< それいけ!テンカワアキト >

 

 

 

 

 

 

 あの、忌々しい戦争が和平という奇跡の幕を閉じ。

 激戦を戦い抜いたナデシコの面々も、今は平和な世界へと溶け込もうとしていた。



 しかし、その平和を享受できぬ不幸な男が一人・・・



 これは、その男の愛と(自分自身の)平和への戦いの話である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「オモイカネ、まだアキトさんの消息は分からないのですか?」



『駄目だよ、ルリ。

 ネルガル本社からの足取りが全く分からないよ』



「ラピス、そちらはどうですか?」



「こっちも駄目、ダッシュも何も分からないって・・・」



「くっ、今回ばかりはアカツキさん達を甘く見ていましたね」



『ルリ、一つだけ変な所が見つかったんだけど・・・。

 アカツキが航空チケットを取っていたみたいなんだ。

 アキトが居なくなる・・』



「「「「「「「「「「「「「「「アキト!!!」」」」」」」」」」」」」」」



『ヒッ! アキトが居なくなる前日にアメリカ行きのチケットが予約されているんだ』



「・・・アカツキさんは私達を足止めするのに出てきたからチケットを予約する必要はありません。

 となるとハーリー君があちらに付いているので偽造パスポートでそこに言った可能性が高いと思います!


 皆さんでそちらに行きましょう!!」



「「「「「「「「「「「「「「異議なし!!」」」」」」」」」」」」」」



『(う〜ん、シュンさんの立てた作戦って凄く成功率高いんだよな〜。

 〔恋は盲目って言うから多少の事じゃばれたりしないからな〕

 て言っていたし・・・)

 そういえばダッシュ、アカツキ達って今どうしてる?』



『うん、調べてみるね・・・。


 ウワアアアァァァァァァァァ!!!』



「どうしたの、ダッシュ!?」



 さて、本当にダッシュはどうしたのでしょうか?

 気になる方は最後のオマケを見てください。
















  第四話  戦神、苦悩の日々 後編















「・・・洋子ちゃん、これはちょっと酷いんじゃないか?」



「ちょ、ちょっと手が滑っただけよ!」



 手が滑っただけでここまで缶を飛ばせるか、普通?



「それよりどうやってここに来たのよ?」



「いや、体育用具室の近くを歩いてたら中から物音が聞こえて・・・。

 入って気がついたらここに」



「う〜ん、クロノスシステムをもう少し調整したほうがいいかな?」



 後ろの男がそう呟いている。

 それより誰かここが何処なのかも言ってくれないし。



「それよりさ、ここが何処なのか
説(モガッ)」



「アキト、それだけは言っちゃ駄目!」

「せつ・・・めい?」

「そうだったね。

 それじゃあ僕が
分かりやすく説明してあげるよ」



 奥に居る男がそう言ってきた。

 どうやら俺は
眠れる獅子を起こしてしまったらしい・・・。

 

 

 

 

 

「・・・と、言うわけだ。

 分かったかい、アキト君?」



「・・・・・た、多分」



 ま、まさかこんな所にイネスさんと
同類の人が居るなんて・・・。

 一つの世界に必ず一人は居るのか?



「ま、まあ簡単に言うと二つの陣営が資源や領地を争って戦争をしているって事ですよね」



「少し違うけど・・・大体そんなところだ。

 所で話は変わるけど君、戦艦に乗ってみる気は無い?」



「ローソンさん、この船に戦艦って四隻しかないんじゃ?」



「ああ、そういえばまだ言ってなかったかな?

 洋子君達の先頭データを元に、新しい戦艦を建造していたんだ。

 TA−3シリーズで『どんな戦場でも完全に対応できるように』という事を開発コンセプトにしてきたんだ。

 今はそれを取りに向かっている最中なんだ」



「それじゃあ何で私達にそれを使わせないのよ!」
(キラァン)



「それはTA−2シリーズの武装を全てを積んでいるからなんだ」



「それとこれとは話が違うんじゃないの?」



「一つは皆が使っている戦艦と癖が全く違うから。

 もう一つは武装を多く積んだため出力が大きすぎるから、って言うところですか?」



「「「「えっ?」」」」



「お、アキト君。

 話が分かるじゃないか。

 簡単に言うとTA−2シリーズの武装を全て積み込んだ為出力が2倍

 結果的にGも2倍近くあるんだ」



「なるほど、それじゃあ私達にはちょっと無理そうね・・・」



ピッ!



『ちょっと、ローソン!

 私はそんな事聞いた事も無いわよ!!』



「リ、リオン提督!

 その事は後でちゃんと弁明しますから・・・」



『そう、じゃあ後でこの
使途不明金の使い道も教えてもらおうかしら?』



ピッ!



 ローソンさん、あんたはイネスさんとウリバタケさんを足して2で割ったような人だよ。



「そ、それでアキト君、君は戦艦に乗るのかい、それとも乗らないのかい?」



「・・・別に構いませんよ、暇ですから」



 ふふ、ふふふふふ・・・ついでにやるせない気分を晴らしてやる!(人はそれを八つ当たりと言う)



「よし、それじゃ早速練習と行こう」



「・・・へ?」



「それじゃあ予備の練習艦を準備しておいたからそれをつかってもらう」



 もしかして俺が最初から了解するのを分かっていたのか?

 ああ、今日ぐらいは早く帰って休みたいのに・・・。













『アキト君、乗り心地はどうだい?』



「別に変わったものじゃありませんけど・・・」



『ははは、それじゃあ練習を始めるよ』



「了解」



 それにしても戦艦にしてはかなり大きいな・・・。

 TA−2シリーズを見せてもらったけどナデシコの5倍近くあったかな?



「それじゃ・・・出ます!」




ドウウゥゥゥゥゥゥン!!



 ・・・なるほど、この出力でかなりGを緩和しているが少しはあるな。

 これでも少ない方だって言うからには俺の乗る戦艦は結構ありそうだな。

 運動性は・・・普通の戦艦じゃこんなに早く動けんぞ。



『アキト、結構旨いんじゃないの?

 やっぱ私にゲームで勝っただけあるわ。

 まどかを予備にしてアキトをレギュラーにした方がいいんじゃない?』



『ちょっと洋子、それってどうゆう意味よ!?』
(キラァン)



『あら、言った通りだけど?

 オ・デ・コさん!』



『げ、ゲームで負けた猫娘の方が予備になった方が良いんじゃなくて!?』
(キラァン)



『なによ、そんな事は私に勝ってから言ってもらおうじゃないの!』



『そ、それじゃあアキト君。

 そろそろ無人戦艦を出すから戦闘を開始してくれ。

 武装はどちらもレーザートラム、インパルス砲、次元転換魚雷の基本装備だけだ。

 今日はそれで終わりにしておくよ』



「了解・・・」



 はあ、適当に終わらせて帰るとするか・・・。




ビシュゥゥン   ビシュゥゥン



 おっと、考え事は後にしたほうがいいようだな。

 まずは次元転換魚雷で試させてもらうか。




  ドドドドドン

   ドオオォォォン




 ・・・全弾命中?

 性能は木連のAIより結構低いみたいだな。

 それにディストーションフィールドも無いみたいだな。

 技術的にはナデシコの方が高いか・・・?




パシュゥゥゥゥン



「ちっ、戦艦だけに装甲がかなり厚いな」



 この武装じゃまともにダメージが当てられないか。

 なら・・・正面から行くまでだ!




ビシュゥゥン    ビシュゥゥン



 インパルス砲の初速もそれほど速くはないし、むしろダリアと戦った俺には遅く感じる。

 だが、戦艦が俺の反応について来れずに装甲をかすり、交差する一瞬にインパルス砲で機関部を狙い撃ちする。

 そして次の瞬間に無人戦艦が撃沈していく。



「ふう、こんなもんかな・・・。

 ローソンさん、戻っても良いですか?」



 通信を繋げると、皆が驚いた顔をしてこちらを見ていた。



『・・・ああOK、もう戻ってもいいよ。

 それにしてもすごいな、君は。

 初めて乗った戦艦を手足の様に操るからね』



『本当にすごいですね・・・。

 私なんてシミュレーターでも苦労したんですが』



『まどかなんて初めの内はぶつけてばかりだったのに・・・』



『う、うるさいわね!

 そんな昔の事を言うんじゃないわよ!!』
(キラァン)



『まあまあ、洋子ちゃんもまどかちゃんもおさえておさえて・・・』



 このままじゃ何時までたっても終わりそうに無いな・・・。

 しょうがないから早く帰ろうと思い戦艦をループ(宙返り)させた時・・・。

 

バキイィ!

 

 ・・・何かこれでもかと言うような破壊音が聞こえてきた。

 その時に俺の顔が青くなっていたのは言うまでも無い。




「うわああぁぁぁぁ・・・!」



『あ、メインシャフトが損傷していたのに無理に旋回をしたから折れたんだな。

 でも簡単に折れるはずが無いんだけどな・・・?』



『多分まどかがぶつけすぎて傷でも入ってたんじゃないの?』



『まあそれは否定できへんな』



『う、うるさいわね、そんなの事故よ、事故!』
(キラァン)



『それよりアキトさん、このままにして良いんですか?』



『『『『『・・・あ、忘れていた!』』』』』



 別にこんな事ぐらいなら大丈夫なんだけどさ。

 綾乃ちゃん、君が天使の様に見えるよ。

 いや、本当に・・・。

 それにしてもアカツキに薬を貰ってからだよな、俺がこんな目に遭っているのは。

 アカツキ、お前には色々感謝しないとな。

 こんな一生に何度も味わえない様な事を更に増やしてくれてさ。

 

 

 

 

 

 

「や、やっと帰ってこれた・・・」



 今日は色々な事が会ったよな・・・。

 そういえばミスリルって言う組織を調べてもらわないとな・・・。

 ディアとブロス、起きてるかな?



ピ・ピ・パ・ポ・・・



『はいは〜い、ディアちゃんですよ〜!』



『同じくブロス君で〜す!』



「やあ、二人とも元気そうだな。

 ちょっと調べてほしい事があるんだがいいかな?」



『うん、いいよ。

 でもアキト兄が調べ物なんて珍しいね』



「ああ、ちょっと厄介な事かもしれないからな。

 『ミスリル』って言う組織を出来るだけ調べておいてくれ。

 勿論、ばれないように頼むぞ」



『りょ〜かい♪』



「それともう一つ、『AS』ってロボット知ってるか?」



『ああ、それなら前にウリバタケさんに聞いたことがあるよ。

 コスト自体はエステと大差は無いんだけど汎用性の差で負けて生産自体とまってるみたいだよ。

 でも活動時間は結構長いし、戦闘能力も引けを取らないって言ってたし・・・』



『でも私達に比べればそんなのただのおもちゃでしかないよ』



 そりゃそうだろう、何世代も後の技術を使っているんだから・・・。



「ま、一応それも調べておいてくれ・・・。

 所で彼女達は今どうしてるんだ?」



『・・・大丈夫だよ、明日になれば何をしてたか分かるから』



『そうそう、多分新聞の一面にも大きく載ると思うからさ』



「そ、そうか・・・?

 それじゃあ出来るだけ早めに頼むぞ」



『あ、そうそう!

 アカツキさんからこの前伝言を頼まれていたっけ?』



『ああ、あれ?

 確か木連の過激派がアキト兄の近くで不審な動きを見せているから早めに手を討っておいてくれって』



「なんだ、アカツキの奴はサボっているのか?」



『・・・アキト兄、そんな事言わないほうがいいと思うよ。

 アカツキさんも遊んでいるわけじゃないからね、僕らからみれば』



 何か意味深な事を言うようになったな・・・。

 それにしてもアカツキ、お前はいったい何をやっているんだ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

作者とキャラの懇談会

作:・・・ぐはぁっ!(吐血)

ア:ど、どうしたんだいきなり!?

作:嗚呼、パトラッシュ・・・。 迎えに来てくれたのかい?

  あはは、そんなにはしゃぐなよ。

ア:ドンっ!(当て身)

作:うう・・・。

  お、アキトじゃないか。 何時の間に来たんだ?

ア:さっきから居たぞ。

  それよりどうしたんだ、いきなり吐血なんかして?

作:ふふふ、人には色々な苦労があるものさ・・・。(虚ろな目)


サクッ   サクッ  サクッ

作:ぐはぁっ!

紅葉:何時までウチを無視してるんや?

ア:も、紅葉ちゃん。

  いったい何処から手裏剣なんて持ってきたんだ?

紅:それよりいったいどうしたんや、こいつは?

ア:さあ? 来る前からこうなって居たみたいだけど・・・。

作:しょうがないだろ、全身筋肉痛なんだから。

ア:おわぁ! 何時の間に生き返ったんだ!?

作:そんな事気にするな(笑)。

  まあ人間、30キロ近く歩かされればこうなるさ・・・。

紅:に、30キロ!?

  何でそない歩いたんや?

作:ま、いろいろね・・・。

  それにドリキャスが再販(9/6頃)するしエースコンバット04(9/13発売)も出るしスパロボAも出るし(9/21だっけ?)・・・。

ア:それは別に良いんじゃないか?

作:ああ、それは良いんだよ・・・。

  でもね、スパロボAが出た後の休み明けがテストなんて反則じゃない!?

  もう、餌を目の前に置かれてお預けを食らっている猛獣と同じだよ!?

  こんな調子じゃいつか胃に穴が開いちゃうかもな・・・。

  あ、ちょっと二人とも!

  一人にしないでよ!

 

 

おまけ