現実だもんな」

 苦い笑みを浮かべ、アキトは顔をあげた。

 砲戦フレームのアサルトピットから、外に出る。

 乾いた風が、アキトの頬を撫でていった。

「こんなとこは、昔のままだな」

 風――に対しての言葉だろうか。

 アキトは、わずかにユートピアコロニーの残骸が残る地を、あてどもなく歩き回っていた。

 ときおり、地面から錆びた缶詰を拾い上げて眺めてみたり、岩に乗り上げた建設機械の表面を、指でコツコツと叩いてみたりする。

 意味のない行動だったが、そのひとつひとつが、アキトにとっての、故郷への別れの挨拶であった。

「アキトさん」

 いきなり、誰かに声をかけられた。

 人がいない、死んだはずの地で。

 驚いたアキトは、その声の方角に顔を向けた。

 そこに一人の少女が立っていた。

 瑠璃色の髪を、長いツインテールにまとめ、腰のあたりにまで垂らしている。

 後ろに腕を組んだ格好で、その少女はこちらを静かに見ていた。

「キミは……たしかユーチャリスの……」

「はい。ユーチャリスも火星に来てますから。

 ……ところで、独りなんですか?」

 ヘンなことを訊く。

 誰かと一緒でなければいけないとでも言うのだろうか。

「独りだけど。キミはなんでこんなところに?」

 その少女は、ヘンね、という感じで首をひねっていた。

 よく見ると、その瞳の色が、通常とは異なっている。

 金色の瞳。

 マシンチャイルドの証であった。

「メグミさんが一緒じゃないなんて……なにが原因なんだろう」

「あのさ、キミ名前は?

 もしかして、ナデシコに乗ってる、ホシノ・ルリって子と、関係ない?」

 びくっと、少女は体を震わせた。

 慌てたように顔をまさぐると、ただでさえ白い肌の色が、さらに白くなっていく。

 どうやら、バイザーを着け忘れていることに、いまさら気がついたらしい。

 どうせ、前から怪しいと思っていたことが、確信に変わっただけの話なのだが。

「あの、そのですね、私は――生き別れの姉……じゃダメですか?」

 おもねるような上目づかいの視線でアキトを見ていた。

 しかし、そのパターンに飽き飽きしていたアキトは、首を横に振る。

 うっ、と詰まると、少女はゆっくりと口をひらいた。

「――遺伝子上は、ホシノ・ルリと私は、同一人物ということになります。

 それだけでは、ダメでしょうか? いまはまだ、それしか話せないんです」

 顔を伏せて、そう言う少女の姿に、アキトは自分が彼女を責めているかのような錯覚を覚えた。

 時々ちらちらとこちらの様子を伺っている。

 その金色の瞳の中に、なぜか、アキトに対する信頼の色が宿っていった。

 アキトは両手を上げ、降参のポーズをとった。

「わかった。了解。もういいよ。じゃあ、ルリちゃんのお姉さんということで納得しておく」

「はい! ありがとうございます!」

 ルリのイメージがあったからだろう、この少女も笑わないと思い込んでいたアキトは、突然に日が差したかのような笑顔に面食らってしまった。

「ああ、うん。べつに礼をいわれることでも……」

「あの……」

 少女が、ゆっくりと歩きながら、言いにくそうに口をひらく。

「……少しだけ、ご一緒してもいいでしょうか。

 ここって、アキトさんの故郷なんですよね?」

 跳ねるようにくるりと回りながら、少女は一面の廃墟を見渡す。

 その光景を記憶に焼き付けようとでもしているかのように。

「ああ、“ふるさと”だよ。もう、なくなっちゃったみたいだけど。

 それでも、やっぱり、ね」

 アキトの眼の中に、揺れる光がある。

 いろいろな思いが、そこに詰まっていた。

 少女は、体重を感じさせない足取りでアキトへと近寄る。

「少しお話しましょう。アキトさんのお話を聞きたいです」

 アキトは不思議なものを見るかのような表情で、その少女を見つめた。

 少し紅潮した顔で、少女は、その視線を受け止めている。

 ――まあ、いいか

 アキトはそう思った。

 誰かに、思い出話を聞いてもらいたい気分でもあった。

 その相手が、たまたまこの少女だっただけの話だ。

 アキトは穏やかな表情で地にひざをつくと、水分の少ない乾いた土を手にすくった。

 大型のワーム・マシンが、その中で蠢いている。

「……じゃあ……火星での生活のことでも聞いてもらおうかな」

 少女は、微笑すると、アキトの横に腰を下ろした。




 どのくらい話をしていたのだろう。

 数分のようでもあったし、数時間のようにも思えた。

 アキトは、とつとつと脈絡のないことを喋りつづけていた。

 少女は、いちいちそれに相槌を打ち、さまざまなことを質問した。

 止むことのない会話。

 しかし、そんな時間も、少女の一言でついに終わりを迎えた。

「――アキトさん、その腕、怪我をしているんですか?」

 アキトの傷ついた腕は、まだ僅かに血を流しつづけている。

 とすると、それほど長い時間、話し込んでいたわけでもないらしい。

「ああ、ちょっとね。たいしたことないよ」

 少女は、うぅ〜と、困ったような唸り声を上げていた。

「こんなとき、映画とかなら服の裾を破って、包帯がわりにしたりするんでしょうけど……

 この格好じゃムリですね。残念です」

 素材的に人の力で切れるような、やわなものを彼女は身につけてはいなかった。

 そうだ! と瞳をきらめかせながら立ち上がると、少女は、エステバリスに向けて走る。

「たしか、メディパックが積んでありましたよね?」

 砲戦フレームの追加装甲を、少女は登っていた。

「あのさあ……」

「なんですか?」

 上半身だけ、アサルトピットに突っ込み、ごそごそと中を漁っている少女。

「キミ、名前はなんなの?」

 揺れる下半身が、ぴたりとその動きを止めた。

 表情が見えるわけでもないのに、大量の冷や汗を流している姿が目に浮かぶ。

「まさか――名前まで同じ……なんてことないよね」

 イヤな予感がする。

 冗談にまぎらせ、そう言ってみた。

 少女はしばらく硬直した後、ゆっくりと作業を再開する。

 すぽっと上半身をアサルトピットから引き抜くと、その手には、エステバリスに常備されているメディパックが握られていた。

 エステバリスから綺麗に飛び降り、少女は真っ直ぐにアキトに向けて歩いてくる。

 真空保存されたメディパックの封を切る、プシュ、という小さな音。

 アキトの傷ついた腕を取り、慎重に消毒薬を塗った。

 傷口で泡立つ消毒液の痛みより、少女の手のひんやりとした感触が、アキトの中で、大きな存在を占めている。

「……アキトさんが決めてください」

 予想外の言葉だった。

「オレが?」

 少女は治療に没頭しながら、こくりとうなずいた。

 包帯をどう巻けばいいのか、首をかしげながら、いろいろな角度を試している。

 アキトはその姿を見つめながら、混乱する思考を一つにまとめようと苦労していた。

 おそらく、無理に聞き出そうとしても、少女がそれに答えることはないだろう。

 それに、仮に答えたとしても、それを聞いてしまうことに、なぜか躊躇いがある。

 アキトは決心を固めた。

「……なんでもいいの?」

「……できれば――“瑠璃”に近い名前がいいです」

 すこし考えてからそう返事をする。

 それが答え。

 今の彼女にできる、精一杯の答えだった。

 アキトの脳裏に、ある単語が浮かんでいた。

「――火星でしか採掘できないレア・ストーンに、

 “火星の瑠璃石”って呼ばれる宝石があるんだ」

 少女が顔をあげた。

「ステラ・サピルス。瑠璃色の星って意味の、蒼くて綺麗な石なんだけど」

 少女は、しばらくのあいだ、その音の響きを口中で味わっているようだった。

 目をつぶり、くるくると表情を変えている。

 そのうちに目をひらいたと思うと、ニコリと笑った。

 決まりだった。

「よし、じゃあ、ステラちゃんだ。いいね」

「はい!」

 少女――ステラは、なんの躊躇もなく、アキトの胸に抱きついた。

 一瞬驚いたが、アキトもその行為に、違和感を感じていない自分に気づく。

 似たようなことが、昔にもあったような――

 そんな不思議な既視感を感じていた。

 たぶん、ステラの行動が、あまりに自然だったからだろう。

 アキトも自然と、それを受け入れることが出来たのだ。

 無意識にその頭を撫でている自分さえいる。

 ――妹がいれば、こんな感じなのかもな

 “妹”と呼ぶには、少し異なる感情も感じてはいたが、アキトはあえてそう考えることした。



 それからしばらくの間、とりとめのない会話を交わした後、ステラは腕のコミュニケで時間を確認した。

 寂しそうな表情が、その顔をよぎる。

「アキトさん、私、もう行かなければならないんです。

 ――最後にひとつだけ、お願いをしていいですか?」

 アキトがうなずくと、ステラはなにかを探すように、辺りを見回した。

「たぶん……この辺りのはずなんですが……あ、あそこです!」

 ステラが指差した先には何もなかった。

「なに?」

「すみません、アキトさん。あの場所に立ってみてもらえますか?」

 なんで? という疑問をあえて口に出さず、アキトはその言葉に従った。

 なにも起こりはしない。

 ステラは首をかしげていた。

「ヘンですね……メグミさんて、意外と重いのかな」

 かなり失礼なことをステラはつぶやいている。

「これならどうかな」

 えい! と掛け声をかけると、ステラは精一杯にその場で跳んだ。

 よほど体重が軽いのか、着地の音も、軽いものでしかない。

 しかし――

 次の瞬間、アキトの足元の地面が、がぼっという音とともに崩れ落ちた。

「なんなんだぁ――!!」

 そんな悲鳴を後に引き、アキトは穴に落ちていった。

「ごめんなさい、アキトさん。もう少しおしゃべりしていたかったんですけど……」

 傷心の表情で、ステラは穴を覗き込んでいた。

「でも、こうなると、ユリカさんが迎えに来るかどうかも、すこし怪しいです。

 保険をかけたほうがいいかもしれませんね」

 ステラは、エステバリスのアサルトピットに入ると、救難信号を発信するようにセットした。

「これでよし、と。――まあ、あとは、なるようになるでしょう」

 かなり無責任な発言であった。








 『ルリちゃん航海日誌 FILE_04』


 ―― 2196年 3月 12日 [快晴!] ――


「ふふ――へらへら……」

『ルリ。なんかヘンだよ。顔の筋肉が異常に弛緩してる』

「えへへ……ステラです」

『なに?』

「ステラと呼んで下さい――うふふ……アキトさぁん♪」

『……ファイル、閉じていい?』

「どうぞ……はう〜」

『……』


 以上、ナデシコC艦長ホシノ・ルリ少佐 報告

 ユーチャリスAIオモイカネ・ダッシュ 破棄








◆ 2

 どこかのブリッジと思える場所で、二つの声が、静かに会話を交わしていた。

「ねえ、アキト。今回のこと、本当に必要だったと思うの?

 ユーチャリスを使えば、間違いなく助けることができるんだよ?」

「自分のことは、よくわからないか。

 俺にとって、アイちゃんや、ガイの死が必要だったように、

 ユリカにとっては、あの時の決断は重要な転機だったんだよ。

 もちろん、ユーチャリスなら、地下施設の人々を守りながら、木連艦隊を全滅させられるはずだ。

 しかしその結果はどうなる? 考えてみろ」

「……判断力が甘いままの私は、どこかで大きなミスを犯す?」

「だな。可能性でしかないかもしれないが、犯していいミスじゃない」

「でも、そのために、生き残りの人たちが、危険に晒されるんだよ?

 人の命がかかってるんだよ?」

「同じことだ。

 彼らを助ければ、潜在的な危険に晒されることになるのは、ナデシコの方だからな。

 どちらかを選択しなければならないのならば、俺は、ナデシコを選ぶ。

 それ以外のことまで、責任を負う気はない」

「――イヤな考え方だ。アキト……変わったね」

「まあな。コロニーのひとつも墜とせば、いろいろなことを考えるようになるさ」

「ズルイよ。それを持ち出されたら、私、何も言えなくなるじゃない」

 しばし、沈黙が満ちた。

「……北辰や火星の後継者たちと闘うことになるのは六年後だ。

 その時には、もう俺たちの命は尽きている。

 俺たちがやるべきことはなにか、十分に話し合っただろう」

「わかってるよ、そんなこと。でも、イヤなの。

 人が死ぬのがわかっているのに、助けることもできないなんて辛いよ!

 ねえ、アキト。私たちがやろうとしている、最後の“保険”。

 あれさえあれば、地下施設の生き残りの人たちを助けてあげても大丈夫なはずよ。

 そうでしょ?」

「歴史が俺たちの知っている通りに進むならな。

 ――危険すぎる。やはり、ナデシコに成長してもらうのが一番いいんだ」

 語尾から力が抜けていった。

「……そろそろ時間だ。行ってくる」

「できるだけ――助けてあげて」

「ああ」

 ブリッジに、蒼い光が満ち、それはすぐに消えていった。








◆ 3

「説明しましょう」

 彼女は妖しい光を瞳にたたえている。

 イネス・フレサンジュ。

 アキトがユートピアコロニーの地下施設で出会った女性は、そう名乗った。

 長い金髪と、切れるような理知的な瞳。

 防塵フェイスマスクとマントの下に、なぜか白衣を着込んでいたイネスは、ナデシコに到着するなり、そう宣言した。

「私たちは、この船に乗るつもりはない。なぜなら、それは死を意味するから。

 このナデシコでは、敵の包囲網を突破して地球に戻ることはできないのよ。

 行きたいのであれば、勝手に行くがいい。私たちは、ここに残る。

 それが最善の選択だから」

「それは納得できんな、お嬢さん。

 事実、ナデシコはここまで、すべての戦いに勝利してきた。

 それでもまだ、我々が敗れるというのか」

 フクベ提督の温厚な声だった。

「負ける。あなたたちは、木星蜥蜴を知らない。やつらの技術力を甘く見ているわ。

 このナデシコの基本設計は、私がして、地球に送ったもの。だから私にはわかる。

 ナデシコでは、木星蜥蜴には勝てないのよ」

 その発言は、ブリッジクルーの間に波紋を広げた。

 ナデシコの設計者と名乗る女性が、勝てないと宣言したのだ。

 それは大きな不安を誘った。

「でも、エステバリスだってあります。

 イネスさんは知らないでしょうけど、アキトはとっても強いの。

 絶対に負けないもん!」

 ユリカの言葉だった。

 イネスは、アキトに冷たい視線を送る。

「彼が? ムリね。エステバリスは、万能ではない。

 事実、エステバリスの基本設計を行った私の妹が、それを認めている。

 どんなに頑張ろうと、エステバリスでは巡洋艦クラスを沈めるのが精一杯。

 戦艦クラスには、手も足も出ないわ。

 戦艦クラスを相手にできるのは、ナデシコだけ。

 でも、その肝心のナデシコは、この一隻だけなのよ。

 必ず、負けるときが来る。

 そんな船に命を預ける気は、さらさらないわね」

 断定であった。

 それに反論する声はひとつもあがらないまま、長い時間が経過した。

「敵襲」

 その沈黙を破り、ルリが冷静な声で報告する。

 ハーリーとルリが、交互にお互いを補足しあうように言葉を継いだ。

「敵戦艦5、巡洋艦無数」

「周囲、20キロ圏内のすべてのチューリップが活動を開始、エネルギー反応増大」

「敵チューリップから、続々と増援が出現します」

「予測彼我戦力差、20対1。その差、広がっています」

 ブリッジに緊張が走った。

 わずかな間に、その戦力差がさらに広がっている。

 最終的にどこまで達するのか、予測不可能だった。

「うっそぉ〜。なんで、チューリップに、あんなにいっぱい戦艦が入ってるの!?」

 ミナトの言葉に、イネスが身震いしながら答えた。

「――入っているんじゃない。出てくるのよ。

 チューリップの内部は、一種のワームホールだと推測される。

 どこか別の宇宙につながっていて、敵はそこから送り込まれてくるの」

 その言葉が全員の心に浸透するまで、いくらかの時間を要した。

「ナデシコ、緊急浮上!」

「ゴメン、艦長。一度直陸しちゃうと、再浮上まで少し時間がかかっちゃう!」

 ユリカの命令に、ミナトが答えた。

 アキトのエステバリスから発せられた救難信号を受け、ナデシコはユートピアコロニー跡地に着陸している。

 離陸するためには、時間が必要であった。

「なら、ディストーション・フィールドを――」

「ダメ!」

「だめだ、ユリカ!」

 ユリカの声を遮ったのは、イネスとジュンであった。

 ジュンが言葉を引き継いだ。

「いまフィールドを張れば、地下施設を押しつぶしてしまう。

 いったん離陸してからフィールドを起動するんだ」

「でも、間にあわないよ、ジュンくん!

 フィールドなしで、敵の砲撃を受けたら、ナデシコが沈んじゃう!」

「とにかく、ギリギリまで待つんだ。――アキト、時間を稼げるか?」

 アキトは、わずかに逡巡した。

「難しいと思う。でも、やれるだけやってみる」

 そう言い残し、アキトはブリッジから駆け出していった。

 その後を、リョーコたち三人が、追いかけようとする。

 それをジュンが呼び止めた。

「待って! キミたちは、ナデシコからできるだけ離れないように、アキトを援護してくれ。

 ナデシコのディストーション・フィールドの範囲からは、絶対に出ないように」

「なんでだよ」

「アキトなら、敵の砲撃が始まっても、身を守れるはずだ。

 けど、キミたちに、それはできないだろう? だからさ。

 いざというときは、ナデシコがフィールドを張る。その範囲から出ちゃダメだ」

 リョーコとヒカルは、それぞれの方法で、怒りをあらわにした。

 しかし、感情のままに行動できるほど、無能でもない。

「わぁったよ! あとで、覚えてろよ、ジュン!」 と、怖い顔でリョーコ。

「楽しみにしててねぇ、ジュンくん」 ヒカルは、なぜかニコニコと笑っている。こちらの方が、よほど怖い。

「馬鹿な男……」 というのは、イズミであった。

 ジュンは、一筋の汗を垂らしながら、引きつった笑いをあげていた。

「ま……まあ、これで、すこしは時間が稼げる。あとは、ユリカの出番だよ」

「でも、ジュンくん、私……」

「ユリカは、ボクより優秀なんだからさ。ユリカにできないなら、誰にもできない。

 ボクは、その手助けをしてあげられるだけなんだよ」

 ユリカは、不安な表情で考え込んだ。

 その間に、戦力差は、50倍を越え、さらに広がっていく。

 それは異常な戦力であった。

 オペレーター席に急遽増設された座席に座り、そのウィンドウの情報を見ていたラピスの顔に、少しづつ、暗い影が落ちていく。

 これだけの戦力は、前回の歴史では投入されなかったはずだった。

 少なくとも、黒アキトから聞かされていた数値から、大きく離れている。

 なにか予想外のことが起き始めていた。


 < アキト >

 < アキト >

 < なにかヘンだよ >

 < 歯車が狂ってる >

 < あぶないよ >

 < アキト >


 精神リンクを通じ、ラピスは黒アキトに接触を試みていた。








◆ 4

 ユートピアコロニーの地下施設で生活していた人間の数は、25人を数えた。

 ほとんどが、ユートピアコロニーの住人であったが、別のコロニーから集まってきた者も含まれている。

 黒アキトは、彼らを集め、問いただした。

「この中に、ユートピアコロニーで生まれた、30歳以下の人間は何人いる?」

 8人という答えが返ってくる。

 ジャンパー体質の可能性がある人間は、それだけであった。

 それ以外の人間は、ボソンジャンプに耐えられない可能性が高い。

 その人数の多さに、黒アキトの表情から、感情が失せていった。

「よし、ならば、その人たちは、俺と一緒に来てもらう。

 残りの者は、簡易型のディストーション・フィールド発生器を何台か設置するから、

 そこに避難していてくれ」

「待ちなさい」

 黒アキトの言葉を遮り、一人の女性が前に進み出た。

 肩までの金髪に、青い瞳。

 知性的な雰囲気が、誰かを連想させる。

「なぜ、私たちが、あなたの言うことを聞かなければならないの。

 説明してもらおうかしら」

 その台詞回しにも、何か黒アキトの中に引っかかるものがある。

 黒アキトは、その正体に気づいた。

「イネス……さんか?」

 女性が、不思議そうに首をかしげた。

 イネスよりあきらかに若い、二十台半ばに見えたが、その立ち振る舞いや、目の中の光が、イネスそのものであったのだ。

「あら、姉を知っているの? 私は、リチア・フレサンジュ。

 そうなんだ。姉さんと私、そんなに似てるのね」

 それはどことなく嬉しそうな声だった。

 イネスの正体は、過去の火星にランダムジャンプした、アイちゃんである。

 ある家庭に引き取られ成長したイネスに、この年齢の血のつながった姉妹などいるはずがない。

 血のつながりのない姉妹が、これほど似るものなのか。

 あきらかな違いといえば、髪の長さと、左眼の下の泣き黒子(ほくろ)だけであった。

「まあいいわ。そのことは、後でゆっくりと聞きましょう。

 それよりも、なぜ私たちがあなたと一緒に行かなければならないのか、

 それを説明してもらいます。

 そんな怪しげな格好をした男に黙って従うほどの愚か者は、ここにはいないわよ」

 黒アキトが言葉を返そうとしたそのとき、頭の中に、ラピスの声が響いた。


 < アキト >

 < アキト >

 < なにかヘンだよ >

 < 歯車が狂ってる >

 < あぶないよ >

 < アキト >


 ラピスには、木連艦隊が姿を見せたときに連絡をくれるように言ってあったのだが、その内容は、予想外の危険を告げるものであった。

 黒アキトは緊張した。

 歯車が狂う。

 彼が最も恐れていた言葉だったのだ。

「すまないな、リチアさん。もう時間がないらしい。一緒に来てもらおう」

「説明しろと言っている! 私に触るな――!」

 すうっと伸びてきた黒アキトの手が、リチアの肩に触れた。

 その瞬間、世界が歪んだ。

 なにが起きたのかと思う間もなく、目の前の景色が、地下施設のそれから、まったく別のものに変わっていた。

 平衡感覚を失ったリチアは、その場に倒れこんでしまう。

「――な、なんなの、これ!?」

 どこかの戦艦のブリッジのようだった。

 しかし、その設計思想は、リチアの常識を凌駕している。

 見たこともない機器が、大量に辺りを埋めていた。

 姉のイネスが設計した、最新鋭艦のナデシコを、遥かに超える技術の結晶であった。

「あ、あれ? イネスさんを連れてきちゃったの!?」

 どこかとぼけた声が、背後から聞こえた。

 ふりかえると、艦長席と思しき席で、蒼銀色の長髪と透けるような白い肌をした女性が驚きに眼を見開いて、こちらを凝視しているところだった。

 その瞳の色に、リチアは、息を飲んだ。

 人形のガラス玉のような瞳をしている。

 しかし、その中に宿る光には、リチアを圧倒し従わせるなにかがあった。

「いや、イネスさんの妹らしい。リチアさんだ。

 ――なにか、異常はあるか?」

 その問いに、オペレーター席に座っていた白ルリが答えた。

「かなりマズいです。私たちのときと比べて、敵の数が数倍。しかもまだ増えてます。

 なにが原因なんでしょう」

「アキト。このままだと、ナデシコが危ないよ。助けに行ったほうがいいかも」と白ユリカ。

「俺は、残りの人たちを救出する。その間は、時間を稼いでいてくれ」

「了解しました。ユーチャリス、浮上。無人兵器の射出準備を始めます」

 白ルリのその言葉を、白ユリカが止めた。

「待って、ルリちゃん。無人兵器はマズいよ。

 いま木連にその存在を知られちゃ、おかしなことになるもん。

 今回は艦載機はサレナだけで行きます。

 グラビティ・ブラストのチャージを急いで。

 4門それぞれにフルチャージ後、ボソンジャンプ。

 大気圏内では、相転移エンジンの出力が落ちるから、各砲門を時間差で使用。

 FCSのプログラムよろしく」

 了解、と白ルリが答える。

 黒アキトは、背に複数台の簡易型ディストーション・フィールド発生器を抱え、CCを大量にマントの内ポケットに突っ込んでいた。

「十分でいい。頼んだ」

「いってらっしゃ〜い!」

「頑張ってください」

 蒼い光とともに、その姿が消える。

 リチアは、状況についていけず、腰を抜かしたかのように、床に座り込んでいた。

「リチアさん」

「は、はい!!」

 白ユリカは、透明な笑みを浮かべていた。

「ちょっと揺れるかもしれないので、どこかの席に座っていてください。

 そのへん、全部、空いてますから」

 立ち上がろうとしたが、うまく体が動かない。

 リチアは、がくがくと震える足で、ようやく体を支えた。

「どうなってるの……誰か説明して……」

 それは混乱した声だった。








◆ 5

 轟音とともに、巨大なレーザー駆逐艦トンボが、火星の大地に向けて落下していく。

 全天が、敵の艦影に埋め尽くされていた。

 黒々としたその影は、圧倒的な破壊力を秘め、ナデシコに接近していた。

「ルリちゃん! 次の目標は!」

 肩で荒い呼吸をしながら、アキトは叫ぶように言う。

『八時方向のトンボの集団が、最終防衛ラインを突破。データ転送。

 十二時方向に大型戦艦二隻が接近中。迎撃できますか、アキトさん』

「ムリだ! リョーコちゃんたちに足止めをさせておいてくれ。

 オレは、トンボを墜とす。ナデシコは、まだ離陸できないのか?」

 言いながらも、アキトは、トンボの集団の中央に飛び込んでいた。

 全方位から殺到するレーザーとミサイルを、敵のディストーション・フィールドを盾にして回避していく。

 トンボのフィールドの表面を滑るように旋回し、理想的な角度に到達したとたん、イミディエットナイフでフィールドを断ち切るように押し込み始めた。

 ぐいぐいと押し込み、赤いコア付近に達した瞬間、ラピッドライフルを斉射。

 爆発に巻き込まれる寸前に、急角度で離脱する。

 トンボは火を吐き出しながら、艦首からゆっくりと落ちていった。

 これで、アキトの手で撃墜されたトンボは二桁になる。

 しかし、そんな数字に意味はなかった。

 戦艦のフィールドが破れない以上、いつかは、ナデシコが攻撃を受けてしまうのだから。

 さらに三隻のトンボを撃墜すると、アキトは、十二時方向の戦艦に向かった。

『ダメだぁ〜! ぜんぜん歯が立たないよぉ!』

 そんなヒカルの通信が聞こえた。

『オレたちゃ、無視か!? このデカブツがぁっ!!』

 リョーコの言葉通り、二隻の大型戦艦は彼女たちの攻撃をまったく歯牙にかけず、真っ直ぐにナデシコに向かっている。

 三人の一点に集中した同時攻撃でも、そのフィールドの表面は微動だにしない。

 アキトが加勢したところで、結果は変わらないだろう。

 アキトは、スラスターを吹かし、一直線に天頂に舞い上がった。

 ナデシコからのエネルギー供給ラインが途絶。

 バッテリー駆動に切り替わったという警告が、モニタの中で踊りまわっている。

 正面に一隻のトンボの姿があった。

 直下から、勢いに任せてフィールドに突っ込む。

 ギリギリのところで、艦尾にディストーション・パンチを叩き込んだ。

「リョーコちゃん、ヒカルちゃん! そこから離れて!!」

 その言葉が終わらぬうちに、トンボが、黒煙を吐き出しながら、体勢を崩した。

 ぐらりと揺れると、そのまま真っ直ぐに、直下の戦艦に向けて落下を開始。

 二つの巨大な人工物が、大気を震わせて激突した。

 反発するディストーション・フィールドが、雷鳴のような轟音を響かせながら、お互いを圧殺しようと死力を尽くしている。

 先にフィールドが破れたのは、トンボだった。

 支えを失ったトンボは、そのまま自重に任せて、大型戦艦のフィールドに艦首から衝突。

 艦体を支えるだけの剛性が、そのブレード部にあるはずもなく、ぐずぐずと崩れるように潰れていく。

 大型戦艦も、その二隻分の圧倒的な重量と運動エネルギーを支えきれず、墜落に近い形で、大地に叩きつけられた。

 膨大な赤い砂塵が舞い散ったと思うと、次の瞬間、目も眩むような白光が広がり、わずかに遅れて轟音と衝撃がアキトのエステバリスを叩きのめすように揺さぶった。

『やった! すごい! アキトくん、エライ!!』

 馬鹿になったアキトの耳に、誰の声なのかもわからない、遠い声が聞こえてくる。

「まだだ! もう一隻いる! そっちは、間にあわないぞ、ユリカ!」

 激しく揺れるナデシコのブリッジで、ユリカはアキトのその通信を聞いた。

 悲鳴が乱舞する中、ユリカは持ち前の凛とした声で命令を下す。

「グラビティ・ブラスト用意! 目標、前方の敵大型戦艦!

 ――てぇっっ!!」

 黒い光が、敵大型戦艦を飲み込み、一直線に敵の集団の中に吸い込まれた。

 凄まじい爆発が広がり、メインスクリーンが一時的に光量を下げる。

 ユリカの命令を実行したのはハーリーだった。

 正オペレーターのはずのルリは、わずかに反応が遅れている。

 表情にこそ出してはいなかったが、その心の奥に、今の状況に対する恐怖心が頭をもたげていた。

 ユリカとミナトの間で、言葉が交わされた。

「ミナトさん、あとどれくらい?」

「ゴメン、あと少し。30秒でいけるよ」

 ――間にあった!

 ユリカがそう確信した。

 浮上と同時にディストーション・フィールドを展開。

 いまのグラビティ・ブラストで正面に作りあげられた道を利用して、敵陣を突っ切ることができれば、地下施設の人々を犠牲にせずに済む。

 しかし、そんなユリカの思いを、ルリの一言がこなごなに吹き飛ばした。

「――敵大型戦艦、健在。エネルギー反応増大中」

 爆発の余波が消え、収まっていく白光の中から、大型戦艦がゆっくりと姿をあらわす。

 悪夢のような光景であった。

「そんな! グラビティ・ブラストの直撃に耐えたの!?」

 叫ぶユリカを、なにか感情が抜け落ちたかのような表情のイネスがふりかえった。

「敵も強力なディストーション・フィールドを持っているのよ。

 これで、お互いに一撃必殺とは行かなくなったわね」

 しかし、ナデシコはフィールドを張れずにいるのだ。

 一撃で撃沈される可能性があるのは、ナデシコのほうだった。

「敵大型戦艦、エネルギー反応最大へ、攻撃きます」

「もう限界だな。フィールドを張りたまえ、艦長」

 フクベ提督の声だった。

 それでもユリカは迷っていた。

「でも……でも……」

「――ルリちゃん。フィールドを展開して」

 それはジュンの声であった。

 一瞬ユリカを窺ったルリだったが、強く目をつぶったまま、ユリカは動かなかい。

 ディストーション・フィールドが展開された。

 同時に敵大型戦艦からの砲撃が開始される。

 フィールドの出力が安定する前に、何発かの直撃が、ナデシコに襲いかかっていた。

 激震するナデシコのブリッジで、ユリカはうつむいたまま手すりを握りしめていた。

「……なんで……なんでなの、ジュンくん」

 その問いは、ジュンの越権行為を責めているのではなかった。

 なぜ地下施設の人々を見捨ててしまったのか。

 なぜ自分は、彼らを助けることができなかったのか。

 なぜこんなことになってしまったのか。

 ユリカの中で渦巻く、すべてが、その問いに込められている。

 ジュンの答えは無情なものだった。

「ユリカなら、必ずこうしたさ。

 ボクにできるのは、ユリカを手伝うことだけだって言っただろ」

「――ヒドイよ、ジュンくん」

 苦い囁きが、ユリカの口から漏れ出ていた。

 そのユリカに、ミナトが遠慮がちな声をかけた。

「艦長。発進準備完了。いつでもいけるよ」

 手すりを握りしめるユリカの指が、血の気を失い真っ白になっている。

「……ナデシコ、浮上しつつ、敵を牽制。エステバリス隊に、12時方向の敵兵力を――」

 顔を伏せたままのユリカの司令が、ナデシコのブリッジに響いていた。









あとがき?


六話と七話で、ひとつの話ですので、あとがきは七話で。
ではでは……。

 

代理人の感想

じゃ、そーゆーことで。(爆) → 第7話へ