ルリ・ヒカル・リョーコ ルート

 

 

 

木星をヒロインと目の前に広がる木星を見つめていた。

心臓が“ドクン……”と一回大きく鼓動して、脳裏にまたあの声が響く……。

  『捨て……ないで……忘……な……で……お願い、早……く私……迎え……来て……』

今日は、いつもよりも強くはっきりと聞こえる。

カイト「!」

その瞬間、僕の頭の中で“キン……”と何かが弾けた。

カイト「うああっ……!」

いつもより激しく、リアルな感覚が僕の身体を貫く。

その強烈な感覚に耐えきれず、僕の身体は床に倒れこみ激しくケイレンした。

かすむ意識の中で、ヒロインの呼びかける声が遠ざかっていく……。

三日後、カイトは目を覚ました。

目の前に、ヒロインの顔が・・・・・・・・・

 

 

 

カイトは、自分の記憶と謎の声の秘密が木星プラントにあると考え、単独での先行偵察を申し出る。

これにヒロインが同行する。

そのプラントはすでに破棄されており、誰もいるはずがなかった。

進む中、ヒロインに告白される。

木星プラント内を進んでいく二人、カイトはデジャヴに襲われる。

横に、無人兵器が生産されるのを見ながら、ロックされた扉を解除しながら・・

そして、最深部、巨大な樹を思わせる機械の下に人が入れるほどの二つのカプセル。

ついに、カイトは記憶を取り戻す。

自分が何者であるか語ろうとするカイト。そこに銃声が響く。

木星女性用パイロットスーツ(ゲキガンのナナコさんのパイロットスーツを暗くしたもの)を着たイツキ=カザマが銃を突きつけていた。

彼女は、カイトと自分、このプラントのことを語った。

 

試作ナンバー0070、呼称「ミカズチ=カザマ」

イツキも同じくこのプラントで生み出された人工生命体。

人工生命体の繁殖試験があるかどうか確かめるため試作ナンバー0069個称「イツキ=カザマ」とは

恋人同士だと刷り込まれて生み出された。先に成体として完成したイツキ=カザマは実用試験をかねて連合軍にスパイとして潜入。

任務を遂行し本国に戻ったあかつきには、ミカヅチとの幸せな生活が待っているはずだった。

だが、ボソンジャンプの事故に見せかけて、本国に戻ったのは休戦間近。

人工生命体の研究施設は人類のタブーに触れる悪魔の行為として、地球軍に知られたくないために証拠隠滅として閉鎖。

イツキは捨てていかれた。

彼女に残された希望は、自分と恋人として潜在的に感情プログラミングされたはずの、もう一人の存在、ミカヅチ。

彼女は、必死に呼びつづけた。けれど答えか返ってこなかった。

それが、散々待った挙句・・・

帰ってきたミカヅチのとなりには別の女がいた。

 

イツキ「許さない・・・私を捨てた木連も・・・地球軍・・・そして、私のミカヅチの心を奪ったあなたを!」

カイト 「よせ!!」

プラント内に乾いた銃声が響く……。

ガクッと崩れ、床に膝をつくイツキ……その足下に広がっていく鮮血……。

ルリをかばう様に立つカイト。

その手には、銃が握り締められている……。

震えるカイトの手から銃がこぼれ落ち、床に転がる……。

カイト 「イツキ!」

駆け寄って、倒れ込むイツキを抱きとめた。

「……ミカズチ……ずっと、待って……たん……だよ……」

悲しげな……だが、ホッとしたような表情で、イツキは僕の腕の中で静かに息を引き取る。

そして、まだ体温の残るイツキの亡骸を抱き上げ、やさしくカプセルに横たえてあげた。

そして息を引き取る・・・

 

カイトは、自分はもうナデシコに帰れないとヒロインに別れを言う。

ヒロインは「キスをして」っと最後のお願いをする・・・・

 

彼女は一人涙しながら、ナデシコに帰る・・・・・・

 

冷たくなったイツキの頬を優しく撫でた後、並んでカプセルに横たわる。

やがてプラント内の電源が次々に落ちていき、辺りは静かな闇に包まれる。

 

 

 

 

 

 

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参考資料:

セガサターン専用ソフト機動戦艦ナデシコThe blank of 3years FIVE LOVE(SEGA ENTERPRISES,LTD,1998)

機動戦艦ナデシコThe blank of 3years FIVE LOVE オフィシャルガイドブック(角川書店)

Actionのホームページ投稿作品「双頭の獣」(赤目の四十八滝氏)

 


 

あとがき

・・・・見てわかると思いますがラビオ以外のヒロインではエンディングはほとんど同じなんです。

せいぜい、細かい台詞等が違う程度で、大筋は同じなのです。

 

資料を提供していただいた。FMさん、別人28号さんに感謝いたします。

 

 

 

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