サレナ 〜希望の花〜 第二章 第三話 Cパート

 

「よっし」

「じゃぁ地上で待機ですね。

!?!?」

再度作戦を確認するサレナの声が止まった。

順調に進んでいたはずの作戦だが、

何か不味いことでもあったのだろうか?

 

「え?なに?」

「ムチャクチャです!!

ナデシコに高エネルギー反応

グラビティーブラストを打つつもりです。」

「ちょっと待て!!

グラビティーブラストって・・・ここに???」

「はい、私たちでチューリップのフォーメーションを崩し

隊形が崩れたところでナデシコからのグラビティーブラスト。

これが今回の作戦のようです。」

 

天然型軍師のユリカは無茶な作戦を立てる。

チューリップが密集しているのならナデシコのグラビティーブラストで

一撃だろうと思われるが、実際はうまくいかない。

密集されているため、互いのディストーションフィールド同士で

相乗効果が発生し単体よりも強固になっている。

単体なら撃破可能なグラビティーブラストだが、強化されているディストーションフィールド

では決定打にはならない。

よって、ブラックサレナでフォーメーションを崩しディストーションフィールドの

相乗効果をうち消そうと考えたのだ。

 

単体でチューリップを撃破し出来る攻撃力

敵の集中砲火を耐えられる強固な防御力

一瞬に敵の中央に迫ることが出来る優れた機動性能

この三つを備えたブラックサレナでなければ出来ない仕事だった。

 

「おい、大丈夫なのか??」

「早く、地上におりましょう。

直撃すれば痛いですけど、直撃さえしなければ全然大丈夫です。」

「つまり直撃されても死にはしないと・・・」

アキトは少しほっとする。

いつまでもブラックサレナの性能に頼り切っていてはダメなのだが

やっぱり生きるか死ぬかの問題なのだ。

そんなきれい事は言ってられない。

 

「いざとなればもう一つの方法もありますから・・・・」

「・・・・ああ、そういえば・・・」

 

「地上ならグラビティーブラストの影響はほとんどないようです。

急ぎましょう」

「わかった、・・・全くユリカももっとちゃんと説明してくれよな・・・」

いつもながら、ユリカの一方的な行動は少しばかり怒りもわいてくる。

 

「・・・・あのぉすいません。

ルリさんが持ってきてくれた資料のの作戦案にありました今回の事・・・・」

エリナさんのことで頭が一杯だったのかなぁ。

ブリッジには軟禁されるし、味方にグラビティーブラスト受けそうになるし・・・・

 

「・・・・はぁ、最近ついてないなぁ。」

「それは災難ですねぇ〜〜。」

(あんたが言うなあんたが・・・・)

 

 

 

 

「グラビティーブラスト来ます!!」

「くっ」

地上すれすれに低空飛行をするブラックサレナの上を

重力波特有のゆがんだ景色が通り過ぎた。

もちろん真下にいるブラックサレナも全く影響ないわけでもなく激しく揺れる。

 

しかしそれも瞬間で、すぐに体勢を立て直す。

これはアキトと言うよりブラックサレナの優れた姿勢制御装置

およびそれを制御しているAIサレナの力が大きかった。

 

「敵は? !!」

「はいチューリップは全て戦闘不能、

またチューリップ付近にいた敵は全滅。

敵戦力はおよそ1割に・・・・!!

ナデシコ側面方向にチューリップの反応・・・・

数は・・・3つです。」

 

 

「なに??」

 

「・・・・ユリカさん!!」

「わかっています。

ミナトさん、チューリップに向かって前進、速攻でけりを付けます。

ルリちゃんグラビティーブラスト充填よろしく〜〜」

ブラックサレナが感知したとほぼ同時にナデシコでも新しい

チューリップの反応を感知した。

山になっているせいで完全にレーダーが効いていない。

 

「あいあいさ〜〜。」

半ばやけくそに、梶を切るミナト。

その時チューリップの近くを飛ぶ民間機を感知した。

「あ・・・5時の方向に民間の航空機を確認。

えっと、・・・・

あ、あの女・・・エリナさんです。」

 

「はぁ、エリナさん・・・・何でそんなところにいるんです。

急ぎの用事でもないでしょうに。」

「・・・・むぅ」

急ぎすぎる会長秘書の無謀な行動に冷や汗を垂らす、ゴートとプロスペクター。

 

「ちょっとぉ何とかしなさいよぉ。」

ウィンドウが開き半無きのエリナが映る。

その横には子供がいるようだ。

 

「あぁ・・・ラピスちゃん!!」

「サレナさん??」

サレナが知っている女の子が乗っているらしく、激しく動揺する。

無論アキトが知るはずもない女の子だ。

全く知らないのだが、サレナの知り合いというのもあるだろうか・・・

あの女の子が心配になった。

 

「アキト大丈夫??」

ユリカはアキトの心配そう中を見て声を掛けた。

本当はサレナの方が心配しているのだが、ウィンドウ通信にはサレナの姿は見えない。

 

「俺は大丈夫だ。エリナさんの方は大丈夫なのか?」

「うん、まだ敵との距離もだいぶあるし。

それに結構腕はいいみたいだし、さすがは副操縦士ね。」

今すぐに撃破されると言った心配はないようだ。

レーダーに映る民間機を示す点は器用に迂回しながら

バッタのそばから急激に離れていた。

 

「・・・・意外です。」

見かけは間違いなく事務系の顔なのに・・・

ルリは暴走族顔負けの操縦を見て、エリナの意外な一面を見多様な気がした。

 

「アキトは市街地の救助活動を手伝って。

人手が足りないみたいなの。」

ユリカは少し卓上画面を見た後、アキトに地上での救護を頼んだ。

もちろん、一番近いと言うこともあるだろうがグラビティーブラストの

ダメージも心配した上での決断だ。

アキトも出来れば少し、落ち着く時間が欲しかった。

 

「そちらは大丈夫ですか?」

エリナに子供二人を連れ出すように頼んだ本人のサレナにとっては

二人の乗る民間機はメチャクチャ心配なことだった。

 

「うん3人が向かってるから、へいきだよ。」

彼女たちなら何とかなるだろう。

アキトとサレナはそう思った。

少なくともあの3人はアキトよりも実力がある。

さらにリョーコに渡してあるグラビティーランスは

使い捨てながらチューリップクラスの大型兵器を破壊することも可能だ。

チューリップ3機ぐらいならナデシコだけでも何とかなるはずだ。

 

「わかった、でも何をすりゃいいんだ?」

「市街地にいるジュン君に聞いて。」

ユリカも戦闘に精一杯で、町での救助活動等の状況は全く把握できない。

町にいるジュンに直接聞く以外に方法がないのだ。

 

「わかった。」

「よろしくね〜〜〜。」

ブラックサレナはナデシコとの通信を閉じ、ジュンが待つ救助本部に向かう。

 

 

一方3人娘は・・・

 

「よっしゃー、これは使えるぜ。」

「いいなぁ私もほしーなー」

リョーコは、サレナが持ってきたデータの一つグラビティーランスの

出来具合に満足していた。

次々とバッタを破壊するその威力にヒカルとイズミも興味津々だった。

 

「おうおう、そんなこと言わなくても作ってやるぜ。

今回は時間が無くて一つだけだったけどな。」

ウリバタケのウィンドウが現れる。

このグラビティーランスは急ごしらえで一つしか作ることは出来なかった。

(ウリバタケがサレナ(ブラックサレナではない)の調整のためにほとんど時間をとられたため。)

 

「新しい武器の名前は近藤ね・・・・こんどーね」

 

「・・・・マジで近藤にするつもりか?名前」

 

「うん」

今のは・・・ギャグじゃなかったらしい。

 

後書きですぅ
ユリカの戦術における天才性を書くって難しいですね。
また適当な設定作っちゃったし・・・・
あぅあぅ

戦闘シーンもあいかわらずしょぼいし・・・・
むぅむぅ

ちなみにグラビティーランスはオリジナル武器で
TVなどで出てきた武器とは全然違います。
グラビティーランスは、DF発生装置を内蔵されており
DFで敵を押しつぶすと言った戦い方をします。

あ、後いつもの場所でフィラたん講座始めました。

・・・・サレナも書いてるのにまた何か書こうとしているフィラたんより
代理人様の感想ですぅ

<日和貝の代理感想>

 

 例えそれがリアル系ロボットだとしても、頭部バルカンを打つ際にシャウトがカットインしたらそれはもう立派にスーパー系と称して問題無いのではと思う今日この頃、皆様どうお過ごしでしょうか。

 本体(日和見)が編集作業により多忙の為、日和久々の登場です。

 さて、今手元に本体からの伝言が届いておりますので、読み上げましょう。

 

「L・O・V・E・らぶりーされな☆ミ」

 

 こいつの所属は、何処ぞの整備班でしょうか?

 

 ……あ、まだ続きが有りますね。

 

「黒光りする装甲が素敵」

「西欧行ってる暇が有るならコロニー墜せ! ガンホーガンホーガンホー!」

 

 

 どうやら、サレナさんではなくブラックサレナへのメッセージだったようです。

 まぁ、サレナさん今回の話ではどうも今ひとつ目立ってなかったというか、俎板料理人と呼ぶしかないですけどね。
ヒトじゃないけど。

 

 おや、そろそろ時間です。

 それでは、機会があったらまた。劇ナデサントラTrack16を聴きつつ、さようなら。

 


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