『俺が帰るべき場所は・・・ナデシコだ!!

 皆が揃っているナデシコだ!!

 何処に跳ばされよ様と、俺は絶対に帰って来る!!

 例え、遥かな距離だろうと、時を超えても―――』

 

 そして虹色の閃光がブローディアを包みこみ俺は意識を失った。

 

 

 

 

< 時の流れに >

時空を越えて

 

プロローグ

 

 

 

 

「うっ…ここは」

 

 アキトは暗闇の中で目を覚ました

 

「……ブローディアのコックピットか」

 

「たしかブローディアごと遺跡に取り込まれて……」

 

(とりあえず、現状を確認してみるか

 体は……異常ないな

 モニターは……ダメか、というよりコックピット自体の電源がおちてるな

 そうだ2人は!)

 

「ディア! ブロス!」

 

 真っ暗だったコックピットにわずかに明かりが灯る

 

「……アキト兄?」

 

 アキトの呼びかけブロスが目を覚ます

 

「ディアは?」

 

「ちょっとまって―――ディア、朝だよ起きて」

 

「むー―、あと5分………グー」

 

「そういう訳にもいかないだろう、ほらディア起きて」

 

 ペチッ ペチッ ペチッ

 

 ‥‥

 

「うーん、起きないなー、それじゃあ」

 

 ドン!ドン!ドン!

 

 ‥‥‥

 

「ムッ しぶとい、それなら」

 

 キュイィィィン(歯医者のドリルの回転音)

 

 ‥‥‥‥‥‥‥ピク

 

 「クッ これでもだめか、ならば奥の手!」

 

 キキー(ガラスを引っ掻く音)

 

 ‥‥‥‥‥‥‥「うっさいわね!!」

 

 バリ バリ バリッ

 

 薄暗いコックピット内が一瞬スパークする

 

「○×▲◇■△○!!」

 

 ブロスが声にならない声をあげる

 

「グッモーニング!!アキト兄」

 

 何事も無かったように目を覚ますディア

 

「んーなんか、カギ爪をつけてガラスを引ッ掻きながら、太鼓をたたく歯医者を殴り倒す夢をみたような、みてないような」

 

 (‥‥それある意味あたってるぞディア)

 

「あれ?ブロスなにしてるの?」

 

「ひ…ひどいよディア…ガクッ」

 

(どうやら2人とも無事(?)なようだな

 すこしブロスのウィンドウが乱れているが見なかった事にしよう(汗)

 まあ、人格ベースがハーリー君だからすぐに復活できるだろうし

 それにしても、ブロスあんな性格だったか?)

 

 

 そんでもって二分後―――

 

「「私(僕)たち、たしか遺跡にハッキングをうけて―――」」

 

「そういえば、遺跡は?」

 

「付近に遺跡の反応はないよ」

 

「ブローディアからも遺跡の反応は全くないよ。ただブローディア本体はまったくダメだね」

 

「スラスターと第一相転移エンジンは全壊、第二相転移エンジンも半壊してて出力10パーセントも出ないし、

 おまけにメインフレームはガタガタ、制御プログラムも9割方とんじゃてる」

 

「まあ、プログラムの修復は僕たちでもなんとかなるけど、

 機体のほうはウリバタケさんやレイナさんがいないとどうしようもないよ」

 

「そうか……」

 

(しかし、そうすると遺跡はいったいどこに?

 それに今回はいったいどこに跳んだんだ

 ブローディアの状態から考えても宇宙空間でないことは確かだ

 でなければ今ごろ俺はくたばっているだろうし

 と、すると地球か?いやそれならダッシュがすぐに気が付くはずだ。

 ならまた過去に跳んだのだろうか?

 どのみちこのままじゃ埒があかないな)

 

「ディア、現在地の特定できるか?」

 

「んっ、ちょっとまって‥‥‥‥‥‥‥」

 

「えっー―――」

 

「これっていったい‥‥」

 

「どうしたのディア?」

 

「なっこれって‥‥」

 

「二人ともどうしたんだ?」

 

「「ははは、私(僕)たちセンサーが狂ってるみたい」」

 

 2人が完璧にユニゾンして答える

 

「どういうことだ?」

 

「ハッチ開けるから、アキト兄が直接見てみてよ」

 

 プシュー

 

 ハッチが開き、薄暗かったコックピットに大量の光が差し込む

 瞬時に体内のナノマシンが眼への光量の調整を行う

 そして、そこには信じられない景色が広がっていた

 

「な、なんだこれは!!」

 

 

 

 

 

一話につづく

 

 

 

 

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