「春だね・・・」

 

「そうね・・・春ね・・・」

 

「春やね・・・」

 

「春だな・・・」

 

「春・・・ですね・・・」

 

「・・・春ってウマいんか?」

 

「春だよな・・・(無視)」

 

「・・・春ですねぇ・・・」

 

「みゅ・・・」

 

ポカポカポカポカ・・・

 

 春も麗かなある日、ひなた荘の住人達は屋根に登って日光浴を楽しんでいた。

いいよね、春って。 こう、ひなたぼっこが気持ち良くいいんだよね。

 

「・・・って、こんなコトしてる場合やない! こんなんずっとやってたら、何時の間にか年取ってまうで!!」

 

と、ひなた荘の主ともいえる紺野みつね(愛称キツネ)は、慌てて起き上がるとひなた荘のみんなに警告するが・・・。

 

「春だね・・・」

 

「そうね・・・春ね・・・」

 

 また会話が振出に戻る。 ・・・いくら春とは言え、気を抜きすぎではないだろうか?

 

 

 

ラブひな外伝

ひなた荘であった、本当に怖い話Vol.04

春の恵みは危険な味ッ!?

 

 

 

「みなさん、明日からゴ−ルデンウィ−クなんですし、明日はひなた荘の裏山へ山菜取りに出掛けませんか?」

 

「えっ? ・・・山菜取り?」×残りの全員

 

と、ラブひな一の家事能力を持つ(そして裏ヒロインと名高い)前原しのぶ嬢が、

みんなの分のお茶を入れながら、賑やかな夕食後の団欒の時間に提案する。

 

「山菜? ワラビとかゼンマイとか? ・・・あ、ありがとうしのぶちゃん」

 

 しのぶからお茶を受け取りながら尋ね返すのは、ラブひな一幸せ者(そして不幸者)である、主人公の浦島景太郎だ。

 

「面白そうだね、ちょうど瀬田さんのバイトも休みだし、俺も行こうかな?」

 

 しのぶの入れてくれた玄米茶を啜りながら、景太郎。

 

「え−っ、せっかくのゴ−ルデンウィ−クなのに山登りするの?」

 

と不満タラタラな顔で言うのは、ラブひな正ヒロインで東大生でもある成瀬川なるだ。

その顔中には、山菜取りなんて面倒臭いと書かれている。

 

「ワラビの煮物は酒の肴にはピッタリやけど・・・疲れそうやから、パスや。 あんさんら二人だけで行ってきぃや」

 

 元から細い目をさらに細めながら、キツネは遠慮する。

確かに、普段運動していない人が山登りなんてすれば、疲れること請け合いだ。。

 

「・・・すまんがしのぶ、明日は修行しなくてはならないのだ・・・」

 

 ごちそうさま、と両手を合わせながら言うのは、青山素子。

これでも、〔神鳴る剣〕神鳴流という剣術を使う現役退魔師である。

済まなそうに口では行っているが、素子の顔にも疲れるから嫌だ、という考えがありありと浮かんでいた。

 

「・・・三歳鳥ってウマいんか、サラ?」

 

「三歳鳥じゃなくて、山菜取りだろ、カオラ。 でも、山菜ってなんだ?」

 

 絶妙なボケをかましてくれるのは、インド人(らしい)カオラ・スゥ。

そしてそれに冷静に突っ込んでいるのは、サラ・マクドゥガルである。

 

 ・・・思うのだが、スゥちゃんは絶対インド出身ではないと思う。

 

「何でや? 理由を言うてみい?」

 

 よろしい、説明しましょう。 僕の行っている高校にインド人がいるんだけど、

そいつって、目玉ギョロギョロで、顔の彫りが深くてスッゴク濃いんだよ。

想像してみてよ、顔が異様に濃いスゥちゃん・・・。

 

 スゥちゃんファンが、確実に泣くぞ絶対。

 

「確かにそうかも・・・(汗)」

 

「まあまあ、それはインド人もビックリですね(違)。 そうそう、サラちゃん。 山菜というのはですねぇ、

〔edible wild plants(食べられる野生の植物という意味)の事ですよ。

 代表的なのは、bracken(ワラビ)ですねぇ」

 

「みゅ?(ハミハミ)」

 

日本語がまだあまりわからないサラのために、英語に翻訳してあげているのは、

景太郎やなると同じ東大生である乙姫むつみ嬢だ。 その隣でエサを食べているのが、

温泉ガメのタマ(本名温泉タマゴ)である。

 

「そうですか・・・」

 

シュン、と俯いてしまうしのぶ。 

それを見てかわいそうになった景太郎は、しのぶの耳にそっと耳打ちする。

・・・純真なしのぶちゃんに、何を吹き込むつもりだろうか?

 

「・・・って言えば、イヤでもやりたがるよ、しのぶちゃん(ボソボソ)」

 

「そっ、それってどういう意味ですか、浦島センパイ?(ボソボソ)」

 

「・・・しのぶちゃんにはみんな頭が上がらないからね(ボソボソ)」

 

「そ、そうなんですか・・・?(ボソボソ)」

 

 しばらく話していた後、しのぶは残りのひなた荘の住人に向かってこう言い放った。

 

「私、浦島センパイの食事以外、しばらく御飯作りませんから。

 ・・・それが嫌でしたら、明日一緒に山菜取り行きましょうね(はぁと)」

 

 ビシッ

 

 それを聞いた途端、真っ白く石化する一同。

しのぶがひなた荘の食事を司っている以上、しのぶがボイコットに出たら誰も逆らえないのだ。

 

 

なるの料理・・・味は良いが、見てくれが絶望的に悪い。

キツネの料理・・・カップ麺などのレトルト食品だけで、健康に凄く悪い。 環境ホルモンに気を付けよう!

素子の場合・・・武士の様にと一膳一汁一菜という精進料理で、しかも量が少ない。

スゥの場合・・・各自のテ−ブルにバナナが一房(!)置いてあるだけ。

むつみの場合・・・本場沖縄仕込みの、南国風スイカ料理。 ← いったいどんな料理だ(汗)

 

 

・・・つまり、ひなた荘の中でまともな料理が作れるのは、しのぶだけなのだ。

次に景太郎なのだが、今それは別に関係ない。

 

「・・・そう言われちゃ、行くしかないじゃない・・・(汗)」

 

「そやな・・・景太郎に一本取られたな・・・」

 

「くっ・・・浦島ごときに遅れをとるとは・・・一生の不覚!」

 

「・・・しのむのメシが食えなくなるんか? ・・・そんなんイヤや!」

 

「・・・よくわかんねぇけど・・・しのむの料理が食えなくなるのか?」

 

「あらぁ、みなさん山菜取りに行かれるんですか? じゃぁ、私も・・・」

 

 一人を除いて、深刻そうな顔をするひなたガ−ルズ一同。

そして、嬉しそうに笑っているしのぶと、微笑んでいる景太郎の姿があった。

 

「じゃあ、明日のお弁当は任せてくださいねッ!!」

 

 タタタッ

 

 小走りで台所の方に向かっていくしのぶを見送る一同。

 

「あんなに嬉しそうにはしゃいで・・・。 よっぽど嬉しかった・・・ッ!?

 

 それを穏やかな顔で見ていた景太郎だが、その顔も途中で頬が引きつった。

何故なら・・・自分の背後に迫る、ただならぬ鬼気を感じたからだ・・・って、

その鬼気の持ち主の事はもう既にバレバレだ。

 

「さて・・・裏切り者をどうやって処分しましょうか・・・フフフ。

 地球のヘソまで飛ばしてほしい? 魔大陸? それとも、まで飛ばしてほしい?」

 

 指をゴキゴキ鳴らして景太郎に迫るのは、なるだ。

その顔は笑っているが、目は・・・見れた物じゃない。

・・・じゃなくて、見ない方がいい、 恐ろしくて。

 

にひんむいて、軒下にでも吊るすか? 町中引きずり回すっていう手もあるな・・・(ニヤリ)」

 

 物騒な事を言いながら、悪魔の如き笑みを浮かべるのはキツネ。

・・・本当にやりそうというところが怖い。

 

「・・・貴様の根性を叩き直すために、我が神鳴流に伝わる修行を受けてもらう。

 なに、貴様の不死身の体なら耐えられる・・・たぶん、な

 

 ユラリ、と魔闘気を放出しながら妖刀ひなに手を掛ける素子。

彼女の姉である鶴子(素子姉の本名。 この名前知ってました?)と同じく、目がランランと怪しく光っている。

 

 ・・・たぶんってなんだよ、たぶんって・・・(汗)。

 

「しのむの料理は食わせてもらうで!!」

 

 ガシャコンッ!!

 

 どこから取り出したのか、色々あやしい銃火器を景太郎に向かって構えるスゥ。

既にセ−フティは外されており、何時でも発射可能だ。 ・・・スゥ・ザ・ランボ−の完成である。

 

「ひと−つ、人の世の生血を啜り。

 ふた−つ、不埒な悪行三昧。

 み−っつ、醜い浮世の鬼を、退治してくれようッ、このサラ様が!!

 ・・・今宵のあたしの土器は、血に飢えておるわ・・・(ニヤリ)。

 け−たろ、覚悟しやがれッ・・・!!」

 

 ボエボエボエボエボエ・・・・・・ ←土器の鳴き声(汗)

 

 よくわからない怪しい日本語を喋りながら、あの喋る土器を構えるサラ。

最近妙なTV番組でも見て、変な日本語を覚えてきたらしい。

たぶん科白から考えても、桃太郎侍(古!)だと思う(笑)。

 

「あら・・・(汗)」

 

「みゅ・・・(汗)」

 

 ただならぬ様子を察したのか、彼ら達から遠く離れた柱の影に避難するむつみ。

そしてその頭の上にはタマもいる。

 

「「「「「・・・裏切り者には、天罰をッ!!!」」」」」

 

 なるを始め、ひなたガ−ルズが景太郎に判決を言い渡す。

 

 ・・・今思えば、その声があの悲劇の始まりだったのかもしれない。

その様子をひなた荘在住のM・Oさんにインタビュ−してありますので、どうぞ。

なお音声は、プライバシ−保護のため変えてあります。

 

「一瞬・・・そう、あの出来事はほんの一瞬だったんです。

 ・・・眩しい光と、凄まじい音が辺りを支配したかと思ったら、

 ボロボロになった浦島くん・・・け−くんが・・・床に伏せていたんです。

 ・・・すみません、もうあの出来事は・・・出来る事なら思い出したくないんです」

 

 ・・・そう彼女は言うと、顔を手で覆い、それっきり口を閉ざしたという。

 

 ・・・話を元に戻そう。 つまり、ボロボロになった景太郎が床に倒れていたというワケだ。

 

「・・・こんなところで何をしているんだ、景太郎?

 いくら春になって暖かくなったからといって、床で寝ていては風邪引くぞ?」

 

「好きで・・・寝ているワケじゃありません、はるかさん・・・(汗)」

 

 煙を上げながら床に寝ている景太郎に、親切に忠告しているはるか。

しかし、忠告する以前の問題だと思うんだが・・・気のせいか?

 

「しかしまぁ、お前がすぐ復活しないという事は、そうとうの深手だな。 どんな感じでやられたんだ?」

 

 ・・・ただ単に、みんなで景太郎の事を袋叩きにしただけなんだけど。

あの人達って、何処であんな体術を覚えてきたんだろう。

景太郎じゃなかったら、殺人罪でとっくに逮捕されているぞ。

特に、なると素子の二人!

 

「・・・ま、何時もの事だな・・・」

 

「・・・一言で、片づけないでください、はるかさん・・・(泣)」

 

 はるかの興味無さそうな台詞は、誰もいないひなた荘のロビ−に、吸い込まれていく様に消えていった。

 

 

 

 時間は進んで、次の日の朝。

景太郎とひなたガ−ルズ一同は、動きやすい服装とナップサックを背負って、ひなた荘の玄関前に集合していた。

 

「さてと、そろそろ行こうか?」

 

「そうね」

 

 そして、景太郎達こと山菜採集隊は、ひなた荘の裏山目指して歩き出した。

先頭は景太郎&なる、次にしのぶ&むつみ、スゥ&サラ、最後にキツネ&素子である。

・・・もちろん、景太郎は荷物持ち係だ。

 

「ははっ・・・やっぱりこうなるワケね・・・(溜息)」

 

 ・・・当たり前だろ、景太郎。 女の子に、重い荷物を背負わす気か、君は?

そして、なる達の文句を聞き流しながら、ひなた荘の裏山を登ること三十分。

景太郎達は、山の中腹にある開けた土地で、手分けして山菜を摘んでいた。

 

「ねえ景太郎、この木の芽食べられるかな?」

 

「えっ−と、ちょっと待って・・・うん、これはタラの木だよ。 新芽はテンプラにすると美味しいって書いてある」

 

 刺の生えたタラの木の新芽を手に、景太郎に尋ねるのはなるで、

ポケット山菜図鑑を右手に持ち、木と図鑑に載っている写真を見比べながら言うのは、景太郎である。

 

「そう? じゃあ、摘むわよ」

 

 とげのある木を注意深く避けながら、新芽を摘むなる。

タラの芽には特有の香りと苦みがあるので、人によっては好き嫌いがハッキリと出ます。

最近の日本では、ス−パ−でも手に入る様になりました(とっても高いけど)。

 

「結構採れたね、これでノルマは達成かな? でも、ス−パ−のビニ−ル袋一杯っていうのがね・・・」

 

「そうね。 全く、キツネも言ってくれるわよねぇ。

 各ペアは、ス−パ−のビニ−ル袋一杯に山菜を摘んでこないと駄目なんて・・・。

 でも、タケノコが取れたのは嬉しい誤算だったわね」

 

 山菜で一杯になったス−パ−の袋を見ながら、悪態を付く景太郎となる。

せっかく山菜を採るんだったら、たくさん取らんとアカン!というキツネの意見により、

各ペアはス−パ−のビニ−ル袋一杯というノルマが言い渡されたのだ。

 

「でも・・・一番不安なのが・・・」

 

「スゥちゃん&サラちゃんのペアなのよね・・・」

 

 景太郎となるは顔を見合わせると、そろって溜め息を付いた。

あの二人が、ちゃんと食べられるモノを取ってくるのか心配なのである。

彼女らイタズラコンビの被害に毎回会っている景太郎だけに、これ以上の災難は勘弁して欲しかったりする。

 

「あらぁ? そこにいるのは浦島くん達じゃないですか」

 

「見てくださいセンパイッ、こんなに取れたんですよ!!」

 

「みゅッ!」

 

 そこに、タマを乗っけたむつみ&しのぶペアがやって来た。

もちろん、彼女達も山菜がたくさん入ったビニ−ル袋を持っていた。

ちなみに、彼女達が取ってきたのはゼンマイである。

 

「うわっ、こんなに取れたの? 煮物にしたらおいしそうだね」

 

「すごいじゃない、しのぶちゃん。 今日は御馳走ね!」

 

 景太郎もなるも、手放しの喜び様だ。 確かに、今日の晩御飯は御馳走だろう。

 

「センパイ達も凄いですよ、こんなにタラの芽をつんで・・・。

 あっ、タケノコまであるッ! これは料理の作り甲斐がありますねっ」

 

「あらぁ、今日はお酒の肴がたくさんありますねぇ」

 

 もちろん、それはしのぶ達にも言える事だ。

四人は、今日の山の幸づくしの晩御飯に思いを馳せていた。

いいなぁ、僕も食べたいよ、山菜料理。

 

「け−たろ、ウチらの事も忘れるんやないで。

 ウチらだって、ちゃんとノルマは守ってきたんやからな」

 

「・・・・・・(本当にこんなので、ノルマ達成になるのだろうか?(汗))」

 

とそこにキツネ&素子ペアも戻って来た。

グッ、と自信あり気にビニ−ル袋を景太郎に差し出してみせる。

 

 ・・・その袋には、ワラビやらゼンマイやら山菜のパック詰め(笑)が入っていた。

 

「・・・・・・(汗)」×景太郎達三人

 

「キツネ・・・あんたの取ってきたワラビって、パック詰めで生えてたの?(汗)」

 

「そうや、これみんな、近所のス−パ−に生えていたんやで。 盲点やろ」

 

 こめかみに青筋を浮かべているなるが、キツネに静かに尋ねる。

それに対し、キツネはすました顔で笑っている。

 

 でも・・・ス−パ−に生えていたっていう事は・・・

売り物を買ってきたという事になるんじゃないのだろうか?(汗)

・・・山菜取りでは無いような気がするのだが・・・。

 

「な、なる先輩、気持ちはわからなくもないですが、抑えて抑えて」

 

 慌てて、殺ル気マンマンななるを宥めるしのぶ。

しのぶがなるの事を止めなければ、なるはキツネにギャラクティカマグナム(汗)を

かましていただろう。

 

「・・・もういいわ。 スゥちゃんとサラちゃん・・・ッ!?」

 

 呆れたなるがそこまで言った時、なるの目の前の地面がモコモコと動き出した。 怪訝な顔をして覗き込む一同。

 

「・・・・・・?」×全員

 

 ボコッ!!

 

「「呼んだ(ん)か?」」

 

 ・・・その声と共に、全身土塗れのスゥとサラのイタズラコンビが生えてくる。

もちろん、頭にはヘッドライト付きヘルメットを被った正統派探検スタイルだ。

 

「「ひいいいいいいいいいいいいッ!? な、何で地面から出てくるんだ(のよ)、スゥちゃん!!」」

 

 突然モグラの様に地面から生え出てきたスゥとサラの二人に、驚愕の声を上げる景太郎となるの二人。

しのぶは余りの驚き様に泡拭いて失神しており、むつみさんに到っては魂が抜け出ていたりする(笑)。

 

「キノコ見つけてきたで−!!」

 

「見つけてきたぜ−、山菜。 ほら、これでいいんだろ?」

 

 そんな景太郎&なるペアを尻目に、スゥ&サラペアは戦利品を広げる。

ちなみに、彼女達が見つけてきたものはというと・・・。

 

 

スゥが取ってきた物リスト

 

 

ニガクリタケ/その名の通り、すごく苦い毒性の高い毒キノコ(大汗)。

 

マジック・マッシュル−ム/食べると幻覚作用(汗)が見られる毒キノコ。

 

ムネ茸/ごぞんじ、あの口喧しいオカマ言葉を喋るキノコ。 某戦艦でしか成育しない珍しいキノコ。

 

セイカクハンテンダケ/日本のごく一部、隆山でしか成育しない特殊な毒キノコ。 

その名の通り、食べると性格が180度反転する。

美人で、偽善者なお姉さん(爆)が栽培しているという説アリ。

 

ドリアン/ごぞんじ、果物の王様。 犬のカリントウみたく(汗)凄く臭いのが特徴。

でも、とてもおいしいらしい(食べた事はないけど)。

 

 

・・・話は脱線するが、同時刻の隆山・某柏木家。

 

 ピシッ! ←持っていた湯飲みにひびが入る音(汗)

 

「ど、どうしたの千鶴姉? なんかあったの?(汗)」

 

「なんでもないの、梓。 ・・・ただ、誰か私の悪口を言っていたの・・・(怒)」

 

「ち、千鶴さん、どうかしたの?(汗)」

 

「こ、耕一さん・・・そんなに見つめちゃイヤですぅ♪」

 

「・・・姉さん・・・(汗)」

 

「お姉ちゃん・・・(汗)」

 

 ・・・ブリッコ(古!)している女性を、呆れた目で見ている四人の姿があった。

女の勘とは恐るべし・・・。 まぁ、エルクゥだからかもしれないけど。

 

 

 とまあ、話の場面は隆山からひなた荘裏山に戻る。

 

 

サラが取ってきた物リスト

 

 

トリカブト/地下茎に、呼吸器系統を侵す猛毒がある植物(汗)。

 

マンドレイク/地中海地方に自生するナス科の有毒植物(別名マンドラゴラ)。

 

ドクゼリ/その名の通り、セリに似た猛毒の毒草。

 

ラフレシア/熱帯地方に咲く、世界最大の花(食えんのか、これ?(汗))。

 

 

 ・・・以上、全部毒のある、もしくは不気味な植物(キノコは菌類だけど)である。

ちなみに、セイカクハンテンダケムネ茸以外は、ちゃんと実在します。

 

「・・・・・・(大汗)」×全員

 

 背中に、スウッと冷たい汗を流す景太郎達。

下手したら、「ひなた荘住人、毒キノコで中毒死!」とかいう見出しで

新聞の三面記事を飾ってしまうかもしれないからだ。 ・・・ハッキリ言って、もの凄く恥ずかしい。

 

「・・・何考えているんだよ、スゥちゃんにサラちゃん(汗)」

 

「このセイカクハンテンダケっていったい・・・(汗)」

 

「・・・センパイ、このドリアンっていう果物、すっごく臭いです−・・・(涙)」

 

「なんやねん、このマンドラゴラっていうのは・・・(汗)。

 なんで地中海の植物が、ひなた荘の裏山に生えているん?」

 

「・・・いったいどうなっているんでしょうねぇ?」

 

「ラフレシア・・・って、熱帯の植物だろう! あまつさえドリアンまで自生するとは・・・。

 ひなた荘の裏山の生態系は、いったいどうなっているのだ・・・(大汗)」

 

口々に疑問を言うひなた荘の住人達。 気にしてはいけません、胃に穴が空くからね。

 

「・・・取り合えず、これは全部捨てていこう。 俺はまだ、死にたくない」

 

「異議無し・・・」×スゥ&サラを除く全員

 

「「ええっー!? 何で(や、だよ)?」」

 

 スゥ達二人が取ってきたモノをその辺に捨てる景太郎。

なる達も進んで手伝う。 ラフレシアなんて食わされた日にゃねぇ・・・。

ちなみに、ラフレシアの半径一メ−トル付近は、公衆便所みたいな匂いがするらしい。

・・・まぁ、要するに凄く臭いということである。

 

〔ちょっとッ! アタシまで捨てるのッ!?〕

 

「うるさいキノコやなぁ・・・。 そうゆうヤツはこうやッ!」

 

 シュボッ!!

 

 ギャァァァァァァァ・・・・・・ ←ムネ茸の断末魔(汗)

 

〔ま、まだまだ・・・〕

 

「いい加減にしなさいよっ! 私はキノコは嫌いなのっ!!」

 

 ドガッ!

 

 キラァン ←ムネ茸がお空のお星様になった音(笑)

 

 ・・・途中、うるさく騒ぎ立てるムネ茸をキツネのライタ−で焼却処分したり

なるの鉄拳パンチでお空のお星様にしたりしながら(汗)、彼らは山を下っていった。

・・・しのぶの作る晩御飯を、楽しみにしながら。

 

 

 ・・・みなさん、自然を大切にしましょうね。 ○リ−ン○−スから苦情が来ても、知らないよ僕は(汗)。

・・・あれ? グ○ーンピー○って、海だけだったっけ?

 

 

 

 後編に、続くッ!