ver−A
「ふふふふ・・・・・・(微笑みを浮かべつ)
驚け、アキト。
私は、正統派料理でしのぶに勝ってみせるからな」
そう呟きながら、素子は妖刀ひなでミンチにした牛肉を、ほんの少しの刻み野菜と練り合わせていた。
・・・・・・手が“氣”で光っているのが気になるが。
そして、しのぶが教わっているときに盗み見、盗み聞きした(アキトは気づいていたが)アキトの特製ソースを自分流にアレンジしたものを作る。
アレンジといっても簡単なもので、ソースの中に醤油をほんの少し入れただけのモノだ。
だが、それでも微かな味の変化がある。
それは、確かに微かなものでしかないが、味の印象はガラリと変わるのだ。
「さあ・・・・・・・・・
後は焼いて、完成だ」
そう言いながら・・・・・・彼女は・・・・・・・・・
いきなり岩を殴りつけた。
「紅蓮拳!」
炎を纏った拳が、岩を殴りつける。
岩は灼熱し、
シュウシュウ
と音を立てる。
素子は灼熱する岩に、練りに練ったハンバーグのタネを置いた。
ジュワジュワ
と音を立て、いい匂いと共に焼けていく。
ほんのちょっとして・・・・・・
「完成!
洋風ハンバーグ・素子風!!」
・・・・・・ハンバーグは、岩で焼いたものの、極々普通の物。
それにかかっているソースは、先にも述べたとおりアキトの特製ソースを自分流にアレンジしたもの。
付け合わせの野菜は極々普通のニンジンのグラッセ、マッシュポテト、ホウレン草のバター炒めだ。
和風な素子に洋風の料理。
この意外な取り合わせが、住人達には新鮮だった。
・・・・・・補足:ライスは、五穀米
そして、みんながそのハンバーグを食べ始める。
で、一言。
「うまい!うまいよ!!
オレ嫁さんに貰うなら、料理のうまい子って決めてたんだ!!!」
アキトよ・・・・・・
貰うのか・・・・・・?素子を、嫁に?
「な、な、な、なな何を言っている!アキト!!」
「謙遜することないよ!素子ちゃん!!」
「ば、バカ、そんな事じゃない!
恥ずかしいだろ!」
「恥ずかしがらなくたって良いよ!
思ったことを言っただけなんだから!!」
「・・・・・・・・・!!」
カァーーーっっっっ(赤面)
思わず真っ赤っかになる素子。
それを横目に、
「ゴチソウさん」
二つの意味で、そう言うキツネ。
皿は空で、アキトと素子を見て、にやにや笑っている。
「お前らー、いい加減にしとけよ」
「あううぅぅ〜〜〜、先輩と素子さんがぁ〜〜〜」
「何やってんのよあんたらはぁっー!!」
「アキトと素子、仲ええな〜」
この時、みんなは思っていた。
「もしかして、結婚式は近い?」(爆)
完
ver−B
ver−C
本星への報告書EX−7(ver−A)
ども、とりあえず一つ目です。
ver−Bとver−Cも読んでやって下さい。
とりあえず、ちゃんとした後書きはver−Cで。
本星への報告書EX−7(ver−A) 終