「ハーリーくん、よかった・・・・」

涙声で、僕の大切な人、ルリさんが話している。

僕がネルガルの調査を受けてるとき

やっぱり、泣いたのかな?

ルリさんの目には涙は見えない。

でも、その潤んだ目は僕がどれだけ心配させていたのかがわかる。

よかった、会えて・・・・

これ以上、ルリさんを悲しませなくてすむ。

 

 

機動戦艦ナデシコSS

涙を越えて
第二章 第一話 新たなる「日常」 Ver1.0 

 

 

僕は今病院にいる。

パイロット用のIFS処置をするとき、テロリストによって施設が襲撃された。

警備コンピューターに進入されたらしく、ガードロボが施設内の研究員たちに襲いかかったのだ。

僕とメリーナさんは運良くテロリストの支配から逃れたガードロボが助けてくれたおかげで、

何とか助かったのだ。

しかし、テロにより施設内にいた半数以上もの死傷者がでた。

それには、社会見学に来ていた学生、施設内の売店の店員などなど

無関係な人たちも大勢この陰険なテロに巻き込まれたのだ。

特に中枢にいた研究員の被害はすさまじく、

生き残ったのはメリーナさんと僕だけということらしかった。

僕は処置のため意識がなかったので、そのときの状況は全くわからない。

でも、あのメリーナさんの顔でどれだけ悲惨なものだったのかがわかる。

 

 

「はは、元気ですよ。そんなに心配しないでください。

そんな顔されると、逆に僕の方が心配になりますよ。」

僕は笑顔で答える。

僕は事故の被害者だが、全く記憶にないのだ。

気になんかならない。

「ええ、ごめんなさい。

私がこれでは、・・・・・だめですね。

でも、あの後事情聴取があったそうですが・・・・」

うっ・・・・。

思い出した。

せっかくルリさんの顔を見て、忘れられたのに・・・・

そう、あの事情聴取は最悪だった。

僕が意識を取り戻したのは約2日前。

それから、セリノスの調査だの何だのと実験三昧。

でも、メリーナさんの

「あなたのためなの!!」

あの思い詰めた顔で、言われたら断れなかった。

僕が処置を受けた直後に事件が起こったこともあり、

メリーナさんはあんな事件の後でもずっと僕のために看病をしていたらしい。

でも、ネルガルの研究所でのことははっきり言って思い出したくない。

ホントに自分がモルモットになった気がした。

 

「はは、ちょっとした調査だそうです。

まぁ僕も病み上がりみたいなもんですからね。」

ちょっと強がってみる。

ルリさんを心配させるわけにはいかない。

ルリさんはしばらく考えているような顔をしたが、納得したようで

「そうですね、最悪のタイミング。

ハーリーくんのセリノス処置にテロだなんて・・・・。」

・・・・・

ホントにそうだ。

せっかくWIFSが使えると思ったのに・・・・

ネルガルの施設でWIFSの実験をしたが、結果はさんざんだった。

それどころか、オペレーティングまで落ちるなんて・・・・

やるんじゃなかった。

でも、メリーナさんが悪い訳じゃない。

あんなことが起きなければよかったんだ。

・・・・・僕って不幸?・・・・・・・

「案外そうかも、ハーリーくんは」

ドアの前でルリさんがつぶやく。

「え?どうして?

ルリさん心が読めるんですか!?」

すごいや、ルリさんそんなことができるだなんて!!

「いえ違いますよ?

クスッ、ハーリーくんその思っていることを口にする癖なおした方がいいですよ?」

そういって、ルリさんは病室のドアを開ける。

あ?

しまった、またしゃべってた?

「あ?そうだ!

ハーリーくん、しばらく療養ムチャはだめですよ」

(ハーリーくん、あなたがそんな顔をしたときは無茶をしている証拠です)

バタン

そういってるルリさんは部屋を出ていった。

・・・・・・・

どうして・・・・・

僕はここに来てすぐ、リハビリで政府のコンピューターをハッキングしていた。

ログは完全に消した。

間違いない。

リハビリだからそれほど無茶をしてない。

でもどうして・・・・

僕は本気でルリさんが人の心を読めるのではないかと疑った。

 

 

 

「無事だったかい?」

私の横で、バイザーを被ったアキトさんが話しかける。

ここには、あのブラックサレナに乗っているアキトさんはいない。

 

 

ハーリーくんがいた研究所で事故があったのを知ったのは、事故一日が経ってからだった。

そして意識不明と聞かされ私は激しく動揺し、無心でネルガルの施設へむかおうとしたとき、

「やめるんだ!!ルリちゃん」

「どうしてですか?ハーリーくんの意識がないんですよ!!」

アキトさんが私の前にたつ。

 

私は信じられなかった。

どうして止められるかわからなかった。

「今ルリちゃんがいってどうなる?」

「ですが・・・、ハーリーくんが・・・・」

「落ち着け・・・・、心配なのはわかる。

だが今のルリちゃんになにが出来る?

意識不明だぞ?今は声をかけることもできない。

それに彼は処置を受けた直後、治療が先だ。」

「う・・・・・・」

「今は待つんだ・・・・」

「・・・・・

いやです。

もう待つのはいやです。

やっと見つけた家族・・・・ハーリーくんもいなくなってしまう。」

「・・・・大丈夫だ・・・・・・

そう、きっと大丈夫だ。

そう、そんなに彼のことを思っていれば・・・・

いなくなるはずはない!」

 

「ウソです。

アキトさんはいないじゃないですか。

待ってるのに・・・・私待ってるのに・・・・・・」

「いるじゃないかここに・・・・」

「いません。

わたしの知ってるアキトさんは・・・・

ユリカさんと3人で眠ったアキトさんは・・・・

まだ帰ってくれないんです!!」

「・・・・・・・

俺は死ねない・・・・・・

ユリカを助け、北辰を倒し目的が達成された後でも・・・・」

「かえってくるんですか?」

「・・・・・・・・・・・・」

「思っていればかえってくるんですか!!」

アキトさんは、ふりむき自分の病室へと歩く。

そのとき、かすかな笑顔を浮かべ・・・・。

 

ハーリーくんの病室の前にはアキトさんがたっている。

そして、私の顔を見るとまた自分の病室へ戻っていった。

「アキトさんあなたは帰ってきますよね」

 

 

あとがきなのだ!!

さてようやく第2部が始まりました。
第1部の最後の2話は現在調整中のため掲載してません。
色々問題あるのだよ色々とね。
かわりに、可愛いフィラちゃんがいるからいいよね・・・・・よね??

なんだか我らがハーリー君の様子がおかしいですねぇ
きがついた人いましたか?
それ以上にアキト君もおかしいですけど・・・・

あ・・・今回も少し小細工してます。
ドラッグしたりソース見れば分かると思いますが・・・・
(代理人様だよね・・・・感想書いてくれるの)Bemは??

代理人の感想

まぁ、そのうち管理人も書くでしょう・・・いつかは知らないけど(爆)。

さて、話がいきなりぶっ飛んで第二章!

おのれ卑怯な(笑)。

しかし、「ハーリーを思いやるルリ」というのが

とても新鮮でびっくりしました(爆笑)。

いや、間違いなく「時の流れに」の悪影響ですね(爆)。

 

 


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