機動戦艦ナデシコ

『影(シャドウ)』

 

 

 

 

 

ナデシコでは、宇宙へ行くために地球連合総本部に連絡をしてビックバリアを解いてもらう

という事で、艦長らしくユリカが連絡をする事になった。

服装が着物でなかったら艦長に見えていたかもしれない。

後ろには提督の姿が見える。

 

「どうも!!

 ナデシコ艦長のミスマル・ユリカで〜〜す!!」

 

相手は地球連合総本部司令であった。

 

「君がナデシコの艦長かね?」

 

そう言ったのに聞き返させられる。

 

「はい、そうですけど」

 

「言いたいことは分かっているビックバリアを解けというのだろう?

 お望み通りビックバリアを解こう」

 

「え!?それはありがたいですけど一体どう言うことですか?」

 

「君達に言う事はない!!さっさと火星に行ってくれ!!」

 

そしてナデシコからの通信が切られて大画面で映っていたウィンドウが閉じる。

司令は肩を落としながらつぶやいた。

 

「何であの戦艦をあんな奴に渡さなければならないのだ……」

 

何故、地球連合はこうもあっさりとナデシコを諦めたのかというと、

クラウン会長、つまりアキトが地球連合のお偉いさんの弱みを武器に言うことを聞かせたので

あった。

 

もちろんナデシコが攻撃を受けないからテンカワとガイの部屋では、ゲキガンガー3の映像も

揺れることなく落ち着いて見ることができていた。

 

「しっかし、良く火星に行くのを許してもらえたな」

 

「別に良いじゃねぇか!!こうしてゆっくりゲキガンガーが見れるんだしよ!!

 だがお前の言うことにも一理ある!!俺が活躍できねぇからな!!!」

 

「地球の人同士で戦うというのもどうかと思うけど………(汗)」

 

「ああ、わかってねぇなあ!!

 俺は今までコックのお前に活躍の場を譲ってきたんだぞ!!!」

 

「別に譲らなければ良いじゃん」

 

その言葉にガイは頭にきたらしい。

 

「ああ、わかった!!もうお前には活躍の場を譲らん

 それにゲキガンガーも第27話からはも見せん!!」

 

そういって停止ボタンを勢い良く押す。

 

「ええ!!ゲキガンガーって26話までで終わりじゃないの!?」

 

「バ〜カ!!その後時間帯が移動して1クールあったんだよ!!」

 

「お願い、見して!見して!!」

 

「ふっふっふ、よ〜し、誓え!!

 もう俺のロボットには乗らないってな!!」

 

そんな事言われても余っているロボットがあれしかないのに………

そうだ!!ミユキちゃんのロボットを使わせてもらえばいいや。

 

 

 

「へっくしょん」

 

アキトが勝手にエステバリスを使おうとしている時に、

ミユキは自分とゴートで大半捕まえたキノコ一味の所に向かっていた。

 

「ふう、風邪をひいちゃったのかしら」

 

「気をつけたほうが良いぞ。風邪をひいたら隔離室に隔離されちまうぞ」

 

「そ、それは嫌ですね」

 

そんな事を一緒にキノコの所に向かうウリバタケと話していたら着いてしまった。

 

「おい!!このお嬢ちゃんがお前らに話したいことがあるんだとさ」

 

そういった後に首で入るようにミユキに指示する。

ミユキがその指示に従って入った後にいった。

 

「ウリバタケさんは、もう仕事をしに帰って良いですよ。

 さすがに指を針金でガチガチに固めてあったら逃げることなんて出来ませんから」

 

「そうよ!!こんなにしなくても良いじゃない普通は縄とかで結ぶもんでしょうが!!」

 

何かキノコが勝手なことを言っている。

 

「ガタガタ余計なことを言っていると、脳みそだけ残して改造人間にしちまうぞ」

 

ウリバタケはそういって仕事場へと向かっていった。

 

 

 

「さて、キノコさん」

 

「あたしの名前はムネタケって言うのよ!!

 間違ってもキノコなんて名前じゃないわよ!!!」

 

キノコ(おっと失礼)が一生懸命抗議している。

 

「え!?キノコじゃなかったんですか?」

 

それを聞いた部下達も驚きの声を上げている。

 

「もういいわ(涙)何か用事があってきたんじゃないの?」

 

「用事はですね。キノコさん、ここから逃がしてあげましょうか?」

 

少しの間を置いてからムネタケが聞いてくる。

 

「どうしてそんな事をしてくれる訳?」

 

「それは私も分からないことですよ。上からの命令なので、それでご返事は?」

 

「そうね、このまま捕まって火星に行くつもりも無いし逃がしてもらうわよ」

 

こうしてミユキのナデシコ内での仕事は少しはかどったのだった。

 

 

 

 

ミユキがムネタケと話しているとき第三防衛ラインでは、

 

「やって来たな、機動戦艦ナデシコ!!」

 

第三防衛ラインのデルフィニウムの中で影の薄い人物が叫んでいた。

 

 

 

ナデシコが第三防衛ラインに近づいたときだった、

 

「第三防衛ラインより、デルフィニウム9機接近」

 

「何かの間違いじゃないのルリちゃん、ちゃんと火星に行かせてもらえる事になって

 いるんだもん」

 

「そのデルフィニウムより通信が入っています」

 

「つないで、メグちゃん」

 

メグミがブリッジにつなげるといきなりパイロットが叫んだ。

 

「ユリカ!!酷いじゃないか、置いていくなんて!!」

 

「あれ?ジュン君、何でそんな所にいるの?」

 

「この前の反乱騒ぎの時に戦艦に置いてけぼりにされていたんだよ」

 

「そうなの、じゃあ戻っておいでよ」

 

ユリカの言葉にジュンは、首を縦には振らなかった。

 

「だめだ!!このまま火星に行かせるわけにはいかない

 ナデシコには、火星に行かずに地球にいてもらいたいんだ」

 

何かを諦めた口調でユリカが返事をする。

 

「そう、しょうがないよね、ジュン君と考えが違ってしまったのだもの

 ごめん、ジュン君の犠牲は無駄にはしないから」

 

「え!!」

 

驚いているジュンを横目にユリカが命令を下す。

 

「ルリちゃん、エステバリスの発進を準備して」

 

「「「「「本当にいいんですか?」」」」」

 

命令を下されたルリちゃんだけでなくブリッジにいた全員に聞かれる。(笑)

 

「はい、もちろんです」

 

「ユリカ〜〜〜〜〜〜(血の涙)!!!!」

 

そういって泣いているジュンを無視してエステバリスは発進の準備をしている。

 

 

 

 

「俺様の出番がついにやって来たぞ!!」

 

「おい、出番はいいけど他の連中はどうしたんだよ」

 

ガイが今まで騒いでいたから聞いて貰えなかったがようやく聞いてもらえた。

 

「アキトだったら部屋でべそかいてたぜ!!ミユキは知らないけどな!!」

 

あれミユキちゃんまだキノコと話しているのかな?

 

ウリバタケがそんな事を考えているとガイはフル装備で飛び出していった。

 

「班長いいんですか?ヤマダさん武器たくさん持っていきましたけど」

 

「なにー!!今回は説得もしなきゃいけないと言ったのに」

 

ジュンはもうここまでかもしれない……

 

 

 

 

「ちょ、ちょっと待ちたまえ、君!!」

 

「なんだ!なんだ!!今回は楽勝だな!!」

 

全くジュンの静止を聞いてないガイだった。

 

 

 

 

「という訳でテンカワあいつを止めてきてくれ」

 

「は〜い。全く何してるんだか」

 

「それからアオイはナデシコへと連れてきてくれ

 彼はまだ契約しているからな、やめるのだったら今の内かもしれない」

 

ナデシコからテンカワの乗ったエステバリスが、デルフィニウムとガイのエステバリスに近づく。

デルフィニウムの方は、もう全滅に近い状態だった。

 

「恋した相手が悪かったわね」

 

ミナトがウィンドウに映されている映像を見て言った。

 

「おーい、ガイ聞こえるか?もう十分だと思うぞ」

 

「おう!!そうだな!!!」

 

どうやらテンカワが、ガイのエステバリスに乗っている事には機嫌が良くて分かっていないら

しい。

 

ジュンのデルフィニウムは何とか無事のようだ。

テンカワがジュンに通信する。

 

「お前も上の奴が決めたことに逆らうのは良くないぞ。

 それにゴートさんが契約をどうするか聞いているぞ」

 

「わ、わかった。ナデシコへ僕は行く、お前達は戻って良いぞ」

 

ガイにやられまくったせいか弱気になっている。

命令を受けたデルフィニウム部隊は帰っていく。

それを見送ってジュンやガイにテンカワはブリッジに行った。

 

「ジュン君!!ジュン君はやっぱり最高の友達だね!!」

 

「え、いや、そのユリカ?」

 

「ユリカの為に自分の考えを変えてくれるなんてうれしいよ!!」

 

ユリカはジュンの話を聞く気がないらしい。

 

「ありがとう!!アキト、私の友達を説得してくれて!!」

 

「だ、だからお前の友達だから助けたわけじゃなくてな」

 

「まあ、まあ、まあ、そのうち良い事もあるって!!」

 

「あれ?それ何ですか?」

 

「え、これ」

 

ジュンが聞いたのはガイが手に持っているゲキガンシールの事である。

 

「あ〜!!ゲキガンシールだ!!」

 

テンカワが喜びの声をあげている。

 

「6機も撃墜したんだ!!俺のゲキガンガーに張らなくちゃ!!」

 

そういってブリッジから出ていく。

 

「あの第三防衛ラインへは、どうやって行ったんだ?」

 

ゴートが疑問を口にした。

 

「ああ、それはミスマル提督にお願いをしたら簡単に上げてくれましたよ」

 

ミスマル・コウイチロウは娘を危険な目に合わせない為に恋心も利用する。(笑)

 

 

 

 

「ちょっと!!本当にここから逃げられるんでしょうね!?」

 

艦内にキンキンと五月蝿い声が響いている。

 

「騒いでいるとみんなに気付かれますよ」

 

「見つかってもそいつの口を塞いじゃえば良いじゃないの」

 

そんなに簡単に人の命を扱って良いと思っているのかしら……。

ミユキはムネタケについてそう思っているとムネタケの部下が叫んだ。

 

「あそこにシャトルが!!」

 

「よし!!よくやったわ。すぐに乗り込んで脱出よ!!」

 

「あ、ちょっと待ってください」

 

ムネタケの一味がシャトルへと向かっていく。

 

「あ!あんた達!!」

 

ミユキが声がする方を見るとガイがこっちを見て突っ立っている。

そこで早くシャトルを発射させようとした時だ。

ムネタケが銃を取り出して銃口をガイへと向けた。

 

や、やばい!!

 

そうミユキが思ったときには体が動いていた。

ムネタケの持っている銃を手から叩き落す。

 

   ドカン!

          ガラン!!

 

叩き落すのが遅かった所為で弾が発射されてガイの腹へと吸い込まれる様に入っていった。

 

「あ、あんた一体何するのよ?」

 

ミユキが銃を叩き落した事に動揺しながら聞いてくる。

 

「私の仕事ではあなた方を全員余計な事をさせずに逃げさせることだからですよ」

 

ミユキとムネタケが睨み合っていると部下がシャトルから声をかけてくる。

 

「乗ってください、脱出します」

 

「呼んでいますよ。早く行かなくて良いのですか?」

 

「く、くそ!!覚えていなさい」

 

悪役の負け惜しみの台詞を言ってシャトルへと乗って逃げていく。

 

 

 

 

ガイに近づいてケガの具合を見る。

 

「大丈夫ですか?」

 

「あ、ああ、何とかな……」

 

ガイは腹から血が出ているので激痛が走っているみたいだ。

ウィンドウが表示されてメグミが話し掛けてくる。

 

「今さっき、シャトルがナデシコから発射されましたが、何か知りませんか?」

 

その言葉でガイがショックから立ち直る。

ミユキに向かって言ってくる。

 

「お前も木星のスパイだったのかーーーーー!!」

 

ガイは今だに自分の考えを曲げていないらしい。

 

「そんな訳あるかーーーーーー!!」

 

その様子をメグミは訳がわからないといった風に見ている。

 

「あ、あのう本当に誰か何があったのか教えてくれませんか?」

 

ガイが医務室に運ばれたのはしばらく経ってからだった。

 

 

 

 

 

 

続く

 

 

 

懺悔のあとがき

 

「Sakanaさん、どうもあなた最近テングになっているみたいですね」

メグミさんか、確かに最近はテングになっていたみたいですよ。(遠くを見る目)

「自分でも気付いたみたいですね。人のキャラクターを使って書かせてもらっているのに

 傲慢な態度、そういうのを恩を仇で返すっていうんですよ」

      グサッ!!

め、メグミさん、なかなかきついお言葉ですね。(汗)

「あなたには、これぐらい言わないと分からないからですよ」

うっうっう、(涙)

「何を唸っているんです?」

泣いているんですよ!!

「はいはい、これからは私の出番を増やす事とこのお話を読んでもらっている方々に謝って

 下さい」

出番はともかく、

Benさんに読んで下さっているみなさん、テングになっていた様で本当にすいませんでした。

「出番はともかくってどう言う事ですか!?」

 

みなさん次回会えたらまた会いましょう!!(汗)

 

 

 

 

 

 

管理人の感想

 

 

Sakanaさんからの投稿第五弾です!!

テングって・・・何かありましたか?

別にそんな事は何も思ってませんけどね?

まあ、気が付いた事があれば、またメールでお知らせしますね!!

しかし、結局撃たれましたね〜ガイ(苦笑)

何だか、この連載でも医療室の主になりそうな気配がありますね(爆)

でも、良いキャラクターですよねキタウラ嬢(笑)

ガイと対等に渡り合ってるし・・・

アキト(両方)より確実に目立ってるよ。

 

ではSakanaさん、投稿有り難う御座いました!!

次の投稿を楽しみに待ってますね!!

 

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