ラビオルート
次第に謎の声がはっきりしていく
木星をラビオと眺めるカイト、脳裏に突然謎の声が響き始める。
苦痛の中、木星をバックにイツキが「わたしを忘れないで・・・」と言っている映像を見る。
ラビオにこれを話すと、木星のプラントにいこうと誘われる。記憶が戻るかもしれないと・・・
ルリを丸め込んで先行偵察に・・・なぜか、主人公の0Gがないためラビオ機に相乗りで。
そのプラントはすでに破棄されており、誰もいるはずがなかった。
木星プラント内を進んでいく二人、カイトはデジャヴに襲われる。
ラビオは、慣れたように、奥に進んでいく、簡単にロックされた扉を開けながら・・・
そして、最深部、巨大な樹を思わせる機械の下に人が入れるほどの二つのカプセル。
ついに、カイトはすべて思い出した。
そして、ラビオが何者であるか悟った。ラビオ=パトレッタはイツキ=カザマ、その人だった。
ラビオの独白
人工生命体の繁殖試験があるかどうか確かめるため試作ナンバー0069呼称「イツキ=カザマ」と
試作ナンバー0070「ミカヅチ=カザマ」は恋人同士だ刷り込まれて生み出された。
先に成体として完成したイツキ=カザマは実用試験をかねて連合軍にスパイとして送り込まれた。
任務を遂行し本国に戻ったあかつきには、ミカヅチ=カザマと幸せな生活が待っているはずだった。
だが、ボソンジャンプの事故に見せかけて、本国に戻ったのは休戦間近。
人工生命体の研究施設は、人類のタブーに触れる悪魔の行為として、国内からも非難を受け、証拠隠滅として閉鎖。
そして、唯一心の支えだったミカヅチもどこかに消えてしまっていた。
すべてを失い、その存在すら否定されたイツキは、顔と名前を変えて再び連合軍に戻った。
いつの日か、ミカヅチに会えることを信じて・・・
目に涙を一杯に溜めて振り返るラビオ。
ラビオ 「ずっと……ずっと一人ぼっちで待っていたんだよ! 記憶を無くしたあなたと出会った後も……あなたなら、絶対に私の事を思い出してくれるって……ずっと信じて待っていたんだから……」
震えるラビオの肩をやさしく抱き締めてやるカイト。
カイト「ごめん……ごめんよ……」
カイトの腕の中で泣きじゃくるラビオ。
カイト「ヒック……ヒック……」
カイト「これからは……これからはずっと一緒にいるから……」
ラビオ「ミカズチ……」
お互いに顔を近付け、やがてゆっくりと唇を重ねる二人……。
リョーコ「ちょっと遅くねえか……あいつら……」
ミナト「定時連絡もないし……」
ルリ「さっきからコールしてるんですが、応答ありません」
リョーコ「何かあったのか……よし! オレ達も行くぜ!」
ルリ「了解!」
リョーコ「待って! あれは……!?」
モニターが、木星表面をズームアップする。
木星表面から吹き上がる炎柱!
「!?」
木星コロニーから次々と吹き上がる爆煙!
・・・・・・・・・・・
艦内に設けられた斎場。
沈痛な面持ちの喪服を着たナデシコクルー達。
斎壇には、カイトとラビオの遺影が飾られている。
リョーコ「やっぱり、オレも一緒に行くべきだったんだ……」
ヒカル「リョーコ、そんなこと今さら言ってもしょうがないよ……」
リョーコ「だってよう……だってあいつらよう……ククッ……」
ヒカル「あの二人……とってもいい雰囲気だったのに……可哀相……」
ルリ「全て私の責任です……私が……」
ミナト「艦長だけの責任じゃないわ……」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・
今回の木星トカゲ襲撃事件は、強く惹かれあった二人の脳波がシステムに反応し、
プラントの無人兵器が寂しがって起こった事件だったと推測。(byラビオ)
二人は、このプラントの秘密が公になると、再びすべてを失ってしまう・・・と考え、プラントの爆破を決行!
自分たちは死んだことにした。
ナデシコBでは、かなりの動揺が・・・・ルリは自分の責任だと
エステバリスの中で二人は、これからどうするか話し合う。
ラビオ「ところで、また名前を変えなきゃいけませんねぇ〜〜。今度はなんて名前にしようかなぁ?」
カイト「アキトとユリカってのはどう?」
ラビオ「え、どうしてです?」
カイト「気に入らない?」
ラビオ「ううん、あなたがそれでいいんならかまわないよ。でも、あたし達、火星に行って、何をすればいいのかなぁー」
カイト「それならもう決めてあるんだ」
「火星一のコックになるんだ」
参考資料:
セガサターン専用ソフト機動戦艦ナデシコThe blank of 3years FIVE LOVE(SEGA ENTERPRISES,LTD,1998)
機動戦艦ナデシコThe blank of 3years FIVE LOVE オフィシャルガイドブック(角川書店)
Actionのホームページ投稿作品「双頭の獣」(赤目の四十八滝氏)
協力:赤目の四十八滝氏
あとがき
ラビオルートです。シナリオ3の真エンディングといえるシナリオです。
カイトは短いナデシコの生活の中でアキト・ユリカの二人が理想のカップルだと認識したのでしょう。
最後に
誤字チェックを行って頂いた方々
光瀬さん、FMさん、紫電さん、ポンですさん、
資料を提供いただいた方々
別人28号さん、FMさん、赤目の四十八滝さん
本当にありがとうございました。m(_ _)m
感想・意見をお待ちしております。E-MAILは、こちらにお願いします。