機動戦艦ナデシコSS 涙を越えて |
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第一章 第六話 あけてはいけないパンドラの箱 | Ver1.4 |
「どうでしょうか?」
ディスプレイの前には金髪の白衣を着た美女が興味深げに目を落としている。
「ふむ。ふむふむ。なるほど。おもしろいところに目を付けたわね。」
「はい、ナノマシンの使用されない領域を利用します。
未使用領域に共存用のOSを組み込むことにより、他種のナノマシン同士の衝突を回避します。
これによって、二つのナノマシンを共存させることが可能です。」
得意げにメリーナは白衣の美女-イネスが写るディスプレイを向いている。
「ん〜、これを使えば同時に二つのナノマシンを共存できるかもしれないわね。
でも、二つのナノマシンを同時に使用して細胞にかなりの負担がかかるわよ。
もちろんその対策もあるのわよね。」
「はい、その点も考慮しました。56ページを見てください。」
「ふむ ふむ これは? なるほど!」
「この理論は、50年前木連で発表された物です。
このままでは、多少リスクが大きすぎますがこの問題を解決すれば
WIFSは実現可能です。」
メリーナは胸を張りディスプレイを見る。
「この理論は!?」
「はい、かなり難しいのですがイネス博士なら解決できるかと・・・・」
「ふー、この理論はある意味むちゃくちゃね。
細胞自体をナノマシンと同等にとらえるなんて・・・・
でも、この方法ならナノマシンの弊害から完全に逃れることが出来るか・・・
細胞自体にも制御用のOSを組み込んで、細胞自体を一つの
ナノマシンシステムとしてしまうか・・・・
セリノス(Sel In OS)とはよくいったものね。
でも、理論だけで即実践というのは、時期尚早じゃない?」
「はい、ただマシンチャイルドであれば、ほどんどなにも遺伝子をいじくることなく
セリノスを実現できます。
もともと、マシンチャイルドの真の目的はナノマシンに完全に適応した人間を作ることです。
すでに、下地は完成していることになります。」
「そうね・・・・・・
マシンチャイルドなら、いじくる遺伝子の量も少ないか・・・・」
このあとこの論争は3時間にも及ぶ長丁場になった。
だが、この論争が決着した時、二人の女性の顔には疲労は見られなかった。。
「あんな、生き生きとしたイネス女史は始めてみた。」
後に研究員の一人はこう語っている。
「は?パイロットですか?」
「ええそうよ。なってみる気ない?」
いつものごとく(もう習慣化してしまった)二人にぼこぼこにされて僕はへこんでいた。二人はさっさと帰り、僕は一人ぽつんと研究所の待合室にいた。
待合室の椅子の僕が座っている横にメリーナさんがすわっている。
そのメリーナさんに突然いわれて、我が耳を疑う。
「無理ですよ。
二つのナノマシンは共有できないんです。」
「そんなことないわよ。
セリノスがあれば共有が可能よ。」
「セリノス?」
「説明しましょうか?」
「え?ええ」
この後、僕は激しく後悔する。
説明が1時間みっちりと続いた。
どうやらメリーナさんは説明に目覚めたようだ。
いい人だったのに・・・・
僕は結局そのセリノス処置を受けることにした。
メリーナさんに
「セリノスを使えば、パイロットとオペレーターを兼用するヒーローよ!
どう?ルリさんに頼りにされたいでしょ?」
といわれ、断れなかった。
艦長の名前をを出すなんて、卑怯だよメリーナさん。
「まぁルリさんも、頼りになる男の子のほうがいいもんね。」
メリーナは誰もいなくなった待合室で一人つぶやいていた。
あっという間に、準備が進んでいく。
一週間後・・・・
今日が処置をうける日だ。
僕の心の準備はまだなのに・・・・
久しぶりにくる研究所。
ここは元々マシンチャイルドの研究をしていたところらしい。
つまり僕が生まれた場所。
今は、非人道的だいう批判もあってジャンパー処置を施す施設になっているが・・・・
まぁ僕が受ける処置も遺伝子操作で、遺伝子にSelIn-OSを書き込むというモノだから
ジャンパー処置とにてるのかも知れない。
「待った?ハリ君」
こじんまりとした待合室。
待合室のドアから白衣を着たメリーナさんがでてくる。
メリーナさん、僕のお姉さんみたいな人。
いつも僕のことを気にかけてくれる。
そばにいると、安心する。そんな人
「いいえ、大した時間じゃありません。」
「そう、こっちの準備は完了したわ。
ジャンパー処置と比べてだいぶ負担が大きいけど?
大丈夫?」
「ええ、あのエステバリスとくらべたら大したことじゃないでしょ?」
「え・・・えぇ。あれはひどかったわねぇ」
あれ以来少々のことでは動じない僕・・・・
そして処置が終わる。
さすがに、気持ち悪いが気絶するほどじゃない。
それにこの感覚は、なれてるし。
まぁ遺伝子の総書き換えということもあり、僕は約二週間ここに入院することになる。
それに、まだ終わりではないのだ。
その後には、パイロット用のナノマシン処置が待っているのだから。
まぁそれは大したモノじゃないけどね。
一日ぐらいだろう。
まぁSelIn-OSとナノマシンをなじませるのに多少時間がかかるそうだが・・・・
ネルガルの病院内。
ホワイトボード真っ白であるが、かすかに「なぜなに」という文字がみえる。
「これでアキトさんは助かるんですか?」
ホシノルリはいつになく声を上げてイネスに瞳をむける。
イネスの説明を妨害したために、息は上がっている。
その戦いは熾烈を極めたが、今回はルリに軍配が上がった。
「ええ、このSelIn-OSを使えば可能かも知れないわ。」
「これはどこで?」
訳の分からないものをアキトさんに使うわけにはいかない。
ルリの顔は真剣だった。
「あぁ、あなたも知っているでしょう?メリーナの発案」
「え?メリーナさんの?」
「そう、私の説明を聞いてピンときたらしいわ。
やっぱり私の説明はいいわよねぇ。
的確、丁寧、わかりやすくて、ためになる。」
「あのときですか」
あのときを思い出して、青ざめるルリ。
ふっと見るとイネスはホワイトボードに向かっている。
(まずい)
第二次説明攻防戦が始まった・・・・
二週間たった
もう僕はピンピンだ。
だけどIFSのリンクがとたんにわるくなった。
SelIn-OSにナノマシンに登録する必要があるらしい。
今日は一日SelIn-OSの登録というのをやった。
まあ特に気持ち悪いなんてことはなかったが。
そして次の日にはIFSもほぼもと通りに戻っていた。
まぁ所詮もと通りだ。
強くなったわけじゃない。
こんなんじゃ、あの男テンカワ アキトにかなうはずもない。
ふと顔を上げる。
ルリさんはまたあの男のところかな?
あの男は公式には死んだ人間。
ネルガルの病院にかくまわれている。
かなり病状はひどいらしいが・・・・
結局ここにきてからルリさんにあっていないな。
明日はいよいよパイロット用のナノマシンを入れる日だ。
リハビリと言うことで、僕は今研究所のコンピューターに潜っている。
はぁ、ここの研究所のセキュリティーはどうなってるのかなぁ。
僕は機密の海の中をどんどん進む。
そもそも、マシンチャイルドにコンピューターを好き勝手させてる時点で、
かなり問題があるとおもう。
僕もマシンチャイルドの端くれなんだから。
まぁここの施設には大した情報がないってことかな。
クラッキングを繰り返すが全く手応えがない。
とやけに堅いドアを見つける。
あら?
へーこれはちょうどいいや。
ふん、リハビリがてら、潜ってみますか。
・・・・
・・・・・・
・・・・・・・・・・・
パンドラの箱 地獄への扉
僕はこの後猛烈に後悔する。
そうこの扉を開けた後に。
最後の希望は残ったのかな?
それとも、ずるずるとおちていくだけなのかな?
あとがき |
ふぅ、やっと前半戦が終了。 まだまだ先は長いけどね。 今回新しい設定SelInOs(セリノス)登場。 セリノスの力で空を〜〜 ・・・・・飛べません セリノスの力でビームを〜〜 ・・・・・撃てません セリノスの力でIFSの処理速度が ・・・・・変わりません いったい何が出来るんだろうね・・・・・今は、何もできません(爆笑) まぁ一応ハーリー君最強小説だからね、これ。 気長に待ってください。 |
(代)管理人様のありがたいお言葉 |
代理人様(たぶん) 感想はこちらに・・・ 代理人の感想 とゆーと、 ハリクティカマグナム! とかも打てないんですか? ハーリーミサイル! とかも出せないんですか? 必殺・幻影ハリ拳! とかも繰り出せない?
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ちっ、つまらん(核爆)。
管理人の感想(予定)
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