女神異聞録 ペルソナ
Be YOUR TRUE MIND in NADESICO
過去の罪、未来への贖罪






第一話   少年




Aパート









学校がある。


その学校の名は「聖エルミン学園」。


御影町という町に存在する学園である。


ちなみに高校である。


そこには自由闊達な高校生活が送れるという評判がある。


まあ校則というものは存在するがそれほど煩わしいものではない。


特に制服などでは、かなり自由な着こなしが許されている。


だからと言ってなにか問題を起こした生徒には容赦ない罰がくだされる。


また自由の代わりにレベルの高い勉学も要求される。


自由闊達なだけに自分の行動、結果には責任を持てという事であろう。


それ以外は、成績優秀者に対する優遇と成績が芳しくない者に対する区別も存在する。


そのような学校である。








10月の空が美しい学校の屋上にだれかがいた。


それは一人の少年であった。


少年は鉄の柵に寄りかかって座っていた。


黒目で、黒髪のボサボサ頭。


顔は人の見方によって美形とも可愛いともとれる顔。


しかしどこかやる気のなさが感じられる。


少年は目を閉じている。


どうやら昼寝をしているようだ。


しかし、太陽に目を向けているとまだ昼と呼べる時間ではない。


午前と呼ばれる時間帯であろう。


結論から言えば彼は授業をサボってる、という事である。






キ〜ン コ〜ン カ〜ン コ〜ン   キ〜ン コ〜ン カ〜ン コ〜ン



とチャイムが鳴った。


どうやら授業が終わったようだ。


すると少年は目を覚まし、校舎の中へ入っていく。


そしてしばらく歩いていくと、自分の教室へ入っていった。


その教室は2−4。


そして少年が入ったとたん、


「「アキト様(さん)」」


という声が聞こえてきた。


それに対して一応笑顔で返すアキトと呼ばれた少年。


因み声をかけたのは長い黒髪の美女と言ってよい美少女と、おさげとそばかすの美少女であった。


その笑顔に赤くなる二人の少女。


否、二人の少女だけでは無かった。


クラスの大半の少女が顔を赤くしていた。










そして少年は席についた。


少年の名は、天川アキト。


今年の夏休みに転校してきた少年。


成績優秀でスポーツ抜群、そして腕っ節も強い。


そして100人の女性が見ればまず合格点が出る容姿。


これらから、学園中の一人者の女を殆どを虜にしてしまった。


それ故に同性の怒りも買うかというと、そうでもなかった。


彼はそのように目立つ存在ではあったが嫌味な存在にはならなかった。


そう生まれながらのカリスマ性がそうさせたのかもしれない。


まあアキトがカリスマ性を利用して女性を口説くそぶりを見せなかったからでもあるが。


また当然かもしれないが他の男の彼女を奪ったりはしなかった。


無論それだけではない。


これだけ凄ければ、他校にも知られる存在になるのも時間の問題であった。


他校にすらファン倶楽部が出来てしまうほどであった。


そうなると、生意気な奴として睨まれるようになる。


そう、エルミンにはそんなに不良はいないが、他校の不良から睨まれてしまった。


そして不良達はアキトを[懲らしめる]ことにした。


不良たちはさらにアキトを辱める為と自分たちの下卑な楽しみのために少女を二人人質にとった。


そしてアキトを呼び寄せた。











そして惨劇が起きてしまった。


結果は目も覆うようなものであった。


アキトをリンチするため集まった不良達は自分たちがやって来た事を体験する破目になった。


そう[被害者]の立場となって。


その惨劇は人質になっていた少女二人が必死になって止めた程であった。


結局アキトは、正当防衛の立場にあり少女を救う立場にもあったがやり過ぎたという事で一週間の停学をくらった。


そしてアキトをリンチしようとした男たちは、アキトの停学期間4倍ものあいだ病院でお世話になる事なった。


恐怖に怯えながら・・・・・。









このような事もあってアキトは怒らせたら怖い奴となって余計なちょっかいを出す奴はいなくなった。


そして女性陣には更にワイルドな魅力が加わったとしてさらにアキトのファンが増えた。


しかしどこか危ない奴として遠巻きに見ているだけでもあったが・・・・・。





だがさっきのアキトに声かけた二人の少女はそんな空気をものともせずにアキトへのアプローチを続けた。


この事は当時すでにできあがったアキトファン倶楽部の規約に反したとして彼女ら二人は倶楽部より除名された。


しかし、別に彼女達はそれも構わなかった。


と言うか別に彼女達はそれに入っていたつもりはなかった。


彼女達は[ファン]なんかで終わるつもりはなかった。


アキトともっと深い関係になりたかったのだから。


そうアキトをリンチする為に人質に取った他ならぬ彼女達である。
 

そこで彼女達はアキトの心に触れてしまった・・・・・・・。









「もうアキト様ったら、何処に行ってらしたの?。
 
 キノコ教頭はカンカンでしたわよ。」



そう苦笑しながら言ったのは、二人組の内長い黒髪をもった美少女、いや美女とよべる方である。


彼女は腰までさらりと伸びた黒髪とたれ気味の鋭い目を持っていた。


まさに美しき大和撫子と呼んでいい美女である。


和服を着れば非常に良く似合いそうだ。


無論洋服だって着ればよく似合うであろう。


服装は普通に首に付けてるスカーフ以外規定のグレーの制服を普通に着ているに過ぎない。


それでいてそれが美しさをかもしだしている。


さらに出るとこは出てて、引っ込む所はひっこんでいる。


正にスタイルは抜群。


そして非常に大人の感じがする美女である。


ただオバンくさいだけかも、あべし!!!




「うるさいですわね!!!!」




怖い(汗)


え〜と紹介を続けます(大汗)







そのような彼女の名は、桐島カグヤ


聖エルミン学園有数の美女である。


父は日本有数の財閥、桐島コンチェルンの総帥。


つまり生粋のお嬢様である。


また、また成績優秀、スポーツ抜群。


更に外ヅラがよく(ゲフ!)、失礼・・・人あたりが良く人望もあった。


そして女子フェンシングの高校生チャンピオンでもある。


更に言うまでもなく容姿端麗。


まさに完璧と言うモノそのままの存在である。






実はアキトとは幼なじみであった。


アキトとカグヤは幼稚園と小学生低学年まで一緒であった。


そのときアキトとカグヤは夫婦の契りを結んだという。(カグヤの主観である)






そして小学校一年の時、親の仕事の都合でイギリスへ引っ越すことになった。


その時カグヤはアキトと離れ離れになるのを拒み、アキトと愛の逃避行を行った(汗)


(実際のところアキトはカグヤに拉致され、無理やりつき合わされたのだが・・・・・)






そして東京から長距離トラック等に乗りこみ長距離移動を続け、捕まったのが鹿児島県の桜島であった。(大汗)


何故、桜島で捕まったかと言うと桜島は幕末に坂本竜馬とその妻おりょうによって日本で初めて新婚旅行が行われた場所だからである。


カグヤはその事を坂本竜馬が大好きであった、父文也から教わっていた。


つまりカグヤにとってこれは愛の逃避行であると同時に記念すべき新婚旅行であったのである。


無論カグヤは既にアキトと夫婦の契りを結んだのだからなんら問題ない(あくまでカグヤの主観)。


そして結局アキトはカグヤと離れ離れになってしまったのである。







そんなこんなでアキトとの十年ぶりの再会であった。


そして運命の再会(あくまで、あくまでカグヤ主観)を果たしたカグヤは今まで溜めていたモノが爆発したようにアキトに迫っていった。


しかしそれは完璧であることを周りから期待され、それに応えてきたカグヤは疲れていた。


だがアキトに迫ってるときはそれを忘れさせてくれた。


そうそれはアキトにアプローチするという行為によって普段の重圧からカグヤは開放されたのであった。


しかしそれは結局自分本位な〔恋〕でしかなかった。


しかもそれは他人を顧みない自分勝手すぎるモノでもあった。


だが彼女のそれは自分本位の〔恋〕から他人本位の〔愛〕に変わりはじめていた。


そう〔あの時〕から・・・・・・。








「まあ、あのキノコの授業なんて面白くないのは良く解りますけど。」


そう微笑みながら言ったのは美少女二組のもう片方である。


カグヤを美女系と言えば彼女は可愛い系と呼べるだろう。


三つ編みの髪とそばかすがチャームポイント。


目はパッチリ系。


スタイルはと言うと出るべき所が出てないような、グワァ!!!



「余計な事を言うんじゃないわよ(ニッコリ)。」



・・・・・・・・・・・(大汗)


え〜と・・・・・服装は制服の上にチョーカーを着ている。








彼女の名は綾瀬メグミ。







彼女は策士でもあった。


例えば、ラッシュ時の駅のホームの中でターゲットを定める。


こう言う場合気の弱そうなサラリーマンを選ぶ。


また金を持ってそうな気の弱いお上り学生という事もある。


とにかく気の弱そうな男を狙う。


そしてターゲットを見定めたら仲間の女の子が満員電車の中でその男に近づく。


そして男に密着する。


その時胸を押し付けたり尻を摺り寄せたりする。


そしてホームに下りた時そのターゲットの男性を近寄った女が男に迫るのである。


〔あなた触ったでしょう〕と・・・・・。


無論男は身に覚えがないと騒ぐ。


しかし女は警察に行くと脅す。


男は焦る。


そこにメグミが登場する。


女の友人として。


そこでメグミは男を非難しながら男の立場を考えると言う聞きわけのいい態度を取る。


そこで、男が幾らかお金を払うのでかんべんして欲しいという言葉を言わせる。


それでメグミは怒る友人を説得し、それで済ませるのである。


ここまで言えば解るだろうがこれは痴漢冤罪のゆすりである。





ここで重要なのは男に金を出すと言わせることでありそこから男の表情を読み取り財布の中を予想しなければならない。


何故なら金を多く取りすぎてもならない。


多く取り過ぎたら男の更なる恨みをかい安全上よくない。


それ故男がしょうがないと思わせる範囲で最高額をまきあげる事が重要なのである。


それ故、あたりはずれ(まきあげられる金が多いか少ないか)もあるがそれはしょうがないと割りきっている。


また、更に男に組んでいるかばれないように精度の高いゼスチャーの練習をする。


メグミはこれを出来ない人間とは組まなかった。


何故このような事をするかと言うと自分に恨みの矛先が向かないようにである。


そう、自分はたまたま居合わせたただの友人であると男に見せかけるために・・・・。


無論組む女には計画の成功率を高める為と説明している。(それもまた真実であるが)


また当然の事だが同じ人間をターゲットとして狙う事はない。


あしがつく可能性があるからだ。


それ故今まで嵌めた男たちの顔、特徴のなどは全てメグミの頭の中に入っている。


自分の安全の為にも。


さらに安全性を高める為、複数の路線で不規則にそれは行われている。


恐るべし綾瀬メグミ・・・・。


これは彼女の策士ぶりの一部でしかない。





またエルミンではメグミはプレイガールとして有名であった。


彼女は、男をとっかえひっかえしていた。


付き合ってた男が、つまらないと思うと常に男を変えた。


そしてその男がつまらないと思うとまた男を変える。


そんな感じであった。


しかし、だからと言ってメグミは男に体を許した事はなかった。


それはメグミには男遊びは本当に遊びでしかなかった。


そんなものに自分の大切なモノをあげる訳にはいかなかった。


どうやら意外と貞操感はつよいようだ・・・・・・。





そんな感じで最初メグミはアキトには遊びの延長で迫っていた。


しかしアキトは当り障りのない反応はするが靡きはしなかった。


そこにメグミはゲーム感を刺激されさらにアキトに迫っていった。


そして無意識の内にアキトに興味を持ち惹かれてていった。


自分が失ったはずの恋心を蘇らせていった。













そう、最初カグヤは自分勝手な恋心。


最初メグミはゲーム感覚でしか無かった。







しかし、それは変わる。


自分本位から他人本位へ。


〔恋〕から〔愛〕へ。











あの事件から・・・・・・・・。


 






((そう私はあの事件から・・・・・・))



彼女達は思い出す。



((私は触れてしまった))


彼女達は思う。






((彼の心の闇に・・・・・・・・彼の苦しみに・・・・・・・・))










Bパートに続く

 

 

代理人の感想

これは・・・・カグヤ近衛隊からメグミ親衛隊への挑戦状と取ってもいいのだらうか(爆汗)。