男たちが血を流してきた人類の歴史
その裏で密かに3つの勢力の少女たちが地球の覇権を争っていた
2000年に及ぶ争いは決着が着かずにいた
20世紀も終りに近づいた年、第四の勢力が戦いに参入してきた
そして、ついに男たちも戦いに参入し
21世紀になった年、第五の勢力、謎の異星人艦隊が戦いに参入してきた

そうして、地球、そして銀河の未来を決するハルマゲドンともいう混沌の時代が幕をあけた


     アクエリアンナデシコ


     1話  出会い、そして目覚め


 夜、残業帰りのサラリーマンや酔っぱらいなどが見られる時間帯、一人の白衣を着た女性が
部屋の中を入ったり来たりしていた。

女性がいる部屋は壁には魔法陣が書かれており、部屋の明かりも数本の蝋燭で灯されており
なにやら妖しげな雰囲気をもっている。

白衣を着た女性が動くのを止めた瞬間、なにもない所からいきなり一人の少女が現れた。
現れた少女が部屋にいる女性の前に行き、報告を始めた。
「例の物を持ち出した者を発見、包囲しました。」
それを聞いた白衣の女性は軽く微笑んだあと、すぐに真顔になりすぐに次の指示を出した。
「わかったわ、私も行くから相手を逃がさないよう十分注意して。」
「はっ、わかりました。」
「それにしても、E・G・Oの人間の進入を許すとは、うちの警戒網を見直す必要があるわね。
ともかく、◯ンギニスの槍はかならず取り戻すこと、いいわね、行きなさい。」
「はっ!」
というと少女はなにやら呪文らしきものを唱えるといきなり消えた。
それを見届けた白衣の女性も呪文を唱えだし、唱え終わると同時に消えた。


同時刻、某場所。
ある商店街でバイト帰りらしい少年が一人歩いていた。
本来ならこの時間帯、残業帰りのサラリーマンや酔っぱらいなどが見られるのに先ほどから誰一人
すれ違わないし、見かけないのを不思議に思って家路に急いでいた。
「今日って、なんかあったけ?」
誰一人会わないのを不思議に思い、考えながら歩いているといきなり街灯が消えた。
「えっ!?」
いきなり街灯が消えたため訳も分からず回りを見ていると、空の方で何かが光ったりするのを
見つけた。
「な、なんだ!?も、もしかしてUFOか!?」
空を見上げてつぶやいた瞬間、なにかがこちらに落ちてきた。
「わぁー!?」
声を出して飛び退いた瞬間、それが落ちてきた。

なんとか避けることが出来て、ほっとしてなにかが落ちてきたほうを見ると一人の少女がいた。
桃色の髪をした少女は何とか立ち上がると空の方を見た。
つられて少年も空を見ると数人の少女と白衣の女性が空に浮いていた。
それを呆然として見ていると白衣の女性がこちらを見て周りにいる少女に問いただした。
「どうゆうこと、ちゃんと結界は張ったのでしょうね?」
「はい、ちゃんと張りました。」
それを聞いた白衣の女性は少年を値踏みするように見た。
「どうやら、能力者としての素質があるようね。あとで勧誘しましょう。けどその前に。」
と視線を落ちた少女に向けた。
「悪いけど、そうそうにうちから盗んだ物を返してもらいましょうか、E・G・Oのお嬢ちゃん。」
「ふん、だれが返す物ですか、おばさん!アッカンベー!」
言われた女性は顔をひきつらせ、額に青筋を立てた。
「ど、どうやら口で言っても分からないようね。少しお灸を据えましょう。」
白衣の女性が言うと、周りにいた少女たちが一斉に呪文を唱え出した。

「あなた!こっちに!!」
少女は後ろにいる少年に声をかけ、こちらに来るよう促す。
少年は訳も分からずいたが、切羽つまった少女に促されてそちらに行く。

「「「サンダー!」」」
と少女たちが手にしていた杖から電撃が下にいる少女に向かった。
それと同時に桃色の髪をした少女が叫んだ。
「キネティックウォール!!」
電撃は見えない壁により防がれた。

「あら、なかなかやるわね、でもいつまで保ちこたえていられるかしら?」
そう言うと白衣の女性も呪文を唱えだし、手を前に出した。
「ファイヤーボール!」
叫んだと同時に手から火の玉が飛び出し少女の方に向かった。

「くぅ!?」
なんとか防いでいるが少女から苦悶の声が聞こえる。
それでも容赦なく来る攻撃を耐えた。

少年は自分を守る少女を見て、なんとかしたいと思うが何も出来ない自分を歯がゆく思った。
しかし、そんな自分の体の内からなにかが出てきそうなで体がなにか熱くなっていった。

「これで終りよ!」
白衣の女性の放った火の玉が見えない壁を打ち破った。

「きゃー!」
「うゎー!」
二人はその衝撃で吹き飛ばされた。

「ほんと、手こずらしたわね。でもこれで終りよ」
そう言って呪文を唱え始める。
少女の方はなんとか立ち上がろうとするが、体に力が入らず立ち上がることが出来ない。
少年も少し離れた所で立ち上がろうとした時、白衣の女性の呪文が完成し、火の玉が少女に
向かっていった。

(くぅ、ワタシにもう少し力があれば、あの人だけでも・・・。力があれば・・・。)
少女は火の玉が来るのを見て死を覚悟した。

少女に火の玉が来るのを見て少年は力いっぱい叫んだ。
「やめろーーーーーーーーーーーー!!」
そのとき自分の中にあったなにかが弾けた。
「え!?」
少女はその叫び声が聞こえたと同時に自分の体が光だし、自分の中に新たな力を感じ取った。


 

 

後半へ続く