< 時の流れに >

 

 

 

 

 

第十七話.それは「遅すぎた再会」

其之四 正義、とは・・・

 

 

 

 

 

 

 シュゴォォォォォ!!

 

 俺の目の前を、凄い速度で疾走する漆黒の機体。

 連合軍からは英雄と呼ばれ。

 あの木星蜥蜴達からは、悪鬼と恐れられている。

 

 テンカワ アキト・・・それがこの漆黒の機体のパイロットであり。

 ナデシコが出航した時からの、俺の友人だ。

 

 

 

 今、俺達は錯乱した提督が持ち出した、新型エステバリスの回収に向かっている。

 自分で言うのも何だが・・・この新型エステを扱える奴は、限られていると思う。

 実際、今も俺は機体の制御に精一杯だ。

 

 これでも、特訓を始めた2週間前より大分マシになったんだがな。

 

   ゴォォォォォォ!!

 

              シュバァァァァァァァ!!

 

 俺の機体の隣を、白銀のエステと赤いエステが競う様に飛んで行く。

 迫り来る小惑星を、最小限の回避行動で避けていく。

 その技は・・・見事としか言い様が無い。

 完全に、この新型エステを操っている証拠だ。

 

   ガゴッォ!!

 

 俺は、自分の目の前に迫った5m程の大きさの岩石を、ディストーション・フィールドを纏った拳で砕く。

 ・・・これで、また少しロスタイムだな。

 彼女達との距離は、悔しい事に少しずつ開いていく。

 

 もっとも、あの漆黒の機体は既に視界にすら無いけどな。 

 

 そう・・・あの二人の上達は凄かった。

 俺達のスタートラインは、全員同じだった。

 だが、彼女達はお互いをライバルと認め・・・互いに競い合い、鍛錬を積んでいた。

 そして、その頃の俺は・・・・

 

 迷っていた。

 

 

 

 

 俺が、休憩室でコーヒーを飲みながら考え事をしていると。

 アキトの奴が部屋に入って来て、俺に話し掛けてきた。

 

  シュン!!

 

「どうしたんだよ、ガイ?

 近頃、元気が無いみたいだけど?」

 

「・・・なあ、アキトは始めから知ってたんだろ?」

 

 手に持つコーヒーのカップを弄びながら・・・

 俺はアキトに、今まで感じていた疑問を問いただす。

 

 コイツは・・・木星蜥蜴の正体が同じ人間、という事を知っていた。

 

「まあ、な。

 何時かは話すつもりだったけど、今回のは唐突すぎたかな?」

 

「当たり前だろ・・・俺の正義はどうなるんだ!!」

 

 俺は腹いせに、目の前のテーブルに思いっきりカップを叩き付ける!!

 

 

  バァン!!

 

 

 カップ自体はプラスチック製の為に割れないが。

 中身のコーヒーがテーブルの上にこぼれる。

 

「・・・黙っていた事には理由があるんだ。

 確かに皆を騙していたかもしれない。

 そうだな・・・それならガイ、一つ聞いていいか?」

 

「何だよ。」

 

 俺はアキトからソッポを向きながら、返事を返す。

 

「正義の定義は、一つしかないのか?」

 

「はあ?」

 

「俺には俺の、ガイにはガイの正義があるだろう?

 俺は自分の正義を、他人に押し付ける気は無い。

 だから自分の主張が絶対の正義だと、馬鹿な事を断言はしない。

 そもそも・・・俺は自分が正義の味方だと、思った事なんてない。」

 

 ・・・俺を正面から見詰めながら、そんな事を言うアキト。

 

 絶対の正義は存在しない?

 なら、俺の信じた正義も幻だと言いたいのか!!

 

「この戦争が終った時・・・ガイがその終わり方に納得出来たなら、それが正義だ。

 そういうモノだろ、正義なんて?

 もともと明確な形なんて、無いんだから。」

 

   シュン!!

 

 そう言い残して、アキトは休憩室から出て行った。

 おれは無言で、アキトの背中を見ているだけだった・・・

 

 

「俺が納得する戦争の終り方・・・そんな事、考えた事なかったよな。」

 

 俺は・・・地球の平和を守りたかっただけだ。

 実は、ただ正義の味方に憧れたいただけで、戦争の意味を考えていなかっただけもしれない。

 

 謎の木星蜥蜴から地球を守る正義の味方

 

 そう、それは他人に押し付けられた正義だ。

 

 そして、それをアキトは指摘した。

 俺の信じている正義は、所詮は幻だと。

 

「そうだよな・・・そんなに都合良い話、世の中には無いよ、な。」 

 

 多分、アキトの奴も悩んで悩んで・・・悩み抜いて、和平の結論を出したんだろうな。

 なら、俺は・・・

 

 アキトの考えている正義を見届けてやる。

 目標を失ったのなら、新しい目標を探せば良い。

 幸い・・・目標にするには最高レベルの奴が、側にいるじゃないか!!

 

「俺は・・・俺の正義を見付けてやる!!」

 

 その日以降、俺は迷いを忘れて訓練に集中した。

 ・・・お陰で、何とかあの二人の足手まといにならないレベルにはなれた。

 

 

 

 

 

 そして、今・・・

 

「お〜い、アキト。

 提督は見付かったのか?」

 

 通信ウィンドウを開いて、アキトを呼んでみる。

 俺の少し前には、アリサとリョーコのエステが停止している。

 そして、その三人の機体の足元には動かない新型エステ。

 どうやら、提督は加速時のGで気絶をしたみたいだな。

 まあ、素人にはキツイだろうからな。

 

 それにしても・・・何かあったのか?

 

 ピッ!!

 

 アキトが通信ウィンドウに出る。

 しかし、その顔は緊張に引き締まっている?

 

『・・・提督は無事だ。

 ついでに、余計なオマケを見付けたけどな。』

 

 オマケ?

 何だよそれは?

 

 その時、アキト以外の声が通信ウィンドウを通じて聞こえてくる。

 

『言ってくれるな、テンカワ アキト。

 俺はお前と戦う事を、一日千秋の想いで待っていたのにな。』

 

 その声は・・・あの記録映像で聞いた・・・

 

『俺としては、その想いはお断りしたいな、北斗・・・』

 

 随分と形が変わったが、あの真紅の機体が、漆黒の機体の前に立ち塞がっていた。

 

 

 

 

 

 

「くくく・・・まあ、そう言うなよ。

 俺としては、お前に会うためだけに、一人で艦から飛び出して来たんだからな。」

 

 俺は歓喜に震える声で、目の前の漆黒の機体に通信をする。

 まあ、三匹ほど煩そうな虫がいるが・・・

 俺とテンカワの戦いの邪魔をするなら、2秒で殺してやるさ。

 

『・・・随分と、形が変わったな。』

 

「ん? ・・・・ああ、コイツの事か。」

 

 一瞬、テンカワが何を言ってるのか、理解出来なかったが。

 待てよ、そう言えば・・・

 

 俺は、機体の改修をした事を思い出した。

 以前より装甲を削り、機動性をアップさせたのだ。

 DFSを使用して戦っている限り、装甲など無いのと同じだ。

 そう言って、俺はこの機体の軽量化を命じたのだ。

 

「これが正式版らしいぞ。

 ま、人様から盗んできたパーツを組み合わせただけの機体に。

 一々、大袈裟な事をするもんだ。

 そう思わないか?」

 

『・・・』

 

 俺は砕けた口調で、テンカワに話し掛ける。

 しかし、テンカワが隙を見せ様ものなら・・・その場で切り殺してやるよ。

 だが、流石にそんな隙は見せないな。

 

 そうでなければ、面白く無い。

 

「この機体にも、一応名前があってな・・・『ダリア』という花の名前が、な。

 何でも花言葉が、「華麗」、「優雅」、「威厳」・・・

 ここまで言われた時、名付け親を殴り殺すつもりだったんだが。

 最後に、「不安定」と「移り気」という言葉があってな、それが気に入ったんだよ。

 だから、この名前を付ける事にした。」

 

 俺は、あの時のアイツ等の顔を思い出して笑った。

 あの怯えた顔が俺の心を満たす。

 アイツ等からすれば、俺の行動は理不尽の塊なんだろうな。

 だが、俺は俺の生き方を変えるつもりは無い。

 でなければ、それは俺の死を意味する事だからな。

 

『何時まで無駄話をするつもりだ?』

 

「おっと、済まん。

 俺にとって、あの艦は牢獄みたいなものでな。

 テンカワくらいにしか、愚痴を言えないんだよ。

 さて・・・始めるか。」

 

         ドゥンンンン!!

 

            ガオォォォォンン!!

 

 俺の『ダリア』とテンカワの漆黒の機体が、その場から飛び立つ。

 例の三匹は、俺達の突然の行動に付いてこれず、その場で固まっている。

 

 ・・・いや、あの足元の機体を回収しようというのか?

 

 なら、俺とテンカワの動きが少なくとも見えた・・・と、いう事か。

 ふふふふ、少しは雑魚共でも遊べそうだな。

 2秒で全滅、を訂正してやる。

 

 もっとも、1分はいらないと思うがな。

 

 

「中々、良い腕のパイロット達じゃないか!!」

 

   ガオォォォォォンン!!

 

          バシィィィンンン!! 

 

 俺のDFSの一撃を、テンカワもDFSで受け止める。

 

『お前と戦う事は・・・永遠に無いと思うがな!!』

 

 俺の攻撃を受け流し・・・半回転をしながら、蹴りを繰り出すテンカワ!!

 

「はっ!! 嬉しい宣言だな!!」

 

                  ガシィィィィ!!

 

         ドゴゥゥゥゥ!!

 

 テンカワの蹴りを、片手で弾きつつ俺はカノン砲を撃つ。

 しかし、その近距離での俺の射撃を、逆に距離を縮める事で防ぐテンカワ!!

 

                ガッ!!

 

                           バシィ!!

 

       ギリギリギリ・・・

 

 俺のカノン砲を拳で弾き飛ばし・・・

 再び殴りかかってきた拳を、俺は自分の手の平で受け止める。

 そして、そのままお互いに力比べに入る。

 

 ・・・馬鹿にしているのか?

 

「おい・・・本気で戦え。」

 

『・・・悪いが、これでも本気だ。』

 

 テンカワのその発言を聞いた瞬間!!

 俺はテンカワの機体の拳を握り潰した!! 

 

                   ギリリリィ・・・

 

             バギィィィン!!

 

『くっ!!』

 

        ゴゥゥゥゥ!!

 

 俺に拳を砕かれ、その場から一旦退避をするテンカワ。

 

「テンカワ・・・貴様、まだ完全な小型相転移エンジンを積んでいないのか。」

 

 呆れた口調になってるのが、自分でも解る。

 俺の『ダリア』には、既に完全版の小型相転移エンジンが搭載されてる。

 なのに、オリジナルの方が未だ未搭載とは・・・

 

 笑えない冗談だ。

 

『ま、こちらにはこちらの都合があるからな。

 大体、今回の遠征は新型エステのテストが目的だ。』

 

 ふん、準備不足と言う事か・・・

 

 まあ、俺も例の企業の女スパイの情報を聞いて、直ぐに飛んで来たからな。

 テンカワにとっては、予想外の出来事なのだろう。

 今のテンカワなら、苦戦はしても死闘にはならない。

 

 つまり・・・殺せる、って事だ。

 

 だが・・・ここでテンカワを殺すのはつまらん、な。

 しかも、ハンデで勝つなど俺のプライドが許さん。

 

 何より、こんな理由で俺とテンカワの戦いを終らせるつもりは無い。

 テンカワは俺が全力で戦える、数少ない・・・いや、唯一の存在だからな。

 その価値は、俺にとって木連の存亡より重い。

 

「・・・興醒めだな、まったく。」

 

 仕方が無い、今日は俺の操る『ダリア』のテストも兼ねていたからな。

 ここは見逃すか。

 

 それに、好物は最後まで我慢した方が・・・

 美味さを増すというものだ。

 

『そいつは、どうも。』

 

 俺とテンカワが睨み合った状態の時・・・

 思わぬ乱入者が現れた。

 

 ピッ!!

 

『北斗様!!』

 

「なんだ・・・来たのか、お前。」

 

 俺の通信ウィンドウに映ったのは・・・

 舞歌の直属の部隊である、『優華』の千沙と言う名の少女だった。

 

『なんだ・・・ではありません!!

 どうして、私達を置き去りにしたのですか!!』

 

 しかし・・・煩い女だな。

 そんな事をお前達に、何故報告しなければならないんだ?

 

「別に・・・普通に飛んで来ただけだろうが?

 俺に付いて来れない、お前達が未熟なんだよ。」

 

 煩わしいが・・・殺す訳にはいかない。

 一応、舞歌が俺の監視の為に配属した部下だからな。

 

 それに、舞歌の泣き顔は俺も苦手だ。

 

『そ、それは・・・確かに認めますが。

 ですが!! 私達が舞歌様より授かった任務は・・・』

 

 この時、『ダリア』のレーダーに敵機の反応が映った。

 ・・・援軍、か。

 

 これは・・・面白くなりそうだ。

 

「ふっ・・・お前達に丁度お似合いの敵が来たぜ。

 任務と言うのなら、アイツ等の相手をしてやりな。」

 

 俺が指差した先に、新しい敵が四機現れた。

 

 

 

 

 

 

  ドゴォォォォォォ・・・

 

              ガゴォォォォォ・・・

 

 

 ここから少し離れた場所で、瞬く光・・・

 美しい光景だが、その光は人の命を容易く奪う。

 そう、今この瞬間にもテンカワの仲間と、『優華』部隊の死闘は続いていた。

 

「・・・助けに行かないのか?」

 

『お前をこの場で自由にするものか。

 それに、俺は仲間の腕を信用している。』

 

 俺の問いかけに、無愛想な声で返事をするテンカワ。

 ま、確かにその通りだ。

 テンカワの事は今回は諦めた。

 だから、暇つぶしにテンカワの仲間を皆殺しにするつもりだったのだが。

 

 ・・・その事に気が付いたのか、俺の行動を悉くテンカワは封じていた。

 

 つまらん、な。

 だが、暇つぶしの種はまだ存在する。

 テンカワも・・・忘れているみたいだがな。

  

   ブォォォォォォォンンン!!

 

『何をするつもりだ!!』

 

 DFSを発動させた俺に、誰何の声を掛けるテンカワ。

 

「知りたいか?

 ・・・まあ、射的かな。」

 

                  ドシュウゥゥゥゥ・・・

 

 俺は笑いながら、標的に向けてDFSの刃を発射する。

 留めておくだけでは無く、こういう使い方もDFSにはあるのだ。

 威力も、凝縮してあるぶん戦艦のグラビティ・ブラスト並だ。

 

『何を言って・・・!!』

 

       ドガァァァァァンンン!!

 

「惜しいな・・・後1m程右か。

 やはり精度には欠けるな。」

 

 俺は標的を外した事に、少し苛立つ。

 まだ微妙な操作が出来ていない。

 ・・・今後の課題、だな。

 

「さて、次は・・・当たるな。」

 

 そう宣言をしながら、俺はDFSに赤い刃を発生させる。

 

 ブゥオォォォォォォォ!!

 

『くっ!!』

 

           ゴゥゥゥゥ!!

 

 俺の台詞を聞いて、急いで標的の元に向かうテンカワ。

 はははは、そうこなくては面白く無い!!

 

「さて・・・何処まで凌げるかな?」

 

  ドシュウゥゥゥゥ!!

 

              ドシュゥ!!

  

                        ドォォォォ!!

 

 俺の放った三発の赤い光刃を、テンカワが標的の前でDFSを使い、弾き飛ばす。

 

『北斗!!』

 

                       バシュ!!

 

              ドシュッ!!

 

             バッ!!

 

「お見事。」

 

 俺はコクピットの中で拍手をしていた。

 やはり、テンカワとは遊びすらも楽しい。

 俺の遊びは常に死と隣り合わせだからな、中々相手をしてくれる人物はいない。

 

 相手をした奴は、大体三秒後には死んでしまうしな。

 

「さて・・・次は、五連発でいくか。」

 

 そして、俺が次の攻撃の準備をしていると・・・

 

 

『・・・守るべき正義は、厳然として存在する!!』

 

 

「・・・何だ?」

 

 目の前の標的・・・先程、テンカワが救出にきていた機体から、通信が入った。

 いや、全方向に向けて発信をしているのか。

 

『提督!!

 気が付いたのなら、早く逃げてくれ!!』

 

 テンカワが背後の機体に通信を送る。

 しかし、俺に対しては隙を見せない。

 

 ふははは、そうじゃないとなテンカワ・・・

 もっとも、逃げるその機体を背後から打ち抜く事など、造作も無いが。

 さて、テンカワはどんな行動を取るのか?

 

「そう簡単に・・・逃げられると思うか!!」

 

   ドシュシュシュシュ!!

 

 牽制を兼ねて、素早く四連発で光刃を打ち出し・・・

 ラスト!! これは大きいぞ!!

 

             ドゴォォォォォォォウウウウウウウ!!

 

 先程の光刃より、二倍の大きさを誇る光刃を打ち出す!!

 

 さて、凌ぎきれるかな?

 そして、後ろの味方機が逃げなかった為、その場で俺の攻撃を捌くテンカワ。

 

『それしきの・・・攻撃!!』

 

                      ガシュ!!

 

          ドス!!

 

 最初の二発を、素早く消し飛ばす。

 

 

『・・・そして、それを阻もうとする悪もまた然り!!』

 

 

『提督!! 話は後で聞く!!

 今は、早くこの場から逃げろ!!』

 

                   ドシュ!!

 

                               ザン!!

 

 そして、牽制の刃を全てテンカワが切り払い・・・

 さあ、メインディシュだ!!

 

           ドゴォォォォォォォォォォ!!

 

『く!! ・・・バーストモード!!』

 

  フィィィィィィィンンンンン!!

 

 やはり、完全版のエンジンと不完全版では差があるようだ。

 俺の攻撃を、テンカワはバーストモードを使って凌ごうとしている。

 まあ、これしきの攻撃であのテンカワを倒せるとは、俺も思ってはいない。

 

 これは、思い付きの暇つぶしだからな。

 

 少しずつ・・・俺の赤い光刃をテンカワが消していく。

 もうそろそろ、終わりか。

 

 さて、次は何で暇つぶしを・・・

 

 

『私の正義にとって・・・

 テンカワ アキトの存在は悪なのよ!!』

 

 

     ドシュゥゥゥゥゥゥ!!

 

 

 ・・・一瞬、俺の中の時間が止まった。

 

 いや、多分この戦場にいる全員の時が止まっただろう。

 

 俺達が見た光景は、それ程に衝撃的だった。

 

 

『死ね!! 死ね!! 死ね〜〜〜〜〜〜!!』

 

 

      バシュ!!

 

                 バシュ!!

 

                        バシュゥゥゥゥゥ!!

 

 

 背後の味方に撃たれ・・・破壊されていくテンカワの機体。

 俺は、最初の一撃がコクピットを貫いているのを目撃していた。

 

 

 そして・・・狂った男に蜂の巣にされた、テンカワの機体は。

 

 爆発した。

 

 

 

     ドゴォォォォォォンンンン・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

第十七話 その8へ続く

 

 

 

 

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