< 時の流れに >

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あれ・・・ここ、何処?」

 

「むっ、う・・・」

 

「何だか、長い夢を見ていた様な気がします。」

 

 正体不明の気絶状態から、三人のパイロットが目を覚まします。

 それを確認してから、私は話し掛けました。

 

「皆さん、お目覚めですかな?」

 

「あ、プロスさん?

 ・・・ここ、医療室?」

 

 私の言葉を聞いてから、周囲を見回して現状を把握するヒカルさん。

 イズミさんも、頭を振って意識をハッキリさせようとしています。

 ・・・カザマさんは、まだ寝惚け眼ですね。

 

「皆さん覚えてられないと思いますが、パイロット全員とルリさん達が倒れて大変だったのですよ?

 まあ、幸いハーリー君が比較的早く意識を回復しましたので。

 ナデシコの運行に支障は無かったのですがね。

 パイロットが全員意識不明という事態は、正直言って―――どうしました?」

 

 私の話も聞かず、頭を捻って何かを考え込む三人。

 その態度を不思議に思い、私はヒカルさんに質問をします。

 

「・・・長い夢を見た、と思う。

 凄く切なくて、悲しくて、やり切れない―――そんな夢だったと思う。」

 

「思う?」

 

 その曖昧な表現に、私は首を傾げます。

 しかし、ヒカルさんも他の二人にも詳しい説明は出来ないみたいです。

 

 ・・・実は、この三人以外にヤマダさんも目を覚ましています。

 そのヤマダさんも、夢を見た様な気がする―――と私に証言をされました。

 それも三人の方と同じ様な感想を、私に述べられています。

 こんな異常事態には、イネス女史が嬉しそうに取り組まれるのですが。

 

 その肝心のイネス女史が、現在意識不明の状態です。

 

 はぁ、困った事になりましたね。

 早く他の人達と同様、イネス女史にも目覚めて欲しいですよ。

 そんな事を思いつつ、私は医療室に寝かされている人達を見渡します。

 

 現在意識不明の人物は10名。

 艦長、イネス女史、ヤガミさん、アカツキさん、リョーコさん、アリサさん、アオイさん、ルリさん、ラピスさん。

 

 そして―――テンカワさんです。

 

 

 

 

 

 

「はぁ、はぁ、はぁ・・・皆、大丈夫かい?」

 

「な、何とか、大丈夫みたいよ。」

 

 僕の問い掛けに返事を出来たのは、イネスさんだけだった。

 やっぱり精神的にもタフだよね、この人。

 

 しかし、先程の『憎悪』は凄かった・・・

 もし、テンカワ君にあんな『憎悪』を叩きつけられたら―――僕は狂ってしまうかもしれない。

 いや、狂ってしまった方が余程楽に死ねるだろう。

 

 ・・・だが、あの『憎悪』を向けられては、逆に狂う事も許されないかもしれない。

 

「ナオさん、もしかして以前私に話してくれた『妹』とは?」

 

「ああ、この娘・・・メティちゃんの事だよ。

 そしてこの事件が、西欧方面軍に出向していたアキトの一番深い傷だ。

 メティちゃんは、ミリアの―――妹だった。」

 

「そう・・・ですか。」

 

 二人がそんな会話をしている間にも、復讐劇は続いていた。

 数多くの軍人を叩きのめし。

 サラ君やアリサ君、それにレイナ君の制止を軽く睨んだだけで無効化し。

 ついに辿り付いた取調室のドア・・・

 その目の前にある、分厚い鋼鉄製のドアを蹴り破るテンカワ君。

 

 部屋の中には怯えた表情の青年と、呆れた顔のオオサキ提督とカズシ補佐官が居た。

 

「・・・殺せ、殺すんだテンカワ!!

 そうだろ? そいつがあの娘を殺す手引きをしたんだ!!」

 

 アオイ君の興奮した声が響き渡る。

 その声を聞いて、逆に僕は冷静になった。

 それはテンカワ君の心の中の怒りが、収まりつつある事を物語ってもいた。

 

 目の前の青年に共感する部分も・・・多々ある。

 その独白に、血の滲むような思いが詰っている事も解る。

 テンカワ君の存在に嫉妬し、嫉み、道を違えた。

 

 今の僕には理解出来るが、テンカワ君がそれ程までに幸せとは思えない。

 何時も迷い、悩み、嘆き、傷付き―――そして前に進んでいた。

 立ち止まって、立ち止まって、それでも前に進む事を決断していた。

 平穏無事とは程遠い、険しい道を常に歩いていた。

 

 そして、テンカワ君は彼を―――サイトウ タダシを許した。

 

「何故殺さない!!

 お前もオオサキ提督と同じ様に腑抜けなのか!!

 そうなのか!! テンカワ!!」

 

 自分とテンカワ君を重ねているアオイ君の叫びが、僕の耳に響いてきた。

 艦長達はアオイ君のあまりの変わり様に、何も声を掛ける事が出来ないでいる。

 本当に変わったね、君も・・・

 

 呪詛の声を上げるたびに、君は孤立をしていく。

 皆からの制止の声に耳を傾けず、想いのままに暴走を続ける。

 ・・・願わくば、最悪の事態になる前に君が正気に返ることを祈るよ。

 

 

 そして、場面はクリムゾンの諜報組織・・・「真紅の牙」との決戦となっていた。

 

 

 地下の一室で対峙する二人。

 そして語られる、テツヤと言う名の男の人生・・・

 

「こいつが・・・チハヤの兄・・・なのか?」

 

 驚愕の事実に、一瞬にして興奮が冷めるアオイ君。

 呆然とした感じの声で、何事か呟いている。

 

 テツヤの人生は復讐で彩られていた。

 また、そのテツヤの人生に共感をするのは・・・テンカワ君の心。

 何故、この男の人生とテンカワ君の人生が重なるのだろうか?

 僕達はテンカワ君の歩んできた、二つの歴史を今まで体感している。

 しかし、テンカワ君の記憶は・・・任意に見れない。

 その時、その時の、テンカワ君の持つ感情だけが、僕達の心にダイレクトに伝わってくるのだ。

 

 一体、テンカワ君の過去に何があったのだろう?

 

 そして、テツヤは笑いながら瓦礫の下に消えた。

 英雄を、父親を、世間を憎み―――嘲笑いながら死んだ。

 彼の復讐は終ったのだろうか?

 

「十数年にわたる復讐劇・・・これが、復讐というモノよ。

 実の父親と、義理の妹すら手に掛け。

 復讐が終った後も、孤独と狂気だけを友に生き続ける。

 アオイ君、貴方にこの生き方が出来るのかしら?」

 

「・・・」

 

 イネスさんのその問い掛けに、アオイ君から返事は返ってこなかった。

 

 

 

 

 

 そして、テンカワ君はナデシコに戻って来た。

 思い返してみれば、この時は純粋に皆と一緒に喜んでいたけど・・・

 この出向の間にも、これだけの事件が彼を襲っていたのだ。

 もしこれが僕だったら―――再び立ち上がる事が出来ただろうか?

 

 

 

 木連が放った、単独ジャンプが可能な有人兵器をテンカワ君のブラックサレナが倒す。

 そして、片方のテンカワ君は自爆寸前の有人兵器と共に跳び。

 もう片方のテンカワ君も、ブラックサレナと共に跳んだ。

 

 月ではナデシコ4番艦シャクヤクを横目に、プラント内の食堂に居たが・・・

 その夜に木連の襲撃があり。

 そして同時にナデシコには木連の暗殺部隊が侵入。

 

 テンカワ君は月の敵を蹴散らした後、ナデシコにボソンジャンプを敢行した。

 そして、あの右目が義眼の男と出会い―――

 

   ドクン!!

 

「くぅ!! 何だよこのドス黒い感情は?

 ・・・これは、『狂気』か?」

 

 リョーコ君の悲鳴が上がり、僕達の心もその黒い感情に塗りつぶされる!!

 

「気をしっかりと持って下さい!!

 アキトさんにとって、この男は・・・宿敵なんです!!」

 

 ルリ君がか細い声でそう忠告するが・・・とても抗えるモノじゃない!!

 

「ぐぅぅぅ・・・駄目だ!!」

 

 その言葉を最後に、リョーコ君の気配が消えた!!

 

「リョーコ!!

 うっ、駄目・・・私も、もう限界・・・で、す―――」

 

 リョーコ君に続き、アリサ君の気配も消える!!

 残された僕達は必死の思いで、自分の心を守っていた!!

 

 

 やがて、場面は切り替わり。

 突然消え去ったプレッシャーを不審に思いつつ、視線を上げた僕達は―――

 

 

 真紅のブラックサレナを目前に捉えた。

 

 

「・・・北斗との初戦闘、か。」

 

 ナオさんのその発言の後、僕には認識する事すら不可能な戦いが始まる。

 あまりの高速機動に、体全体が軋み悲鳴を上げる!!

 

 これが―――本気のテンカワ君の戦闘なのか!!

 

 艦長とイネスさんはまだ辛うじて耐えているが、ルリ君やラピス君からは悲鳴の様な声が聞える!!

 

「ルリ君、ラピス君、我慢をするんじゃない!!

 意識を手放すと何処に消えるのかは解っていないが、下手に我慢をすると精神がやられるよ!!」

 

 僕の忠告に・・・

 

「駄目です!! 私は―――最後まで見届けたい!!

 これは、必ず『あの時』の光景に行き着くのだから!!

 私は知りたいんです!! アキトさんが何を想い、何を考えて私達の元から去ったのかを!!」

 

 ルリ君の叫びには、僕には理解出来ない大きな想いが詰っていた。

 だけど、無茶をした挙句に倒れてしまっては意味が無いじゃないか!!

 現にラピス君は返事をする事も出来ない状態だ!!

 

「アカツキ・・・ルリちゃん達が納得するまでやらせてやれよ。

 アキトとの付き合いが長い分、俺達より複雑な想いがあるんだろうさ。」

 

 ナオさんの忠告と同時に―――

 テンカワ君の操るブラックサレナと、北斗の操るレッドサレナがお互いの攻撃で破損。

 

 そして、エネルギー切れなのだろうか・・・静かに二機の間が開いていく。

 この時のテンカワ君の心には戸惑いと―――歓喜があった。

 それはきっと、自分の同類を見付けたという意味なのだろう。

 

 

 

 

「大丈夫、ルリちゃん、ラピスちゃん?」

 

「はい、大丈夫です艦長・・・」

 

「・・・大丈夫、だもん。」

 

 艦長の問い掛けに、辛うじて返事を返す二人。

 しかし、これほどまでにギリギリの戦闘を、北斗とテンカワ君は何時も繰り広げているのか!!

 道理で、戦闘が終る度に疲れきった顔をしているわけだ。

 僕には北斗の動きを追う事も不可能だった。

 それも『ダリア』ではなく、レッドサレナタイプでしかなかったのに。

 

 木星蜥蜴の正体を知って、怒り狂うテンカワ君と。

 その正体に動じず、僕達を鍛えるテンカワ君・・・

 二つの世界の隔たりは、その隙間を大きくする一方だった。

 

 そして、ムネタケ提督の暴走―――ブラックサレナが爆破される。

 

 その後では、『ブローディア』と『ダリア』の初めての戦闘が始まり。

 再び僕達は、まともに悲鳴も上げることも出来ない状態に陥る。

 

「ル、ルリちゃん大丈夫!!」

 

「負けません!! ・・・絶対に!!」

 

 艦長とルリ君がお互いの意識を保つ為に、声を掛け合っている。

 僕も精一杯の精神力で自分の意識を保っていた。

 

 そして、北斗との決着がつき―――

 

 舞台はピースランドへと移り変わる。

 

 ルリ君のご両親との対面、華々しい舞踏会・・・

 次々に移り変わる映像、そして燃えるような赤毛の美少女が目の前に現れる。

 

「・・・北斗、いやこの時は枝織ちゃんだったな。」

 

「舞踏会の途中、バルコニーで初顔合わせ、か。

 シチュエーションは最高級なのに、この二人には意味が無いね。」

 

 ナオさんの呟きに、ついつい僕は茶々を入れる。

 

「それは・・・そうだろうな。」

 

 ナオさんが僕の意見を肯定している間にも、華麗なステップで踊る二人。

 そして―――枝織ちゃんが、その牙を剥いた。

 

 間一髪で、心臓に繰り出されたナイフを防ぐテンカワ君。

 失敗を悟り、直ぐに逃げ出す枝織ちゃん。

 

 追いかけるテンカワ君とナオさんとゴート君・・・

 その行く手を阻む、優華部隊。

 

「この時、俺はチハヤと出会った・・・

 俺達が出会った事は、間違いだったんだろうか?

 いや―――そんな事は無い!!

 少なくとも、俺は彼女を必要だと感じたんだ!!」

 

 アオイ君のその絶叫を聞いても、僕達は黙っていた。

 それはそうだろう、何を言っても死んだ人は蘇らないのだから・・・

 この問題は、アオイ君が自分で乗り越える壁なんだ。

 

 

 そして遂に巡り合う、北斗とテンカワ君。

 お互いに生身での戦いは初めてだったが、躊躇いも手加減もこの二人の間には無かった。

 

「きゃぁぁ!!」

 

 北斗の一撃を受け、後方に吹き飛ぶテンカワ君!!

 その一撃の重さに、ラピス君から悲鳴があがる!!

 生身の戦いは、機動戦闘の時より遥かに身体への負担が大きいのだ!!

 

 だが、体中に広がる激痛に反比例してテンカワ君の心は浮き立つ。

 自分の全力の一撃を受け止め、また防ぎきる人物の存在を知って。

 

 そして、テンカワ君の視線から見る北斗の顔にも―――艶やかな笑顔があった。  

 

 徐々に加速していく一撃の威力に、テンカワ君の心は喜びに満ちるが。

 僕達には、その痛みは拷問でしかなかった。

 

 そして遂に、精神の過負荷がラピス君の限界を超える。

 

「も、駄目ぇ!!」

 

 最後に、その悲鳴を残してラピス君の気配が消える。

 

「ラピス!!」

 

「ラピスちゃん!!」

 

 ルリ君と艦長の声に返事を返す声は無かった。

 

 

 突如巻き起こる圧倒的な力―――

 それは武羅威と呼ばれる、木連式柔の口伝される奥義だった。

 己の心を力に・・・『昂氣』へと変える業

 その蒼銀の輝きに、僕は限りなく優しく、果てしない孤独を感じた。

 

 そして朱金の輝きを纏う北斗との決着。

 お互いの意識がなくなるまで・・・相手の姿を見失う事はなかった。

 

 

 

 二つの歴史の中で・・・

 最初のテンカワ君は、非力だけど常に笑っていた。

 もう片方のテンカワ君は、絶大な力を持ちつつ―――滅多に笑う事はなかった。

 だが、その超常の実力が無ければ、和平など夢のまた夢であろう。

 

 一体、テンカワ君にとってはどちらの自分が、幸せだと感じているのだろうか?

 

 

 

 

 和平に向けての会談に参加し、無謀な賭けをするルリ君とテンカワ君。

 僕達の事を信頼している二人の言葉に、気恥ずかしいものを感じながらも嬉しかった。

 そして、全てが終った後のデート・・・

 

 ・・・前々から思っていたけど、この二人の会話には何時も隠された言葉が多々ある。

 また、それだけの言葉で通じる仲でもあるのだ。

 しかし、二人が出会ったのはナデシコに乗船した時が初めてだったはずだが?

 

 

 片方が宇宙で一番星コンテストを行い。

 もう片方では、優華部隊を迎え入れ地球でコンテストを行なう。

 優華部隊や北斗の存在等など・・・既に二つの歴史に共通点は殆ど無かった。

 

 

 そして、枝織ちゃんとの追いかけっこ、ホテルでの出来事。

 枝織ちゃんもまた、悩みを抱える女性である事が解った。

 

 朝になって枝織ちゃんの人格から、北斗の人格に変わっているのには本当に驚いたけど。

 

 次の場面は・・・デパートでの襲撃だった。

 

「カエン!!」

 

 アオイ君の怒鳴り声が響く。

 彼には―――忘れる事が出来ない男の一人だろう。

 

 そのカエンとインと呼ばれる男達を相手に、素手のまま互角に戦うテンカワ君。

 テンカワ君が受けるダメージに、僕は自分を見失いそうになりながらも・・・

 その戦いから目を離す事は出来ない。

 

 そして―――

 

「・・・俺に、これだけの実力があったら!!」

 

 望んでも手に入らない・・・

 それが解っていても、望んでしまう。

 アオイ君の呟きには、血を吐くような想いが詰っていた。

 

 北斗との共闘により、クリムゾンの刺客を退ける。

 とても初めてのタッグとは思え無いほど、二人の息は合っていた。

 

 ・・・もっとも、彼等のレベルからすれば、お互いの呼吸を合わす事ぐらい容易いのだろうけどさ。

 

 

 

 

 

 満身創痍の二人をナデシコが迎えに訪れ。

 宇宙に上がったナデシコから、優華部隊は去って行った―――

 

 

 

「そして、この後にあの事件は起った。

 ・・・もう一度、俺にあの場面を見ろというんだな!!

 ああ、見てやるさ!!

 忘れたくても忘れられない場面だからな!!」

 

 

 アオイ君の叫び声と同時に―――

 ボソンジャンプをした『ブローディア』が、地球に向かって落下する脱出ポッドを捉える。

 

 その脱出ポッドの外側には、既に人の姿は無く。

 

 

「誰か!! 誰でもいいから助けてくれ!!

 彼女を!! チハヤを助けてくれ!!」

 

 

 アオイ君の叫び声を聞き、心を痛めるテンカワ君がいただけだった。

 救出が間に合わなかった事を悔いる―――テンカワ君だった。

 

「ふざけるな!! 幾ら悔やんでも彼女は帰ってこないんだ!!

 何が『皆を助ける』だ!!

 肝心な時には役に立ってないじゃないか!!」

 

「・・・お前、まだそんな事を言ってるのかジュン?」

 

 底冷えがする声で、ナオさんがアオイ君に話し掛ける。

 

「全ての責任をアキト君に持たせて、自分の罪の意識から逃げるつもり?

 ―――とことん、見下げ果てたわ。」

 

 イネスさんが氷の様な声で、ナオさんの発言に続く。

 

「ジュン君、アキトも万能じゃないんだよ?

 神様でもない人間が、能力のギリギリまで出し尽くして戦ってるよ。

 それなのに、アキトを責めるのはおかしいよ。」

 

 悲しそうに・・・艦長が変わってしまったアオイ君に話し掛ける。

 

「ジュンさん、貴方はアキトさんを何だと思っているんですか?

 『力』があれば、何もかもが思い道りに行くと思っていませんか?

 ・・・その『力』に付随する、義務を無視していませんか?」

 

 ルリ君が諭すように呟き・・・

 

「煩い!! 義務も責任も知るもんか!!

 現にテンカワには・・・あれだけの力があるじゃないか!!」 

 

 そのアオイ君の叫び声を合図に、ブローディアが放ったカオス・スマッシャーがサツキミドリを消し去った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第二十一話 その8へ続く

 

 

 

 

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