やっと地球に戻ってきました。
地上ではたくさんの人が、旗を振っています。
・・・・日の丸の中にハーケンクロイツを見たのは気のせいでしょうか?
機動戦艦ナデシコSS サレナ 〜希望の花〜 未来からのメッセージ |
第6話 Aパート 絶望の花、希望の花 |
結局火星の人は救えなかったけど、木星トカゲに占拠された火星から
生きて帰ってきたナデシコはもう世界の注目の的です。
今日もどこかで講演があるみたい・・・・
まぁ講演といっても台の上で偉そうに話すんじゃなくて、
ナデシコのブリッジでみなさんの質問に答える感じ。
ナデシコは今修理&兵力増強中だかららしいけど・・・・
『なぜなにナデシコ始まるよぉ〜〜』
ウサギ耳の(たぶん)艦長のユリカさんと
「はじまるよぉ〜〜」
お姉さんの私、ホシノ ルリ。
ホントバカばっか。
「今日のお便りは、えっと渋谷区に在中のヤマモト キョウイチ君からの質問です。
・・・・・
僕は、将来エステバリスのパイロットになりたいです。
そこで、ナデシコにはどんなエステバリスがありますか?
あと、ナデシコにあるっていう黒いエステバリスの名前はなんていうのですか?
ナデシコの本『120%わかる これがナデシコだ!!』には載っていなかった
ので、秘密兵器なんですか?とってもきになります。」
ユリカさん・・・・どうして手紙を読むときに子供みたいな声を使うんですか?
普通の声でいいじゃないですか・・・・・
まぁ私の後ろにいるイネスさんは満足して居るみたいですけど・・・・
はぁ、やっぱりいつものやつですか・・・
「どうしてだろう?」(棒読み)
「さぁって私が説明してもいいんだけど
・・・・
まぁこういう事なら整備班のウリバタケ君が詳しいと思うから・・・・
ウリバタケ君、まかせるわ。」
いつも通りの展開。
『どうしてだろう?』なんて言わないと、イネスさんは説明できないみたい・・・・
それこそ『どうしてだろう?』だと思うんだけど・・・・・
もちろん私はそんなこと口にしない。
「うわっはっは、こちらはナデシコのエステバリス格納庫だ。
で、俺はナデシコ整備班長のウリバタケ セイヤだ!!」
現在カメラが格納庫の方に向いているので私たちは今暇。
いつもならここでおしゃべりが始まるんだけど、今回は例外。
だって、私たちも知りたいことが分かるかも知れないから・・・・
「さて、今のナデシコには3種類のエステバリスがある。
もっとも、火星にいったときには一種類しかなかったけどな」
今回は特別にウリバタケさんが説明している。
「まぁ、そうね残りの二つが入ってきたのはナデシコが
地球からボゾンジャンプで戻ってきてからになるわね。
あ、ボゾンジャンプは前回説明したからいいと思うけど、
私たちは火星のチューリップを使って戻ってきたんだけど、
宇宙軍と合流したときに後2種類が追加されたの。」
あ、ウリバタケさんが説明するのにイネスさんとうとう我慢できなくなったみたい。
・・・・まだ始まって5分も経っていないのに・・・・・
もしかして『説明』中毒?
「まぁそういうことになるな。
それじゃぁ説明するか?
いや、イネスさんは今回違うだろ?
・・・・・・・・
・・・・
ふぅ、じゃぁ説明おば・・・じゃなかった説明お姉さんが納得したから始めるか。」
自分の作ったシナリオだから、結局我慢したみたい。
このなぜなにナデシコはすべてイネスさんプロデュース。
まぁ言い出した本人がシナリオを壊したら話になんないけど・・・・
「まずはナデシコが地球を飛び立ったときからあったノーマルエステバリスだな。
まぁ今じゃぁこれが主流だが、一年も前はこれが最新だったな。
エステバリスには0G 空戦 陸戦のいくつかのバリエーションがあるが
まぁ人間のように服を替える感じだな。
空を飛びたかったら空戦、殴り合いをしたかったら陸戦という感じだな。」
次々と説明を続けるウリバタケさん。
機械のことになるとウリバタケさん目の色が変わるね・・・・
でも私たちが知りたいのはそんな事じゃない。
それぐらいなら本にものってるから・・・・
「んで次は、エステバリス改だな。
これは俺達が宇宙軍と合流した後で入ってきた機体だな。
これも0G 空戦 陸戦のバリエーションがある。
まぁ性能がノーマルと比べて20%ぐらい上がっているがそれ以外は
ほとんど同じだな・・・・ 次説明するやつに比べたらな。」
・・・・本命が出た・・・・・
「んで、最後がこれ。
キョウイチだったけ、質問したやつは・・・・そうか
まぁ本に載ってないのは仕方ないな。
その本はナデシコの初期の事が載っているだけで今の事はかかれてないからな。
だから、エステバリス改とこいつブラックサレナっていうんだが、
この二つのエステバリスがぬけていたんだな。」
「さてブラックサレナの説明ですが、私が・・・・やってもいいんですが
ここはブラックサレナのメインAIであるサレナさんにお願いしましょう・・・・」
いつもなら説明を他の人にやらせるのをいやがるイネスさんも
今回ばかりはすんなりとバトンを渡す。
だって、このブラックサレナを知っているのは彼女しかいないから・・・・
「はい、サレナです・・・・
あのぉ、何を説明すればいいんですか??」
サレナさんは事前に打ち合わせをしていない。
ただ説明してくれとだけ聞かされている。
「まぁそれなんだけどね直接読者に繋がっているから、・・・・
キョウイチくん聞こえる?」
「あ・・・はい!!」
ウィンドウに男の子が写る。
この子がキョウイチ君って言う子らしい。
・・・・そういえばあれを送ってくれた人もこれぐらいの年なのかな?
ちょっとウィンドウを見つめすぎたらしい。
ミナトさんが不思議そうにこちらを見ていた。
・・・・・別にこの子が気になる訳じゃないのに・・・・
「じゃぁ質問したいことをこのお姉さんにいってみて。」
「えっとえっと・・・じゃぁこのブラックサレナにはどんな武器がついているんですか?」
男の子は最初の質問をした。
当たり障りのないあたり、結構遠慮しているみたい。
遠慮しなくてもいいのに・・・・・
少女・・・・じゃない
少年なんだから・・・・
「はぁ、ブラックサレナは基本的にはカノン砲とラピッドライフルだけです。
オプションでグラビティーブラストがついていますけど、これは取り外し可能です。
あと、強化装甲のせいで動きが制限されて接近戦は得意じゃないんで、
接近戦の武器はあんまりありません。」
・・・・・ふーん。
でも格闘戦が苦手なエステバリスってエステバリスって言うのかな?
そういえば、どこかの熱苦しい男の人がそんなこといってたような・・・・
「じゃぁじゃぁ、合体とか出来るんですか?」
そういえばあの熱苦しい人が地球から脱出するときに実験してたっけ?
え?あれは実験じゃない? 本気だった???
・・・・ま、結局死んじゃったけどねその人・・・・
「えっと・・・・それは・・・・・」
・・・・さすがサレナさんでも、むちゃくちゃな質問されて困ってる。
合体ってアニメじゃないんだから・・・・
あ、アニメで思い出した、あの暑苦しい男の名前・・・・
たしかヤマダ ジロウさん
「合体は無理じゃないかしら。
戦闘中の合体はとっても隙だらけだしね。」
・・・・確かあのときも敵に袋叩きにされていたよね。
あ、イネスさんがとうとう我慢できなくなったみたい。
カメラがこっちに戻ってくるのも時間の問題かな?
「そうなんですか?」
男の子が不思議そうな顔をしていた。
私には合体するって考えの方が不思議
「ふふ、説明しましょう!!
オモイカネ、気がついたかも知れないけどあの資料をお願い。」
『はい、分かりました。』
あれだよね、ヤマダ ジロウさんのやつ・・・・
一方撮影を終えた格納庫では・・・・
「・・・・出来ますけど・・・・
・・・・あ、切れちゃった・・・・・」
ウィンドウが切り替わった後、サレナがつぶやいた。
「は? マジ?」
ルリが知りたかったであろうブラックサレナの秘密はウリバタケしか聞こえなかった。
「ところで説明これで終わりですか?」
サレナはイネスに聞こうにも、意気揚々と説明しているのでしばらくボーとしていた。