* 注意!いろいろ理由がありますが文中敬称略です。

 

 

 

 

 

僕には将来なりたいものがあり過ぎて困っている

想像とか妄想とかも考えまくっている

 

14歳の今までそうして生きて来れたのだから

これからもそうなのだろう

 

だから パンを咥えた転校生と偶然ぶつかったり

いきなり宇宙分け目の宇宙戦争に巻き込まれてしまっても別にかまわないと思ってた

 

―――てなことを 作品に書いたら

先生に漢泣きされて親指まで立てながら「もっとやって良いぞ」と言われた

 

 

 

 

 


珍世紀誤字じゃないよエヴァAction

 

Volumeアレ 襲来


 

 

 

 

 

―西暦2015年―

 

 

青く澄み渡った空の元、トーテムポールが何千台も何列にもなって並んでいる。

もちろんこんな不自然さが滲み出てるような物が普通のトーテムポールな訳がない。

 

現に上の方に人がいるのが見えるし、大きさも通常と違い車ぐらいの太さと大きさだ。

しかも、良く見ると全部素材が木製などではなく、ボディが金属でできており、

縦にいくつも積み重なった不気味な顔にある大きく開いた口は、何かの発射口のようだった。

 

と、その方向へと巨大な何かが水中の中を泳いで近寄ってくるのがわかる。

速度は、ゆっくりと向かってきていたが、その遅さが何かを暗示しているようであった。

 

そして、海のように水がたくさんある場所が高く水飛沫をあげる。

すると、同時に待ち構えていたトーテムポールの口から砲弾が一斉に発射される。

その戦いの様子を遠い場所からカメラ越しに見ていた二人の人間がこう呟きあっていた。

 

 

「…十五年ぶりだな」

 

 

二人の内、一人のカグヤLOVEと書かれた応援旗を持つ男が感慨深げにそう言った。

その言葉に対して、もう一人の男は外ン道ポーズを崩さずにモニターを見つめながら言う。

 

 

 

「ああ、間違い無い。先行者だ」

 

 

 

そう答えた男は、怪しさ抜群の登場に似合わずた目は好青年風の男であった。

モニターに移っていた先行者は、中華キャノンを振り回しながらトーテムポールへと向かっていく。

 

 

 

 

 

 

 

その頃、そんなとんでもない事件が発生しているとも知らずに電話をかけている者がいた。

だが、非常事態で電話がかからないので諦めかけている。

 

「ダメだ、やっぱり繋がらないか」

 

そう呟き公衆電話の受話器を置いて辺りを見回す。

だが、今は先ほどの先行者のせいで全員避難しているので辺りには、人っこ一人いない。

 

そんな人に頼ることができない現状にとりあえず、ここに来た目的を再確認しようと写真を取り出す。

手紙の他にも手紙があったが、そっちの方は、無視して迎えにくる筈の男の写真を見る。

 

その取り出した写真の中には、パソコンを懸命に打ちまくっている男が映っている。

ちなみに「ここに注目!」とマジックでマークされている場所があった。

そこに写っていたのは、男のパソコンを打っているキーボードの場所だが、

 

パソコンを打つ速度が早過ぎて

 

 

 

大量の残像を生み出していた。

 

 

 

その人間離れしたパソコンを打つ早さにたらりと汗を垂らしつつ彼はその写真をしまう。

そして、もう一度この人物が迎えに来ていないか辺りを見回した時だった。

そこには、何故か生活費と思われる小銭を一生懸命数えている男がいた。

暑い日差しの中、コンクリートの上で数える姿に怯えつつも彼は、とりあえず話しかけようとする。

 

「あ、あの!!(ぴゅう)うっ?」

 

だが、それは強風に煽られたせいで果たすことはできなかった。

風で煽られて、下を向いた後にもう一度顔を上げた時には、既にその場にいなかったのだ。

 

「あれ?小銭が飛ばされたのかな?」

 

先ほどの怪しい人物を探そうとしたその時、上空より多数の消火器が現れ彼は立ち止まった。

余りにも低空飛行だったためにその様子を呆然と見ていたが、見ている暇は、無くなってしまう。

耳障りな音と共に二又の槍が飛んできたのだ。

 

 

「ろ、ロンギヌスの槍!?」

 

 

槍は、一つの山を吹き飛ばしながら何かに突き刺さった。

山が吹き飛んだせいで出来た砂塵の向こうの中でその槍が刺さった何かが動いている。

 

そして、砂塵が消えると槍が刺さってしまった先行者が中華キャノンを誇示しながら現れた。

その様子と余りにも現実離れした姿に彼は、呆然とその先行者がする行動を見ている。

 

消火器に乗っているパイロット達が通信をかわしつつ先行者に槍を発射する。

だが、それを無視しながら先行者は、中華パイルを消火器へと突き刺し壊す。

ちなみに中華パイルとは、中華キャノンから勢い良く白い棒状の物体を敵に当てる技だ。

かなり、いや、はっきり言って、色々な意味で危ない技である。

 

 

そして、その怪しき技、中華パイルによって消火器がブチ破られ破壊される。

その消火器が爆発した時に発生した爆風で柔軟性のある中華キャノンが、

 

 

 

ぷらぷらとかぶらぶら揺れる。

 

 

 

そのぶらぶらしているものを視界に取られた途端、彼はそちら側に視線を動かす。

そして、そのぶらぶらしている中華キャノンを凝視しつつこういった。

 

「立派だな・・・立派だが、ちょっと元気がないかな?」

 

彼は、その後も先行者本体よりもそちらの方へと視線が行っていた。

 

 

 

 

 

 

 

そのロンギヌスの槍が刺さっても無事な姿を見て三人の男が思わず大声をあげてしまっていた。

何故、見事にロンギヌスの槍が刺さっているのに先行者を倒すことができなかったのかというと、

先行者の内部のエンジンである浪漫回路をいぬくことはできなかったのだ。

 

「ロンギヌスの槍でも歯が立たんのか!?」

 

何故か、プラカードを持つ男が叫び。

 

「全弾直撃のはずだぞ!!」

 

某短パン少年が写っている写真を胸ポケットにいれたオカマ(?)が激怒し、

 

「くそ!ふざけた顔をしやがって!!(ドンッ!)」

 

献血パックを強く握り締めながら献血している男が憤る。

 

一人がその恐るべき姿と強さに怒りに任せて机を強く叩く。

その様子を先ほどの好青年が外ン道ポーズを取りつつ嬉しそうににこにこしながら見ていた。

 

「効きませんな、やはり中華フィールド?」

 

「ああ、あれがある限り奴にダメージを与えることなど不可能だ」

 

にこにこ微笑んでいる割には、かなりキツイことをぴしゃりと言い放つ輩である。

だが、二人が話し合っている間にも先行者の中華パイルによって消火器は撃墜されていた。

 

 

 

 

 

 

 

貫かれた消火器は、爆裂四散してしまいその破片がその様子を見ていた人物に向かってきた。

しかし、「やっぱ、服はバリエーションが無いとね」とか言って妄想している辺りかなりの余裕が伺える。

 

爆風と破片が迫ってきたが、

彼の目の前に巨大なAIBOが滑りこんで来て破片を受けとめた。

 

「・・・お待たせしました!!・・・T-SAKA君!!こっちへ、早く乗って!!」

 

「B・・・BA-2さん?」

 

「いいから 急いで!!」

 

「あ、は はいっ」

 

「・・・しっかり捕まっていてください!!」

 

AIBOは、二人を上に乗せると猛スピードで足を回転しつつその場から走り抜けていった。

その間にも先行者によって名前を出せない多数のAction投稿者が操縦していた消火器ごと撃墜されていく。

 

二人は、背後を気にしつつAIBOを走らせている。

何しろ先ほどの先行者が追っかけてきはしないか心配しているのだ。

 

「・・・すみません・・・遅くなってしまって」

 

「いいえ、待っている間も妄想していましたから暇ではありませんでした」

 

T-SAKAは、AIBOにしがみつきながら背後の先行者へと興味津々と言った感じの視線を向けている。

だが、その視線を向けられている先行者は、ロンギヌスの槍でボロボロにされている。

 

「・・・NATTOの萌え萌え強襲部隊も全滅しました・・・。

 それにいくらロンギヌスの槍を何発撃ったって あいつの浪漫回路を撃ちぬくことはできない」

 

「あのう、一体あれってなんなんですか?」

 

その問いかけに何やら驚いたような顔をしながらT-SAKAの顔をBA-2が見つめる。

 

「・・・あれを知らないんですか!?」

 

「え、いや、まあそうですね」

 

「・・・あれは ”先行者” です」

 

「先行者?」

 

「・・・今は、パソコンが打てないから侍●を見ているヒマはないです」

 

と、二人が話しているAIBOの上へとロンギヌスの槍が突っ込んできた。

それを見て、AIBOが急ブレーキをかけ二人共AIBOの上から放り出されてしまった。

 

「・・・ふぅ、危なかった」

 

と、AIBOから落ちたせいで埃やすり傷だらけだが何とか二人共無事だ。

 

「・・・全く、NATTOの連中は、一体どこに向かって撃ってるんですかね。

 …大丈夫ですか?T-SAKAさん、あそこにあるAIBOの場所まで走れますか?」

 

「はい、なんとか」

 

その声を聞いたBA-2は、急いでAIBOの元へ戻ろうと走る。

だが、BA-2は、AIBOの元へ行こうとして砂煙で見えなかったAIBOが見えた瞬間叫んだ。

 

 

「あぁ!!なんてこったいっ!!!!!」

 

 

なんとAIBOの首がもげていたのだ。

 

 

どうやらロンギヌスの槍が当たったらしくその衝撃で二つに分かれてしまったようだった。

T-SAKAは、その光景を見ながらどうやってこの場から離れるのだろうとか考えていた時だった。

 

BA-2がAIBOを見ながらまだ何やら叫んでいる。

 

「・・・新品だったのにもうぶっ壊れてしまうなんて!!

 わざわざ朝の5時に起きてデパートまで買いに行ったというのに!!」

 

 

(え?これって市販されてたの!?)

 

 

などと心の中でツッコミを入れているとふいに辺りが急に暗くなり怪しく思い後ろを見た。

すると、上空からぶらんぶらんっと柔軟な中華キャノンをぶらつかせながら先行者が降下してきた。

 

T-SAKAは、その中華キャノンにまた釘付けになってしまい硬直する。

その様子を見てBA-2が恐怖で動けなくなってしまったと思いT-SAKAを伏せさせようと押し倒した。

 

「T-SAKAさん、伏せて!」

 

だが、伏せさせようとBA-2が飛びついた時に何か巨大なものが飛び出してきて先行者にタックルした。

その衝撃で先行者は、後ろへと吹っ飛ばされてビルを破壊しながら尻餅をついている。

 

T-SAKAは、起き上がりそのタックルをしたものを見る。

そして、その紫色のASIMOを見ながら嫌っそうな声を張り上げた。

 

「うっわぁ!!色がキモッ!!」

 

しかし、その声を聞いたBA-2が言った。

 

「何言ってるんですか!!あれは、味方です!!」

 

その言葉をT-SAKAは、余り聞いていない。というのも紫の先行者がAIBOを持って自分の元へ来たからだ。

そして、AIBOを乱暴に舗装された道路の上へと置くと紫のASIMOは、先行者へと向かって行った。

 

「なんだ……二足歩行しかできない……のか」

 

メチャクチャ残念そうにT-SAKAがため息をついている。

だが、その隣で見ていたBA-2が、腕時計を見ながら少し慌てながら声をあげた。

 

「・・・時間がありません、急ぎましょう!

 早くAIBOの上に乗ってください!!時間が無いんです!!」

 

「時間?」

 

BA-2がT-SAKAを急かしながら首のもげたAIBOに跨る、

 

「・・・できるだけここから遠くへ離れないといけないっ 間に合え!!」

 

AIBOは、首がもげているにも関わらず猛スピードで砂煙をあげながら道路を走る。

その様子を紫のASIMOがじっと見つめていた。

 

 

 

 

 

だが、AIBOが走るのを見届けていた紫のASIMOを背後から先行者が中華タックルをしてきた。

そのタックルを避けることができずに紫のASIMOは、ビルへと勢い良く叩きつけられる。

 

ビルに叩きつけられ瓦礫の山となったビルの上から立ちあがろうとしたが、

そこにまたもや先行者が中華キックを放ち、それをまともに食らった紫のASIMOは、また吹っ飛ばされた。

その紫のASIMOがやられる様子を見ていたT-SAKAが、叫ぶ。

 

「一方的にやられてる!!」

 

(・・・わかっていたことだ・・・・・・今の日和見には荷が重過ぎる)

 

 

 

 

 

「遠隔操縦者、脈拍、血圧ともに低下!!A神経シンクロ値5%!!」

 

「胸の縫合部より浪漫が漏れています!!」

 

Hちゃん作戦まであと180秒!!」

 

「しかたがない ルート192で高速回収しろっ!!」

 

紫のASIMOが座りこんでいた地面が下へと下がっていき、回収されていく。

そして、回収した時に開いたところは、紫のASIMOが見えなくなると直ぐに閉められた。

 

 

 

 

 

紫のASIMOが回収されると同時に消火器が一斉に先行者の周りから逃げ始めた。

先行者は、急に攻撃がやんでしまったために何が起こったのかわからず戸惑っている。

 

そして、その様子をAIBOの上から見ていたT-SAKAが言った。

 

「みんなアレから離れていくっ」

 

「・・・AIBOにしっかりしがみついていてください!!」

 

BA-2が、早くこの場から離れるべくAIBOの動きを高速処理にまで高める。

そして、何か地面が振動するような音と共に地面から光が溢れて先行者を飲みこんだ。

 

 

 

一気にピンクの波動が辺りを包み、広がっていく。

 

 

 

全てを巻き上げながら、ビルというビルをオモチャのように破壊していくのだった。

 

 

 

その爆風は、AIBOの元にまで届いてきて一緒に吹き飛ばしてしまう。

 

 

 

全てが一瞬であったため、また横倒しになってしまったAIBOの中では二人がもつれ合っていた。

 

「だ・・・大丈夫ですか BA-2さん」

 

T-SAKAが、BA-2を体の上からどけながらそう言った。

BA-2は、沈黙していたが、その言葉に反応したのか こうぽつりと呟いた。

 

「くっ、Hちゃんの力は、ダテじゃない!!(ガクッ)」

 

「BA-2さん?BA-2さん!BA-2さん!!BA-2さ〜〜〜〜〜ん!!!!!」

 

何故か、T-SAKAは敬礼をしつつBA-2の意識を戻そうとBA-2の体を揺さぶるのだった。

 

 

 

 

 

先ほどの爆発を命令した三人の男達が自分達の萌えの威力に笑っていた。

遂先ほどまで先行者にダメージを与えられず落ちこんでいた様子は、今は微塵もない。

 

「「「わはははは」」」

 

「見たかね!!これが我々の萌えの結晶体!

 HH地雷の威力だよ!!

 これで君の恥さらしな巨大なコピー品の出番は、もう2度とないというわけだ!!」

 

そう中央に位置する男が三人を代表してそう叫ぶ。三人共、頭に何かの装置を取り付けている。

どうやらその頭から伸びているチューブから萌えの力を吸い取り、それをHH地雷として使用したらしい。

 

「妄想障害のため目標確認まで 今しばらくお待ちください!!」

 

「我々の想像、妄想、萌えの力を結集、凝縮した最高の地雷だぞ?ケリはついている!!」

 

アイシャドウが入った竜の頭をしたオペレーターが爆心地のモニターに何か異変が無いか見ている。

すると、レーダーに反応があり、中央に何か凄いエネルギーを持つ物体がいることが分かった。

 

「爆心地に浪漫反応!!」

 

「なんだとっ!!」

 

「映像回復します!!」

 

正面に備え付けられている巨大なモニターが全く見えない状態だったが、見えるようになった。

爆発の影響で地面が熱を持ち、モニターに写っている景色はオレンジや赤と言った色で埋め尽くされいる。

 

その中心に黒の先行者が立っていたが、何やら体が変化していた。

頭の部分が真ん中の方からぱっかり開いており、胸の部分には、何やら赤いくの字型の物体が付いている。

 

つまり、マジ●ガーZが仁王立ちで立っていた。

 

「わ、我々の萌えの力が」

 

「おのれ!マジ○ガーZめ!!」

 

マジ○ガーZと呼称されているが、ぱっと見は、ただの黒く塗っただけの先行者である。

しかし、何も変わっていないのかを偵察していた無人のカメラが先行者のビームによって破壊される。

 

『ブレ○ト○ァイアー!!』

 

赤い光線が胸から勢い良く発射され、カメラはしばらく痙攣したように震えた後に爆発した。

その先行者が行なった行為を冷静に分析しつつまた例の二人がぼそぼそと会話をし始める。

 

「ほう、言語機能も発達したのか」

 

「再度進行は時間の問題だな」

 

そして、砂煙で見えなくなっていたカメラが切り替わりまた先行者が写っている映像に変わる。

全員、その先行者の炎に包まれて黒コゲになってしまったボディをじろじろと見つめる。

そこでアイシャドウに竜の頭をしたオペレーターが何故先行者が萌え残ってしまったのかを報告した。

 

「どうやら、違う萌え同士の力が反発しあってしまい萌え残ってしまったようです」

 

「はっ!まさかお前か!?お前の萌えのせいなのか!?フィラ!!」

 

中央に座っていた男が隣に座っている男に対して声を荒げつつ詰め寄る。

だが、その興奮する男とは対照的にフィラと呼ばれた男は、冷静に掴みかかる手を払いのけながら言った。

 

「ペテン師よ、私はハーリー君が好きだ!

 愛している!!何が悪い!!

 君が北ちゃんを好きなように、

 私は、ハーリー君のことが、

 大好きなだけじゃないかァ!!」

 

ごめん、冷静じゃないや。

 

「それとこれとは、別物だ!!!!!(キッパリ)」

 

すると、きっぱりとペテン師に言われてしまったフィラは、何かがキレるのを感じた。

というか、ブチっという小気味良い音が辺りに響いていたりする。

 

「この分からず屋!!(ばきっ!)」

 

「…イタッ……殴った!?父さん(?)にも殴られたことないのに!?」

 

そう、抗議するが今のフィラを止めることは、無理だった。

その返事だとばかりにフィラは、叫びながらペテン師へとさらに襲いかかる。

 

「お前は、クズだ!!クズを殴って何が悪い!!(ばきっ!)」

 

「ま、また殴った!?」

 

しかし、フィラはまだ腹の虫が納まらなかった。

最後のトドメだとばかりにあの必殺技を放ったのだ!!

 

 

そう、これこそ!あの伝説の猛ダッシュ!!

脅威の神速!!マッハを越える究極の秘奥義!!

 

「最後は、苦しまぬようにこれでトドメを刺してやろう!!

 

 ハァーリーダッァァァシュゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!!!!!」

 

 

おお見よ!!化の物が放つ脅威の加速を!!

今、まさに夢の超特急と化したフィラがペテン師へと襲いかかる!!!!!

 

 

   ドグゥシャァァァァァァァァァァ!!!!!

 

 

「あでばぁ!!」

 

ペテン師が空高く舞う。そう、彼は鳥のように自由に空を飛べるようになったのだ…。

しかし、自由の鳥は、直ぐに落下した。墜落したとも言うがそれは、言ってはならない。

 

「はぁ、はぁ、はぁ…思い知ったか」

 

何を思い知るのかは、分からないが、フィラは、轢き殺した倒したペテン師に向かってそう言う。

しかし、ペテン師は、何事も無かったのようにむくりと起きあがった!!

 

「ば、馬鹿な!?ハーリーダッシュを食らってまだ立ちあがるとは!?」

 

「ふっ(ダラダラ)あの程度の技が効くと思ったのか?(ダラダラ)」

 

メチャクチャ流血しているだろうが・・・という見物人の突っ込みを無視してのお言葉である。

そして、その状態を見たフィラが驚きながら相手へと問い掛ける。

 

「何故だ!?何故そうまでして立ちあがる!?」

 

 

総てはプラカードのお導きだ」

 

 

見ると、プラカードに命令が書かれてあったりする。

「立て!」と油性マジックで・・・。

 

とにかくこのままだと本格的に話が進まないので、その横に座っていたもう一人の男が立ちあがる。

言い争いを始める二人を肩をすくめつつ有無を言わさず一息こう言った。

今まで傍観を決めこんでいた男の乱入に二人共一時争いをやめる。

 

 

「まあ、落ち着きたまえ。


 こうなったら我々の戦力を全て投入して奴を葬る他有るまい!!


 直ぐに
電磁ワイヤーネット作戦!


 並びに
ペンシルロケット爆弾の用意!


 
相転移砲縮退砲も用意だ!


 
Enopi博士に連絡をして例の奴も出撃してもらえ!!!!!」

 

 

「「おぉ!!遂に総力戦ですな?hyu-nさん!!」」

 

 

何やら上が異様な盛り上がりをしているようだが、

その下で話している二人組みが上での話し声(雄たけび?)を聞きながら、ぼそぼそ話していた。

 

「むむむっ、何て綺麗なフォーメーションを組む奴なんだ」

 

「感心している場合じゃないぞ、大魔王・・・まさかNATTOがこれほどの戦力を保有しているとは」

 

「ふっ、問題無い(くいっ)」

 

その言葉を言う最中か、言い終わった後かは分からないが上に座っていた三人の近くの電話が鳴る。

余りのタイミングの良さに大魔王と呼ばれた男の相手をしていた男が驚きに顔をひきつらせながら見る。

すると―――

 

「あ、これは・・・はい、わかりました・・・では予定通りに」

 

―――などと、ペテン師が電話を取り相手とそう話していた。

まだ顔を引きつらせながらゆっくりと大魔王の方向を見ると何故か満足そうにしていた。

 

 

「既に根回しは済んでいる(にたり)」

 

 

(こ、この男は・・・)

 

冷や汗を掻きつつも何とか外見上だけでも冷静を取り繕いつつ何事も無かったかのように振舞う。

大魔王は、その様子を見つつ「にひひ」と笑い声を立てているのだが、これもどうでも良い。

 

上での電話での話が終了したらしく、ペテン師が電話の受話器をゆっくりと置く。

そして、きっと意思の篭った視線を大魔王へと向けつつ話し始めた。

 

「……Ben君 本部から通達だよ」

 

その一言にBenがゆっくりと自分の座っていた椅子から立ちあがる。

ペテン師は、腕組みをしつつ立ちあがるのを待ってからもう一度声を張り上げていった。

 

「今から本作戦の指揮権は君に移った!!お手並みを拝見させてもらおう!!」

 

その言葉をBenだけが、聞いているわけではなかった。

アイシャドウの入った竜の頭をしたオペレーター、

情報高く買います!と書かれた暖簾を持つオペレーター、

どこか対岸の火事を覗くように落ちついた雰囲気のオペレーター、

お仕置き器具とお仕置きリストを持って白衣を着た人、

そして、最後に遂にカグヤLOVEと書かれたハッピと鉢巻をし始めた男、

 

この通り、全員やる気を体からにじませながら指揮が移るのを待っていた。

そして、ペテン師は一息ついた後にゆっくりと語りかけるように言った。

 

「我々NATTOの所有兵器が間に合わなかったことは素直に認めよう

 だがBen君!!・・・君のオモチャにアレを退治することができるのかね?」

 

 

「ご心配なく そのための、

 

 

そこで一旦区切り、にたりと笑みを浮かべる。

 

 

 アクションです(にたり)」

 

Benがにたりと笑い、NATTOの幹部ら(?)三人が下へと机ごと降りていった。

 

というか、この三人絶対NATTOじゃないと思う…。

 

 

 

 

通路を塞いでいたシェルターの壁がゆっくりと開き、中へと続く道を出した。

完全に開くと遠くまで良く聞こえる金属音が鳴り響いたのを聞いてからBA-2は、車を動かした。

 

少しだけAIBOを走らせると、そこには、車が滑って落ちないようにするための滑り止めがあった。

そこにAIBOが落ちないように人力で固定しながら移動を始めた。

 

そして、移動を始めると車の中でBA-2は、T-SAKAにある書類を手渡した。

 

「妄想機関Action?」

 

そのT-SAKAは、書類をもう一度目を擦ってから見たが、確かに太字でそう書かれていた。

驚いているT-SAKAを無視してBA-2は、勝手に話を進めていく。

 

「私もそこに所属しているの」

 

「聞いてませんよ」

 

「ま 国際公務員ってやつね」

 

「だから聞いてませんって」

 

「あなたのお父さんと同じよ・・・」

 

はあ・・・駄目人間を守る立派な仕事ってやつですね」

 

「なにそれ・・・羨ましいの?・・・」

 

「皮肉ですよ!いえ、愚痴かも・・・」

 

そんな言い争いをしている間にAIBOは、固定されて一気に下へ下へと下降し始めた。

警告音が鳴り、レールに沿って下降していくのでさほど衝撃は感じなかったようだ。

 

そして、言い合いに飽きたのか、二人共AIBOの上で好き勝手なことをやっている。

T-SAKAは、何やら妄想に耽っているし、BA-2に至ってはどこかから出したパソコンを打っている。

しかし、妄想に飽きたのかT-SAKAは疑問に思っていたことをBA-2に聞こうと話を切り出したのだった。

 

「………BA-2さん」

 

「(カタカタカタカタカタカタカタタ)ん……何ですか?」

 

パソコンのモニターから一切目を離さずにT-SAKAに返事を返す。

そのことにT-SAKAも特に気にした様子もなく、話を続ける。

 

「大魔王は、なんのために僕を呼んだんですか

 大魔王は、もう地元へとバイクで帰ってしまったのかと思っていましたよ」

 

「―――それは お父さんに直接会って聞いたほうがいいと思いますよ」

 

「これから大魔王に会うのですよね? それと別に血縁関係ありませんよ」

 

その言葉にBA-2は、パソコンを打つ手を休めてしばらく流れるように続くトンネルを眺める。

そして、言いずらそうにしながらこう言った。

 

「苦手・・・なんですね。お養父さんのこと」

 

「いや そういう意味でもないんですが……戸籍見せましょうか?」

 

そういって見せようと鞄から取り出そうとした時だった。

トンネルが終わり、急な景色の変更にしばし驚きながらそれをT-SAKAは見た。

 

あちこちに立ち並ぶ投稿作家の部屋の群れ、しかもまだ建設中のところも多いようだ。

もし、T-SAKAが建設中のところも合わせて数えることができたなら300近くあるのがわかった筈だ。

・・・しかも全部の部屋からいろんなドアをひっかくような不気味な音が聞こえるのも近づけばわかった。

だが、そんな不気味な事実よりもT-SAKAは、その立ち並ぶ光景とこのいる場所に驚きの声をあげた。

 

「凄い!本物の投稿作家部屋だ!!」

 

「そう これが私たちの秘密基地 アクション本部です」

 

 

そして、続けてBA-2は、こう言った。

 

 

「普通人 と 駄目人間 の 境目」

 

「え?あ、あのぅ……もしかして僕って認定されちゃったのですか?」

 

 

 

「駄目人間の砦となるところです」

 

「ふぅ、困ったなぁ……まだ常識人のつもりだったのに(キラン)」

 

 

 

・・・本当にT-SAKAがそう思っていたのかは定かではない。

 

 

 

 

 

 

 

何かを運んでいる音が無機質な廊下に響き渡る。

それと同時に複数の足音も一緒に聞こえてくるのがわかる。

大声でその足音の集団が話し合っているのようで向かってくる通路から聞こえてくる。

 

「ASIMO初号鬼 回収完了!」

 

「生贄は、栄養失調で意識不明。入院費を払えるかも不明です!!」

 

妙に青ざめた顔をした青年が点滴を打たれた状態で運ばれていく。

運んでいる人たちもやれやれまたかと言わんばかりにやる気が感じられない。

むしろ、通信で話している奴の方が慌てているようにも感じられるのであった。

 

そして、同じ頃。

 

先行者が動きを止め、NATTOの幹部もいなくなってしまった某ブリッジでは、

Benがどういう判断を下すのかをその場にいる全員が待っていた。

敵を倒す為のロボットは、ある。しかし、それを動かすパイロットがいないのだ。

全員、何となく『死』という結末を思い浮かべてしまい黙りこんでしまっている。

だが、オペレーター席に座っている三人の内、二人が沈黙に耐えきれずに喋り始めた。

 

「ORACLEさん、私達どうなってしまうんでしょうね?」

 

「さあ?今公開されている裏情報を見る限りかなりヤバそうですけどね。

 けど、hyatsuさん、本当にヤバいと思うのなら今から逃亡したら助かるかもしれませんよ?」

 

ORACLEがやれやれと言った感じに機密文書と書かれた情報を読んでいる。

中に時々国家機密と書かれている代物が混じっているのでそれを見てhyatsuが冷や汗を垂らす。

 

「て、敵前逃亡は銃殺刑でしょうが!!私は逃げませんよ!!」

 

「あ、そうですか。じゃあ、私は脱出するのでもう一生会えないかもしれませんね」

 

「へ?」

 

「よいしょっと」

 

先ほどまで読んでいた機密文書を掛け声をかけながらアタッシュケースへと大事にしまう。

その行動を目を点にしながらhyatsuは、意外なORACLEの行動に反応できていない。

 

「では!また会える日があったら会いましょうか……あったらですけどね

 

そのORACLEの最後の言葉がhyatsuの耳に届いてしまった。

 

「ま、待ったぁ!!私も脱出する!!一人だけ逃げるなんて卑怯ですよ!!」

 

「あ、こら!!オペレーターが二人も抜けたら駄目でしょうが!!」

 

醜い生き残りを賭けた二人の争いが始まった。

しかし、隣でその様子を頬をひくひくと怒りでひくつかせていたある人物が終了させるのだった。

 

「黙れ人間!!!!!」

 

「「うぉぉ!?」」

 

アイシャドウの入った竜が騒いでいた二人へと口から火球を吐き、黙らせようとする。

その火球に争っていた二人も慌ててその火球を避けるために左右に飛んで避ける。

しかし、火球の近くにいたhyatsuの頭に飛び火して髪の毛が燃え始めてしまっている…。

 

「何するんですか!!影竜さん!!

 

「アチッ!そうですよ!!だいたい火が吐けるなんて知りませんでしたよ!!」

 

まだ頭に火がついたままなのだが、hyatsuはそれを無視して影竜に抗議する。

このままだとアフロになってしまうかもしれない。いや、それを通り越してパゲになるかもしれない。

 

そんな二人の剣幕を冷静に見据えながら影竜が二人に対して冷静を保つように再び呼びかける。

 

「良いから聞くんだ!二人共!!」

 

「「?」」

 

「大魔王にどうするのかを槍さんと鳥井南斗さんが聞いてる!

 きっと不幸な経験豊富な大魔王だったらこの危機を乗り越えれる筈だ!

 それでも、この場から逃げるというのなら、

 残念だが・・・短いとはいえ・・・。

 同じ仕事場の仲間だったこの俺が撃つ!!」

 

「影竜さん…」

 

「……(ポリポリ)」

 

その言葉に二人共すっかり感動してしまい、逃げるという選択肢はもう頭の中には無かった。

hyatsuは、頭の火を消すが如く号泣しており、ORACLEは、どこか照れくさそうに頬をかいている。

 

 

・・・ところが、影竜の頭の中では、そんな感動を吹き飛ばすようなことを考えていたりした。

 

 

(今宵の愛銃は、血に飢えている・・・クス)

 

 

さらにいそいそと拳銃を取り出しながら喜んでいる。

しかし、そんな考えを余所に感動していた二人は、とりあえず席に座って待つことにしたのだった。

 

 

 

 

 

そして、影竜の言う通り上では、槍と鳥井南斗がBenにこれからどうするのかを聞いていた。

Benは、落ち着きながら外ン道ポーズを崩さずに何かが到着するのをじっと待っているようだ。

それとは、対照的に少し慌てたように槍と鳥井南斗がBenへと敵をどう排除するのかを聞こうとしている。

 

「NATTOも撤収したことだ」

 

「管理人 そろそろどうなさるかお話ください」

 

槍と鳥井南斗がモニターを見ているBenへと聞く。

すると、Benはくいっとサングラスを直してから全員に向けてこう告げた。

 

「もう一度、初号鬼を起動させる!!」

 

この言葉に先ほどまで争っていたオペレーターも仕事をしていた者も全員がBenへと注目する。

そして、その言葉を理解すると同時に全員パニックに陥ってしまった。

 

「そ、そんなっ!!無理です!!生贄がもういません!!」

「ひ、日和見には、もう無理だぞ!!」

「やれやれ、結局逃げることになるのか・・・さらばだ、諸君」

「ひぃっ!?だ、駄目ですよ!!一人で逃げるなんて私が許しません!!」

「あ、ゴラァ!!お前等逃げると撃つぞ!!敵前逃亡は、許さんからなぁ!!」

 

全員、狂ったかのようにそれぞれ思ったことを口走りながらあたふたと暴走している。

時々、銃声や悲鳴が聞こえてくるが、誰が撃ったか等はもうこの状態だと関係無かったりする。

その様子をひとしきり満足そうにじっくり観察してからBenは、のろのろとしたペースで言葉を紡ぎだした。

 

 

「無・問・題♪(くいっ)」

 

 

そのBen専用カラオケマイクを使用した不気味な大音量に全員の動きがストップする。

そして、喋り始めると同時に指差していたモニターに映っている映像に全員を注目させる。

 

「たった今新鮮な生贄が届いた(にたり)」

 

その言葉とモニターに映っているT-SAKAの姿を確認すると全員たらりと汗を流す。

何よりも戸惑ったのは、映っている人物がこれから何をするのかを知らなそうだったからだ。

さらに、駄目人間の未来の為に一人の人間を死地へと追い込んでしまうのだから当然だろう。

 

・・・ところが、その人間を呼び寄せた人間だけは違っていた。

 

「予定通り、予定通り・・・ぐふふっ♪」

 

その言葉をさらに聞いてしまった人たちは、さらにたらりと汗を流しながらBenを見る。

そして、Benの右腕的存在である槍がBenへと声をかける。

 

 

 

「B、Benさん?」

 

 

 

「・・・皆で幸せになろうよ(にたり)」

 

 

こうして、不幸にもその場に居合わせた人はBenのダークな部分を垣間見てしまったのだった。

 

 

 

 

 

そして、Benの計画に巻きこまれることになってしまったT-SAKAは、BA-2に連れられて歩いていた。

歩いている通路の向こうで自分の馬鹿な未来が待っていることも知らずに―――。

 

ちなみにT-SAKAは、その後日記にこう書いていた

 

 

大魔王が何故僕を呼んだのかもっとふか〜く考えておくべきだった。

 

少なくとも酒池肉林でお姉さん達が僕を楽しくもてなしてくれる訳も無いし、

いきなり将来の許婚候補が多数襲来するようなことがあって欲しいとちょっと期待していたけど…。

 

 

何を期待していたのかはともかくここに来たことに後悔していたのだった。

 

 

 

 

 

 

 


 

次回予告

 

いきなり兵器を渡されて大喜びのT-SAKA

しかし、それはただの兵器ではなかったのだった

 

戸惑いを隠せないT-SAKAそれと同時に沸き起こる感動

その妄想力に満足したBenの邪な笑みが周りに炸裂する!!

 

って、アクションだから当たり前かぁ!(^-^ )

 

次回 嫌な再会

けど、その前に後書きも読みたい?

さぁ〜って次回も 照準絞って中華!キャノン!!!キャノン!!!!!