機動戦艦ナデシコSS

涙を越えて
第一章 プロローグ 黒い男 Ver1.5 

 

 

「アキトさん!! ・・・もう直ぐユリカさんが退院されるのですよ!!

 せめて、せめて顔を出すくらい―――いいじゃないですか!!」

(ルリさん・・・・・・。そんなにその男が大事なんですか?)

 

 

黒いバイザーをつけた男、テンカワ アキト。

それを見る艦長、ホシノ ルリ。

そんな艦長をずっと見ている僕、

マキビ ハリ

そして決められた仕事を着々とこなす。

 

尊敬する艦長・・・・

もう瞼の奥に焼き付いている、艦長の目・・・・

その目は、今にかつて見たこともないほどまっすぐに黒い男にむけられている。

この男に会うまでは一度も見たことのない館長の目。

それは、いつになく悲しく しかし、とても綺麗だった。

 

艦長、やっぱり僕じゃだめなんですか。

考えが口に出てしまう。

だが、誰もその声を聞く者はいなかった。

 

「・・・ラピス、ジャンプの準備を頼む。」

「・・・うん、解ったアキト。」

 

僕は速やかに、IFSで敵艦の情報を知る。

敵艦はジャンプの体勢に入っている!!

それは、艦長であり僕と同じマシンチャイルドの艦長にもわかったはずだ。

 

「アキトさん!!」

 

「・・・俺とユリカの道が交わる事はもう有り得ない。

そうルリ、君と同じ道を歩む事も無い。

もし、全てが・・・

よそう、それは言っても仕方が無い事だ。」

「アキト、ジャンプフィールドが生成終了したよ。」

 

画面は見えないが、女の子の声が聞こえる。

これが艦長がいっていた、もう一人のマシンチャイルド・・・・

 

と、艦長がIFSを通じオモイカネにビームアンカーの初期設定を行う命令をだす。

RURI form HARI (IFS LINK SYSTEM)
敵艦の状況のチェックと、ジャンプの状況を伝えてください

僕のIFSに艦長の命令が伝わる。

無茶だ!!こんないつ攻撃するかも知れない戦艦に・・・・。

艦長、そんな無茶をしてまでもこの男に会いたいんですか!?

僕のそんな葛藤をよそにオモイカネは速やかに命令を実行する。

 

僕は敵艦の情報を逐次、艦長に伝える。

僕は、あなたにとって何なんですか・・・・

僕は艦長を見ながら、ずっとこんなことを考えている。

 

 

「ああ、解った・・・何処に、行こうか。」

 

ジャンプする??

敵艦の状況は明らかにジャンプ体勢の最終段階だ!!

ジャンプ間近という状況を艦長に伝える。

 

IFSから艦長の、「わかりました」という返事が返ってくる。

ビームアンカーの設定が終わっているようだ。

後は、発射するのみ!

艦長は、敵艦のコンピューターにハッキングし、ジャンプを妨害しようとする。

僕はジャンプの妨害をねらって、アンカーをジャンプユニット付近に発射ポイントを設定する。

「よし、ジャンプ先は・・・」

 

RURI form HARI (IFS LINK SYSTEM)
ハーリーくんビームアンカーは?
HARI form RURI (IFS LINK SYSTEM)
準備完了しました!!

 

「させません!! アキトさん!!」

 

電子制圧は不可能のようだ。

向こうにもマシンチャイルドがいるのだ。

いくら艦長でも短時間で電子制圧は難しいだろう。

ナデシコからビームアンカーが発射される。

 

 

ドガッッッンンン!!!!!

敵艦が激しく揺れる。

どうやら不意をついたらしく、敵艦の慣性防御が完全に作動していない。

 

「くっ!! 何が起こったんだ!!」

 

黒いバイザーを着けた男の驚愕する顔がスクリーンいっぱいに写る。

艦長はIFSのレベルをさげ、処理を僕に預けている。

敵艦に乗り込むつもりだろうか?

艦長に頼りにされているのはうれしいだけど・・・・

そんなに会いたいんですか・・・・。

今度は膨大な処理のため言葉に出来なかった。

 

 

「アキト!! ジャンプフィールドが暴走してる!!」

 

ウィンドウから女の子の悲鳴が聞こえる。

え?

速やかにオモイカネから敵艦の情報を引っ張ってくる。

これは・・・

OMOIKANE form HARI (IFS LINK SYSTEM)
敵艦情報   「敵艦名 ユーチャリス」
状態   ビームアンカーによるダメージがジャンプ制御システム付近にまで拡大。
あと3分以内に
ランダムジャンプします。
敵艦の復旧能力では回避不可能。
敵艦のシステムではジャンプシステムを緊急停止できる可能性は5%
ジャンプシステムを制御できる可能性は0.0000001%

明らかにランダムジャンプの前兆だ。

ジャンプユニットにダメージを与えたのが悪かった??

 

まずいっ それじゃぁ最悪の場合・・・・

「くっ!! ジャンプフィールド緊急解除!!

 俺がブラックサレナでアンカーを絶つ!!」

艦長は、ジャンプユニットが暴走していることに気がついたようだ。

リンクを落とすのをやめた。

 

RURI form OMOIKANE (IFS LINK SYSTEM)
現在の敵艦とブラックサレナの情報を補助脳にダイレクトに転送してください。

心配そうな様子で、現状を把握している。

 

「何!! このまま、暴走するしかないのか!!」

「アキト・・・ナデシコが。」

「間に合うのか・・・!!

ルリちゃん、早く逃げるかアンカーを切り離せ!!

このままだとナデシコCも、ユーチャリスのランダムジャンプに巻き込まれるぞ!!」

「し、しかし、アキトさんが!!」

 

艦長の焦っている顔。

こんな顔見たことがない。

急に不安になってくる。

 

「俺達は何とでもなる!!

ナデシコCの乗員全員が、ジャンパーの措置を受けているのか?

このままジャンプに巻き込まれたら、措置を受けていない者が全員死ぬぞ!!」

「!!!!

 ハーリー君!! 急いでアンカーを切り離して!! 

 ディストーション・フィールド緊急展開!!」

「はい!! 艦長!!」

急いでアンカーを切断するコマンドを送る。

 

 

HARI to OMOIKANE (IFS LINK SYSTEM)
オモイカネ!、アンカーを切断
OMOIKANE form HARI (IFS LINK SYSTEM)
切断中・・・切断まで残り15秒
HARI to OMOIKANE (IFS LINK SYSTEM)
間に合わない。
強制切断
OMOIKANE form HARI and RURI (IFS LINK SYSTEM)
強制切断・・・・
完了
強制切断によりアンカーが中破
及び電気系統にダメージ
・・・・・
ユーチャリスはジャンプの最終段階に入ったみたいだよ
ジャンプ影響圏外に脱出は無理だよ。

だめだ!! これじゃぁアンカーを切断しても間に合わない・・・・

敵艦のジャンプは最終段階に入っている!!

これじゃぁ切り離しても間に合わない。

 

OMOIKANE form RURI (IFS LINK SYSTEM)
だめだよルリ!
ディストーション・フィールドの展開は80%の確率でまにあわない!
RURI form OMOIKANE (COMMAND MODE)
オモイカネ IFSダイレクトモードへ

珍しく、オモイカネのせっぱ詰まった言葉が伝わる。

艦長がダイレクトモードでオモイカネに何か指示を出している。

僕は・・・・なにもできない。

 

「くっ、フィールドは間に合わんか!! 済まんルリちゃん!! ナデシコのクルー!!」

 

ヴオォォォォォォォォオオオンンンン・・・

 

今までとは違うジャンプの感触・・・・。

そんな中僕の意識は虹色の光に包まれていった。

 

 

虹色の光に包まれて・・・

二隻の戦艦は・・・

何処とも知れない場所へと旅立つ・・・

それぞれの想いを乗せて・・・

行き着く先は果たして・・・

 

 

あとがき

書いてしまいました。

ハーリーくんのあまりものいじめられっぷりに、しびれを切らしました。

不幸なハーリーくんに愛の手を差し出します。

ハーリー 「うぅ。ありがとうございます。本当にありがとう・・・・」

あ、ハーリーくんいらっしゃい。

ハーリー 「いつも焼かれたり、刺されたり、挙げ句の果てには粉々にされてますから。

      こんな話をまってたんです・・・・

      ふふふふふ、はーはははは。

      これでルリさんと・・・・ヤッタ〜〜!!

え?

ハーリーくん?勘違いしてない?

ハーリー 「なにがですか?

      ルリ×ハーリーでしょこの小説!何たって僕がヒーローなんですから。」

そんなの書けるわけないじゃない。

某同盟のことわすれた?

私は新参者だけど、某同盟の恐ろしさは知っているわよ。

ハーリー 「ギク!!!!」

ソースファイルをのぞいてみて!

BACK ROOM NEXT