地球から巣立った人類は、宇宙コロニーでの生活に新たな希望を求めていた。

しかし、地球連合政府は、正義と平和の名の下に圧倒的な軍事力を持って各コロニーを制圧した・・・

 

隔壁を破壊し、コロニー内に侵入するMSリィオー

 

搭載可能なだけの爆弾を抱え飛ぶMSエアリーズ

 

倒れるビル・・・

                  爆発する民家・・・

                                            逃げまどう人々・・・

 

  全てを踏み潰していくMS・・・

 

 

アフターネルガル(A・N) 195年

作戦名 『オペレーション・メテオ』

 

連合に反目する一部のコロニー居住者達は流星に偽装した新兵器を送り込む行動にでた。

 

  各コロニーから地球へと打ち出される流星

 

だが、これは既に連合本部に察知されていた。

 

 

 

新機動戦記 

ナデシコ W

第05話  「アキトの秘密」

 

 

 

今、スペースポートで1機のシャトルが打ち上げの最終カウントに入っていた、

コロニー側との話し合いに向かう才蔵外務次官とその秘書のアキト、そして数人の外交官を乗せた

臨時チャーター便である。

 ゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・

轟音と、白い煙をなびかせ宇宙を目指しシャトルが飛んでいく、地球とコロニーの和平を取り持つ使者を乗せ。

 

 

しかし、今回の使者の中には、死を導くための者も混ざっていた。

「才蔵外務次官、快適な旅になれば良いですね」

大気圏を脱し、安定してきた機内でその人物は才蔵に話しかけてきた。

「・・・・・・」

それを露骨に無視して才蔵は手にしていたファイルに目を落とす。

「・・・世間話ぐらいいいではないですか」

その反応に全く動じることなく、ユキ・キクノ特佐は才蔵を見下ろすようにする。

「・・・スペシャルズの将校殿と合う話題なんて、持っちゃいない」

ユキの顔を一瞥し苦々しく言葉を発する。

「ずいぶんなお言葉ですね、貴方の監視役は上からの命令なのですから、私に敵意を向けられても困ります」

全く困ったそぶりを見せないで答えるが、才蔵はユキを無視して隣で成り行きを見守っていたアキトに

話しかけた。

「いいかアキト、よく見ておけよ」

「?」

そう言うと、才蔵は窓の外に見える青い星、地球を指さした。

「あの星を外から見ると言うことが、どれだけいいことなのか」

「・・・?」

その才蔵の様子に何かいつもと違うモノを感じながらアキトは窓の外に広がる地球を見た。

【・・・もう、見ることはないのですよ、才蔵外務次官】

自分の席に戻ったユキはそんな親子の様子を伺いながら、ハンドバックの中からコンパクトを取り出した。

 

 

聖コスモス学園

課外授業、天体観測の為、夜の学園に生徒達が集まっていた。

「は〜・・・」

「どうしたのですか?」

星を見上げていた女生徒がいきなりため息をつく。

「・・・コロニーはあんなに輝く星の海の中に有ると言うのに・・・

 どうして輝かないのかと思いまして」

「いいえ、そんなことありませんわ。

 アキト様が今コロニーに行っていらっしゃるんですもの、いつもの数倍輝いていますわ!!」

「そうですわね、いえっきっとそうですわ!」

「「「アキトさま〜ポポポッ)」」」

 

「?・・・」

しばらくしてから我に返った1人の女生徒が、何かを捜すように辺りを見回す、

「どうしました?」

「いえ・・・このところアキト様の話をしていると感じる”殺気”を感じませんでしたから・・・」

「そう言えば・・・そうでしたね」

「いいでわありませんか、その方が」

「それもそうですわね」

 

 

「ミスター才蔵! ようこそいらっしゃいました」

コロニーの宇宙港に到着した才蔵達を、コロニー側の外交官達が出迎えに来ていた、それに笑顔で答える

才蔵とアキト。

「どうやら、地球が慢性的な経済危機だというのはデマのようですな、あなた方だけのシャトルを打ち上げられる

 のですから」

「そのくらいのデマならいいんだがな、

 ・・・今、連合に広がっているデマは笑って済ませれるモンじゃない」

差し出された手を握り返しながら、才蔵は苦々しく言う、

「我々、コロニー側が地球に攻め込むと言う、アレですか」

「そんなことをして我々にはなんの得もないというのに・・・勝手な」

コロニー側の外交官の1人が憤怒の表情で才蔵と一緒にやってきたスペシャルズを睨む。

「?・・・ 我々の訪問理由は、それがデマかどうか調べることです」

その視線に気づいたユキが部下との打ち合わせを中断し、いつもの相手を見下ろすような表情で相手を

見返す。

「私、個人としては、それがデマである事を望みますわ・・・

 それでは、才蔵外務次官の警備の準備が有りますので、失礼します」

あくまで事務的な口調、それ故に相手の神経を逆なでする。

「チッ  女狐が」

数人の部下を引き連れ到着フロアから出ていくユキの背に、誰かが言い捨てた・・・

 

 

 トサッ

「フゥ・・・」

いつも滞在に使用しているホテルの部屋、荷物をソファーの上に置き、アキトは疲れたようにため息をついた。

「・・・どうして、地球の人達はこんなに平和的なコロニーの人達が戦争を起こそうとしているなんて考えるのだろ

 う?」

いつも考えている疑問、いくら考えても答えの出ない問題・・・

いや、答えはもう出ている、そしてそのために才蔵やその部下の人達、コロニー側の外交官は頑張っているの

だ、地球とコロニーが理解し合えるように。

「どこまで出来るか解らないけど、俺も頑張らないと」

外務次官の臨時秘書としてやれるだけやらなきゃ、とアキトは気合いを入れるが。

「・・・そう言えば、今日の会議には出なくて良かったっけ?」

自分の仕事は明日からだった事を思い出し、一気に脱力する。

もっとも、今日1日は前回一度もコロニー内で遊べなかったアキトの為に、才蔵が便宜を図ったのだが。

「う〜ん、取り敢えずどうしよう? 久しぶりにイネスさんにでも会いに・・・って、今日は平日だから仕事中か」

以前、このコロニーで知り合った金髪の女医に会いに行こうかと思ったが、この時間帯だと仕事の真っ最中、

当然アキトにつきあえる筈もない。

・・・問答無用で仕事を放棄して来そうな気もするが・・・

「仕方ない、1人でぶらつくかな」

そう思った時、ドアがノックされた。

「はい?」

「雪谷さま、ルームサービスです」

ホテルの従業員であろう女性の声がドアの向こうから聞こえる。

「? ルームサービスなんか頼んでないけど・・・」

訝しげに首をひねりながらも一応ドアを開ける、こちらの名前を言っているのだから人違いではないのだろうし、

もしかしたら才蔵が何か気を利かせて頼んだのかもしれない。

「なんです・・・・・・ああっ!?」

「お供の者1名、いかがですか?」

ドアの外には、驚いているアキトをおかしそうに見ているルリが立っていた。

 

 

ホテル2階、第2会議室

第1回目の会議の準備が進められている中、コロニー側の1人が当然の顔をして会議の席に着いている

ユキ特佐に近づいていく、

「ミス・キクノ(注:ホントはミスター)、失礼ですが貴方には連合からの外交委任がされていません・・・

 この会議に参加する事は許されないのですが」

言葉こそ丁寧だが、その口調は完全に事務的。

「解りました、ですが会議の結果は教えていただけますか?」

「無論です」

「結構、それでは失礼いたしますわ」

コロニー側の軽蔑の視線を気にすることなくユキは席を立つ、

 ガタッ コッコッコッコッ      バタン

会議室を出たところで、ユキは内ポケットからコンパクトを取り出すと、

 カチッ   ピピッ

コンパクトを開き何かの操作をすると再び閉じ、それを直ぐ脇の花瓶立てに置く。

「10分後・・・ それで全て終わり  それとも始まりかしら?」

会議室に向かって一瞥すると、そのままホテルの外に向かって歩いていった。

それとは入れ違いに、アキトとルリがエレベーターから降りてくる、

【!? あの人は、クリムゾンの幹部の1人ユキ・キクノ特佐・・・

 やはり、クリムゾンは何か企んでいる】

一瞬だけ見えたユキの後ろ姿を確認し、ルリは辺りにも視線を走らせる。

【・・・こんな所では仕掛けてこない、か】

特に怪しい気配はしないが、用心に越したことはない。

 コンコンッ

「アキトです」

会議室の扉をノックすると、直ぐにもう顔馴染みとなったSPがドアを開ける。

「これから街に出ようと思うので」

「おう、気をつけて行って来い」

中から才蔵の声が聞こえてくる、

「は〜い、分かってます」

「今日1日ゆっくり休めよ、明日からは思いっきりこき使ってやるからなっ!」

「ハハ・・・・・・お手柔らかに」

「「「「「ハハハハハッ・・・」」」」」

アキトの情けない声に思わず会議室に笑いが広がる。

「それじゃあ、行って来ます」

「待ちなさい、今他のSPを呼ぶから」

出ていこうとするアキトにSPが護衛を呼ぼうとするが、

「大丈夫です、ここは地球の街より安全ですから」

「そうですか? それではお気をつけて」

 バタン

「・・・?」

会議室の扉を閉めたとき、アキトの視界に何かが入った。

「これは・・・確かユキ特佐の持っていた?」

扉の直ぐ脇にある花瓶立ての上、花瓶の影になる所に青いコンパクトが置いてあった、よく覚えていないが

確か、あの人もこれと似たようなコンパクトを持っていた筈。

「どうかしたんですか? アキトさん」

「ん? いや、なんでもないよ、じゃ 行こうかルリちゃん」

「はい」

「でも、その前に寄るところあるから、少し待っててくれる」

そう言うと、アキトはユキの出ていった方へと走っていった。

「アキトさん待ってください」

その後ろをルリが慌てて追いかけた。

 

 

ホテル前、見上げれば丁度会議が行われている会議室が見える位置にユキとスペシャルズの兵士達が

集まっていた。

「後、10秒・・・」

腕時計で時間を確認して、ユキは会議室を見上げる、

「すみません」

「?」

呼びかけられ、振り返ってみるとそこには才蔵の息子が走ってきていた。

「あの、これ貴方のじゃないですか?」

そう言って、あのコンパクトをユキに差し出す、

「!! なんてこと!!」

それを見てユキの表情が一気に青ざめる、

「貸せ!!」

「え?」

凄まじい形相でアキトの手からコンパクトを奪い取ると、それを会議室の窓めがけて投げつける。

「アキトさん伏せて!」

追ってきたルリがアキトを道路に押し倒す、反射的にユキが今投げた物が爆発物だと判ったからだ。

 

 

「全く理不尽な話です、正体不明のモビルスーツやらオペレーション・メテオやら、我々の知らないことばかり

 です!」

「ミスター才蔵、なぜ連合は私たちの言葉を信じてくれないのです?」

「・・・・・・」

コロニー側の外交官からの質問に才蔵は答えず沈黙した。

ここにいる外交官達は本当に知らないのだろうが、正体不明のMSやオペレーション・メテオは実際に発動して

いる。

連合のムネタケ将軍との会議では否定したが、才蔵はそれがコロニーから送られたモノである事の証拠も

ある程度持っているのだ。

が、以前の連合での会議でも言ったように、あれが全てのコロニーの意志だとは思っていない。

あのMSは5つの別々の宙域にあるコロニーから地球に送られているが、コロニー間の連絡は連合宇宙軍

によって管理され、まとまった行動など取れる状況ではなかった。

ならば、あのMSはコロニーが連帯して製造したとは考えられない、連合に対し反感を持った一部の者の

行動なのだ。

「そうですね・・・」

ようやく才蔵が口を開いた時、窓ガラスが砕け外から青い何かが会議室の床に落ちた。

「なんだ!?」

SP達が反応するより先に、

 ゴガァァァァァァン!!

 

 

「アキトさん、大丈夫ですか?」

爆発が収まり、ガラスの破片やコンクリート片が収まったのを確認して、ルリは覆い被さっていたアキトの上から

離れた、

「え・・・ 才蔵さん」

しかし、そんなルリの言葉は耳に入っていないのか呆然と未だ煙りを上げる会議室を見上げ、

「才蔵さん!!」

「アキトさん!? 待ってください! まだ危険です!」

いきなり、飛び起きるとホテルの中に走っていく、ルリもそれを追いかける。

「クッ 私としたことが・・・」

爆発の余波で道路に叩き付けられていたユキが頭を振りながら起きあがり、走っていくアキトとルリを睨む、

「あの者達を捕らえろ! 場合によっては殺してもかまわない!! 行け!」

「「「ハッ」」」

兵士達が銃を構えホテル内に走っていく、

「・・・近くの病院は押さえてあるか?」

爆風で乱れた黒髪をまとめながら残った部下にユキが問う、

「はい、特佐のご指示通りに・・・」

「そうか」

部下の返事にユキはようやくいつもの冷静な表情を取り戻した。

遠くから救急と消防のサイレンが響いてきていた。

 

 

「才蔵さん!!」

階段を駆け上がり会議室に飛び込む、扉は爆発の影響で既に吹き飛ばされていた。

「うっ 才蔵さん! 才蔵さん!! どこです!?」

会議室内は、崩れた壁や天井の瓦礫、爆発での炎で見るも無惨なほど破壊されていた。

瓦礫の隙間から知った顔が見えるが、皆死んでいる。

「才蔵さん! !!」

その中で、部屋の隅の方に倒れている才蔵とSPを見つけた。

「才蔵さん!」

「う゛ぅ・・・」

アキトの呼びかけに才蔵は僅かに反応するが、SPは既に絶命していた、SPが爆発の盾になって才蔵を助けた

のだろう。

だが、才蔵が受けている傷も軽い物ではない、早く治療しなければ・・・

「アキトさん、どいてください!」

「ルリちゃん!?」

追ってきたルリがアキトを脇にどけ、着ていたスカートの裾を破り臨時の包帯を作り才蔵の傷を止血する。

【まさか、クリムゾンがこんな直接的に仕掛けてくるなんて・・・

 直ぐ側に居たのに防げなかった・・・ 私のミスだ】

しかし悔やんでももう遅い、 

「今はこれだけしか出来ません、早く医療設備の整った所に運ばないと」

ルリが応急処置を終えた時、破壊された扉から数人の男達が入ってきた。

「クッ 遅かった・・・か」

会議室内の参上を見て表情を曇らせる、軍服や警官の制服ではなく普通の私服を着ている。

「なんだ・・・あんた達?」

とまどった視線を向けるアキトだが、彼らはそんな事を気にすることなく倒れている他の人達の生死を確認する。

【・・・この人達は、ドクターの関係者?】

そんな彼らに心当たりがあるのかルリはなにも言わない。

「駄目です、才蔵氏以外は・・・」

「そうか・・・なら、才蔵氏だけでも連れていくぞ」

才蔵意外の死を確認し、男達は才蔵を運び出そうと担ぎ上げる。

「さあ、貴方も我々についてきてください」

「おい、あんた達! 才蔵さんをどこに連れていく気だ!?」

理由の解らないまま、連れて行かれようとしている状況にアキトは抵抗するが。

「貴方もまだ死にたくないでしょう!」

「!?」

死、と言う男の言葉に反応する。

「アキトさん、今は彼らに従いましょう」

「ルリちゃん?   だけど・・・」

まだ、躊躇しているアキトだが、

「貴様ら!! 何をしている!」

銃を構えたスペシャルズの兵士が部屋に入ってくるなり警告と同時にいきなり発砲する、射殺命令は既に

出ているのだ。

ここにいる者は死んだ方が、クリムゾンにとって好きなように情報操作が出来る。

「クソッ 来たぞ!」

男達は瓦礫の影に隠れ、銃弾を避ける。

「アキトさん」

「・・・解った」

このままだと殺されるのを待つだけだと判断したアキトは男達について行く事にした、少なくとも、男達は

クリムゾンのようにアキト達を殺そうとはしないだろう・・・今は、

「しっかりついて来るんだ!」

男達の言葉に頷くと、銃弾がとぎれた瞬間を狙って駆け抜ける。

「チィ、待て!!」

マガジンを取り替え再び銃を構えるが、それより先に手榴弾が兵士達に向かって投げられる。

「た、退避!!」

慌てて兵士達が階段に逃げ込む。

 ズゥシュゥゥゥン

爆音と光が辺りを包み込む、が辺りはどこも破壊されていない。

「くそ、フラッシュグレネードか・・・

 すみません特佐、何者かが外務次官と息子を連れて逃亡中! ホテルの出入り口を封鎖してください!」

光が収まった後に男達とアキト、ルリの姿はもう無かった、仕方なく兵士は外で待機しているユキに無線で

報告する。

『何者かだと? 直ぐに捕らえろ!! 出口の封鎖はこちらでしておく』

「了解しました! 行くぞ!!」

「「ハッ!」」

無線を切ると、男達を追うため再び走り出す。

 

 

「何者かですって? いったい・・・でも、これは使える」

出入り口の封鎖を手配したユキは思考を走らせる、才蔵の死は爆発事故とするつもりであったが、これで

コロニー側のテロリストと言う事にする事が出来る。

そして、その方がクリムゾンにとって都合がいい。

 グォォンッ  キキキッ! 

「!?」

エンジン音とタイヤの軋む音にユキは現実に戻される、見ると地下駐車場出口から1台のバンが猛スピードで

走り出してきた。

「しまった!?」

ホテルの出入り口に目を走らせるとまだ封鎖は完了していない、このままだと逃げられてしまう。

「逃がさない!」

とっさにバンの進路を塞ぐように身を躍らせると、銃を撃つ。

が、その程度で止まる筈が無くユキを轢き殺す勢いで突っ込んでくる。

「チッ!」

ギリギリのところでユキはバン避けるが、体勢を崩し倒れ込む。

「クッ 逃がしたか・・・」

閉まりかけていた裏口門からバンは飛び出していった。

ここは地球ではない、一般道で過激な真似は出来ない。

ならば・・・

 

 

「・・・フゥ 撒けたようだな」

リーダーらしき男がスペシャルズが追ってこないのを確認すると、汗を拭う。

「ああ、流石にスペシャルズもコロニーで派手なことは出来ないようだな」

肩で息をしながら、別の男も頷き逃げ切れた事を確認する。

「そんなことより、才蔵さんを早く病院に!」

苦しそうに息をしている才蔵の側に付き添いながらアキトが叫ぶ、その横でルリが不安気に才蔵の額に浮いた

汗を拭いている。

「それは駄目だ!」

男達の1人が病院の言葉に直ぐに否定の声を上げる、

「そんな! どうしてです、このままだと才蔵さんは」

「残念ですが、この辺りの病院には既にスペシャルズの手が回っていると考えるのが妥当です」

「そんな・・・ 」

リーダーの言葉にアキトが絶望の声を上げる、

「大丈夫です、我々の仲間にも医師はいます」

アキトを安心させるように言うが、アキトは不安げな表情を浮かべたままだ。

突然、養父が爆発に巻き込まれ瀕死の状況、更に現れた正体不明の一団にさらわれ軍隊(スペシャルズ)

には命を狙われる・・・

安心できる筈もない。

 

【なぜ、才蔵さんがこんな目に合わなければならないんだ?

 この人は、コロニーの為、地球の為に今までどれだけ頑張ってきたか・・・

 それなのに・・・ どうして命を狙われるようなことに】

 

「う・・・ アキト・・・・・・」

「! アキトさん、才蔵さんが・・・」

意識を取り戻したのに気づいたルリがアキトを呼ぶ。

「才蔵さん!」

「ヘヘ・・・なに不景気なツラしてるんだ・・・・・・お前は・・・よ」

いつものような調子でアキトに話しかけてくるが、苦しそうに顔をゆがめる。

「才蔵さん、喋ったら駄目だ」

「いい・・・んだ、自分のことは・・・自分が一番、・・・・・・わかる」

「そんな、何言ってんですか」

「それより・・・お前には話しておくことが・・・・・・ある・・・いいかよく聞け」

そこで、いったん言葉を切り、

「アキト・・・お前が俺の本当の息子では無いことは・・・知っているな・・・」

アキトは黙って頷く、自分が才蔵の本当の息子では無く、養子であることはもうずいぶん前から知っていた。

「・・・お前の、いえ 貴方様の本当の名は・・・テンカワ・アキト、

 かつて、完全平和主義を掲げていたサンクキングダム王国の・・・テンカワ王家の長子・・・」

「!!」

アキトの顔が驚きに強ばる、

【・・・そう、そうだったんですね、

 アキトさんはあのサンクキングダム王国の王位継承者・・・

 だからドクターは私にアキトさんの護衛任務を・・・】

才蔵の言葉にルリが今回の自分に与えられた任務の意味を知った、”雪谷アキトを護衛せよ”の意味を、

「私は・・・サンクキンギダムに代々仕えてきた・・・元老院の1人・・・

 ですが・・・8年前、王国は連合によって・・・滅ぼされ・・・逃げ延びは私は貴方様を養子として育てたので

 す・・・」

「だけど、俺にはそんな記憶は・・・」

才蔵の言葉にアキトはとまどう、8年前と言えばアキトは10歳、何らかの記憶は残っている筈だ。

「・・・国王様と王妃様の死を・・・目撃された貴方様は、その衝撃で記憶を失われたのです・・・」

「・・・・・・」

確かにアキトには10歳以前の記憶がほとんど残っていない、今まで気にしたことが無かったが・・・

「クッ・・・ハァハァ、いいですか、アキト様・・・スペシャルズに・・・クリムゾンに気をつけて・・・ぐぁ!」

「!! 才蔵さん」

苦しそうに呻くと、才蔵はアキトの方を見る。

【!? 才蔵さん・・・目が】

その才蔵の目を見てルリは息を飲む、その目にはもう何も映っていない事がわかったからだ。

「いいか・・・アキト」

才蔵は”アキト様”ではなく”アキト”と呼ぶ、臣下ではなく父親として話しかけている。

「・・・お前は、俺の自慢の息子だ・・・・・・いいな忘れるんじゃないぞ・・・」

「!? 才蔵さん? 才蔵さん!!」

目を閉じ沈黙した才蔵にアキトが叫ぶ。

「・・・大丈夫です、気を失っているだけです」

ルリが急いで才蔵の脈を取りアキトを安心させる、がその脈はもう弱い。

「・・・ありがとう、ルリちゃん」

ホッとした表情でアキトはルリに礼を言うと、1人黙り考え込み始めた。

短い間にいろいろな事が起こり過ぎて、アキトは飽和気味となっていたが、まだこれからも複雑な事が起こる

だろうと漠然と感じてもいた。

そんなアキトの様子をルリは心配そうに見ていた。

車は工場ブロックに向けて走っていく。

 

 

自走式浮きドックの端で、何をするでもなくボケ〜とリョウコは海に沈んでいく夕日を見ていた。

ルリによって解体されたナデシコデスサイズの修理がまだ終わっていないので、今は何もする事がない・・・

いや、やることはあるのだが修理が終わらないと出来ない。

「お〜い、モビルスーツの修理終わったよ」

黄昏ているリョウコの後ろから1人の女性が近づいてくる、

「は〜 助かったよ、ホウメイさん」

ホウメイの言葉に心底ホッとした声でリョウコが答えた。

「なにさ、こっちは商売なんだ、金さえ出してくれれば中華料理から宇宙戦艦まで何でも造ってやるさね、

 アンタはいいお得意さまだよ」

「ハハハ・・・それじゃぁ 今度宇宙戦艦でも造ってもらおうか」

「いいのかい? 高いよ」

「うぐっ 冗談だよ冗談」

真顔で返すホウメイにリョウコがつまる。

「なんだ、残念だね〜 一度造ってみたかったんだけど」

「【マジだ・・・この人】と、とにかくこれで次の任務に何とか間に合ったぜ」

リョウコは立ち上がると修理の終わったナデシコデスサイズの様子を見に、工場へと入っていった。

「ん〜 いつか誰か頼みに来ないかね、宇宙戦艦の制作依頼・・・」

ホウメイのつぶやきは海風の中に消えていった。

 

 

 ザッザッザッザッ・・・

砂漠を踏みしめエリナがマグアナック隊の基地から離れていく。

「本当に行っってしまうんですか?」

その背後からユリカが名残惜しそうに声をかける、がエリナは何も答えず歩いていく、

「・・・せめて、名前ぐらい教えていってくれませんか?」

その様子に引き留めるのをあきらめたユリカが、名前だけでも聞いておこうとする。

「エリナよ、エリナ・キンジョウ・ウォン」

エリナは、それに振り返ることなく答える、

「エリナさん・・・か、

 さよなら、エリナさん また会いましょう」

「そうね、その時までにピアノ少しは上達しておきなさい」

「え!?・・・え〜と」

「しておきなさい・・・ね」

「・・・は〜い」

「返事は短く!」

「はいっ がんばりま〜す」

「よろしい、また会いましょうミスマル・ユリカ」

ユリカの返事に一瞬笑顔を見せると、エリナはナデシコヘビーアームズを乗せたトレーラーに乗り込み、

マグアナック隊基地を後にした。

「・・・ユリカ、あのまま行かせて良かったの?」

ユリカの後ろで成り行きを見守っていたジュンが心配そうに声をかける。

「ん?」

何がいけないの? と言いたそうにユリカがジュンを見る。

「彼女は僕達の前線基地の、ここを・・・」

「大丈夫! エリナさんはそんなにおしゃべりじゃないよ」

自信たっぷりにユリカが言い切る、が

「でも、もし攻めてきたら」

「それこそ歓迎だよ、またエリナさんに会えるって事だもん」

「・・・・・・」

うれしそうに言い切るユリカにジュンは沈黙した。

 

 

連合軍海軍港

「おい、見張りの交代だぞ」

「は〜 ようやく交代か、いくらあちこちの基地が襲われてるって言ってもこの警備シフトはキツイよな〜」

「おいおい、やめてくれよ〜 俺はこれからなんだぜ」

「ハハ、悪い悪いそれじゃ、がんばれよ」

「お〜う」

やる気の無い返事を返すと交代した兵士が所定の位置に就く。

 ボ〜〜〜〜

軍用のコンテナ船が霧笛を鳴らしながら港に入ってくる。

「は〜ぁ これから2時間退屈な見張りか・・・」

 タッ!

「ん? グガァッ!!」

背後で何かの音がして振り返ろうとした時、兵士は首筋に衝撃を感じ意識を失った。

『・・・おい、何かあったのか?』

兵士の持っていた無線から同僚の声がする、倒れたときの衝撃音が入ったか?

「異常なし」

『ん・・・了解』

気を失った兵士に変わり襲撃者が無線に答え、同僚はそれで安心した。

「・・・こうも簡単に信じるなんて、やはり連合は腐りきっている」

無線のスイッチを切り舞歌はつぶやいた。

 

 

レイク・ビクトリア基地

工場ブロックでは、先日運び込まれたトールギスが急ピッチに仕上げられていた。

「シュン どんな様子?」

「? あっラピス特尉、順調に進んでいますよっ ここのスタッフは優秀です、完璧に仕上げて見せます」

「そう、後はよろしくね」

「はい、任せてください!」

様子を見に来たラピスにシュンは自信たっぷりに答える。

「・・・ラピス、本当に20年前に放棄されたこのトールギスが使えるの?」

急速に組み立てられ、本来の姿を取り戻しつつあるトールギスを見上げながらダッシュが疑問の声を上げる。

いくら性能がいいと言っても20年前の機体なのだ、信用するのは難しい、がラピスは自信たっぷりに頷く。

「多分、今クリムゾンが持っているモビルスーツの中でもっとも強力な機体の筈」

「まさか」

信じられないとダッシュがラピスを見る。

「このトールギスは全てのモビルスーツの原型、あのナデシコもこの機体を始まりとしてる・・・」

「ナデシコも?」

ダッシュが驚いたようにトールギスを見上げた。

未完成の白き機体は静かに目覚めの時を待っていた・・・

 

 

「・・・・・・!」

目覚めると、そこは見知らぬ天井が広がっていた。

「ここは?」

「アキトさん、目が覚めましたか?」

アキトが声のする方に頭を巡らすとルリの顔が見えた、

「ルリちゃん? ここは・・・って、おわっ!」

アキトは自分の置かれている状況に気づいて飛び起きる、

「まだ寝てなくて大丈夫なんですか?」

「いや、そのっ   うん、もう大丈夫だから」

ルリに膝マクラされていた事に焦りながらもアキトは自分が置かれていた状況を思い出す。

「そうだ! 才蔵さんは!? ルリちゃん才蔵さんはどうなったんだ!? それにここはいったい?」

「アキトさん、落ち着いてください」

「あ・・・ごめん」

ルリに手を握られアキトは落ち着きを取り戻した。

【ルリちゃんの手って柔らかいな・・・】

落ち着いたのではなく、別な方向に思考が走ってしまっている(汗)

「才蔵さんは今、手術中ですけどきっと大丈夫です、必ず助かるって信じてください」

「そうだね・・・誰よりも俺が一番に信じないといけないんだ」

「そうですよアキトさん、それからここはどうやら”あの人達”の隠れ家・・・みたいです、

 正確な位置はわかりませんが、多分コロニーの工場ブロックのどこかだと思います」

「・・・・・・」

ルリの言葉に考え込むアキト、これからいったいどうなるのか?

そんなアキトの心境を察したのか、ルリはアキトの目をじっとのぞき込むと、

「心配しないでください、どんなことがあってもアキトさんは私が守ってみせます」

きっぱりと言い切った。

「ルリちゃん?」

不思議そうにアキトはルリの瞳をのぞきこむ、

『キクノ特佐! 事件についてコメントを!!』

「!?」

不意に部屋の中に置いてあったTVから聞こえてきた声に、アキトはギョッとなって振り返る。

『大変に残念に思います、このコロニーにこんな悪質なテロリストがいるとは・・・』

そこにはスペシャルズの軍服を着た、ユキ・キクノが報道陣のインタビューに答えていた。

『雪谷外務次官とそのご子息が誘拐されたと聞いていますが?』

記者の1人がユキに質問する。

『ただいま鋭利捜査中です、テロリストの目的は不明ですが、これがコロニー全体の意志としたら・・・

 我々はそれなりの軍事行動に移らなければなりません』

『な!?』

ユキの言葉に報道陣が一斉にざわめきだす、

『それでは、テロリストの捜査がありますので』

TV画面内では騒ぎ始めた報道陣を無視するようにユキは記者会見の場から離れていった。

「何が、残念だ・・・ 何が!!」

ユキに言葉に激昂するアキト、どう考えてもあの爆発はあの時ユキが投げ込んだコンパクトが原因だ。

それなのに・・・ 何が残念に思うだ、 何がテロリストだ!!

「!! どこに行くんですか!?」

憤怒の形相でドアから出ていこうとするアキトの前にルリが立ちふさがる。

「どいてくれルリちゃん! 俺は彼奴らが許せない! あのクリムゾンと言う連中が!!」

父の命を奪おうとし、更にそれをコロニーに対する恫喝の材料とするクリムゾン・・・

今まで感じたことの無いほどの怒りがアキトの中を駆けめぐっている。

「駄目です! 今行ったら殺されに行くようなものです!」

「そんな事関係ない!!」

ルリを押しのけアキトはドアに手をかけるが、思わず動きが止まる。

「駄目です、アキトさん行かないでください・・・・・・」

背中からアキトに抱きつくルリ、その声は震えている。

「・・・・・・」

「・・・・・・」

沈黙が部屋の中に流れる。

 ガチャ

「!?」

いきなり、ドアが開かれ白衣の女性が部屋の中に入ってきた。

「あらあら、しばらく会わない間に随分と感情が豊かになったのねホシノ・ルリ」

中の様子を見て、少し驚いたような表情を浮かべるとその女性はつぶやいた。

「イネスさん!?」

「・・・ドクター」

その女性を見てアキトは驚きの声を上げる。

「どうしてイネスさんがこんな所に・・・?」

「その質問には後々答えるとして、アキトくん お父さんの手術終わったわよ」

 

 

「流石に見事な役者ぶりだね、ユキ特佐」

衛星回線でコロニーでのユキの記者会見を見ながらラピスはつぶやいた、その顔には笑みが浮かんでいる。

「才蔵外務次官はどうなったかな?」

一緒にいたダッシュがそんな質問を投げかけるが、

「多分、殺されたかそれに近い状況」

表情を変えることなく答える、

「・・・アキト」

TV画面を凝視しているラピスの口からアキトの名前が漏れる、

「心配なの?」

その声を聞いたダッシュが様子を伺うように聞くと、

「心配? 心配だって!? 当たり前じゃない!!!

 フッフッフッ ハーリーよくもこんな命令を出したね・・・これは私に対する挑戦?

 良い覚悟だわ、相手になるよ・・・・・・

 フフフフ・・・」

「ラ、ラピス!?」

思わずダッシュの声が裏返る、先ほどからの笑みはただ単に顔が引きつっていただけのようだ。

「クックックッ・・・」

不適な笑みを浮かべたままラピスは部屋から出ていった。

「ハーリー、君は生き延びる事が出来るか?」

流石にダッシュもハーリーが気の毒に思えた、自業自得な気もするが。

 

 

「それでイネスさん、才蔵さんの様子は?」

「手術は成功よ、才蔵氏は命だけは取り留めたわ」

アキトの質問にイネスは事実のみを伝える、ルリはアキトたちを地球に送るためのシャトルの手配に行って、

今はいない。

「命? 命はってどういう事ですかっ?」

「これからのリハビリしだいだけど、もう2度と今までのような仕事は出来ないでしょうね」

「そんな!?」

「アキトくん、貴方には辛いことを言うけど 才蔵氏は助かっただけでも良しないといけないわ」

「・・・・・・」

イネスの言葉に沈黙するアキト、確かにそうなのかもしれない、とにかく才蔵さんは助かったのだ。

「それじゃ、別の質問をしていいですか?」

「何かしら? って、だいたいの想像はつくけど」

「イネスさん、貴方がルリちゃんを地球に送り込んだんですね」

「そう、あの子のナデシコを造り地球に送ったのはこの私」

「やっぱり・・・イネスさん、貴方は彼女に何をさせようとしているのですか?」

「・・・彼女は、私達コロニー居住者の代弁者よ」

「代弁者?」

「そう、 彼女には物心ついたときからあらゆる戦闘技術を教え込んで、破壊のプロフェッショナルに育てたの」

「どうしてそんな事を!?」

「どうして? わからないの、コロニーの平和の為によ」

「なっ そんな、破壊活動が平和につながる筈は無い!」

「それが繋がるのよ、

 戦争は人によって起こされる、だけど人によって終わらせる事もできるわ・・・

 あの子に狙わせているのは、戦争を生み出そうとしている悪魔のような奴等よ」

「だけど、もっと平和的な方法がある筈なんじゃ」

「10年前まで私達もそう信じていたわ、人類はそんなに愚かでは無い・・・誰も戦争なんて望んでないって・・・」

そう言って、イネスは一息ついた。

「コロニーの歴史は、私のような科学者や技術者、労働者によって作られてきた、

 私達の祖先は必死の思いでコロニーを造り、ようやく人が住めるようになるのに100年近くの時間を

 要したの。

 ・・・今から丁度10年前、私達は全コロニーの指導者ホシノ・ルリによって平和な暮らしを送っていたわ」

「!? ホシノ・ルリって」

「私達コロニー居住者にとってその名はもう伝説になってる、

 彼女のコードネームもそれにあやかっているの」

「コード・・・ネーム?」

「だけど平和な時は長くは続かなかった・・・

 平和を創り上げる存在を危険と感じたんでしょうね、ホシノ・ルリはある組織によって暗殺された・・・・・・

 それ以後のコロニー間の連絡は途絶え、それは連合の戦力増強の口実になった、

 ”クリムゾン”  ホシノ・ルリを暗殺し地球圏に戦争を引き起こそうとする張本人」

「クリムゾン!?」

「 知っているの? アキトくん」

「才蔵さんが襲われた後で言ってたんです、クリムゾンに気をつけろって、

 それじゃ ルリちゃんに狙わせているのは・・・」

「クリムゾンの息のかかったモノ、そしてクリムゾンそのもの・・・

 地球連合の乗っ取り、地球圏の完全独裁の野望は絶対阻止しなければいけないわ」

「・・・・・・だけど、なぜその役目がルリちゃんなんですか?」

「仕方ないの、あの子は私達コロニー居住者の心の痛みをわかっているからよ・・・」

「・・・・・・

 最後に、1つだけいいですか?」

「何かしら?」

「今回の事件のこと、イネスさんは知っていたんですか?

 だからルリちゃんをコロニーに戻して俺の護衛をさせたんですか?」

「・・・知らなかった、と言えば嘘になるけど知っていた理由でもないの、

 私の知っていたのは、今回のコロニー会議の地球側からの参加者にクリムゾンの兵士がいる事、

 そしてアキトくん貴方がいた事よ」

「?・・・ どうして才蔵さんではなくて俺なんですか? 特別秘書の俺より外務次官である才蔵さんの方が・・・」

「それは、貴方が”雪谷アキト”ではなくて”テンカワ・アキト”だからよ」

「!?」

「10年前、コロニーのホシノ・ルリと共に地球で完全平和を唱え、連合によって滅ぼされたサンクキングダムの

 正統な王位継承者・・・それが理由」

「・・・サンクキングダムの」

「それから、気がつかなかったかもしれないけどあの子はアキトくんと同じシャトルでこのコロニーに来たのよ」

「・・・・・・」

「アキトくん、あの子をお願いね・・・

 あの子以前に比べると変ったわ、感情なんてほとんど表に出さなかったのに・・・・・・

 多分、アキトくんの影響よ」

 ガチャ

「ドクター、戻りました」

イネスの話が終わるのとルリが戻ってきたのは、ほぼ同時だった。

「ご苦労様、それでどうだった?」

「クリムゾンの息がかかっていないシャトルの手配が出来ました、これで安全に地球まで戻れます」

「そう・・・アキトくん、縁があればまた会いましょう」

そう言ってイネスは部屋から出ていった。

「行きましょう、アキトさん」

「うん、そうだね・・・早く地球に戻って才蔵さんをちゃんとした病院に入院させないと・・・」

弱々しくアキトはつぶやくと、椅子から立ち上がった。

アキトの運命の歯車が今、動き始めた・・・

 

 

to be continued

 

 

 

 

 

次回予告

 

流転する運命の輪の中に放り込まれたアキト。

地球に戻ったアキトを待っていたのは華やかな学園祭とルリの転校と言う知らせだった。

ルリの正体を知ったアキトは転校が新たな任務の始まりだと察知する。

クリムゾンの刺客がアキトを襲う!

それを守るルリ・・・

 

次回 新機動戦記 ナデシコ W

 第06話 「Party Princess」

 

 

 

 

 

あ(と)がき

 

めるう゛ぃる(以下:め)第5話何とかお届け出来ました。

ルリ(以下:ル)今回は少し原作と違いますね、原作だとワタシはこのころ地球で破壊活動をしていたのでは?

め:うむ! そうなんだけど、あんまり原作通りにするのもなんだし、少し変化を付けてみた。

  それに原作通りだとルリちゃん最後高笑いしてたけど・・・やってみたかった?

ル:遠慮します

め:それに才蔵さんも結局生きてるし、多分もう出ないと思うけど

ル:無作為に変えて後で影響出ないと良いですね

め:グハッ・・・いや、自分もそれが気になる・・・

  まぁその時は話変えるまでだ!(開き直り)

ル:たとえば?

め:そうだね・・・ 最後まで生きているハーリーくんとか、記憶喪失のままのエリナさんとか

ル:他には?

め:ユリカとくっつくアキトとか、結局最後は大気圏で燃え尽きるナデシコウイングZERO・・・

ル:・・・・・・(ガサゴソ)

め:・・・ルリちゃん、その巨大なプリン(縦横5メートル)はいったい?

ル:めるさん、巨大なプリンに押し潰されて窒息死なんて、すっごくみっともないですよね(にっこり)

め:ヘ?  にゅおぉぉぉ〜〜!!

 

 (なんか、柔らかい物が落ちた音がしたと思ってください)

 

ル:ふぅ それでは、次回第6話でお会いしましょう(にっこり)

 

 

 

 

 

で、続きです。

 

 

 

管理人ですよ。

 

めるう゛ぃるさん!! 第五話投稿有難!!

予想外の展開ですね〜

才蔵さんが生きてますよ〜

・・・イネスさん登場、そのまんまDrで(笑)

まあ、男女逆転現象のシリーズですからね〜

流石に、あのギミックは付けてなかったけど(爆)

・・・あれ? ハーリー君男役だ。

・・・そうか、ハーリー君は実は女の子だったんだ(核爆)

洒落になってないな(汗)

と、思いつつ感想の言葉にします!!

 

では、次回を期待して待ってますね!!

 

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