「え〜、ナデシコの諸君の次なる目的を発表しよう。
・・・・・・・・・・
西欧方面の支援が君たちの任務だ。」
ナデシコのウィンドウの上にはなにやら偉そうな老人がいた。
軍の偉い方らしいが、クルーにはあまり関係がない。
「え?つまりヨーロッパ?」
老人は気にならないが、これからの任務は自分たちの未来を左右する。
だから、気にしないわけがない。
「はい、ヨーロッパは最もチューリップの攻撃が激しい地域です。
あとは、アメリカも激しいんですがあちらは軍事力だけは世界最強なので・・・・」
「ルリちゃん、それ問題発言・・・・」
いつも通りの辛口トークを繰り出すルリ。
ミナトは冷や汗をかきながら、ルリに話しかける。
「私、少女ですから・・・・」
「それは関係ないとおもうけど・・・・」
「ふーんじゃぁ私たちパリとかロンドンによれるのかなぁ?」
ブリッジでは、これからの未来がどうなるのかを、お偉いさんの話は続いているが
向こうに気がつかない程度の声で話していた。
「その可能性は低いかも知れません。
たぶんナデシコは最前線で戦いますから・・・・」
ルリがこれからの行動表を見て一言つぶやいた。
『やっぱりねぇ・・・・』
次々とクルーから落胆の声が聞こえた。
ウィンドウまでは届いていないが、届いてもオモイカネがブロックしてくれるので
あんまり気にしなくてもいい。
前もって録画したビデオテープを流してもいいのだが、
そこまでやると見つかった時に、滅茶苦茶まずいので記録の改竄で済ませていた。
(これはこれで不味いと思うけど・・・・)
「では、諸君この地球を頼んだぞ!!」
『はい』
ハキっとしたナデシコならぬ返事だが、
これは鬼の形相のエリナに挨拶をたたき込まれた結果だった。
そう、次なる目的は西欧
希望の花が紡ぐ時は着実に史実から離れていく・・・・
ただ流れるまま、流されるままに時間は過ぎていく。
その流れの先に幸福が待っているのか、・・・・・
それとも地獄へ落ちるのか・・・・
だれもわからない。
なぜなら・・・・・・それを決めるのは彼らだから・・・・
End