機動戦艦ナデシコSS

涙を越えて
涙を越えて 第一章 第一話 帰ってきた日常 Ver1.5 

 

 

 

 

うぅ。

真っ暗な中、だるい感触が戻ってくる。

それはだんだんはっきりた感色に戻る。

視界もだんだん明るくなってくる。

そして目の前に真っ白な世界が・・・・・

 

「うぅぅ」

うめき声を上げる。

 

「・・・・ハーリーくん?・・・・」

 

この声は?? ・・・・艦長?

 

「ぁ・・ はっ はい艦長!!」

ここは艦橋だ!

えっと、なんで寝てたんだ?

・・・・

・・・・!!

そうだ、僕はランダムジャンプに巻き込まれて・・・・。

 

「ハーリーくん。現在の状況を!!」

はっ! そうだ、まだ戦闘中!!

「あっ わかりました!!」

僕は急いで、IFSを作動させオモイカネとリンクする。

ふと僕は艦長をの方を向く・・・・

艦長は僕より前に起きたようだ。

IFSが最大なのは、ナノマシンの紋章が体中に浮かんでいる事からもわかる。

電子の妖精・・・・

誰が言ったか知らないけど、その言葉はぴったりだと思う。

 

 

 

・・・・見とれている場合じゃないな。

僕もIFSを最大でリンクさせる。

・・・・・・・・。

HARI form OMOIKANE (COMMAND MODE)
オモイカネ・・・IFSをレベル10まで・・・・
あと作動する機関をチェック・・・・・・・・・
OMOIKANE form HARI (IFS LINK SYSTEM)
了解ハーリー
IFSリンク上昇中 6・・・・7・・・・8・・・・・9・・・・・ リンクシステムにノイズを確認
これ以上のリンクは出来ません、レベル9で終了します。
船体自己診断プログラムチェック中・・・・・
自己診断モードに異常発生。
自己診断のためのデータが転送されないよ。
回線系統にトラブルの可能性があるみたい。
HARI form OMOIKANE (IFS LINK SYSTEM)
オモイカネ、緊急回線からのバイパスを試してみて。
それと、自己判断用の回路
が異常だと艦長に伝えて。
回線系統は艦長に任せるよ。
HARI form OMOIKANE (IFS LINK SYSTEM)
緊急回線からバイパスして自己診断プログラムを再起動中
それと、相転移路関係はルリさんが自分で処理するって。


緊急回線の応答を確認
これより自己診断開始
異常箇所400

これは、だいぶやられているみたいだ。

回線ががほとんど死んでいる。

緊急回線は生きているようだけど・・・・・

IFSのリンクの調子も悪い。

艦長は相転移エンジンなど重要な機関のチェックを行っている。

 

何とか生きている回線を見つけだして、センサーからデータを拾う。

!?!?

 

「周囲に反応あり!!・・・・これは戦艦クラス!?」

この声で、三郎太さんも目を覚ましたようだ。

周囲の艦の詳細はわからない。

「うっぅぅっ」

よろめきながらも、三郎太さんは立ち上がる。

「え?」

艦長から驚きの声が挙がる。

少しだけ、顔をのぞいてみる。

驚いているようだけど、ジャンプの暴走の時ほどではない。

「何だって?」

三郎太さんは椅子にもたれながら、弱々しい声で聞いてくる。

「艦の周りに戦艦クラスの反応があります。」

「敵か?味方か?」

「わかりません」

センサーの一部のデータしか拾えないのだ。

生きている回線とセンサーを探す。

「三郎太さん

負傷者はいないようです。

ただ相転移エンジンの制御系が壊滅状態ですが・・・・」

艦長はそうつぶやくと、ふーとため息をついている。

艦内のセンサーが、バックアップ回路などを通じて順調に回復しはじめた。

さすがは艦長だ。

「って、ハーリー!! おまえもしっかりやらねーか!!」

ボコ。

三郎太さんのひじ鉄だ。

最近よくこのひじ鉄をもらう。

いたいのに・・・・

 

両腕をIFSの端末にふれているので、頭をさすることもできない。

いたいので、頭を左右に振っている。

じっとしているといたい。

単に気分の問題だとおもうけど・・・・

僕は、生きている回線を見つける。

(よし、通信回線を見つけた!!

回線接続!

ウィンドウに表示!!)

 

ウィンドウを開く・・・・

「ナデシコ・・・ナデシコ・・・返事をしてください・・・こちらは・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ランダムジャンプでよく無事に生きていたと思う。

何人か入院した重傷者もいたらしいが・・・・

奇跡的に死人は出なかった。

艦長とオモイカネがとっさに相転移エンジンを暴走させディストーション・フィールドを張ったのだ。

相転移エンジンのの限界を艦長は引き出したのだ!!

こんな事は出来るのは艦長とオモイカネしかいないだろう。

 

それでも、ランダムジャンプの生存率は10%以下

希有なの成功例であるテンカワアキトがいたとしても、

火星の後継者が行っていた実験は0%だからもっと低いんだろう。

 

・・・・・・・・・・

やっぱりあのあの男が気になってしまう。

 

 

テンカワアキト 艦長の養父。

A級ジャンパーで、あの北辰を倒した英雄・・・・・

そして、

マキビ ハリ 

マシンチャイルドでB級ジャンパー ナデシコCのザブオペレーター

 

どう考えても、僕には太刀打ちできない。

いつものようにそんなことを考えてると、

 

「ハリ? ヨンデル」

後ろからピンクの髪の、人形のような女の子が声をかける。

「あっ? ごめん なに?」

聞いてなかった。

いや聞いていても、あんな小さな声じゃぁ聞き取れないだろう。

僕は女の子に顔を向ける。

「オバサン ガ ヨンデル」

あぁ、ラピス(だったよね)の順番がおわったのか。

でもイネスさんの前でそんなこと言わないでね。

とばっちりが僕にくるんだから。

 

ふとピンクの髪の少女を見る。

ラピス・ラズリ

僕と同じマシンチャイルド・・・・

いや艦長と同じというべきかも知れない。

こいつのIFSは艦長と同じタイプだそうだ。

僕のIFSはいわゆる量産型というやつだ。

量産型は性能が落ちる。

バランスがいいそうだが、あまり関係ないと思う。

 

 

 

今日は艦長と三人で、IFSのテストに来ている。

最初の結果はさんざんだった。

艦長には勝てない。

まぁそれはそうだろう。

艦長は何たって電子の妖精「ホシノ ルリ」だからね。

でも、この女の子 ・ ラピスに負けるとは思わなかった。

しかもぼろぼろにされるとは・・・・

僕は今すっかり自信をなくしている。

 

「ハヤクイカナイノ?」

「イッテモ イカナクテモ カンケイナイケド」

ふっと女の子が笑う。

 

この子はどうも好きになれない。

この笑い方がイヤだ。

この人を馬鹿にしたような笑い方。

艦長は、「まだ笑い方を知らないんですよ」といっているが、

僕を馬鹿にしたようにしか見えない。

 

 

IFS研究所のテスト室

僕たちはリハビリをかねて3人でIFSのリンクテストに来ている。

(後から聞いた話では、ラピスと僕たちを会わせるのが本来の目的だったらしい。)

「ハーリーくん、ラピスは初めてのテストなんだから手加減しなさいよ!!」

ネルガルの会長秘書だったよね?

スーツを着た女の人が声を上げる。

「ハリくん」

艦長は先にテストを済ませ今度は僕だ。

最初に艦長と僕そして艦長とラピス

最後に僕とラピス・・・・・

二人でクラッキングの試合のような感じだ。

 

艦長はさすがでラピスをぼこぼこにしていた。

ラピスはかなり落ち込んでいるみたいだ。

涙は・・・・ないな

(艦長にかなうはずもないのに、無理して・・・・)

(まぁ、あの子は初めてなんだし、手加減してもいいかな?)

などと思いつつ、テストの準備を終える。

しかしそれは悪夢となった。

 

 

 

 

 

 

(う・・・・)

最悪だ。

あのポートを忘れてた。

しかしあのポートを見つけだすか??

少なくとも5つのダミーをおいていたのに・・・・

結果はさんざん5分で、僕のメインシステムを押さえられてしまった。

最初の4分半は、僕の優勢だった。

でもそれが、ラピスの作戦だったとは。

僕は深入りしすぎ、一瞬の不意をつかれてしまった。

不意をつかれてからは、艦長のように一瞬でけりを付けられた。

 

「くっ」

少しだけ涙が出る。

「ハーリーくん、張り切りすぎですね」

艦長からのきつい一言。

僕はにくき女の子の顔を見た。

その子はまるで僕を馬鹿にしたように笑っていた。

くやしい。

くやしい。

「量産型では勝てないのか??」

あっ、口が滑った・・・・

なんて恥ずかしいせりふ。

 

「まぁ二人ともよくやったよ」

初老の所長は、いつものおせいじだ。

「ハーリーくん残念ね。今日は調子が悪かったのよね?」

所長の横にいるメリーナさん。

この人はいつも僕を勇気づけてくれる。

 

今までラピスのそばにいた、白いスーツの女性がやってくる。

「ありがとうね、勝ってたのにわざと負けてくれて」

今の僕にはそんなにやりと笑ったように見えた。

今さっきのテスト・・・・

それは最初の方は勝っていた。

でもそれはラピスの策略。

つまり本当は最初から・・・・

ふと、ラピスの顔を見る。

あの馬鹿にした顔を僕に向ける。

「ワ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ン」

僕はこの場を逃げ出した。

 

 

「エリナさん?ハーリーくん、最初から負けてましたよ?

まぁディスプレイを見ればそうみえましたけど。

まぁラピスは最初は様子見のつもりだったんでしょうが・・・・」

ルリがつっこむ。

「ウン ハーリーハタイシタコトナカッタ」

「え?そうなの?」

なにも知らないエリナ・・・・。

エリナは別に悪気がなかったのだ。

 

 

あとがき

ぅぅぅ・・・・ どうしてこの小説がルリ×アキトにならないことがばれたの??

??「見つけましたよ」

ギク あうぅぅぅ

??「ふふふふ、いましたよ不届き者が・・・・

しかもよりにもよって私とハーリーくんを結びつけようだなんて。

「お仕置き」いえ、これは・・・・「抹殺」します。」

まって おねがいまってー、絶対にルリ×ハーリーにはならないです。

ホントです信じてください

「いえ、11話まで読ませてもらいましたが

あれは間違いなくルリ×ハーリーの兆候です!!」

まだ投稿もしてないのに・・・・

「私の力をなめないでください。

ネットワークにつながっている以上、私に出来ないことはありません!!」

やめてなにするの・・・・キャーーー

「ふっ、おしゃべりがすぎましたね。

さっさときえなさーーーーい」

ぎゃーーーーーーーーーー

ピンポイントのグラビティーブラスト!!!

 

 

・・大丈夫・・・ねぇ、いきてる??・・・

っ・・・はっ。ここは??

「ジャンプで逃げたのよ。」

あ?イネスさん・・・・助けてくれた?どうして・・・・・・・・

「ふっ、あなたは私の美学がわかるようですもの。

第五話を読ませてもらったわよ。」

あっあのことですか。

「もちろん私の活躍は期待できるわね。」

ええ、もちろん。あなたはこの小説でかかせない人ですから。

あっそれにあなたを心待ちにするひとが一人ふえますよ。

「え?そうなの?ふふふふ・・・・」

助かった・・・・イネスさんを味方につけられて・・・・

「もう帰るわね。あの子鋭いから・・・・

で、このままで大丈夫?」

ええ、だいじょうぶです。・・・・しばらくここで様子を見ます。

「そうね、さすがにあの子達も気がつかないでしょうね。

・・・・地面に融合してるなんて・・・・」

ジャンパーじゃないものね私・・・・・

代理人の無責任な感想

 

問題ない(笑)。

 

そう、ゆうに百を越える作家の居るアクション、ひとつくらいルリ×ハーリーがあったっていいじゃないか。

 

たとえその結果カミソリメールがこようとも!

 

たとえその結果ごく少数の人間にしか読んでもらえなくなっても!

 

己の信じた道を貫くのが男ッ!

(なお、フィラさんが女性であった場合謹んでお詫び申し上げます)

 

と、言うわけでガンガンガンガンと行っちゃってください(笑)。

 

 


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