機動戦艦ナデシコ

 

第1話 転換

 

 

あれ・・・・・?風が吹くのを感じる。

 

そんな筈は無い。

 

俺の五感はもう殆ど機能していない。

 

虫の囀り声が聞こえる。

 

有り得ない。

 

馬鹿げている。

 

だとするとこれは夢か?

 

恐る恐る目を開いてみる。

 

先程までかけていた筈の視覚補助用のバイザーも無い。

 

空には月が白銀に輝いている。

 

「何故・・・・見える」

 

確かに見えた。

かつて見た時と寸分違わぬ月の姿が・・・・・

 

自分のこの目ではもう見ることは無いと思っていた、月。

 

試しに草を口に含んでみる。

 

「不味い・・・」

 

確かに草の味を感じた。

 

はっとなり自分の体を触ってみる。

 

自分の腕、自分の顔、自分の足、自分の胸、自分の髪・・・・・・・・

それら全ての存在を自分の手で確かめることが出来る。

 

夢と言うにはあまりにも現実感があった。

 

「感覚がある・・・・・五感が戻っているんだ!・・・・ん・・?」

 

だが、妙な違和感を覚えた。

 

「俺って・・・・こんなに髪長かったか・・・・?」

 

自分の髪の長さが腰の辺りまである。

 

そして・・・・・何故か胸が重い。

 

それに・・・・・・

 

自分はこんなに声が高かったか・・・・・・・?

 

嫌な予感が頭の中をよぎる。

 

勇気を出して胸を触ってみた。

 

・・・・・・ふにっ

 

とても柔らかく、弾力性に富んでいる。

 

復讐の三年間で鍛えれた自分の胸とはあまり思えなかった。

 

「まさか・・・・」

 

自分の股間に手を伸ばしてみるが、そこにはあるべきモノが無かった。

 

「そんな・・・・・」

 

もう一度自分の姿をよく見てみる。

 

自分が着ている物は常時着用していた黒一色の戦闘服ではなかった。

 

今の自分の服装は・・・・白いワンピース姿だった。

 

腕はほっそりとして、月明かりに照らされて見る者全てを魅了するような美しさだった。

 

・・・・・・自分の腕でなければ。

 

辺りは草原で、もうすっかり暗くなっていた。

 

この景色には見覚えがあった。

 

「これは・・・私が地球に跳んだときの・・・・」

 

途中で思わず口を閉じてしまった。

 

(今、俺自分のことを”私”って・・・・・・・)

 

自分の発言が信じられなかったが、

ひとまず落ち着いて自分の置かれている状況を確かめてみる。

 

確か記憶では火星の後継者の残党を討伐していた筈だ。

 

そこで・・・・・・

 

 

 

『くっ・・・・・何だ!?一体・・・・・』

 

『アキト!!どうしたの!!』

 

『これは・・・・・・ジャンプフィールドの暴走・・・・・だと!!』

 

『緊急解除・・・・・駄目か!!』

 

『・・・・・アキト!!』

 

 

 

「そうだ・・・・・・そして気が付いたらここに・・・・・・」

 

気付いたら五感が戻っていた。

 

気付いたら自分の身体は・・・・・・・・

 

「一体どういう事なんだ・・・・・ジャンプフィールドの暴走に原因があるのか?」

 

取り敢えずそれしか考えられなかった。

 

「やはり地球に・・・・・・・?」

 

自分の身体に起きた変化に戸惑いつつも地球に来ていることを悟りつつあった。

 

 

 

「これは・・・・・・」

 

町の時計を見て愕然となった。

 

日付が明らかにおかしい。

 

ふと脳裏に一つの可能性が浮かぶ。

 

「過去に・・・・・跳んだのか・・・?」

 

ちょうど日付がナデシコが発進する一年前、

つまり火星から地球へ跳んだあたりのものになっていた。

 

(この頃は・・・・・・確か才蔵さんのところで働いていた筈・・・・・もしかしたら・・・・・)

 

そう思って雪谷食堂に足を向けた。

 

 

 

「いらっしゃい!」

 

店内には4、5人ほどの客がいた。

 

記憶と寸分違いない店内を見回して、とても懐かしい感じがした。

 

「何にするんだい?」

 

声を掛けられて内心動揺しつつも、メニューを決める。

 

「じゃあ・・・・・・ラーメンに」

 

「はいよ!ラーメン一丁!」

 

運ばれてきたラーメンを食べてみる。

 

それは、やはり昔通りの味だった。

 

「あの・・・・最近新しく雇った人とかいますか?」

 

さりげなく自分の存在を聞いてみる。

 

「ああ、いるけど・・・・・あいつに何か用が?」

 

いる。

 

自分が・・・・・・・?

 

本当に・・・・・・・?

 

「ええ・・・・・会わせてくれませんか?」

 

「今は営業時間だから駄目だが・・・・・店が終わったら来てくれや」

 

「はい・・・・・」

 

 

 

店が終わりを迎える頃に再び来た。

 

慌ただしい物音が店内から響いてくる。

 

「おう、あんたか・・・・・おい!テンカワ!お前に客だぞ」

 

店の奥から誰かが出てくる。

 

「俺に・・・・・・何か用ですか・・・・?」

 

自分の心臓の鼓動が早くなっていくのを感じた。

 

・・・・・そこにいたのは紛れもなく自分だった。

 

 

 

 

 

<次回予告>

 

過去に戻り自分との対面を果たしたアキト

 

女性になった自分の身体に戸惑いつつも、

徐々に過去の自分と交流を重ねるうちに月日は流れ・・・・・・

 

ナデシコ出航の時を迎える。

 

果たして未来に起こる悲劇を食い止められるのか・・・・・

 

それとも・・・・・

 

次回 第2話 旅立つ花

 

 

 

 

 

後書きらしきもの

 

 

え〜と、まずは謝ります、御免なさい。

 

上の方で次回予告とかしてますが次があるかどうか甚だ疑問です(爆)

 

全くの未定です(核爆)

 

初めて書いたナデシコ小説がこんな話でいいのだろうか・・・・・・

 

いろいろ矛盾点とか怪しい表現とかありますが、私が悪いです(爆)

 

書いていて自分の文才の無さをつくづく実感しました・・・・・

 

何しろ初めての・・・・・・っていうことで許してもらえますか?

 

え・・・・?駄目?

 

うーむ・・・・・・

 

まあ・・・それはともかく・・・・・

 

私の拙い文章を読んで頂き、誠に有り難う御座いました(ぺこり)

 

 

 

管理人の感想

 

 

森田正義さんから小説の初投稿です!!

とうとうきましたね、アキト女装モノ!!

・・・あ、女装じゃなくて本物か(笑)

しかし、名前はどうするんだ?

確かに、同じ時代に同じ人物が二人いれば怪しいよな。

あの名作、ドラゴンナイト4を思い出してしまった(苦笑)

さて、今後はアキト(女)はどう動くのでしょうか?

そして、ユリカ達との対面は如何に?

 

では、森田正義さん!! 投稿有難うございました!!

 

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