サレナ 〜希望の花〜 第二章 第一話 Cパート |
「はぁ、またプロスさんに怒られちゃった・・・・」
「あのねぇ、あんな格好で出てきたら誰だって怒るよ。」
「でも昔からお父様に式典には振り袖ででろって言われてたんだもん。」
「・・・・・」
ジュンは思い出す。
ユリカの父ミスマルコウイチロウがユリカが幼い頃、
晴れ着見たさにいろいろな式典やお祭りにユリカを引っぱり出していたことを。
後にコウイチロウから聞いた話だが、祭典に引っぱり出していた理由は
幼い頃に母を亡くしふさぎ込んでしまったユリカを元気づけようとお祭りごとなど
おめでたい行事に参加したのだという。
「・・・・ユリカ何か辛いことでもあったのかな?」
何となくそう思えてしまうジュンだった。
「さて、これから軍と共同戦線を張ることになるからね。
共同で指揮するシュン少佐と話をしにいくんだよ?
覚えてる?」
またとんでもないことをしそうで、もう一度確認する。
ユリカに対しては1度や2度の確認では物足りない。
「・・・・晴れ着着てこなくていいの?」
「・・・・・いいの!!」
やっぱりだ、というジュンの顔を不思議そうに見つめるユリカ。
完全にジュンの苦労に気がついていない。
と、不意にユリカの表情が今までの悪く言えばボーとしていた表情から
まじめな表情に変わる。
「・・・・・・!!」
ユリカのレーダーにチューリップ以上の重要度の高い反応が出たのだ。
その重要度の高い反応とは・・・
テンカワ アキトの反応
ユリカにとって最も重要度の高い反応だ。
「アキト〜〜〜〜〜〜」
そこには何かリアカーで大荷物を運ぶアキトの姿があった。
ユリカがアキトに向かう間、ジュンはただ呆然としていた。
「う・・・・、ユリカ」
困ったような表情で固まるアキト。
さすが美人に言い寄られるのは男として悪くはないが
何よりタイミングが悪い。
間違いなく今周囲の関心の的になっている。
「アキト〜〜なにしてるの?」
子供のような表情で頭を傾げているユリカ。
アキトが引いているリアカーに興味津々のようだ。
「野菜が切れていたから調達にいってたんだよ。
それにここのキャベツは美味しいらしいからね。」
「へぇ、アキトはキャベツで何か作るの?」
「・・・・そうだなぁ、キャベツか・・・・」
アキトは空とキャベツを交互に見ながら、今日の献立を考える。
「うんうん。」
アキトが真剣に今日の献立を考える間、
ユリカは、アキトの仕草をにこにこしながら見ていた。
「まぁホウメイさんと相談するよ。」
「じゃぁ、今日のお昼にも早速作る?」
もう目をきらきらさせて、もう待ちきれないといった表情のユリカ。
アキトは料理人としてその顔は決して嫌いじゃない。
「あぁ、そうするつもりだけど・・・・」
「わーい、お昼だお昼だ〜〜。」
そのまま、アキトに抱きつくユリカだったが
一瞬にして表情が凍り付いた。
「アキト・・・知らない女の人の臭いがする・・・」
「は??」
アキトはユリカが何を言っているのか分からない。
全く自覚がなかったから、仕方のないことだが。
「うぅぅぅ、アキトまた浮気したぁ〜〜。
知らない女の人の匂いがするよ?」
「おいおい、そんなみんなが誤解するような言い方はよせよ!!
これはキャベツを売っていた女の子が勝手に抱きついただけなんだよ。」
「うぅぅ、アキト、少しぐらいの浮気なら私許して上げるけど・・・
このところ数多いよ?」
今のユリカに正論を言ったとしても全く、信じるわけがない。
ここは一息ついて、落ち着けてから話せばよかったのだが・・・・
「ちょっとまてぇぇ、だから相手は8歳なんだっ。」
いきなり滅茶苦茶な事を言われたアキトは動揺し、
さらに混乱するような言葉を出したのに気がつかなかった。
「え??? アキトってロリコンだったの!!
うぅ、どうせ私は年増・・・」
よよよっ・・・と芝居がかって、しおらしく倒れたユリカに注目が集まる。
あいつはプレイボーイだったのかなんて声がちらほら聞こえる。
いや、それだけで済めばよい。
公安部隊に連絡しようとしているやつまでいる。(ジュンです)
さすがに、8歳はめちゃくちゃマズイ。
「あ・・・・・、ああ・・・、
あっ、あのなぁぁ・・・・・、
少しは、俺の話を聞けぇぇぇ」
アキトはもはや叫ぶ以外に解決方法を見つけることが出来ない。
無論それでは解決にはほど遠い。
この後、ユリカの誤解が解けるのに時間がかかったのは言うまでもなかった。
後書きなのら〜〜 |
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さてさて、本来なら400万ヒット用に作っていたサレナ2なのですが ・・・・諸事情により1話ずつの公開となります。 (GC版PSOトライアル発売のため) 今回、「時ナデ」で言うところの西欧編となります。 しかし、まだナオがいないとかナデシコ丸ごとやってきてるとか 色々変えてみましたけどいかがでしょうか? 「サレナ」では時間的には「時ナデ」よりも早く西欧に来ていることになります。 (火星脱出後、南の島にいってませんから・・・・) 微妙に違う世界を元に、どんな物語を作ろうか・・・・悩むところです。 ちなみに「サレナ」は、一応「時ナデ」世界観を元にしています。 現在考えているプロットでは、ユリカ物になりそうです。 PS. あ、ムネ茸わすれた・・・・ (ちなみに現在ナデシコにいる軍人は、ユリカとジュンだけです。) |
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ご感想なのら〜〜 |
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代理人の感想 メティちゃんが香水なんぞつけてるわけでもなかろうに………凄い鼻ですね(汗)。 やはりアキトが絡むと彼女の能力は数十倍に増幅されるらしい(爆)。
それはさておき、前作「ブラックサレナ」は綺麗に完結しているので そのままはそのままでもいいんですが、やはり続編が読めるとなると嬉しいですね〜。 御本人も仰っておられますが、違う世界、違うキャラクターでどう話を作っていくか、 腕の見せ所ですね。期待しております。 しかし、やはり懐かれてしまったか(苦笑)。 |