機動戦艦ナデシコ

『影(シャドウ)』

 

 

 

 

 

医療室では、ガイが意識不明で入院していた。

あの後ガイは血の出しすぎで意識を失いすぐに運ばれたのだ。(笑)

すぐに医療室に向かえば出血多量で、

死に掛ける事も無かっただろうから自業自得である。

しかし、ここにその事でギクシャクしている人がいた。

 

 

テンカワは、ガイの手術は無事に終わったが、

絶対安静の身なので部屋にはいないので一人寂しくゲキガンガーを見ていた。

ゲキガンガー3ではジョーが死にかけていた。

 

『すまねぇナナコさん……やっぱり、海には行けそうもない………』

 

そうなんだよな……。

ガイだってジョーみたいに死んでいたかもしれないんだよな。

 

テンカワはガイとジョーを重ねてゲキガンガーを見ていた。

 

そうだよ。ミユキちゃんが脱出を手伝った奴が、

撃ったのだから少しは責任を感じても良い筈だよな。

 

そんな事をテンカワはもんもんと部屋で考えていた。

部屋の中で若いもんが部屋を暗くしてアニメを見るというのも不健康だと思うぞ。(笑)

 

 

 

 

ブリッジでは、メグミが艦長に報告をした。

 

「艦長、サツキミドリ2号より連絡が来ています」

 

「はい、わかりました」

 

そして、ブリッジのモニターに出てきた人に伝えてもらった事は意外(?)だった。

 

「あの……もう一度言ってもらえないでしょうか?」

 

「いやぁだからね。二日前ぐらいにテロリストに占拠されちゃったのよ」

 

サツキミドリ2号の連中って警備をちゃんとしているのだろうか?

プロスペクターがモニターに向かって質問をする。

 

「それでは、ナデシコに新しく配属されるエステバリスのパイロットは?」

 

「さあ?たぶんまだコロニー内にいると思うけど」

 

「何か動きはないのですか?」

 

ジュンが疑問を口にする。

 

「それがねぇ、あいつら何もしないで周りの守備を固めているだけみたいだよ。

 だから、俺がこうして君達に中の様子を伝える事ができるんだよ」

 

それにしても、中の様子を報告している人は性格が軽いみたいだ。(笑)

 

「もしかして、ナデシコが来るから固めているんじゃないんですか?」

 

「しかし、それはおかしいですよ。

 時間はたっぷりあったのですから、

 サツキミドリ2号から脱出すれば良いのに居るというのは」

 

「わからなかったんじゃないの」

 

こんな感じの会話を続けているとルリが会話を中断させた。

 

「艦長、サツキミドリ2号にナデシコの反対方向よりチューリップが5機接近しています」

 

「ええ!!コロニーが落とされてしまいますよ!!」

 

メグミが叫んでいるとルリが次の報告をする。

 

「サツキミドリ2号より、戦艦が出撃しました」

 

「ユリカ、どうするの?」

 

「エステバリスの発進をお願いします。

 今だったらコロニーを取り返す事も少しは楽のはずです」

 

「どれくらい楽になることやら」

 

プロスはそう言いながら何か計算している。

 

 

 

2機のエステバリスがサツキミドリ2号へと後ろにナデシコを従えて向かっていた。

 

「何だか久しぶりにエステバリスに乗ったって感じね」

 

「ミユキちゃんは副提督を逃がしているから乗る機会が減ったんだろ」

 

「お!な〜に。ヤマダ君が撃たれたのを根に持っているわけ?」

 

「当たり前じゃないですか!!

 知っている人が撃たれて死に掛けていたんですよ!!」

 

メグミが会話に参加してきた。

 

「そんな事言われてなあ……。

 一応、あれも仕事なのに……」

 

メグミが怒っているのを見て急に態度が変わって強気から弱気になった。(笑)

 

「あの、喋っているとサツキミドリ2号にぶつかりますよ」

 

「「へっ!?」」

 

ルリの忠告に前を見るといつのまにかサツキミドリ2号に近づいていた。

しかし、君達はパイロットなんだからもっと気をつけろよ。(笑)

 

「あれ?何の迎撃もないままに到着してしまいましたけど」

 

「木星蜥蜴と戦うのに夢中で分かってないんじゃないの?」

 

「そうですよね!!

 私とアキトの愛の力が無事にナデシコをここまで連れてきたんですよね」

 

ブリッジのみんなはかなり楽観的に考えているみたいだ。

とりあえずコロニーの反対側で、

戦っているテロリストの集団さんに会いに行く事になった。

 

 

 

 

私は目を疑いたくなった。

夢を見ているかもしれないから一応ほっぺをつねっておいた。

しかし、今目の前にある戦艦と機動兵器が消える事はなかった。

 

 

ナデシコの前では、

チューリップから飛び出してくるバッタとジョロが黒い機動兵器と戦っていた。

ただ、それは戦いというには余りに圧倒的すぎた。

バッタやジョロが勝っているのではなく、機動兵器が簡単に倒していた。

もちろんミユキには、その戦艦と機動兵器に見覚えがあった。

 

なんでクラウンがテロリストやっているの!?

 

ミユキの心の叫びだった。(笑)

そんな事を叫んでいると残っていたチューリップも次々に落とされていく。

その光景にプロスとゴートは別の事に驚いていた。

 

「グ、グラビティブラストじゃないですか!!」

 

「機密が漏れていたのか!?」

 

 

 

 

ちょうどその事ウリバタケを初めとするメカニックの連中も騒いでいた。

 

「テロリストの連中がナデシコと同じ位の武器を持っているんだってさ」

 

「テロリストって所がみそだよな!!」

 

「え?どうしてだよ」

 

「お前わからないのか!?

 あいつら犯罪者のを取り上げても誰も文句は言わないし改造だってし放題だ!!」

 

ウリバタケが物騒な事を言っている。

誰か止めてやってくれよ。

 

「よし!!パイロットに拿捕させようぜ!!」

 

 

 

 

「それで、結局相手にする事になっちゃった訳だ」

 

「相手は我が社の機密を知っている可能性があります。

 我が社に不利益が生じる可能性が、

 ある場合にはちゃんと働いてもらわないと困ります」

 

プロスがサラリーマンのお言葉をしっかり言っている。

口とは別に手はナデシコが相手の戦艦と戦った時の損害を計算している。

 

「チューリップ完全に沈黙しました」

 

ルリが戦艦とチューリップの戦闘の結果を報告する。

 

「ユリカ、相手はナデシコと同じだけの力を持っていると考えた方が良いよ」

 

「しかも機動兵器が向こうの方が多いですからな」

 

今さっきの戦闘では黒い機動兵器が5機ぐらいは出ていた。

つまりパイロットが3人足りない訳である。

 

「パイロットが2人しか役に立たないからな」

 

「サツキミドリ2号より機影が接近中」

 

「え〜〜!!まだ居たの?」

 

「違います。識別コードがナデシコです」

 

「味方ですか。助かりましたなあ、これで数は一緒になったかもしれませんよ」

 

そこで外(宇宙)にいるテンカワから連絡が入った。

 

「お〜い、どうするんだよ。

 このまま睨み合いを続けるのか?」

 

「あの戦艦どこかに行ってくれないのでしょうか?」

 

メグミが言うとミナトが反論した。

 

「あっちもグラビティブラスト持っているんだから

 ナデシコを見て逃げるっていう事はないんじゃないの」

 

「こっちから仕掛けてみましょう!!

 先制攻撃が基本ですから」

 

「グラビティブラスト発射準備」

 

「出力OK、いつでも撃てるよ」

 

ウリバタケがエンジンルームで言った。

 

「それじゃあ、一発ド〜ンと撃っちゃってください」

 

「グラビティブラスト発射」

 

ドゴーーーーーーン

           バシューン

 

「敵戦艦のディストーションフィールドに弾かれました」

 

「は、弾かれた!?」

 

ジュンが驚いた。

今まで地球ではチューリップでさえ内側とはいえ一撃でやっつけてきたのだ。

それが一隻の戦艦のディストーションフィールドに弾かれたのだから。

 

「これは大変ですな。我が社より高性能の物を持っているとなると……」

 

「クラウンである可能性が出てきたぞ」

 

ゴートが小声でプロスに話し掛けている。

その頃ナデシコが攻撃したからテンカワとミユキは一生懸命相手と戦っていた。

 

「お〜い!!向こうの連中かなり強いぞ」

 

「泣き言いわない♪」

 

「そんな事言っている場合か!!」

 

するとテンカワと撃ち合っていた

近くで撃ち合っていた機動兵器がテンカワのエステバリスから離れた。

元いた空間をエステバリスが通る。

 

「な、何だ!?」

 

「は〜い。そこのエステバリス邪魔だからどいた、どいた」

 

「そうそうここはオレ達にまかせな!!」

 

「どのついた板………どいた、ブ、クククク」

 

さぶいギャグと共に登場した最後の人はいいとして、

サツキミドリ2号からパイロット3人娘が到着したのだった。

 

「あ、あれ?

 あちらさん逃げて行くけど」

 

「何だと!!こら待て逃げるなちゃんと戦えくそ〜!!」

 

リョーコが騒いでいるが相手はそんなの無視してさっさと戦艦の中に入っていく。

そして全部戦艦に着艦し終わるとこの空域から逃げ始めた。

 

「なんだか、拍子抜けしちゃったね」

 

ヒカルが逃げて行く戦艦を見ながらそんな事をつぶやいた。

 

 

「「「「「待てーー!!逃げるなーー!!」」」」」

 

同じ頃、ウリバタケとメカニックが逃げていく映像を見て叫んでいた。

 

 

ブリッジではその戦艦から打電を受け取っていた。

 

「艦長、打電が入ってきました」

 

「え、一体何て言っているんです?」

 

「また会おう。 天空ケン だそうです」

 

その名前にブリッジではルリだけ反応した。

 

「天空ケンって偽名……」

 

ルリの小さい呟きはブリッジの人には聞こえなかった……。(笑)

 

 

 

 

 

続く

 

 

 

 

困ったあとがき

 

 この話ではテンカワが大活躍!!の筈だったのですが……。

 見てくださった通り最後までほとんど活躍しませんでした。

 困った……。(汗)

 しかもテンカワを活躍させようと思ったのも

 

 テンカワって活躍してませんね

 

 というお言葉を頂いたからなんです。

 活躍させれなかったなぁ。

「俺を活躍させろーーーーー!!」

 ん!幻聴が聞こえてしまった。

 

 

 

 

 

管理人の感想

 

 

Sakanaさんからの投稿第六弾です!!

おお、テンカワアキト(過去)の登場だ!!

・・・て、5機?

何時から分身もしくは増殖をしたんだ、アキトよ?(爆)

でも、顔すら出なかったな・・・テロリストやってるし(苦笑)

お前、まともな道に復帰したんじゃなかっのか?

去り際の名前はアレだし(笑)

 

ではSakanaさん、投稿有り難う御座いました!!

次の投稿を楽しみに待ってますね!!

 

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