機動戦艦ナデシコ
アキトの野望
プロローグ
ユーチャリス艦内
「アキトーー!アキトアキトアキトー!!!」
セリフだけ聞いていると、まるでお空の星になってしまった御統ユリカ(<まだ、死んでません(笑))
を彷彿とさせる、その少女の名はラピスラズリ。
火星の後継者との戦いが終わった後、天河アキトと未知なる宇宙へ二人っきりの新婚旅行へと
(注:ラピス主観)旅立った少女だ。
「私は、アキトの目、アキトの耳、アキトの皮膚、アキトの鼻・・・・・・」
アキト至上主義は相変わらずであるが、その台詞回しはかつての様な棒読みではなく、人間らしい感情の
抑揚の込められたものだ。
おそらくは罪滅ぼしのつもりであろうか、アキトが家族としてのたゆまぬ愛情を注いだ結果であろう。
「・・・・・・・・アキトの胸、アキトの尻、アキトの股間、アキトの恋人、アキトの情◯、アキトの肉◯隷、アキト
の・・・・」
・・・・・・・・・・・・どうやら違う意味での愛情を、たっぷりと注いだ様だ。
ま、他に娯楽の無い宇宙空間では、やむを得ないことであろう。
「・・・・・・・う〜〜〜〜!!私はこんなにもアキトの(ピーーーーーーーー)なのに、どうしてアキトは出て来て
くれないの!!!!」
いったい彼女がアキトの何であるのかは、まったくの謎であるが、どうやら只ならぬ関係であるのは、間違い
無さそうだ。
ちなみに、すでにあの最後の戦いから半年がすぎており、最大の目標を無くし、しかもそれまでが極端な
禁欲生活だった為、一気に反動がきたのであろう。
「は〜〜〜〜っ」
トイレで溜息をつくアキト。彼は、今悩んでいた。
ラピスに手を出してしまったことを、ではない。
このまま隠者の様な生活を、未来への展望を持たないままに続けてよいものだろうか。
ラピスのためを思うならば、地球へと戻り人並みの生活を味あわせてやるべきだという、言うなれ
ば親心・・・・・・・
「たまには、ラピス以外の女も味わいたいよな・・・・・・・」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・え?
「たしかに.、ラピスは締りも良いし、感度も最高だし、ブラジャーのまったく必要のないあの胸も萌え萌えだ
し、アナルの感触も言うこと無しだけど・・・・・」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・はい?
「毎日じゃ飽きるよな〜〜〜」
・・・・・・・・・・前言撤回。
奴は、只の鬼畜だっっっっ!!!!!
そう!!今ここにいるアキトは、かつての天河アキトではない!!
劇場版のアキトが、人の情けを捨て去って進化した姿、天河アキトV(ブイ)とするならば、ここに居るのは人の理性を捨てて進化した姿、天河アキトS(スーパー)
だ!!!!
恐るべし、天河アキト!!!
彼は、人として大事な何かを捨て去る度に、無限に進化を遂げることができるのだ!!!
今の彼は、かつて21世紀初頭に存在した、コンセントを繋いで動かす汎用人型決戦兵器を所有してい
た、国連直属の非公開組織の司令にすら匹敵するほどの外道レベルの持ち主なのだ!!
進化を遂げる度に、人間のとしてのランクは下がっていく天河アキト。
だがくじけるな、アキト!
あの、天に輝く外道の一番星を目指して進むんだ!
戦え!!天河アキト!!
行け行け!!天河アキト!!
最終進化形態鬼畜王アキトになるその日まで!!!!!!
「アキト見つけたーーーーー!!」
トイレ内に隠れていたアキトであるが、そもそもユーチャリス艦内でラピスの目をごまかせる筈も無い。
プライバシー保護機能のおかげでトイレと風呂だけは監視の目も届かないが、逆に言えば、見つからない
時はそのどちらかに居るということだ。
「や、やあラピス・・・・・ど、どど、どうかしたのかな・・・・・・・」
どうもこうもない。
ラピスの目的が嫌になるぐらい解っていたからこそ、隠れていたアキトである。
「ひどいよアキト!ずっと呼んでるのに、リンクも切っちゃてるんだもん!」
そう。
火星の後継者から押収されたデータの中にアキトの実験に関するものもあり、それによりナノマシンの除去
手術が可能となったのだ。
手術の成功により現在のアキトは、ほぼ以前通りの五感を取り戻した。
したがって、もはやラピスとのリンクは不要であるし、ナノマシンが除去された以上、そもそも繋がる筈が無
い。
その筈が、原因は不明だが、今だに繋がったままなのだ。
しかし今までとは違い、アキトの方で回線を遮断できる為、プライベートな時間を楽しめる・・・・・・・
筈だったのだが。
「アキト!私から離れる時は、リンクを繋いでおいてって、いつも言ってるのに!」
もはやアキト抜きでの生活など考えられないラピスは、一緒に居る時以外は常にリンクを繋げる事を要求し
てきたのだ。
それはそれで良い。
アキトにとって問題なのは、もう一つの方の要求だった。
「え、え〜と。ラピス。やっぱりたまには一人になりたいっていうか、すこしは休日が欲しいな〜〜っていうか」
「だめ!アキトは私と寝るの」
「でも昨日も6回もやったし・・・・・・」
ラピスのだしたもう一つの要求。
一日五回以上(爆)!!
天河アキトS(スーパー)へと進化した、今の彼にとって、本来その程度の回数はどうということはない。
なにしろかつての妻であったユリカとは、一日七回のノルマをこなしてきたアキトである。
今なら十五回はイケる自信がある。
そしてこの半年、ラピスという最高のごちそうを一日も休まず、ベッドの上で、あるいは下で、風呂で、ブリッジ
で、トイレで、廊下で、食べ続けてきた。
だが、どんなごちそうでも毎日食べ続ければ、いつかは飽きる。
洋食、和食、中華、さまざまな種類の料理(女)を日替わりでローテーションさせることこそ食事(S○X)を
楽しむ秘訣である。
故に彼は悩んでいた。
「あ〜あ、ナデシコの頃は良かったな〜〜〜
ユリカにメグミちゃんにイネスさんにリョーコちゃんにホウメイガールズのサユリちゃんにエリナさんに
ルリちゃんにユキナちゃん・・・・・・・・
うまくヤレば、み〜〜んな食っちゃえたのにな〜〜」
あまりの悩みの深さ故に、自分の考えを口に出していることにも気づかないアキト。
ラピスの目がすうっと細まり眼光が鋭くなる。
「・・・・のに・・・・・・・・なのに・・・・・・・・なんで俺は・・・・・・・
なんであの時、手を出しておかなかったんだ−−−−−−−−−−!!!!!!!(血の涙)」
「アキトのぶぁかーーーー!!!」
「あべしっ!!!」
本当に、こんな悲鳴をあげる奴がいるのか!?
おもわず、そんなツッコミが入りそうな、マンガチックな悲鳴をあげて吹き飛ぶアキト。
キラキラと血飛沫をあげて錐揉みするその姿は、なにやら幻想的な光景だ。
「わーーーーーーーん」
泣きながら走り去るラピス。
「・・・・・・・い、良いパンチだ・・・・・・・ラピス・・・・・・」
壁に激突した状態で、ヒクヒクしているアキト。
だがこれだけは言い残さねばならないと、最後の気力をふりしぼる。
そして一言。
「ひ・・・・・・ひでぶっ!!」
天河アキト享年○●才。
最後までお約束に忠実な、大阪芸人の鑑であった。(<違う(笑))
アキトが天に召されたその頃(注:まだ死んでません)、ブリッジに向ったラピスは・・・・・
「ヒック、ヒック・・・・・・・アキトの馬鹿、アキトの馬鹿・・・・・・」
しゃくりあげながらオペレーターシートに座ったラピスは、ダッシュを呼び出すとボソンジャンプの準備には
いる。
それも座標を固定しないで行う、いわゆるランダムジャンプだ。
これは事実上の自殺行為である。
この広大な宇宙において、人類の生活圏などというものは、砂漠に落ちている一粒の砂よりも小さなものだ。
ジャンプアウト先が人類圏である確立は、天文学的に低い数字となる。
しかも、必ずしも障害物の無い空間に出るとは限らない。
恒星の中心部やブラックホールの目の前に出てしまえば、その場でアウトだ。
まして、ボソンジャンプは時間をも移動するのである。
一旦ジャンプしてしまえば、時間的にも空間的にも、『ココ』に戻ってくることは不可能である。
・・・・・・っていっても、この話はギャグだから全然オッケーだよ(笑)。
『ラピス、ホントウ二イイノ?』
「うん・・・・・・アキトが私だけを見てくれるようにするには、これしかないの」
ダッシュからの確認に、ラピスは迷わず応える。
(自分以外の女が居ない所に行ってしまえば、アキトは自分のことだけを見てくれる。)
そんな、短絡的な思考に突き動かされて、今のラピスは正常な判断力を失っていた。
そう、そうなればきっとアキトは・・・・・・・・・・・
「ごめんよラピス。俺が馬鹿だったから、君のことをこんなにも追い詰めてしまって」
潤んだ瞳で見つめながら、そっとラピスの手を握るアキト。
「ううん、いいのアキト。私の方こそ我侭ばかり言ってごめんなさい」
同じく潤んだ瞳で、見つめ返すラピス。
「いいんだよラピス。俺にだけはどんなに我侭を言ってくれてもいいんだ」
「アキト・・・・・・(はぁと)」
「だって・・・・・ラピスは俺だけのお姫様なんだから(キラッ)」
どういう仕組みか、歯を白く輝かせながらアキトが微笑む。
「じゃあ・・・・・アキトは私だけの騎士(ナイト)だね・・・・・・(はぁと)」
「そうさ・・・・・俺は一生ラピスの騎士(ナイト)として、君を守るよ(キラッキラッ)」
アキトの歯が、ますます白く輝く。
「アキト・・・・・・」
ラピスがそっと瞳を閉じる。
「ラピス・・・・・・」
ゆっくりと二人の距離が近づく。
もう二人の間に言葉はいらない・・・・・・・・・・・・
「そんでもって、そんでもって、愛し合う二人は、そのままなし崩しに愛の儀式へと突入して・・・・・
『ア、アキトだめよこんな所で』
『いいだろラピス、ラピスのココは嫌がってないよ』
『だ、だめっ、そんなところ・・・・』
・・・・って、キャー♪」
イヤンイヤンと首を振りながら、なかなか妄想から帰ってこないラピス。
ダッシュは、その様子をジト目で見ながら、オペレーターを選ぶことのできない自らの境遇に思わず溜息を
ついた。
そもそもラピスの妄想によるところの未来予想図と、現在の状況は、ほとんど違わないのではないか?
なにしろユーチャリス艦内のあらゆる場所で、愛の営み(笑)を繰り広げてきた二人である。
当然ダッシュはそのことを知っており、おかげで人間の性活(笑)には、すっかり詳しくなってしまった。
「ラピス!」
ラピスがイッてしまっている間に、復活を遂げたアキトがブリッジに飛び込んでくる。
「・・・・・・・・アキト、あんっ、そんな・・・・そんなところまで・・・・あふっ・・・・・・でもアキトなら・・・・良いよ・・・・」
「って、へ・・・・・・・・・・?」
もはや妄想と現実の区別がつかなくなったラピスが、足をM字型に開いてアキトを誘う。
ショーツを片足に引っ掛けた状態で、右手で秘所を、左手で胸を揉みしだくその姿は、恐ろしく妖艶なわけ
で・・・・・
「あ、あんっ・・・・・・アキト・・・・・・・はやくぅ〜〜〜」
「ラピスーーー!!!」
一瞬で理性をかなぐり捨てた(っていうか、最初からそんなものは持ち合わせていない)アキトが、ラピスに飛
びつきながら空中で同時に服を脱ぐ。
そう、それはまさに、かつて世界最高とうたわれた、伝説の大泥棒の三代目が編み出したと言われる
究極奥義、『ルパンダイブ』である!!
一子相伝であるはずのその技を(いや、実際にどうなのかは知りませんけど(笑))、アキトがどのように
して身につけたのかは、まったくの謎である。
今、はっきりしていることは一つだけ。
止める人間が居なかった為、ダッシュは命令通りにランダムジャンプを開始してしまったということだ。
このままいけばアキトとラピスは、永遠の漂流者となるはずであった。
ラピスの望み通り、二人っきりで。
だが、ラピスの計画には誤算があった。
S級ジャンパーであるアキトの存在である。
通常は、一旦ジャンプを開始してしまえば、もはや目的地の変更は不可能である。
たとえ、A級ジャンパーであっても、それは変わらない。
だがしかし、アキトだけは違うのだ。
天河アキトS(スーパー)へと進化した今のアキトは、ジャンパーとしての能力もA級の枠を超え、S級へと進化
を遂げたのだ!!
すなわち、ランダムジャンプに入った今、アキトの意志(っていうか妄想)が、ジャンプアウトの座標へと反映
されるのだ!
そして今、ラピスとお楽しみ中のアキトの頭の中では・・・・・・・・・・・
『ル、ルリ!ルリ!』
心の中で、別の名前を呼びながら、ラピスを責め立てるアキト。
そう、これこそが天河アキトS(スーパー)へと進化したアキトの編み出した四十八の必殺技の一つ
別娘妄想的合体拳だ!!!!!
これによりマンネリ化した相手との合体(笑)においても、常に新鮮な気分が味わえるという、画期的な体術
(ワザ)なのだ!
『ユリカ!リョーコ!ユキナ!エリナ!サユリ!メグミ!アイちゃん!』
もはやアキトの頭の中は、酒池肉林のハーレム状態。(しかし、イネスではなくアイちゃんを呼ぶあたりに、
アキトの漢(おとこ)のロマンを感じるのは、作者だけではない筈だ(断言)!)
今、アキトはその恐るべき妄想的想像力(以後、妄想力と呼ぶ)のすべてをかけて、かつての仲間達との
激しいバトルを繰り広げている。
そして、そのイメージは遺跡の演算ユニットへと忠実に送られている。
遺跡ユニットはそのイメージを再現するための、最も相応しい場所と時間を演算しジャンプアウト座標を
設定した。
すなわち過去へと。
懐かしきナデシコAへ・・・・・・・・・・・
次回予告
過去へと飛ばされたアキト。
そこは逆行物定番のナデシコ乗艦直前の地球・・・・・・・・・ではなく、なんと火星だった。
破壊されるコロニー、迫り来る無人兵器、敗走する宇宙軍。
果ての無い攻撃の前に、阿鼻叫喚の地獄が広がっていく。
そんな絶望的な状況の中、アキトは一人の少女と出会う。
そう、それはアキトにとって決して忘れることのできない大事な女性(ひと)。
「アイちゃん・・・・・」
「おにいちゃーん」
だが運命のイタズラが、二人を無残にも引き離そうとする。
破壊されるシェルター、侵入する無人兵器。
そして、死神の鎌首がアイに振り下ろされようとしたその時・・・・・・・
アキトの中に秘められた、古代火星超人類の血が目覚める!!
ユートピアコロニーを、火星の未来を、アキトは守り抜くことができるのか。
次回 機動戦艦ナデシコ アキトの野望
第一話 アキト覚醒
(作者注:本編の内容は、何の予告もなく変更になることがあります・・・・・・・・・っていうか信じないでね(笑))
クリさんからの投稿で〜す!!
・・・外道っすね(クスクス)
この手のSSはBenは書けませんからね。
思いっきり笑わして貰いました!!
でも、ギリギリの話だったなな(苦笑)
これ以上の詳しい描写だと、間違いなくプロバイダーに目を付けられちゃいますよ。
ただでさえ、アクセス数の負荷で文句を言われてますからね(汗)
でも、面白いんだもんな〜
続編、あるんでしょうかね?
では、クリさん投稿、本当に有難うございました!!
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