その双眸に、黄金の輝きが燃えた。
全身に同色の輝きが満ち、ゴッドナデシコの全身が発光する。
六枚の放熱フィンが展開し、その背に日輪を描く。
黄金の輝きに目を細め、メグミが嘲りの表情を浮かべた。
「無駄無駄・・・・あのフィールドはハイパーモードをもってしても・・・ヒ!?」
だが、その表情は言葉と共に途中で凍りついた。
ハイパーモードをもってしても抗すべからざるはずの超重力フィールドを・・・今ゴッドナデシコは破ろうとしている!
「立った・・・・!」
呆然とメグミが呟く。
ゴッドナデシコの“気”に押され、アシュラとスカルもまた動く事が出来ない。
その隙を突きメティが跳んだ。
バーニアを吹かし、ゴッドナデシコに向かって跳んだ。
「おにいちゃぁぁん!」
「メティィィィッ!」
二人の伸ばした手が触れ合い、握り合う。
固く結び合わされた手がまばゆく輝く。
眼前に繰り広げられる、有り得ざる光景がメグミを圧倒した。
こんな事は絶対に起こりえない・・・100%有り得ない筈だ!
「な、な!?」
「よぉく、見な!これが、武闘家の魂さ!」
ホウメイの言葉を待つまでもなく、既にメグミは目の前の光景から目を離すことが出来なくなっていた。
自分の策が崩壊していくのを恐怖と共に認識する。
今や、ゴッドを包んでいた黄金の輝きはノーベルナデシコをも包んでいた。
振り上げた右手を目前にかざし、二人が唱和する。
「「俺の(私の)この手が真っ赤に燃える!」」
「勝利を掴めと!」
メティが叫び、
「轟き叫ぶ!」
アキトが吼える。
二人の拳が燃えた。
既に硬直して動けないアシュラとスカルを挟んで、左右に別れた二人の軌跡が綺麗な相似形を描き、
二つの燃える拳が獲物を捉える獅子の牙の如く噛み合わされる!
「「爆熱!」」
「「ダブルゴッドフィンガァァァァッ!」」
アキトとメティの貫手が背中合わせになった二体の胴体を同時に貫き、
白熱化していくそのボディをゆっくりと持ち上げた。
「「ヒィィィィィィトッ!エンドッッッッ!」」
「そんな〜〜〜〜!」
「アキトさんの馬鹿〜〜〜〜!」
なお、脱出した筈のファイター神楽三姫と天津京子の二人が見つからず、
控え室のロッカーに芋虫状態で押し込められていた事が発覚するのはもう少し後の話になる。
神楽三姫の控え室からは打撃によって変形した消火器が、
天津京子の肩からは麻酔弾を受けた痕跡が発見されたと言われるが真相はいまだに不明である。
メグミ首相の華奢な手がサイドテーブルに打ちつけられた。
派手な音を立てて皿やグラスがひっくり返る。
「く!なんと言う・・・なんと言う・・・!」
「メグミ首相。」
短い呼びかけに込められた恫喝がメグミを振り向かせる。
静かに怒りを湛えたホウメイの視線をメグミが今度は憤怒の相で受けとめた。
「ホウメイ先生・・・!」
「これに懲りて、ニ度とつまらぬ真似はしない事だね。」
「しかし・・・・地下の秘密を見たかも知れない者を放っておくわけにはいきません!」
「なら、どうする!」
「決まっています・・アキトさんには最高の刑罰を与えましょう!次なる対戦者で!」
メグミ首相が振り上げた手に呼応し、空中に浮かび上がった巨大な立体映像。
アキトを含め、恐らく会場の全ての人間が固唾を飲んだ。
そこに映し出されたのはナデシコマックスター、ナデシコローズ、ドラゴンナデシコ、ボルトナデシコ。
そしてそれを操るファイター達・・・即ち、シャッフルの仲間たち!
「全世界の皆さん、ご静粛に。ナデシコファイトでのビッグ・マッチを発表しましょう・・・。
そう!本日も勝利を収めたテンカワ・アキトさんのこれからの連戦カードはこの四人を!
ご覧の通り、いずれも優勝候補の一角に上げられる強者達!」
「!」
「果たして彼女達を相手に全勝宣言を達成する事が出来るのか、楽しみにしようではありませんか!」
メグミのその宣言と共に、会場が大きくどよめいた。
どよめきの中、どこか現実感を欠如させながらアキトが小さく呟く。
「シャッフルの仲間達との連戦・・・」
いつも通りの薄い笑みを浮かべ、メグミがホウメイに向き直る。
「これならご異存はおありにならないでしょう?ホウメイ先生。」
「うむ・・・確かにね。願ってもない対戦相手だ・・・して、最初の相手は?」
「そうですね・・・まずは、ネオアメリカのヤガミ・ナオ!」
遂に来るべき時は来た。
同じシャッフルの紋章を持つ者同士の戦いが。
果たしてアキトはこの試練を乗り切ることが出来るか!
今、決着の時!
次回予告
皆さんお待ちかねぇ!
なんと!ネオホンコンの街にホクシンヘッド出現!
ですが、ナオ達シャッフルの戦士はアキトとの対決に闘志を燃やします!
果たして、新必殺技で迫り来るナオを、アキトはどのように迎え撃つのでしょうか!
機動武闘伝Gナデシコ、
レディィィィィィ!GO!
あとがき
ファンに怒られるかな〜(苦笑)。
登場しないよりはましだと思いますが、さすがに今回は・・・思いっきり悪役ですし。
まあ、嫉妬に狂った女性は怖い、とゆーことで。
管理人の感想
鋼の城さんから連載第三十四弾の投稿です!!
・・・あの姉妹の片方って、病弱な設定だったのでは?(苦笑)
ま、確かに息の合った攻撃は出来ますよね〜
それにしても・・・本当に悪役だな(汗)
では、鋼の城さん!! 投稿有難うございました!!
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