< 時の流れに >

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 僕達の前には、敵、敵、敵・・・見渡す限りの敵軍だ。

 普段の戦闘の時と、敵の規模自体は変わりが無い。

 少々多いくらいだろう・・・

 

 ただ、こちらには最強の味方が不在で・・・おっと、こんな事を考えていては、またラピス君に怒られるな。

 

『で、どんなフォーメーションで攻めるんだ、ロン髪?』

 

「・・・名前ついては今更、何も言わないけどね。

 部隊を二つに分けるよ。

 一組目がヤマダ君、ヒカル君、カザマ君。

 二組目がリョーコ君、イズミ君、アリサ君。

 僕は二つの部隊のバックアップをするよ。」

 

『・・・で、どうして突撃部隊の俺じゃなくて、お前に『ガイア』が装着されてるんだ?』

 

 不機嫌そうに、僕のエステに装着されている『ガイア』を睨むヤマダ君。

 と、言われてもね〜

 これは譲れない理由があるし。

 何より、『ガイア』の制御をしている、ブロス君が拒否するんだよね・・・ヤマダ君と合体する事を。

 

『ヤマダ〜、自信が無いのなら格納庫に帰りな!!

 レイナとウリバタケの奴が、スパナで歓迎してくれるぜ。』

 

『へっ!! そんな台詞はな、俺の真の実力を見てからほざきやがれ!!』

 

 お互いに闘志を燃やしながら、言い争いをする二人・・・

 いや、まあ気持ちは解るけどさ。

 それと、無言で僕の指示を待って睨んでいる、アリサ君も怖いよ・・・

 何だか猛獣使いになった気分だね。

 

 でも、そろそろ僕の理性も限界かな?

 今回の事は、僕もかなりキたからね。

 特に、あのロバートの爺さん絡みとなると・・・ね。

 

 お、もうそろそろ交戦可能区域だね・・・

 

「じゃあ、パーティを始めますか?」

 

 

『はい!!(おう!!)』

 

 

 そして、七台のエステバリスがナデシコを飛び立った・・・

 

 

 

 

 

 

 

     ドゴォォォォォォォォォォォォ!!

 

 私の目の前で、無人兵器の群れがグラビティ・ブラストによって薙ぎ払われる。

 しかし、無人兵器達の壁によって減殺されたグラビティ・ブラストでは。

 後方に位置するチューリップを、破壊する事は不可能でした。

 

「ラピスちゃん、今は無人兵器の掃討に集中して。

 ハーリー君、ナデシコの防御をお願いね。

 新兵器のディストーション・ブレード(以下D・B)を試す良い機会でしょう。

 メグちゃん、エステバリス隊の緊急回線以外は通信を繋げないで、ラピスちゃん達の邪魔になるから。

 アカツキさん達もアキトに鍛えられた戦士です、その判断を信用しましょう。

 ミナトさん、今から指示するポイントに敵を誘き寄せつつ、移動してください。

 プロスさんはウリバタケさんとレイナちゃんに連絡を取って、補給のタイミングを考えていて下さい。

 イネスさんは医療室で待機、負傷者に備えて下さい。

 カズシさん、この作戦について意見を聞きたいのですが・・・どうしました?」

 

 次々と出されるユリカさんの指示に、全員が急いで作業に入ります。

 ・・・久しぶりの本気モードですね、ユリカさん。

 こんな時は頼もしく見えて嬉しいですけどね。

 

 そして、そんなユリカさんに不意に意見を求められ、驚くカズシさん。

 

「いや・・・見直したと言うか・・・流石と言うか・・・自分の存在意義を問いたくなった。」

 

 何かを話そうとして・・・最後には肩を竦めて降参する、カズシさん。

 

「何を変な事を言ってるんですか。

 それで、こんな作戦なんですけど、大丈夫ですよね?」

 

「・・・また、大胆な作戦だな。

 だが、ラグナ・ランチャーは使用を許可出来ない。

 いや、正確には使えない。」

 

「え!! どうしてですか?」

 

 ユリカさんの作戦がどんなものだったのか、それは解らないけど・・・

 どうやら、肝心な所でストップが掛ったみたい。

 

「良く考えて見ろ、艦長。

 こんな人の住む生活圏内で、マイクロブラックホール弾なんて使用は出来んぞ。

 それこそ核爆弾を使用したのと同じだからな。

 アレは威力は申し分無いだけに、使用場所は宇宙空間に限られる。

 ・・・まあ、アキトの受け売りだがな。

 今回は予定外の出撃だったからな、艦長に説明する暇が無かったんだろう。」

 

「・・・ちぇ。」

 

「何か言ったかね?」

 

「いえ、別に。」

 

 ・・・思いっきり、顔が不満そうですよ、ユリカさん。

 もう、見境無しですね。 

 

「じゃあ、ディアちゃんとブロス君に『ブローディア』で出撃して貰いましょう!!

 シュミレーターで戦えるのなら、現実でもOKですよね?」

 

「それも却下。

 あの二人を制限無しで戦わせてみろ?

 本気でこの地域一帯が焦土と化すぞ。

 それに、アキトの許可がなければあの二人と言えども、『ブローディア』は操れんそうだ。」

 

「・・・ぶぅ。」

 

「何か言ったかね?」

 

「いえ、別に。」

 

 ・・・本気を通り越して、狂気の領域に入りかけてるらしいわね。

 その悔しそうな顔が、今は怖いです。

 今度からかう時は、もうちょっと考えてからにしようっと。

 

 私がそんな事を考えている内に、戦場では大変な事が起こっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 幾ら優秀な人間でも、油断もすれば少なからず隙もある。

 そして、そんな最悪のタイミングにこそ、隙は出来やすかった・・・

 

     ゴゥゥゥゥゥゥ!!

 

                    グワァァァァァンンン!!

 

『きゃあ!! どうして私にだけ集中攻撃?』

 

 少し・・・そう、ほんの少し突出したヒカル君に向けて、周囲の無人兵器が一斉に襲い掛かる。

 自爆覚悟で特攻をしてくる無人兵器達に、ヒカル君も押され気味だった。

 

『ヒカルさん、援護します逃げて下さい!!』

 

「ヤマダ君、バックアップを!!」

 

『おう!!』

 

 しかし、僕達の援護が届く前に周囲からの一斉攻撃が、ヒカル君のエステに・・・

 

『ちっ!! 『ガンガー』 フルバースト!!』

 

     ギュワァァァァァァ!!!

 

                  ・・・ドン!!

 

 奥の手を使ったフル加速で、一瞬にしてヒカル君の前方に回り込むヤマダ機。

 

『消えろや、雑魚共!!』

 

                             ブゥオン!!

 

          ・・・ドゴゴゴゴゴゴ!!!

 

 そして背に生えた光翼を振るい、ヒカル君の周囲の無人兵器を一掃する。

 しかし、その瞬間に敵戦艦から一斉攻撃が二人を襲った!!

 

         ドゴゴゴゴゴゴゴオオオオオオ!!

 

『きゃあぁぁぁぁ!! しつこい〜〜〜!!』

 

『ぐ、おぉぉぉぉぉ!!

 な、なめるなよ!! アキトの攻撃に比べればこれしきの事で!!』

 

 敵戦艦の攻撃を、器用にも背中の光翼の角度を調節して、左右に捌くヤマダ機!!

 

 テンカワ君や、ディア君達に鍛えられただけあって、彼のディフェンス能力は僕達の中でも一番だった。

 まあ、それだけ撃墜される事が多いのだが・・・こんな事でその経験が活きるとはね。

 

 そして、敵の猛攻を凌ぎきった瞬間。

 僕達の一斉射撃に、敵戦艦は消え去った。

 

『はぁ、はぁ・・・俺はフルバーストを使っちまった。

 残りの時間も少ねえしな・・・文句は無いだろう、アカツキ?』

 

「ああ、ノルマは1つだよ。」

 

 僕に向かって意見を聞いてきたヤマダ君に、そう通達する。

 つまり、フルバーストの残り時間を使って1つのチューリップを落とせ、と言う意味だ。

 

『へっ、言うじゃね〜か。

 なら、俺の実力・・・』

 

『・・・『煌』、フルバースト』

 

    ギュワァァァァァァ!!!

 

「な!!」

 

 驚く僕の目の前に、二機目の天使が現れた・・・もっとも、ヤマダ君を天使扱いするのは気味が悪いが。

 

 

 

 

 

 

「ヤマダさん・・・本当に強くなったわね。」 

 

 ミナトさんが感心した様にそう呟きます。

 確かに・・・ナデシコに乗った時、初めてみたヤマダさんは・・・何と言うか、変な人だった。

 プロスさんにスカウトされたのだから、腕は一流だと思うけど。

 ・・・あのアキトさんが、同時にナデシコに乗った事が不幸だったのかもしれない。

 でも、それ以後もいろいろな不幸に巻き込まれながら、ヤマダさんは戦ってきた。

 そう、私達と一緒に・・・

 

「だって、アキトが認めたパイロットですよ?

 強いのは当たり前、だから頑張ってもらわないとね!!」

 

 ユリカさんの声を聞きながら、私はヤマダさんは今は、何を信じて戦っているのだろう?と思った。

 昔ほどに、「正義」の単語を使わなくなったヤマダさん。

 それはやはり、木星蜥蜴の正体を知ってからだった。

 ヤマダさんは、自分の「正義」を見付けたのだろうか?

 

 人間と戦えるほどの「正義」を・・・

 

『・・・『煌』、フルバースト』

 

    ギュワァァァァァァ!!!

 

 その時、ヒカルさんがフルバーストを使用した!!

 そして、二機目の翼を持つエステバリスが現れた・・・

 

『な!!』

 

『アカツキさん、私の武器はサポートが主体だよ。

 それに、ヤマダ君一人には少しきついだろうし・・・

 さっきのお礼もしないと、ね。』

 

 驚くアカツキさんに、ウィンクをしながら自分の意志を伝えるヒカルさん。

 

『・・・やれやれ、じゃあチューリップ2つ、頼んだよ。

 僕とカザマ君はバックアップをするよ。』

 

 諦めた表情で、ヒカルさんの提案に賛成するアカツキさんだった。

 

『了〜解!!

 さてと、行くよヤマダ君!!』

 

『ちょっと納得がいかないが・・・まあ良しとするか!!』

 

      ゴゥゥゥゥゥゥゥゥ!!

 

                 ドウゥゥゥゥゥゥゥゥ!!

 

 そして、二機のエステバリスが凄い加速を見せ・・・

 敵陣に突入をしていった。

 

 

 

 

 

 

『さてさて、今回初お披露目!!

 ヒカルちゃんの必殺技いきま〜〜す♪』

 

 え!! この距離でアレを使うつもりかい?

 

「カザマ君、電子機器の防御機構を最大にするんだ!!」

 

『もう、やってます!!』

 

 あ、そうなの・・・

 

 僕はばつが悪い顔をしながら、ヒカル君とヤマダ君のエステを見守った。

 そして、ヒカル君のエステが一瞬輝き・・・

 

『盲目の夜想曲(ブラインド オブ ノクターン )!!』

 

       ジジ!! ザザザ・・・

 

 ヒカル君の持つ武器・・・『ノイズ・クラッシュ』が奏でる夜想曲に、僕のエステの外部映像が一瞬乱れる。

 専用の防御機構を備えた僕のエステでもこれだ。

 武器の範囲内にいた無人兵器達は、外部カメラを全て壊された事だろう。

 そして・・・

 

『ヤマダ君、ノルマは2つだよ!!』

 

『任せておけ!!

 ガァイ!! ハイパー!!!!』

 

 きりもみ回転で、混乱する敵の間をすり抜け・・・

 背中の光翼で、敵の攻撃を防ぎつつ。

 ヤマダ君が驚異的なスピードで、チューリップに迫る!!

 

 その右手は一部分とはいえ、あの破滅を彩る漆黒に染まっていた。

 

『ナックル!!』

 

       ゴスゥゥゥゥゥゥ・・・

 

                        ドン!!

 

 そのまま、チューリップに正面から挑み・・・突き抜けるヤマダ君のエステ。

 いや、まあブラッホールに触れた部分から、チューリップが崩れ去るのは解っていたけどさ。

 そのまま、突き抜ける? 

 それ以前に、その状態でフルスロットを入れるかな・・・壁に向かって飛んで行くのと変わらないのに。

 

 多分、彼と僕の常識はレベルが違うんだろう。

 

『よっしゃ!! 次!!』

 

『いけいけ〜!!

 あ、後10秒で私の援護も終るよ。』

 

『それだけあれば、十分だ!!』

 

 結構仲が良かったんだね、君達・・・

 

 そして、7秒後にはヤマダ君は2つ目のチューリップを、見事に真っ二つにしていた。

 まあ、少しは頼り甲斐がでてきたかな、彼にも。

 

 ちなみに、僕が最後に彼を見たのは、フルバーストが終って地表に叩きつけられる所。

 ・・・を、危ないところでヒカル君に助けられる姿だった。

 

 ・・・もうちょっと、後先を考えて欲しいね、彼には。

 さて、残りのチューリップは6つですか。

 

 

 

 

 

 

 

『艦長、と言うわけでこのポイントに二台共停止してるからさ。

 ナデシコの方で何とか、回収もしくは援護してくれない?』

 

「了解しました。

 でも、大丈夫なんですか放置してても?」

 

 ユリカさんが心配そうに、アカツキさんに質問をします。

 

『あ、それは大丈夫だよ。

 周辺の雑魚は片付けたし、アリサ君とカザマ君のライフルで何時でも援護出来るからね。

 後、30分もすれば再起動は可能だし。

 じゃ、僕もそこそこに忙しいから。』

 

 ピッ!!

 

 そう言い残して、アカツキさんからの通信は切れました。

 そして、私達はアカツキさんの示したポイントに向けて、敵を牽制しながら向かいました。

 

「でも、ヤマダさんとヒカルさんのコンビ・・・意外と息が合ってましたね。」

 

「だって、あれだけ毎日練習してたんだもん。

 急な本番でも、十分に戦えるはずだよ。」

 

 私の疑問にラピスちゃんが笑いながら応えてくれた。

 何がそんなに嬉しいのかな?

 

「えへへ、ヤマダさん達が誰も「無理だ」って言わないでしょう?

 昔ならアキトに頼ってる状況だよね。

 私の言った事、ちゃんと解ってくれてたんだって思うとね。」

 

 そう言って、また嬉しそうに笑うラピスちゃん。

 ・・・パイロットの人達と、ラピスちゃんの間に何かがあったみたい。

 でも、ラピスちゃんの表情を見る限り、もう大丈夫なのかな?

 

「メグミさん、やっぱりナデシコの人達って楽しいね。」

 

「・・・私もそう思うわよ、ラピスちゃん。」

 

 私達はお互いに満面の笑顔を作った。

 

 

 

 

 

 

 

「・・・こっちの戦場には近づかないでおこう。」

 

『・・・同感です。』

 

   ドゴォォォォォォォォォ!!

 

                        ズドォォォォォォォ!!

 

『おらおらおら!!

 どうした、もうちょっと手応えのある奴はいね〜のかよ!!』

 

『弱い!! 弱すぎます!!』

 

 ・・・目の前の二人は、ちょっと怖いほど荒れていた。

 まあ、実力から言えばテンカワ君の次を争う二人だし。

 余程の事が無い限り、撃墜されるとは思わないけどね。

 

 ・・・あ、連携攻撃でチューリップをタコ殴りにしてるよ。

 本気で気の毒だな、あのチューリップ。

 

         ズゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・

 

『・・・レールガンと、『赤雷』と『ヴァルキリー・ランス』の攻撃で。』

 

 そう見事にチューリップは沈んだ。

 

 呆れたのか、驚いたのか・・・いまいち判断のつかない声で、そう呟くカザマ君。

 僕も呆れて何も言えない状態だけどね。

 イズミ君は暇つぶしに、周辺の無人兵器を落としてるし。

 

 まあ、彼女にあの二人を止めろと言うのは酷だよね・・・さすがにさ。

 

「人間、やればできるんだね〜、はははは・・・」

 

 僕の残された選択肢は、笑う事だけだって・・・いや、本当にさ。

 さて、これで残りはチューリップが5つか。

 

 今後は三人と合流して、ナデシコの援護を受けながら・・・ん?

 

『アリサ!! 正面にチューリップが二つだ!!

 丁度良い角度だぜ!!』

 

『了解ですリョーコ!!』

 

 おいおい、まだ暴れ足らないのかい君達?

 その飽きること無い闘争心に、僕は戦慄した。

 

『ルナ!!』 『マルス!!』

 

『『フルバースト!!』』

 

                           ギュワァァァァァァァァァァ!!

 

                    ドシュゥゥゥゥゥゥゥ!!

 

 

 そして現れる、二人の戦乙女・・・

 

 あ、駄目だ。

 もう止められないね、これは。

 

『雑魚もろとも消えなさい!!

 『シルバー・ウィンドウ!!』

 

            ドウゥゥゥゥゥゥゥンンンンン・・・

                            ギュワァァァァァァァアアアアアンンンンン!!

 

 腰に『ヴァルキリー・ランス』を構え、渦を巻くまでに密集したディストーション・フィールドを前方に纏い。

 白銀の風が、戦場を駆け抜けた・・・

 

        ドゴゴゴゴゴゴゴ!!

                    ガガガガアアアア!!

                                ババババババ!!                           

 

 白銀の風に触れた無人兵器達は一瞬にして破壊され。

 その勢いを衰えさせる事無く、チューリップを中央から砕く!!

 

 ・・・今度から、アリサ君をからかうのは細心の注意を払おう。

 大人しそうだったけど、実は結構過激だ。

 

『ラスト!! これで決めるぜ!!

 二の太刀『十文字』!!』

 

     ギュン!!

                 ギュン!!

 

 目の前で、左から右、上から下に放った『赤雷』の二つの斬撃が・・・

 赤い十文字の刃となって戦場を飛ぶ。

 

              ゴアァァァァァァァァァァアアアアアア!!

 

 その斬撃は、見事にチューリップの正面に当たり。

 

                             ズガガガガガガガガガ!!!

 

 チューリップを4つに切り裂いてしまった。

 いや、結構なお手前で・・・だって、他に何も言えないでしょうが。

 

『へっ、仕上げは任せたぜアカツキ!!

 

「お、嬉しい台詞だね。」

 

 リョーコ君の檄に思わず頬が揺るむ。

 

『美味しい処を残してあげたんです。

 ・・・失敗したらお仕置きです。』

 

「・・・前向きに善処します。」

 

 アリサ君に釘を刺され、僕は気を引き締めた。

 さて、それでは仕上げに行きますか。

 

「カザマ君、イズミ君、二人を頼んだよ。

 ナデシコはヤマダ君達のカバーで、手が塞がってるからね。」

 

『アカツキさんこそ、気を付けて下さいね。』

 

「ああ、せっかくの檜舞台だからね。

 たまには、僕も最後を格好良く決めさせてもらうよ。」

 

   ゴウッ!!

  

 そう言い残して、僕はナデシコに向けて加速を開始した。

 さて、フィナーレといきますか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第十八話 五日目その4へ続く

 

 

 

 

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