< 時の流れに >

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「久しぶり・・・と言うべきかな?」

 

 俺がそう相手に話し掛けると。

 

『そうだな、約一週間ぶりか。』

 

 相手も返事を返してきた。

 素っ気無い口調だが、その顔にはこれからの戦いに対する喜びが溢れ出ている。

 ・・・どうやら、かなり飢えているらしい。 

 北斗はやはりアイツらしく、今は優人部隊の制服を着ている。

 これが枝織ちゃんなら・・・ワンピースでも着てきそうだな。

 

 おっと、今はそれどころじゃなかったな。

 

「まあ、今更話す事も無いし・・・」

 

『別に、無理に口で話す事はなかろう?』

 

 ブゥィィィィィンンン・・・

 

 お互いにDFSを構え、真紅の刃を生み出す。

 全てを切り裂くその刃を、その場で一振りし――――

 

「そう・・・くるのなら!!」

 

『ああ、いくぞ!! アキト!!』

 

               ドウゥンンンンン!! 

 

 お互いに相手に向かって最大の加速を始める!!

 そして、お互いが振り下ろしたDFSが衝突した!!

 

 

 

 

 

 

   ゴォォォォォォンンンン!!

 

                ズゥン!!

 

 DFSを振り下ろす度に、『ダリア』に鈍い振動が伝わる。

 現在は接近戦だが、遠距離戦になれば俺に不利だ。

 アキトには、一撃で『ダリア』を撃墜できる奥の手がある。

 

 ・・・そう、『ブローディア』の背後にある『ラグナ・ランチャー』だ。

 

 その威力は、ナデシコに乗船していた時に、万葉がシミュレーションで体験したらしい。

 マイクロブラックホールの弾丸を撃ち出す兵器。

 確かに、遠距離戦は避けるべきだろう。

 俺とアキトの間には、明確な実力差は存在していない。

 だからと言って、自ら敗因を増やすつもりは無い。

 一発しか使う事が出来ないと言っても、当たればその場で終わりなのだからな。

 

 もっとも、それ以外の戦闘では負ける要因は無い!!

 

『はぁ!!』

 

      ギュラァァァァァ・・・

 

 アキトの気合の声と共に、『ブローディア』の背中の羽が分離し、俺に向かって飛んでくる。

 この『フェザー』というモノも、厄介なのだが・・・

 

 ――――たまには、あの山崎の奴も洒落たモノを作る。

 

「出番だぞ!!

 『氷雨』『蒼天』『暗尭』『風魔』!!」

 

 ドン!! ドン!!    ドドン!!

 

 俺の呼び掛けに応え、『ダリア』の背中に追加してあったバックパックから、4つの物体が飛び出す。

 そして、『ダリア』の前方の上下左右に展開し、お互いを歪曲場で結ぶ。

 

           バシィィィィィィィンンンン!!

 

 突如発生した強力な歪曲場によって、アキトが放った『フェザー』は全て弾き飛ばされた。

 弾き飛ばされた『フェザー』が、主の下に集うのを見ながら俺は珍しく山崎を誉めていた。

 

「ふっ、意外に使えるじゃないか・・・この『四陣』もな。」

 

 目の前に漂う、4つの八面体のクリスタルを見て俺はそう呟いた。

 薄っすらと白色に輝くのが『氷雨』

 青色の輝きを放つのが『蒼天』

 紅に染まっているのが『暗尭』

 そして、最後に緑光に包まれているのが『風魔』

 山崎の説明によれば、『ダリア』を守る衛星の様なモノらしい。

 

 

 

「・・・相手も、同じ場所で留まってはいない、か。」

 

 俺は『ダリア』を守るように立ち塞がっている、4つのクリスタルを確認してそう呟く。

 『フェザー』による包囲網をひこうとした時、そのクリスタル達は『ダリア』の背後から現れた。

 そして、お互いにディストーション・フィールドで連結をし―――

 強大で強固なフィールドの盾を作り出したのだった。

 

「ディア・・・どう思う?」

 

「う〜ん、信じられないけど・・・

 さっきのディストーション・フィールドは、戦艦を軽く凌ぐ出力だね。

 『フェザー』単体の攻撃力じゃあ、絶対に突破は無理みたい。

 多分、相乗効果によるものだと思うけど?」

 

    ピッ!!

 

『簡単にスキャンしたんだけどね〜

 あのクリスタル、個別にジェネレーターを持ってるよ〜

 『ダリア』からのエネルギー供給を受けて、増幅してるみたいだね〜』

 

 なら、『フェザー』単体の力では本当に勝負にならないな・・・

 

「北斗、随分と趣味の良いアクセサリーだな?」

 

 ピッ!!

 

 俺の呼び掛けに、北斗が直ぐに応える。

 

『まあな・・・兵器の差を埋めるのが、腕の見せ所と言うが。

 ――――同レベルでは純粋にハンデにしかならん。

 そこで、この『四陣』が開発された訳だ。

 その『フェザー』が、俺にとっては一番厄介な武器だからな。』 

 

 そう言いながら、少し憮然とした表情で頭をかく北斗。

 どうやら、本人にとっても少し不本意のようだ。

 

「だが、木連にディア達と同等のAIがあるとは・・・」

 

『勘違いするな、コイツ達は言ってみれば無人兵器の延長版だ。

 入力されている命令は一つだけ―――『ダリア』を守れ。

 これだけだ。

 そちらのチビ達ほどに、ソフト面では追いつけないみたいだな、山崎の奴も。』

 

 なるほど、ディアやブロスのように汎用性を求めたのではなく。

 ただ一つの命令だけを遂行するAIか。

 ・・・本来の戦場では、そちらの方が使い勝手はいいのかもな。

 

「ぶぅ!! 私達がそんな単細胞に負ける訳ないもん!!

 ブロス!! 特攻!!」

 

『了解〜!!』

 

       ギャラァァァァァァ・・・

 

                      ギュラァァァァァ・・・

 

 俺の意思を無視して、上方と下方から『フェザー』の矢が飛ぶ。

 ・・・兵器としては、確かに向かないかもしれないな。

 

    ギュン!!

 

                   ギュギュン!!

 

 しかし、その二つの矢を遮るようにペアになったクリスタル達が、回転しながら『フェザー』を弾く!!

 どうやら、防御能力に長けているのは本当らしい。

 

『これで・・・お互いの腕で決着が着けられるな!!』

 

「そうみたいだな。」

 

      ガシィィィィ!!

 

 一瞬の隙を突いて、俺の間合いに入ってきた『ダリア』を迎え撃つ。

 そして鍔迫り合いの格好になった『ダリア』に向け、俺はそう呟いた。

 

「あああああ!! 何だか腹が立つ〜〜〜〜〜!!」

 

『まったくだね!!』

 

 ・・・ディア達は、むきになってクリスタル達に攻撃をしているが。

 恐ろしい程に頑丈なのだ、このクリスタルが。

 

 『ブローディア』のエネルギー供給を受けて、威力を増す『フェザー』

 単体だが無人兵器以上のジェネレーターを保持する、クリスタル達。

 どうやら、『ダリア』に搭載している小型相転移エンジンを元に大幅に改良をしているらしい。

 優華部隊の操る機体にも、その技術は流用されているだろう。

 

 ・・・まったく、手強くなる一方だな。

 

 今の所、どうやら数と汎用性では『フェザー』の勝ちだが。

 防御能力だけで言えば、クリスタル達の圧勝らしい。

 

『余所見をしている余裕があるのか!! アキト!!』

 

「くっ!! 確かにな!!」

 

 今現在では、ディア達とクリスタル達の戦いは手の出しようが無い。

 そう割りきった俺は、北斗との戦いに集中した。

 

 

 

 

 

 俺の攻撃を捌きつつ、『ブローディア』から蹴りが繰り出される。

 その蹴りを肘で防ぎ、こちらも空いている拳で殴りかかる。

 しかし俺の拳は、頭部に当たる寸前で掌で止められていた。

 

 ・・・お互いの攻撃を、超至近距離で捌きつづける。

 今は『四陣』の事も忘れ、ただアキトとの戦闘に没頭をしていた。

 俺の渾身の攻撃を、唯一捌ける相手―――

 やはり、アキトだけが俺の相手に相応しい。

 アキトは簡単に死なない。

 俺の全てを受け止めてくれる。

 

 今、この時だけは・・・俺は孤独では無い!!

 

   バシィィィィィ!!

 

 どれほどの間、戦っていたのだろう?

 

 俺の放った裏拳を、アキトは手首の部分を掴んで止め。

 アキトのもう片方の手は、俺が掴んでいる。

 

 暫し、お互いの激しい呼吸の音がコクピットに響く―――

 全力を出し尽くすことが、これ程に楽しい事だったとは。

 久しぶりに感じるその感覚に、俺の顔は自然と綻んでいた。

 

『・・・どうも・・・リハビリ相手としては・・・北斗を選択したのは失敗だな。』

 

「何を今更・・・アキトが・・・俺を誘ったんだろうが?」

 

 そう、今回の戦闘では一番最初に、俺とアキトが仲間達の元から離脱した。

 俺としても、アキトとの戦闘に優華部隊を巻き添えにするつもりは無かったので。

 大人しくアキトの後を追って行ったのだ。

 

 ・・・どう考えても、アキトが俺を誘ったとしか思え無いが?

 

『ふうぅ・・・この前の戦闘で受けた傷の治り具合を、確かめようと思ってな。

 余計な心配だったみたいだな。』

 

「本当に余計なお世話だ。

 それに、こんなモノまで贈るとは・・・貴様、本当に俺の宿敵としての自覚はあるのか?」

 

 そう言いながら、俺は自分の腰に挿している武器に目を落とす。

 俺が気が付いたとき、千沙が不機嫌な顔で手渡したモノ・・・

 それは、あの携帯型DFSだった。

 

 そして、俺は通信ウィンドウに映っているアキトを睨む。

 

『・・・餞別、かな?

 お互い、敵の多い身の上だし。』

 

「・・・ふっ、違いない。」

 

 俺はそのアキトの返事に苦笑をする。

 アキトの奴も連合軍や地球の勢力に、多数の敵を抱えていると聞く。

 俺もあの親父を始め、快く思われていない奴は腐るほど思いつく。

 どうせ殺されるなら、自分の納得した死に場所が欲しい―――

 生まれてきてから一度として、自分の道を決める事は出来なかった。

 

 そんな俺には、贅沢な悩みなのだろうか?

 

 

 

 

 

 

 

 視界の片隅に、ナデシコからの帰艦信号が目に入った。

 どうやら、あちらの戦闘は終ったらしい。

 そう、今回の戦闘はナデシコ単体ではなく、連合軍との共同戦線だった。

 俺達は襲い掛かる無人兵器を、次々と破壊していったが。

 ―――最後に現れたのは、優華部隊の皆だった。

 

 そこで俺は残りの無人兵器をユリカ達に任せ。

 北斗を連れ出して、この宙域に誘導をしたのだった。

 他の優華部隊の相手は、アカツキ達がしてくれるだろう。

 

 そして、その無人兵器の殲滅が終った、と先程の通信は連絡してきたのだ。

 あちらが片付いたのなら、俺が北斗を引き止める必要もあるまい。

 それにいい加減、疲れも溜まってきてるしな。

 ここは、最後の勝負に出るか?

 さて、今日も無事に生き残れるかどうか―――

 

 俺は自分でも不思議なくらいの高揚感に包まれながら、北斗への通信を繋ぐ。

 

「さて―――」

 

「このこのこの!!」

 

『ああ!! 

 もう立方体なんて嫌いだ〜〜〜〜〜!!』 

 

「もうそろそろ、お互いに時間が迫って―――

 

「きぃぃぃぃぃぃぃぃ!!

 あの攻撃を避ける、普通? ねえ?」

 

『ディアの照準が甘いんだよ〜〜〜〜〜!!』

 

「既に、無人兵器との戦闘は終ったと通信が―――――」

 

「何ですって〜〜〜〜〜〜〜!!

 こうなったら『ラグナ・ランチャー』よ!!」

 

『え〜〜〜〜!!

 それじゃあ、アイツ等に負けを認める様なもんだよ〜』

 

「・・・」

 

『・・・・取り敢えず、その二人を黙らせろ。

 まともな会話が成り立つとは思えん。』

 

「了解だ。」

 

 俺は憮然とした表情で、興奮状態のディアとブロスを叱った。

 何だか一瞬にして緊張感が途切れたな―――――まったく。

 

 

 

 

 

 

「で、時間がなんだって?」

 

 『ダリア』の周囲には、緩やかに旋回をする4つのクリスタル―――

 このAI達はどうやら動物に例えると、『本能』に近い能力を備えている。

 そしてこのクリスタル達にとって、『ダリア』は守るべき主人と捉えているらしい。

 山崎が言うには、趣味と思い付きでそんなAIを作ったそうだ。

 

 ・・・まあ、実際に役に立ってはいるので、文句は無いが。

 どうにもこうにも、不安だけは絶対に残るな。

 ―――あの、山崎の仕事だし。

 

『あ、ああ―――ゴホン!!

 つまりだな、そろそろ夕飯の時間なので、俺としては食堂に行かないと駄目なんだ。』

 

「ほぅ・・・」

 

 額に青筋が浮き出るのが、自分でも実感できた。

 

「つまり、何か?

 アキトにとって俺との戦いは、夕飯の準備に劣ると?」

 

『あ〜、そう言う訳ではないんだが・・・』

 

 他にどんな捉え方をしろと?

 どうも、アキト本人に質問をするのは無駄のようだ。

 ならば直接―――身体に聞いてやる。

 

「―――羅刹招来」

 

     ガオゥォォォォォォォォォォォンンンンン!!

 

 俺の言葉に従い、『ダリア』がその持てる能力全てを解放する。

 瞬時に高まる、エネルギーの渦が『ダリア』を包み込み――――

 内包するエネルギーが、2対の真紅の光翼となって背中に現れる。

 

『ちょ、ちょっと待て!!

 優華部隊にアカツキ達も、それ程離れていない位置にいるんだぞ!!

 そんな過剰な力を解放したら――――』

 

「そんな事知るか―――死ね。」

 

   ブゥゥゥゥゥゥゥゥンンンン・・・

 

 顔が引き攣っているアキトに向けて、俺は右拳に集中させた歪曲場を解放した。

 

 

 

 

 

 冗談では済まされない北斗の猛攻を、俺は必死に避ける!!

 

    ザシュウゥゥゥゥゥ!!

 

 俺の背後で、かなりの大きさの隕石が両断された。

 

「あっちゃ〜、もう少しずれていたら・・・京子さん、お陀仏だったよ。」

 

 全方位レーダー網を持つディアが、そんな事を呟く。

 どうやら、思っていた以上に皆との距離が縮まっていたようだ。

 

「俺達に一番近い機体は誰だ!!」

 

 北斗の猛攻を何とか凌ぎながら、俺はディアに訪ねる。

 俺も全力で戦えば、近くにいる人が巻き込まれる事は確実だ!!

 

「えっと・・・アカツキさん。」

 

「よし、全力で戦うぞ!!

 『フェザー』展開!! バーストモードスタート!!」

 

 俺は即断即決した。

 既に目の前の『ダリア』は、DFSに膨大なエネルギーを集中させていたからだ。

 決して巻き込まれるのがアカツキだからではない!!

 ・・・一応アカツキなら無事に逃げ切れるだろうと、信用しているからだ!!

 

 そして、ディストーション・フィールドを吸収したフェザーソードを構え。

 俺は北斗と対峙する。

 お互いに、次の一撃で最後の攻撃となるだろう。

 だからこそ、気を抜く事は出来ない!!

 

『沈め!! アキトォォォォォォォ!!』

 

        ドギャァァァァァァァンンン!!!

 

『させるか・・・北斗!!!!!』

 

  ドシュゥゥゥゥゥゥゥンンン!!!

 

 

 俺と北斗の放った極大のエネルギー弾がぶつかり合い―――

 周囲に、凄まじい衝撃波を発生させた。

 

 

  ドウゥン!!

 

『ぐわぁ〜〜〜〜〜〜・・・』

 

 

 ・・・空耳だろう。

 

「・・・アカツキさん、凄い蛇行をしてるよ。」

 

『結構、良い所に攻撃を貰っちゃったみたいだね〜』

 

 え〜い、今は無視だ無視!!

 二人の小声を無視して、俺は集中力を更に高める!!

 その意思に応えるかのように、フェザーソードの輝きが増す!!

 

「がぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

『くぅぅぅぅぅぅぅおおおおお!!』

 

             ドウゥゥゥゥゥゥゥンンンン・・・  

 

  そして、俺と北斗はお互いに凄い勢いで後方に弾き飛ばされたのだった・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さて、このテンカワ君の証言により誰が一番悪いのか判断してくれたまえ。」

 

 包帯で頭部を包んでいる為、普段と人相が変わっているアカツキがそう呟く。

 ・・・いや、確かに無視をした俺も悪いかもしれないけどな?

 あの場合、お前を助ける余裕なんて俺には無いぞ。

 

「やっぱり、アキトさんですかね・・・」

 

 アリサちゃんまでが、呆れた顔で俺を見ている。

 その右拳に見える包帯が、痛々しい。

 

「弁護の余地も無いわね。」

 

 左腕を吊るしたイズミさんが、冷たい目で俺を見る。

 幸いにも、二日程で完治する打撲だそうだ。

 

「・・・まったく、人騒がせだね。」

 

 こちらも、ひびの入った伊達眼鏡を振り回して、俺を責めるヒカルちゃん。

 ヒカルちゃんも、身体に痣を作ったらしい。

 

「もう少し、周囲の状況を確認してから北斗の挑発をしろよな。」

 

 憮然とした顔で、リョーコちゃんも俺を見てる。

 右肩の動きが不自然なところを見ると、どうやら打撲をしたようだった。

 

「アキト〜、俺なんてエステより大きい小惑星に直撃されたんだぞ!!」

 

「・・・その割には一番軽傷だな。」

 

「悪いか。」

 

 『ガンガー』自体は中破だったのに、何故殆ど無傷なんだ、この男は?

 俺はガイの常識を超えた頑丈さに、今更ながら驚きを禁じえなかった。

 ・・・もしかして、無意識のうちに『昂氣』に近い技を使っているのか?

 

「まあ、私は一番離れた位置で戦っていましたので、それほど大変ではありませんでしたが。

 ・・・相手の零夜さんは、衝撃波で吹き飛ばされていましたよ?」

 

 なじるような目で俺を見るイツキちゃん。

 今回の事は、完全に俺の過失と言う事になったらしい。

 

 ・・・反論は、流石に出来無い。

 

「・・・もしかして、自分の致命的なミスに気が付いてないのかい、テンカワ君?」

 

「あ、ああ。」

 

「そうか・・・なら、もう少し女性の扱いと。

 その場を穏便に辞退する言葉を研究したまえ。」

 

      パチン!!

 

 アカツキが指を鳴らすのと同時に、10数名の女性陣が俺の前に現れた。

 

「――――おい。」

 

「さらばだ、テンカワ君。

 君の未来に、幸多からん事を・・・」

 

「縁起でもない事を言うな〜〜〜〜〜〜〜〜!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

第二十話 その3へ続く

 

 

 

 

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