>interlude 2-1


 僅かに雪のちらつく朝。
 クリスマスの色に染まった街は、ついにその日が来たとばかりに活気付き始める。

 しかし、そんな事に構う事無く、その男は薄汚れたコートを身に纏い、どこか醒めた、しかし鋭い目をしていた。立つ場所は冬木の街で最も高い場所、即ち柳洞寺の門前。くわえたタバコを弄び、どこか皮肉げな口調で街を見下ろす。
守護者と亡霊のお遊びで『大聖杯』に蓄えられた力は殆どカラ。とすればサーヴァントの強制召還も不可能だろう。此処まで計算ずくでやったとは思えないけどね」
「それは貴様の関与する事ではない」
 インバネスコートを着た、年の分からない男は吐き捨てる。見た目だけなら壮年の男なのに、身に纏う空気、そして目に宿る智慧の光は老齢の粋に達した者のみが持つものだ。
「貴様は始末屋。ただ標的を除く全てを殺せばいいだけだ」
「……魔術師クライスト。方法は任せてもらえるんだな」
 クライスト、と呼ばれたインバネスコートの男はつまらなそうに、魔術は秘匿されなければならない、隠密行動せよ。とだけ言った。
 それを聞いて、くわえタバコの男は呆れたような目を向ける。
「しかし良いのか。アインツベルンのご老体は、冬木での再建を諦めたんだろ?」
「……その程度で探求を止めるならば、それは魔術師ではないだろうよ。第一、アインツベルンの魔術師が何人居ると思う? こんな実績のある街で……諦めるなど、それこそ一族内で、粛清の嵐だろうよ」

 魔術師クライストの顔にあるのは怨念よりも濃密な、妄執という毒の色だった。


>interlude out


Fate偽伝/After Fate/Again
第二章第二話『既に手遅れ』




 シャッ、シャッと、空気を切り伏せるような鋭い轟音を上げて抜き身の剣を振り回すアルトリア。聖剣(エクスカリバー)を湖の貴婦人へ返還した以上、唯一残った宝具は『風王結界』だけ。竜種の因子なんて反則めいたものを持っていても、モードレッドの例を挙げるまでもなく、負ける時は負ける。
 とはいえ彼女の力に見合うだけの魔剣など、そこら辺に売っているような物の中に有ろう筈が無い。
 そんな事を考えて英霊エミヤの記憶の中から、投影した時の負担の小さな武器を何点か試してもらっている。魔術師なんて因果な家業をする以上、いつ何時事件に巻き込まれるかわからない。それは俺たちと一緒に居るアルトリアにも言えることだから。
 そんな事を遠坂が言い出して、俺が脅迫じみた説得をされて、何時の間にかアルトリアが鍛錬を始めていた。本人にしてみれば、俺たちには分からないほど高いレベルで腕が鈍っているらしい。そう言いだしてから、剣の腕を取り戻そうとずっと型を繰り返している。
「勘を戻したい。シロウ、相手をしていただけないか」
「え?」
「シロウはいまだ未熟ですがそのアーチャー仕込の剣術、並みの剣士よりは遥かに上ですから剣を交えてみたい」
 その目の輝きは記憶にある。
 恐れを感じ、それでも確認しなければならない。
「……道場でかい?」
「実戦を想定して此処で、出来れば真剣で」
 ああそうだ、思い出したぞ! 何らかの事故事件その他諸々で食事のグレードダウンがあった時、道場に俺を引き込んで竹刀を持ったセイバーのあの姿……!! 今のアルトリアはその時の姿そのものじゃないか!!
「いや、しかし、ね? 今はパーティの準備中…」
「シロウ、私の相手はしていただけないのですか」
 どこか寂しそうに言うその姿は、保護欲に似た感情を抱かせて、こう…抱きしめたくなると言うか、TPOを考えさせられると言うか……ああ、周りに居る遠坂たちの目が怖い……!!
 この選択もしや……DEAD OR ALIVE?!

 その後の数分間は思い出したくなんて無い。
 アルトリアは間違い無く現役の剣士……と言うかセイバーだった。
 中身――約束された勝利の剣――は別物になっているが、風王結界だけで十分すぎるほど驚異的な攻撃力だった。干将と莫耶を、一体何度破壊された事か。

 ……そんなものが庭に居る奇異な光景をみて、何故突っ込みを入れないのかとみんなの薄情さに嘆きつつ、痛む体に鞭打ってイリヤを手伝い、ツリーの飾り付けをする。
 遠坂と桜は、自作ケーキの仕上げに入った。冷蔵庫に寝かせて落ち着いたスポンジにナイフを入れ、クリームとフルーツを入れてサンドして、最後のデコレーションに討論を交わす。
 しかし、いつも居るはずのメンバーに一人足りない事を不信がる赤いあくまが一人。
「それで、藤村先生は忘年会なのね」
「らしいよ。本人は『せっかくのイヴなのに、恋人とのディナーも無いこの私を笑うが良いわ!!』なんて言ってたし」
 笑い話のつもりだったのに、アルトリアと遠坂と桜の三人が、俺の顔を見て同時に溜め息を。何故?
「シロウはまだまだだから」
 む、イリヤに言われたくない。
 イリヤのほうがお子様じゃないか――そう言いそうになって止めた。イリヤの精神年齢は高い。その代わり、アンバランスなまでに幼い。アインツベルンの魔術師たちが何を教えていたのかは知らないが、彼女の事はいまだに分からない事の方が多い。
「でも、先輩の言葉を藤村先生に教えたら、さぞ楽しいでしょうね」
 ……桜、それは遠坂の「あくま」が感染したと受け取って良いのか?
「桜、それはやめておきなさい。下手に言えば『イヴは駄目だったけどクリスマス本番は――』なんて言いながら、士郎を連れて行きかねないわ」
「そうですね。タイガは時折無茶をする。ならばこちらが大人になればいい」
 ……ああ、セイバー。
 君までもが「あくま」に汚染されてしまったのかい?

 この五人が揃って迎える最初で最後かもしれないクリスマス。
 誰もが自分たちの特異性を知るからこそ、ただただ、楽しむ為に楽しむ。
 今の自分が、本当に幸せなのだと知るために。
 だからこそ、心に染み込む物がある。
 暖かすぎて、ほんの僅かな寒に凍えそうと感じてしまうほどに。


 衛宮士郎の原点、それはあの大火事に他ならない。今があまりに幸せすぎるからか、気づいたら此処に来ていた。
「この辺……だったかな?」
 濃密な死の気配の残滓。それを感じながら、歩いていく。感じるのは残滓とはいえないほど濃密な力。そう、此処があの時、中心だった場所。記憶の中にあるのは、真夜中の黒い太陽と、それに伸びていく黒い塔。今ならそれが聖杯と『この世全ての悪(アンリ・マユ)』であったと知っている。
「あの時はまだ、ここは公園じゃなかった」
 視線をめぐらせ、当時の面影の無い場所を見る。
「ああ、確かこの辺りに道があって……家は、あっちの方……」
 思い出せる。
 理由なんて分からない。
 今まで思い出せなかった、あの日よりも昔の、衛宮士郎でなかった頃の記憶。霞んだ、いや、あの光景に塗りつぶされてしまった記憶が向こう側から姿を表してくれる。
 そうだ。
 何で思い出せなかったのか。
 子供の頃の、あの幸せだった記憶が。
「俺はもしかして、子供のままで居たいんだろうか……?」
 選択の時が迫っているから、今のままで居たいから、まるでぬるま湯のような、今が楽しいからなのか。
 モラトリアン。
 ピーターパン症候群。
 それが今の気持ちなのか。今の俺なのか。
 ――否定は出来ない。
 衛宮士郎はエミヤシロウに追いついた。
 けれど。
 衛宮士郎は、衛宮切嗣を乗り越えられるのだろうか。

 そんな物思いに耽っていた時に、聞きなれた優しい声がした。
「一人じゃ寂しいでしょ」
「イリヤ…それにみんなも」
 みんながそこに居た事を知って、苦笑せざるをえなかった。ここまで近くに来られるまで気づかない。そこまで意識を向こうにやっていたのかと。
「シロウ、此処に来ると言う事は」
「此処から始まったんだ。衛宮士郎って人間は」
 アルトリアの心配そうな顔。本当の事なんて言えやしない。
「何処から来て、何処へ行くのか。始まりは此処、なら俺は一体、これから何のために何処に行くんだろう。そう思ってさ。もしかしたら見えるんじゃないかって期待したんだ」
 その目を向ける先にはアルトリアと遠坂。勝手な事を言うようだけど、俺が一番好きな二人の女の子。どちらが、なんて言えない。せめて彼女たちに相応しい人間にならないと、口に出す事さえ出来ない。
「子供の頃からずっと思い描いていた。衛宮士郎は衛宮切嗣の夢を継いで『正義の味方』になるって。アーチャーと戦っていて見えた光景。自分の答えを出した、俺じゃない俺。だからこそ、言える。俺はずっとその夢を追っていける。その先に何があっても」
 どんなにボロボロになっても、裏切られても、捨てられても。
 あの時感じた美しさ。それだけは絶対に嘘じゃないから。
 ずっとそれを追っていける。
「俺の中に有る物は、それだけじゃない。他にも沢山大切なものがある。……それを守れるようになりたいんだ。でも、それが分からない。次の一歩を、何処に踏み出したいんだろう」
 みんな黙ってしまった。
 これから。
 最良は分からない。でも、最善を選ばなければならない。

「そろそろ戻ろうか。今日は藤ねえも居ないしさ、ぱぁーっと朝まで騒ぐんだろ?」
「そうですね先輩。今日くらいはみんなでずっと居ましょう」
 ああ、と頷くと……他の三人は妙な話になっていた。
「今日みたいな日に士郎一人ほっぽっといて、明日になったら適当な女連れてる……なんてなったら笑えないもの」
「否定できません。最近のクラスメイトの女子がシロウを見る目は……どこか危険さを感じ得ない」
「こう言っちゃ何だけど。シロウ、アーチャーそっくりになるんだから将来性は満点よね」
 聞こえてまーす、お三方。
 苦笑も出来ずに、三人を止めようとして……

 背中を掠めて感じるのは、冷たく尖った、虫のように無機質な殺意。

 それに反射的に飛び退り、同じように立ち位置を変えたアルトリアと遠坂……だが桜は反応できていない!!
「逃げろ、桜!!」
「え…?」
 人間の気配は無かった。
 なのに突然闇の中から飛び出してきた腕。
 それが桜を絡めとった。
 濃密な魔力。
 その中にある本能的な『おぞましさ』を感じて、俺や遠坂が何かをするよりも早く。
 ――桜が自分の力を使った。
 忌み嫌っている、マキリの魔術を使うほどの恐怖を感じて。
「嫌ぁぁぁっ!!!」
 吹き上がる、目に見えるほど濃密な黒い魔力の鞭。腕の主は手を離して反射的に離して一気に数メートルも跳躍をする。そのため宙をきった黒い鞭は地にあたり、冬の寒さに負けずに生えていた草木を一気に侵食した。
 ズ…と、草木が大地ごと死んでいく。
「ふむ。マキリの魔術は略奪だと聞いたが思いの外、強力のようだ」
 闇夜に埋もれるような、黒いインバネスコートの男。見た目は50ほどなのに、感じるのはそれより遥かに年月を重ねた感触。延命処置でも施しているのだろうか。それとも話に聞く吸血種…なのか?
 震える桜をこちらに寄せ、アルトリアと遠坂が前衛に出る。
「アンタ何者よ」
「名を名乗るならば、問い質した君が先に名乗るべきではないのかね」
「女の子を暗闇から引き込もうなんて変態に名乗る名は無いわ!!」
 クツクツと、無機質な笑いを上げ、
「そうか。なら汚名返上の為名乗るとしよう。私の名はクライスト」
 思い当たる事があるのか、遠坂はまるで臓硯に会った時のように険しい顔を浮かべる。
「魔術師クライスト……暗殺魔術師!!」
「いかにも」
 クライストの右腕が上がる。
 魔術の発動のためのアクション――遠坂得意のガンド撃ちなら、相手を指差す行為――か?
「させない!」
 アルトリアの叫び声! その姿は既に戦うための鎧姿へと変貌している!!
「ハァァァァァァッ!!」
 振り下ろされる宝具『風王結界(インビジブル・エア)』!!
 圧縮された空気の流れは爆発にも似た衝撃となり、魔術師クライストの体を吹き飛ばし――さらに遠坂の追撃が飛ぶ!!
 ゾンッ…ドス……!!
 魔術師の右腕を切り落とし、そのまま遠くへ弾き飛ばした。
「そんな! 切り落とせるはずが…」
 チッ……
 驚愕する遠坂に、アルトリアはその予知にも似た直感に従い彼女の目前へ移動。直後、魔力の障壁に何かがぶつかり火花が飛んだ。

 ぬらっ…と、人間には有り得ないほど滑らかな動作で起き上がり、苦痛も見せずにクライストは笑う。
「ほう。中々やりおるな。しかし遠坂の当代、詰めの甘さは先代譲りか」
「何ですって!」
 遠坂のことを知っているのか、そう考えるよりも早く、遠坂の反論を遮りクライストは腕の断面をこちらに向けた瞬間、銀色の光が疾った。
 キン、カン、キン!
 アルトリアの腕が、まるで別の生物のように剣を振るう。
 地に落ちるのは、太く長く澱んだ液体に濡れた、針のような武器の群れ。
 視線が地の先に移る。そこにあるのは先ほど斬り飛ばされた腕。今思えば地に落ちた音は鈍かったが、濡れた音はしなかった。どころか此処からも見える断面は、骨も肉も血も無い、それこそ人形のような腕だった。
「人形……憑依傀儡?!」
「何、これでも150を超えているのでな。流石に本体を戦場へはもって来れぬよ」
 ニタリと、それが人形であると感じさせないほど生臭い歪みを顔に張り付かせる。インバネスコートを開き、胸を見せる。そこには皮膚も骨も肺も心臓も無い。あるのはただ、タイマーに直結した機械。
「その代わり、人形は幾つもこの街に運び込んでいる。……さあ、どうするかね」
 ピンと音を上げて、殊更大きな液晶のデジタルタイマーがカウントダウンを始める。

「キャ…!」
 後ろから上がるイリヤの悲鳴。それはあまりに小さすぎて聞き逃しそうだった。振り向いた先には、遠くに見える誰かの後姿と、抱えられて連れ去られるイリヤの暴れる足。
 助ける。それはイリヤが、俺にとって最も大切な家族だから。それ以上の理由なんて必要ない!!
「遠坂、アルトリア、桜を頼む!」
「わかったわ!」
「シロウはイリヤスフィールを!」


>interlude 2-2


「――ショット!!」
 キーワード、それとも動作。どちらによるものか、両方であるかもしれないし、ただのフェイントの可能性もある。それは本体でないからか、人形としての精度が低いのか。いずれにしろ、魔術を使う事には無理があった。だから、この人形は暗殺兵器として武器を内蔵する。
 撃ちだされるのは機銃の弾丸。

「ハァァァァァァァァァ!!!」
「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁ?!」
 彼女の持つ力。現代魔術のほぼ全てを無効化する、竜種の因子を持つがゆえの常時放出される魔力の壁。それこそが最強の存在ドラゴンの名たる『竜の頭(ペンドラゴン)』の名を冠する所以に他ならない。
 だからこそアルトリアと戦うためには、現代魔術を遥かに超える破壊力か、単純な物理攻撃を仕掛けるしかない。しかしそんな物は関係ない。先天的な才能と素質を理論と実戦で鍛え上げた彼女に、たかが人形がせまることは出来ない。
 アルトリアは悲鳴をあげる桜を小脇に抱えながら大地を駆け――

「drei!!」
 そして魔術師である遠坂凛に対しても同様、科学とは全く異なるベクトルの存在こそが魔術。
 手持ちのトパーズに封じられていた魔力を開放させ――封じられた魔力は宝石の属性を帯びる――風呪を防壁として銃弾を全て吹き飛ばす!!
 内心、安物を使った事に感じていた不安を誤魔化しつつ、やはり安物を手にして――
「nein,acht!」
 追撃の手を――

 殺すことを前提として襲い掛かる敵、それも人形。
 分断さえれた状態。
 彼女は騎士王。
 彼女は魔術師。
 ならば、何処に躊躇う理由があろうか。
「人形の核、何処にあるかわからないから――手っ取り早く全部破壊するわ!!」
「了解した、リン――!!」
 アルトリアの剣で体を分散され――凛の魔術に破壊され――しかし細切れとなった人形の動きは止まらない――
 元が人間の形であるから。
 人形の残骸は生々しい感触を視覚に与えるものであった。
 クライストは宣言する。
 既に動いている事自体が異常な状態でありながら!!
「この体を破壊されるのは苦しい――だが――ならば、交換すれば良いだけの事だ――」

 その言葉と共にクライストは自分の胸に拳を叩きつけ――爆発、四散した。


>interlude out


 追いかける。
 幸い、相手は魔力で身体能力を上げているようだがイリヤを抱えているおかげで追いつけない距離ではない。
「待て、イリヤを……かえせっ! ――投影、凍結!!」
 脳裏に浮かぶのは、自ら飛翔し大地に突き刺さる大剣の群れ。
 イリヤを抱えるあの男を囲い、身動きできなくする為の――
「―――停止解凍、全投影連続層写!!」
 大気を切り裂き全ての必然を捻じ曲げて俺の意思によって襲い掛かる17の大剣。

 それは一瞬見ただけの光景。
 コートの男から魔力の流れ――魔術の発生――を感じた時。
 男はこちらを振り返っていた。

 一瞬の向こう側に見えた、薄汚れたコートを着た一人の男。絶対に忘れる事の無い姿が、有り得ない事なのに其処にあった。
 雷に打たれたように。
 そう、雷に打たれたように俺は動く事が出来なかった。
「馬鹿、な――」
 何で其処にいるのか。
 そう叫ぼうとして、男の姿が消えるのを見た。
 何も無い場所を囲んで突き刺さる大剣の群れ。その衝撃が伝わってくるよりも早く。
「――え?」
 次の瞬間。
 瞬間と瞬間の合間を縫って接近していた男は、俺の良く知っている男の顔で、目の前に存在していた。錯覚じゃない、ここに、目の前にいる。身構える事さえ思いつかず、その男の顔に視線を張り付かせてしまっていた。
 その、あまりにも強い懐かしさに。
 男は懐かしい声で、
「アインツベルン一千年の悲願、阻むならば――死を」
 そう言った。

 最後に俺が聞いたのは爆発音。
 最後に俺が感じた臭いは火薬臭。
 最後に俺が感じたのは熱。
 最後に俺が見たのは拳銃。
 最後に俺が思ったのは、当然の疑問。
 何で死んだ人間が、死んだ時と変わらない姿で其処に居るのか。
 それだけだった。



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