第20話「人?
         ×有人?
               ×ミサイル?」

 

 

 

 

 

 ガキィィィン!!ゴゴゴゴ!!

 

 交差するハデスのDFサイズとダリアのDFS。

 

「クッ!!」

 

「このぉ!!」

 

 一旦距離をとり、再び構える。

 

「ファミリア!!」

 

「リープ・スラッシャァァァ!!」

 

 ハデスから撃ち出されるファミリア、

 そして同時にダリアからはリ―プ・スラッシャーが射出される。

 

 その二つは見事に衝突し。

 

 ドガァァァン!!

 

 相殺される。

 

「この!!不愉快な奴め!!」

 

 まるで自分の動きを読んでいるかのようなカイトの行動に苛立つ北斗。

 

「不愉快なのは当たり前だ。」

 

 傷をおして出撃し、俺を庇ったカイトは北斗にサウンドオンリーで話しかける。

 

「なんだと!!」

 

「人は、自分を見ると不愉快になるんだ。

 だから俺達がお互いを見て不愉快になるのは当たり前なんだ。」

 

「貴様・・・何を!!」

 

 カイトの言葉に動揺する北斗。

 そして、通信ウィンドウにお互いの顔が映し出される。

 

「俺はテンカワ カイト!!」

 

 北斗に向かってそう叫び、フィールドを全開にしてダリアに突っ込むハデス。

 

「俺は北斗・・・俺は北斗だ!!」

 

 かなり動揺している北斗は一瞬反応が遅れる。

 DFSの衝突とフィールドの干渉による爆発。

 

 ドッゴォォォォォォォンン!!!!

 

「カイトォォォォォ!!」

 

 殆ど動けなくなっていたブローディアの中で俺はあらん限りの声で叫ぶ。

 

 そして爆炎が収まり、そこにあったのは・・・

 

「・・ふ・ふ、ふははははは!!」

 

 半壊の・・・ダリア・・・

 ハデスは・・・

 

「カイトォォォォォォォォ!!

 北斗・・・

 貴様ぁぁぁぁぁぁ!!」

 

 俺は殆ど動かないブローディアを必死で動かす。

 

「はっ!!死に損ないが!!」

 

 あざ笑い、俺に止めを刺しに来る北斗。

 

「よくもぉぉぉぉぉ!!」 

 

 その時、俺の昂気が機体を包み、輝く。

 

「何!!」

 

 おして、さっきまで殆ど動かなかった機体がまるで手足のように稼動する。

 

「ハァァァァァァ!!」

 

 DFSに蒼銀の光が宿り。

 

 ザシュン!!

 

 ダリアの両足を切り落す。

 

「クッ!!」

 

 北斗は危険を感じたのか、逃げようと、飛び立つ。

 

「逃がすかぁぁぁ!!」

 

 俺も飛び、ダリアを追う。

 そして、力の限りDFSを振り下ろす。

 

 ザシュン!!

 

 DFSは胸部をかすり、ダリアのコクピットを曝け出した。

 だがそこにいた人物は・・・

 

「え?」

 

 俺はそれを見て動きを止めてしまう。

 そして、その隙に逃げていくダリア。

 

「カイトは・・・カイトに殺された・・・」

 

 空の彼方へと消えていくダリア。

 昂気の輝きを失い落ちていく俺のブローディア。

 

 俺は・・・

 

 

 

 

 ガバッ!! 

 

「はぁ、はぁ、はぁ・・・ゆ、夢?」

 

 ここは・・・ナデシコの俺の部屋・・・

 

「大丈夫かアキト?」

 

 俺の上で寝ていたカイトが俺の顔を覗き込む。

 

「あ、ああ、すまん。

 起こしてしまったな。」

 

「いや、ところで随分うなされたいたぞ?」

 

「ああ、ちょっとな、夢見が悪くて。」

 

「そうか。」

 

 俺は心配してくれたカイトの撫でようと腕を上げようとした、

 が、腕は両腕とも両脇で寝ていつラピスをメティに掴めれて動かせに事に気付く。

 

 ああ、そうか、昨日はラピスと機○戦士ガン○ムダブル○ータを一気に見たからな、

 それであんな夢を見たのか。

 それにしてもなんて洒落にならない夢を見たんだ・・・

 

「アキト。」

 

 さっきの夢の事を思い出しているとカイトが声をかけてくる。

 

「なんだ?」

 

「俺は、ここにいる。」

 

 心情が伝わってしまったのだろう、カイトは自分の存在を俺に確かめさせる様に

 俺の首に手を回し、俺に抱きつく。

 

「ああ、解ってる。」

 

 俺はラピスとメティを起こさない様にベットから起き上がり、シャワールームに向かう。

 かなり汗を掻いてしまった。

 そしてカイトも無言で付いて来る。

 俺達は一緒にシャワーを浴びる。

 

 シャワーを浴び終わり、俺は下だけを履いて再度テベットに横になる。

 カイトはそのまま俺に覆い被さる。

 カイトは寝るときは俺と一緒で、元はユーチャリス、今はナデシコの俺達の部屋でなら、

 全裸だ、シャワーを浴びてすぐに寝ると言う生活習慣がそうさせているのだと思う。

 因みにラピスも服を着ていない、メティは流石に下着は着ている。

 二人もやっぱりシャワーを浴びてすぐに寝るからだぞ。

 そう、決して俺がそうさせているわけではない。

 ルリも全裸で寝ることが多い、特に俺と寝る時は、これは元の身体の時の・・・

 アキラは対抗しようとしているがやっぱり薄手のネグリジェ止まりだ。

 

 アキラは常識人、メティも常識人だが百万回のデートにも勝る『記憶の共有』がある。

 その差です。

 

 しかし、アキラはあまりこっちに来ないな・・・やっと兄離れか?

 まあ、それは良いけど。

 そうそう、言っとくが一線超えているのはカイトだけだぞ。

 ルリも今の身体は処女だ。

 よって、なにもやましい事をしているわけではない。

 と、言うか気付いたらベットにいることがほとんどだ。

 だから俺はロリコンではない!!

 元の世界ではイネスもエリナも

 ユリカだって美味しく頂いていたんだ!!ルリとカイトもだけど・・・

 

(・・・何を叫んでいるんだか?)

 

 ん?今何か聞こえたような・・・まいっか。

 とにかくルリやメティが来てもするのはスキンシップだ。

 スキンシップは主に頭やその他いろいろをなでてやったりする事だ。(その他がメイン)

 それだけでもルリの反応は可愛いんだけどね〜。

 ただ撫でてるだけなのにあの子は・・・

 

(アキトさん!!)

 

 どうやらアキトはいまだに前回のお仕置きの影響が抜けきっていない様です。

 修正しているので暫くお待ちください。

 

 ピピピピ!!

 

「ん・・・時間か・・・」

 

 目覚ましの音に俺は目を覚まし、起き上がる。

 

「おはよ。」

 

「おはよう,アキト。」

 

 俺はやっぱり俺い乗って寝ているカイトと朝の挨拶を交す。

 

「ん〜・・・おはようアキト。」

 

「はぁ・・・おはようお兄ちゃん。」

 

「あはよう、ラピス、メティ。」

 

 こうして俺の朝は始まる。

 今日は・・・俺が気を取り戻してから三日目の朝か。

 俺は準備をして食堂へと向かう。

 

 

 食堂

 

 食堂でホウメイガールズにいつも通りの挨拶(勿論アキトスマイル爆裂)を交し、

 朝食の仕込みをしていると。

 

 プシュ!!

 

 ナオさんとシキさんが食堂に入ってくる。

 

「おはようございます。」

 

「おう、おはよう。」

 

「おはよう。」

 

「そう言えばもう良いんですか?」

 

「ああ、なんとか・・・」

 

「医務室にいるより自室で休んでいた方が早く復帰できたと思うが・・・」

 

 二人は先日まで医務室で入院していたのだ。

 何故かと言うと

 まず、この前のカイトとナオさんのデート風景を事細かに、更にナデシコでのナオさんの

 悪行を全てシキさんの手によってミリアさんに知らされる。

 あのデートの日、いつも通りミリアさんに連絡を入れたナオさんは

 

『やあ、今日はどこに行ってたんだ?今日家の方まで行ったんだけど?』

 

『・・・』

 

『ん?どうしたんだ?』

 

『・・・信じていたのに・・・』

 

 ブチ!!ツーツーツー・・・

 

 その後オモイカネによって原因を知ったナオさんはレックスに乗ってミリアさんの元へ

 飛んでいく。

 二日経っても帰ってこなかったそうなのでナデシコはナオさんを置いて大気圏脱出を

 したらしい、ナオさんはその後レックスで追いついたそうだが。

 それで、帰って来たナオさんとシキさんのマジゲンカが始まる。

 紙一重の差ででナオさんが勝つが、

 そのナオさんはすぐに百華ちゃんによってボコボコにされる。

 で、二人とも入院、イネスさんの趣味もあって昨日まで動けなかったわけだ。

 ああ、因みに優華隊一同は俺があっちの世界に行っている間に帰っていった。

 お土産にフェザーランチャーとDFSを持って。

 

「と言うわけだ。」

 

「お前誰と話してるんだ?」

 

「いや、気にしないでください。

 それよりナオさん、ミリアさんには許して貰えたんですか?」

 

「・・・許してもらえてなかったら帰って来てない。」

 

 様子から見るとかなり苦労した様だ。

 

「なんだ、つまらん。」

 

 と、呟くシキさん。

 

「なんだと!!元はと言えばお前が!!」

 

「俺は事実をミリアさんに提示しただけだ!!」

 

 戦闘態勢に入る二人。

 

「はいはい、ここでは止めてくださいね、ほこりが立ちますから。」

 

 一応戦闘態勢は解く二人。

 

「はぁ〜・・・俺が行った時、ミリアの奴崖に立ってたんだぞ。

 しかも俺を見て飛び降りるし。」

 

「・・・そうか、そこまでするとは思わなかった。」

 

「それでちゃんと間に合ったんでしょう?

 いや〜エポ○の賜物ですね。」

 

 俺は正直な感想を述べる。

 

「・・・お前、何気にまだ壊れてるだろ?

 しかもそれはもう古いぞ。」

 

「そうみたいだな・・・」

 

 と、俺に疑いの視線を送る二人。

 

「壊れてるなんてひどいですよ。

 せっかくクライスさん(メティとミリアの父親の名前、無かったみたいなので不便だし命名)

 にナオさんとミリアさんの結婚を認めて貰った来たというのに。」

 

 ついでにムネタケと話しを出来たのも良かった。

 

「なあ、お仕置きの影響ってこんなに酷いのか?」

 

「ああ、スペシャルコースだったららしいいしな。」

 

 何だろう?二人が何やらひそひそ話してるけど。

 

 そし後、アキラ達も食堂に現れる。

 

「私はトーストをお願いします。」

 

「私はハムエッグ。」

 

「私はベーコン。」

 

「俺は卵サンド。」

 

 アキラ、メティ、ラピス、カイトの順で注文を受ける。

 

(チキンライスを作っておいてください。)

 

 夜勤のルリからリンクが入る。

 そろそろ交代の時間か。

 

(いいけど、朝からチキンライスか?)

 

(私にとっては晩御飯です。)

 

 それにしても12歳の少女を夜勤させるなんて何を考えているんだろうか?

 まあ、オモイカネを完全に操れるオペレーターは3人とも12歳以下の子供だけど。

 

「はい、トーストと、ハムエッグとベーコンエッグと卵サンドお待ちどう。」

 

 俺は4人の朝食をそれぞれ手渡す。

 

(後どれくらいで来れそう?)

 

 俺はチキンライスの準備をしながらルリにリンクする。

 

(そうですね、あと十分くらいで。)

 

(解った。)

 

(それと、私がそっちに行ったら昨日の話をじっくり話し合いましょうね。)(ちょい怒)

 

「昨日?何か話してたの?」

 

 俺達のリンクでの会話を聞いていたメティとラピス、カイトが俺に直に話しかける。

 

「ああ、ちょっとね。

 本当の事を思っていただけなんだけどね。」

 

(何を言ってるんですか!!

 大体、私をこんな身体にしたのは誰ですか!!)

 

「別に今の身体は何もしていない筈だが?」

 

 と、俺達が昨晩の話しの続きをしようとした、が。

 

「・・・何の話しか想像がついた。

 でもここでそれを話し合うのはどうかと思うぞ?」

 

 カイトが冷静な意見を述べる。

 と、その時。

 

(そうね、そんな事をしたら貴方命がいくつあっても足りなくなるわよ。)

 

 リンクに割り込みが掛かった。

 

(・・・)

 

「・・・」

 

「・・・」

 

 黙りこむ3人。

 

「どうしたんです?」

 

 状況が見えず?が飛んでいるこの中で唯一人リンクに繋がっていないアキラ。

 

(家族の会話に口を挟まないでください。)

 

(そうだよ、突然話に入ってこないでよ。)

 

 冷たいルリとラピス。

 カイト、メティは無言。

 

(まあ、まあ、そう言うなよ。

 ところでもう慣れましたか?『舞歌さん』。)

 

(ええ、おかげさまで。)

 

 何故舞歌さんがT−LINKに繋がっているかと言うと、

 あの真実を見せた時にこれを要求されたからだ。

 こちらとしてもサブロウタ君が適正がなかったのでいつでも連絡が取れるのと、

 万が一、舞歌さんが裏切ってもジャンプして消しに行ける、

 また木星側に拘束されたとしても助けられる。

 更に、北辰、ヤマサキ、草壁の暗殺も行えるかもしれない。

 以上の理由より、接続を許可したのだ。

 

(それに私が家族じゃないなんて酷いわね。)

 

(そうでしょうが!!)

 

(もう、それはないんじゃない?ねぇ、あ・な・た♪)

 

 と俺に話しを振ってくる。

 俺にどうしろと?

 

(誰が誰の夫なんですか!!)

 

 舞歌のセリフに激怒するルリ。

 

(まあ、それはおいといても用事はあるわよ。)

 

(で、何のようですか?)

 

 かなり不機嫌なルリ。

 ルリも接続には賛成していた筈だけど・・・

 

(もうすぐそこに着くから。)

 

 と、さらっと言う舞歌さん。

 

(((((は?)))))

 

(だからもう着くわよ。

 それじゃあ、直接会いましょう。)

 

 舞歌がそう言った瞬間。 

 

 ビー!!ビー!!ビー!!

 

 艦内に警報が鳴り響く。

 

『敵襲、優華部隊のシャクヤクと優人部隊の艦です。』

 

 ルリが少し怒りの篭った声で状況を伝える。

 

『敵艦より、敵機13機発進。』

 

 13機?優人、優華部隊全員か。

 

『エステバリス部隊とブローディアシリーズは直ちに出撃してください。』

 

 今度はユリカからの命令が下る。

 

 

 格納庫

    

『スバル リョ―コ、マルス』

 

『アリサ ファー ハ―テッド、ルナ』

 

『オオサキ アヤ、アルテミス』

 

『アカツキ ナガレ、ジャッジ』

 

『『『『出る(ます)!!』』』』 

 

『ヒカル、いっきま〜す!!』

 

『イズミ、逝きます。』

 

『インストレーション・システムコール!!ライガー!!』

 

『インストレーション・システムコール!!ヘビーアームズ!!』

 

 次々と発進するエステバリス。

 

 そして、俺達の番だ。

 

「SET UP!!」

 

 ルリは黒いシスター服に黒の手袋、黒いリングの髪止め。

 完全なバトルモードで復讐の女神エリヌースを呼び出す。

 

 シュイィィ・・・バシュン!!

 

 そして、現れた双剣を携えた黒衣の堕天使エリヌースに乗りこむルリ。

 因みに朝食は非常用の携帯食で済ました様だ。

 

「フィリア!!」

 

『はい!!』

 

 フィリアの身体がコクピットでルリと重なる。

 そして操者を乗せたエリスースが完全に起動する。

 

「我と共に生きるは霊験なる勇者、出でよ!!」

  

 カイトの戦闘服は俺の戦闘服を紅くした物。

 

 シュイィィ・・・バシュン!!

 

 現れる死の大鎌を持った死神ハデス。

 

「行くぞ、リリス!!」

 

『了解。』

 

 リリスの身体がカイトと重なり、ハデスは完全機動を果す。

 

「我、使命を受けたもう者なり

 契約のもと、その力を解て、アテナ!!」

 

 メティの戦闘服はルリと対を成す白いシスター服に白の手袋、

 いつもツインテイルにしている髪を右よりのポニーティルにしている。 

 

 シュイィィ・・・バシュン!!

 

 そして現れる白い法衣を纏い、美しき盾を持ち、双剣を携えた戦女神。

 

「クーちゃん!!」

 

「はい、メティ様!!」

 

 ルリ、カイト同様にして完全起動するアテナ。

 

 俺は3人と違いナデシコに置いてあるブローディア カオスに乗り込む。

 

「準備は良いか!!ブロス!!ディア!!」

 

『勿論です!!』

 

『いつでも行けるよ、マスター!!』

 

 そして、カオスも完全機動を果す。

 

 ピッ!!

 

 出撃直前で通信でウィンドウが開く。

 ユリカだ。

 

『敵は北斗です、気をつけて。』

 

「解ってる、心配無い。

 行くぞ!!」

 

『『『了解!!』』』

 

 そして俺は北斗の待つ戦場へと飛び出す。

 

 

その2へ

 

 なかがき

ル:中間報告です。

ア:前回の問いの現状は1,2,3の順で9:9:2です。

ル:こんなに多くの方に読まれていたのかと感涙を流しながら数えた結果だそうです。

ア:因みに〆切は21話がアップされるまでだそうです。

ル:以上中間報告でした。